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虹の天象儀



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【この小説が収録されている参考書籍】
虹の天象儀 (祥伝社文庫)

虹の天象儀の評価: 4.20/5点 レビュー 5件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.20pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(5pt)

美しい

瀬名秀明さんの美しい日本語で綴られた美しいお話です。何年経っても何度でも読み返したくなります。ロマンチストの瀬名さんらしい小説だと思います。
虹の天象儀 (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:虹の天象儀 (祥伝社文庫)より
4396328842
No.4:
(4pt)

プラネタリウムからタイムスリップ。「思いは残る・・・」

日本からは見えない星空すら再現するプラネタリウム。
 渋谷の五島プラネタリウムの閉館から物語は始まります。機械が止まった翌日あらわれた謎の少年に、機械を見せてと頼まれた技師の「私」は宇宙船を思わせるこの機械の解説をしているうちに、太平洋戦争直前にタイムスリップ。

当時の有楽町の町並みと、そこにあった毎日天文館のプラネタリウムを訪れた「私」は、そこが空襲で焼けることを知って、女性記者にそれを告げます。また、すこし時代を飛んで大阪電気科学館のプラネタリウムを小説にした織田作之助の病床を訪れます。そして彼の夢見た星空を見せ、彼の作品が映画化されることも・・

「私」はそれぞれの時代の人間の体に一時宿って、星空と悠久の人類の歴史への思いを残してゆきます。

 宿られた人の心に思いは残り、また「私」に出会った人がプラネタリウムからタイムスリップして未来の人の体に思いを残し・・・

 プラネタリウムという、過去も未来もすべての夜空を内蔵している機械に託して、受け継がれる夢を叙情的に描き出した佳品です。400円シリーズの書き下ろしで、枚数が少ないため、やや物語の厚みと書き込みが不足していますが、ついこのあいだまで自分も長くつきあってきた五島プラネタリウムを思い出しながら、しみじみと読みました。プラネタリウムという、怪獣のような形の機械のしくみ、星空が深く主人公たちを包みこんでくるラスト、そして「誰かの中に、思いは残る」・・・
虹の天象儀 (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:虹の天象儀 (祥伝社文庫)より
4396328842
No.3:
(4pt)

ロマンがある

20年前に秋田の大館で見た夜空の美しさが忘れられない。その時肉眼で初めて天の川を見た。それ以来、できるだけプラネタリウムに通いたいと思っている。この小説は、プラネタリウムを通じて、他の人々の心に残ってゆく「人の思い」というものを鮮やかに示して見せた小説である。本編が、160ページ足らずで、手軽に読める小品ながら、静かに胸に迫るものがある。ストーリー展開は地味だが、それがいい。この小説もタイムスリップを扱っているが、タイムスリップものを支えているのはロマンスよりもロマンだなあと、痛感した。また、読んでいると、今から30年程前にNHKでやっていた少年少女ドラマシリーズを観ているようで、自分自身も30年前にタイムスリップしたよな錯覚に襲われた。その意味でも二重に楽しめた。
 考えてみると、8年前に書かれたこの小説は、当時の空気を閉じ込めたタイムカプセルのようなものだ。小説というものが時代を超えて、読み継がれていくというのも、なんだかロマンがある。いろんなことを考えさせられ、面白かったのだが、もうちょっと深みがあっても良いのかなと考え、星は4つにした。
虹の天象儀 (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:虹の天象儀 (祥伝社文庫)より
4396328842
No.2:
(4pt)

人の想いをのせて、星空は輝く・・・

広大な宇宙をギアとモーターの回転だけで表現しようとした
偉大なるツァイスのプラネタリウム。
「作り物の星空」だけど、それだけじゃない。
「作り物の星空」に想いをよせた多くの「想い」がそれを証明している。
人の想いは尽きずに、どこまで残っていくのだろう?五島プラネタリウムを知る人、そこに淡く素敵な思い出を持つ人なら
始めの数ページを読むだけで泣いてしまうかもしれない。
(事実、読むたびに泣いてしまうみっともないワタシ^^;)プラネタリウムという機械のしくみをあますところなく説明しながら
叙情的に、そして優しくせつなくまとめている瀬名氏の手腕には脱帽。
読んだ後に、プラネタリウムに行きたくなる。
もしくは夜なら、ふと夜空を見上げてしまいたくなる!本!!です。
虹の天象儀 (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:虹の天象儀 (祥伝社文庫)より
4396328842
No.1:
(4pt)

めずらしい「純正プラネタリウム小説」

プラネタリウムが初めて日本に登場したのは1937年。すでに半世紀を超えており、その歴史はテレビより古い。マルチメディアという言葉すら存在しなかった時代に、全天周の映像をみせられた人々は一様に言葉を失ったという。その衝撃からかプラネタリウムを描いた小説は意外とでているのだが、案外とプラネタリウム自体が主役の小説は少ない。あの奇怪なメカメカしい姿や、独特の解説を小説に昇華するのが難しかったのだろうか。瀬名は老舗五島プラネタリウムの閉館をもって訪れたチャンスにこの難題に挑戦した。理科系作家と言われる氏だが、むしろ叙情面に重きをもち、プラネタリウム小説の始祖ともいえる織田作之助へのオマージュともなっている。ドームの外で古き良きプラネタリウムを味わえる不思議な作品!である。
虹の天象儀 (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:虹の天象儀 (祥伝社文庫)より
4396328842

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