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(短編集)

江戸川乱歩短編集



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【この小説が収録されている参考書籍】
江戸川乱歩短篇集 (岩波文庫)

江戸川乱歩短編集の評価: 4.37/5点 レビュー 19件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.37pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全16件 1~16 1/1ページ
No.16:
(5pt)

江戸川乱歩は面白い

西村賢太の小説が好きで、良く読んでいるが、良く出てくるのが江戸川乱歩や横溝正史である。
子供のころ、全部読んでいるはずだが、今改めて読み返すとこんなに面白い小説があったのか
と、小説ばっかり読むようになっても困るので、どうにも困ったものだ。
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No.15:
(4pt)

満足

満足しています
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No.14:
(5pt)

江戸川乱歩は短編が面白い

江戸川乱歩の小説は長編だと途中でだれてくるのですが、短編はどれもすっきりまとまっていてかなり熱中して読める印象です。

変態の変態による変態のための変態小説と呼ぶべきでしょうか。
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No.13:
(5pt)

短編集は色々出てますが岩波文庫が一番オススメです

江戸川乱歩って日本ミステリーの先駆者みたいに言われるけど、確かに先駆者であっても本格ミステリとは全く言えないよね……怪奇ミステリ、変態ミステリの先駆者だよね……ていうかもはやバカミスの領域に入りつつある

デビュー作の二銭銅貨こそ普通の暗号ミステリって感じだけど、二作目のD坂から微かではあるがSM要素が現れてきて、後はもう屋根裏から涎を垂らすわ、椅子に入って絶頂するわ、球体の鏡の中に入るわ、死体で人形を作るわ、二次元に恋するわ、ダルマに蟲に……ようこんな変態が少年向けで天下取ったわ
というか二銭銅貨も殺人事件とか起こらないし、普通の探偵小説っぽいD坂もトリックは適当に終わらせて動機を重視してるし、処女作の火縄銃も犯人はいないしで、基本的に本格ミステリの否定……というか逆張りみたいなのばっかだから、やっぱ本格ミステリじゃないよね。そこを期待すると失敗する
あと江戸川乱歩の作品が抱える構造的失敗がある思うんだけど、乱歩といったら変態で、それを表に出すには変態犯人を主人公にするんだけど、でも悪は最後に成敗されるわけだが、如何せん完全犯罪みたいなトリックを出すから、最後に負けるところがハメ技みたいな感じじゃないと書けないんだよね

かといってお勢みたいに成敗されないのもやっぱりモヤモヤするわけで、ある意味怪人二十面相が一番成功したわけがわかる。
そんな構造的失敗を克服してるのが『目羅博士の不思議な犯罪』だと思う。犯罪者が犯罪者のトリックを暴いて犯罪するっていう、勧悪懲悪物語。オチは一番好きだ。
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No.12:
(5pt)

乱歩をもう一度楽しむための短篇集

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乱歩は ほとんど読んだ、という方も短編で「読み落し」があっては大変もったいない話である。

乱歩の最も乱歩らしさが楽しめるのは、やはり初期短編ではなかろうか・・・この推理作家の、モダンなエッセンスが凝縮されているからである。

一通り読まれた方にも、ぜひ再読をお薦め出来る作品が、珠玉のごとく掲載されている本書は、まさに乱歩ファンならずとも推理小説愛好家必携の書である。

初期の名作「二銭銅貨」・「心理試験」、世評の高い「押絵と旅する男」などの掲載は当然として、「お勢登場」、「人間椅子」などは、” セレブリティー溢れる「岩波文庫」” が、よくぞ選んでくれたと思う(笑)。

私見によれば、戦前に当局から”発禁処分”となった大変印象深い作品 「 芋虫 (いもむし) 」、アイデアに富む短編として 「 算盤が恋を語る話 」、「 妻に失恋した男 」、小品であるが 「 指 」 そして、淡々とした 中年男の情事 の叙述が実に味わい深い 連作作品の一編、 「 畸形の天女 」 が選から漏れていることが惜しまれる。

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No.11:
(5pt)

火星の運河

「押絵と旅する男」と「火星の運河」は文学史に二度と現れないだろうレベルの傑作と思う。特に「火星の運河」は、人類が映画と出会った衝撃を、その瞬間を、完璧に捉えた永遠の新鮮さを持った、二度と出ない作品。
これに匹敵するのは風の歌を聞け、くらいかも。
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No.10:
(4pt)

世界観がいいです。作品の最後の、3〜4行程度の著者の言い訳?(笑)的なのが面白いです。

作品の最後の、3〜4行程度の著者の言い訳?(笑)的なのが面白いです。
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No.9:
(4pt)

収録作品と解説が抜群に良い岩波文庫版

「ビブリア古書堂の事件手帖4」は全編江戸川乱歩の膨大なコレクションを中心に展開されている。彼の様々な作品が紹介されているのだが、そのうちで特に気になった「押絵と旅する男」を読みたくて、この短編集を買ってみた。

 結果は吉と出て、「二銭銅貨」「D坂殺人事件」「屋根裏の散歩者」をはじめとする初期の推理小説の傑作や、「白昼夢」「人間椅子」「鏡地獄」などの乱歩らしい怪奇幻想作品も楽しめる玉手箱のような短編集であった。

 日本の推理小説の嚆矢ともいえる「二銭銅貨」や、明智小五郎探偵の登場する「D坂殺人事件」「心理試験」「屋根裏の散歩者」などは、明治以来の日本文学が追求してきた人間心理の分析を犯罪捜査に応用するというコロンブスの卵的アイデアと、ポーやドイルなどの海外の推理小説に関する膨大な知識が結実した傑作群である。(と、あえて私が論評する必要もないであろうけれども)

 明智探偵が登場しない作品としては「二銭銅貨」と並んで「お伊勢登場」が面白かった。浮気性の妻お伊勢がふとした偶然から夫殺害の完全犯罪を成し遂げてしまう物語なのだが、乱歩はこれを連作として明智小五郎と対決させたい思惑があったらしい。それがかなうことがなかったのが残念な気がする。

 解説によると、乱歩は最初に全集を出すときに第一部を「純粋の探偵小説」第二部を「変格的な探偵小説」と分けたそうであるが、後者に該当するのが「白昼夢」「屋根裏の散歩者」「人間椅子」「鏡地獄」だそうである。「屋根裏の散歩者」あたりはまだ探偵小説と言えるかもしれないが、ほかの三作品ははたして探偵小説なのであろうか?
 例えば有名な「人間椅子」。中に入れるように工夫した椅子の中に住み続ける男が、その椅子に長期間座り続けていた女性小説家に送った手紙が内容の殆どであるが、謎解きは第二の手紙に記されているが、これは落語の「オチ」じゃないか、と言いたいような解決である。
 「白昼夢」「鏡地獄」に至っては謎解きも何もない乱歩流の怪奇・幻想物語である、もちろんそれはそれで面白いのだが。
 その他にも、乱歩が健康を害してやむなく探偵小説の代わりに書き上げたと謝辞を述べている「火星の運河」の中世絵画を見るような幻想性、怪奇趣味と探偵小説が見事に融合した「目羅博士の不思議な犯罪」なども印象的であった。

 さて、本命の「押絵と旅する男」、確かに傑作であった。内容を語らずにどうレビューしたものかと悩んでしまったが、何のことはない、解説の千葉俊二氏の的確な文章がこの小説のすべてを物語っていた。他人の褌で申し訳ないが引用させていただく。

『遠眼鏡を逆に覗くことで縮小された小世界に封じられ、永遠の愛そのものの中に生きるこの物語は、たしかに読むものに不思議な懐かしさと同時に戦慄するような恐怖感をよびおこさせる傑作である。浅草趣味、覗きカラクリ、人形愛などの乱歩の趣味がこの一篇に凝縮されてみごとな出来栄えを示している。』

 これに限らず、千葉俊二氏の「乱歩登場」という解説は、久々に見た「これぞ解説だ」という傑出した文章である。この解説が本書の価値をより高めていると言って過言ではない。このあたり、さすが岩波文庫である。
 去年私が苦心惨憺してレビューした森鴎外の「渋江抽斎」、先日レビューした夏目漱石の「それから」なども引用し、明治文学からの流れで江戸川乱歩を的確に捉えたその技量には脱帽であった。

 というわけで、ビブリア古書堂からの流れでこの短編小説群を読んでよかったと思う。そして江戸川乱歩の短編を読むならこの岩波文庫版が収録作品・解説ともに最良である、とお勧めする。
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No.8:
(4pt)

偉大な通俗作家としての

推理モノはもちろん、初期の短篇が収録されているが、この中の傑出した名篇として誉れ高いものといったら、それは非推理モノの「押絵と旅する男」と「人間椅子」である。とくに、「人間椅子」はなかなかに強烈な設定と描写がいやでも頭に残る。どういう話かというと、結婚も望めないほどのブ男の椅子職人が自ら作った椅子の中にもぐりこみ、買い取り先の宿泊施設や家にトロイの木馬よろしく潜入し、誰かが座るたびに性的な恍惚を椅子越しに覚えてしまい、病みつきとなるという話。だいぶ劇画化されつつも、椅子職人の異常で変態な性欲がこちらの哄笑を誘う。谷崎はここまで劇画化しては描かないかもしれないが、やはり谷崎に通じる被虐趣味と変態性欲がある。ただ、最後にあるオチは私には全く巧みとは思えないし、余計ではないかと感じた。もう一つの傑作「押絵」であるが、浅草趣味と怪奇趣味が描かれていて、これは芥川の「歯車」ほどとまではいえないでも、第一級のホラー小説ともなっている。
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No.7:
(5pt)

グロテスクを極めると、清々しくなる。

乱歩に興味を持ち、父親(ちょっと変わった性格)にも勧められたので
入門としてちょうどいいと思い購入。

いきなり乱歩ワールドにドはまりしました!

それぞれの短編に
個性的な変態や残虐者やエロい奴が出て来て
そのレベルがハンパのない上級者ばかり。
人としてのリミッターを完全に振り切った登場人物が大活躍する。

読んでいる途中で
あまりにも凄い変人が変な事をするので
「マジか!」「ヤバい!」「ウアアーーー!」とか
思わず声が出てしまう程の内容です。

そして読み終わった時には
熱ーいサウナを長時間がまんして
ようやく出たときのような
爽快感を感じる。

そして今は完全に乱歩にはまり
朝から晩まで時間さえあれば
乱歩作品を一人でニタニタしながら読んでます。
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No.6:
(5pt)

鏡地獄

彼は何によって殺されてしまったのか。彼は鏡の中の世界を追求するがあまり、死んでしまった。球体の中でいったい何を見たのか。
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No.5:
(4pt)

文庫にもブランド・イメージ?

不思議なことに、岩波文庫で読むと、乱歩初期短篇の毒々しさや切れ味が、まるで消毒でもされたように、薄れて感じられる。新潮文庫の「江戸川乱歩傑作選」には収録されていない「お勢登場」なども入っているのに、本全体がまるで掃除が済んだばかりの清潔な洋式トイレみたいに思える。
文庫のブランドが読む者の心に何らかの影響なり前提なりを与えているということか?同じ岩波文庫の「久生十蘭短篇選」も同様に感じた。
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No.4:
(5pt)

まさか岩波から乱歩!

新潮文庫からで出ている乱歩傑作集と大分重なっているようですが、個人的には、“目羅博士の不思議な犯罪”を収録しているこちらを押したいです。 確か私が始めて読んだ大人向け乱歩で、その幻想的な犯罪の手口、残酷だけどなぜかあとあとまで尾を引く結末など、他の作品同様、若い人たちにも読んで欲しい佳作です。 また他のレビュアーの方も仰っていますが、解説も秀逸ですね。

とかくお堅いイメージの強い岩波文庫から乱歩傑作集が出ているというのは驚きでした。 乱歩初期の短編の数々は大正末期に発表されたはずで、その頃岩波文庫というのはまだ創刊されていませんでした。 発表後およ90年の時を経て、ようやく岩波同時代の作家・乱歩も古典の仲間入りを果たしたー、ということなのでしょう。 考えてみれば、90年も読み継がれるーというのはやはり大変なことです。 偉大な作家だったんだと、改めて痛感させられました。 あと数十年経ったら松本清張も入れられたりしてー。
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No.3:
(5pt)

バランスの良い作品選択 

江戸川乱歩の少年探偵団ものや通俗長編を読んで、「エログロ大衆作家」(探偵小説愛好家の中にさえもこの様な評価をする人もいますが)という一面的な印象を持っておられる読書家に読んで頂きたい作品集です。その意味で、岩波文庫に収められたのは乱歩ファンには嬉しい限りです。

乱歩の短編には、推理サスペンス系と怪奇幻想系の作品群がありますが、この短編集は2つの作品カテゴリーからバランス良く選択された12編を収載しており、乱歩短編の紹介としては悪くないと思います。

ただ、ちょっと代表作を読んでみたいという方には、新潮文庫の『傑作選』の方がお勧めです。そちらは9編しか収録されていませんが、価格も安いですし、「二廃人」「赤い部屋」という初期の佳作や「芋虫」という衝撃作を含み、どちらかと言えば推理サスペンス系の選択が多い構成になっています。

また、本格的に2つのカテゴリーの短編群を読んでみたいという方には、『江戸川乱歩全短編』3巻(ちくま文庫)が適しています。残念ながら、こちらは現在、品切れになっているものもあるようで、全巻揃えるには古書店から買うことになりそうですが。
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No.2:
(5pt)

ヘンタイのセンパイ

収録されているのは「二銭銅貨」、「D坂の殺人事件」、「心理試験」、「白昼夢」、「屋根裏の散歩者」、「人間椅子」、「火星の運河」、「お勢登場」、「鏡地獄」、「木馬は廻る」、「押絵と旅する男」、「目羅博士の不思議な犯罪」の12篇。もちろん乱歩にはほかの選集もありますし、文庫版の全集もあるわけですが、この短篇集はなかなかよい選択ではないでしょうか。乱歩をちゃんと読んだことがないけれど読んでみたいという人が、最初に手に取るのに適しているように思います。
 大正から昭和初期にかけての東京を舞台に展開するサディズム、マゾヒズム、フェティシズムに満ちた暗い物語世界が、じゅうぶんに堪能できます。鏡やレンズ、人形への執着ぶりは、やはり特に印象深いですね。既にレビューされているとおり、解説の文章も充実しています。
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No.1:
(5pt)

「フィギュアと旅する男」ってもう現実だよ。

岩波文庫緑帯で読む乱歩。いかにも似合いそうな予感がして、本書を手に取った。

一度ならず読んできた短編であるが、この岩波文庫という器は実にゼロ年代の
乱歩にぴったり合っている感じだ。大変面白く読んだ。千葉俊二氏による書誌的
にも充実した解説(谷崎の研究者として高名な方だそうだ)も、とてもよい。

大震災後の帝都東京という場所と、バブル以降の長い沈滞期にある日本が非常に
近いところで共振している。「暇をもてあまして、人生に心底から退屈しきった
主人公」たち。「どんな遊びも、どんな職業も、何をやってみても、一向この世
が面白くない」という、八方塞がりの倦怠感。これらはまさに現代=ゼロ年代を
表す記号でもある。

もちろん、描写の一つひとつの古めかしさや、乱歩独特の「ですます」文体の
野暮ったさはある。しかし、そういうヴェールを自分の読みでデジタル処理して
見直すと、現れるのは恐ろしく同時代的な物語である。

「ネット裏の散歩者」「フィギュアと旅する男」「携帯地獄」などと、ベタな
翻案をするだけでもその凄さは伝わってくる。

オールドファンにもこの新しい革袋はオススメ。若い小説読者で、乱歩なんて
「二十面相」と「少年探偵団」でしょ、と思っている人にこそ読んで欲しい。
「人間椅子」の奇妙な味にしびれます。
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