コインロッカー・ベイビーズ

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評判

コインロッカー・ベイビーズの評価:

4.13/5点 レビュー 178件。 B ランク

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全321件 201〜220 11/17ページ
No.121
(5pt)

鮮烈なストーリーはあの「AKIRA」に・・

コインロッカーに捨てられた二人の男の子、キクとハシの物語。
リアルで乾いた近未来の「凋落した日本」を彷彿させる、鮮烈なストーリー。
幼少期を一緒に過ごし、相反する少年期を送り、目覚め、再会し、疾走し…
その後、世界を席巻した、大友克弘氏のあの「AKIRA」に通ずる世界観とストーリー。
コインロッカー・ベイビーズ(上) Amazon書評・レビュー: コインロッカー・ベイビーズ(上)より
4061168649
No.120
(5pt)

個人的に村上龍小説の中ではベスト3に入る小説

この小説が出版されたのが1984年。
そして、現在2007年になって、数ヶ月前、ある病院だったかで「コウノトリのゆりかご」という、別名赤ちゃんポストが設置された。
僕は村上龍の小説を読んでから、考えるようになったのだが、日本は本当にある一部の人々に「都合の良い」言葉を作るのが得意だと思う。

小説に登場するキクとハシは真夏のコインロッカーに遺棄された。
爆発的な暑さで息を吹き返し、泣き叫び、運よく発見された。
キクとハシは、親に捨てられたのだ。
そして、成長するにつれて親に対する憎悪が目覚めていく。

小説ではなく、コインロッカーにもし本当に自分の赤ちゃんを捨てるというのは、良心の呵責があるだろう。いや、無いのかもしれない。でも、あると信じたい。

これが、「赤ちゃんポスト」となると話が変わってくる。
まず、赤ちゃんは人間という生命体であり、郵便物のような紙や物ではない。
しかし、メディアでの報道と赤ちゃんポストを設置した病院の説明などで、赤ちゃんを手放すという行為に罪の意識が和らいでしまう。

もしも、僕の前に笑いながら「数年前に赤ちゃんポストに赤ん坊を預けちゃった」なんていう女性が現れた、申し訳ない、罵声を浴びせてしまうだろう。

僕個人の話になるが、僕は未熟児で3日間以上、小さな箱みたいな医療機器の中に居たそうだ。
それが、原因なのかわからないが、小学校3年生くらいから、何かを壊したいという破壊衝動が起きるようになった。
それを花火で紛らわせたり、お人形さんごっごみたいなことをやり、和らげていた。
中学、高校と反抗期も無かった。

親族の間で「おとなしい子」というレッテルを貼られた。

でも、どうしてだろう、たまに何かを思いっきりぶっ壊したくなく。
破壊衝動を音楽で紛らわせるようになった。
いろんな音楽を聴くようになった。
この小説に乳児院に預けられて荒れていたキクとハシに「人間の心臓の音」を聴かせるという
描写が登場する。
僕もある時、非常に落ち着く音を見つけた。
ボールペンが紙をなぞる音。
一番僕が求めている音に近かったのは、アニメ 新世紀エヴァンゲリオンのエントリープラグ内の音だ。
エントリープラグというのはコックピットのようなところでLCLという液体で満たされている。LCLは液体だが、その中で呼吸が出来るのだ。
たぶん、母親の胎内を連想して作られたんだと思う。
そのエントリープラグ内では、ブーンブーンと低い音がうなっている。
この音を聞くと、僕は非常に落ち着く。

村上龍のこのコインロッカーベイビーズは僕のフラストレーションを緩和させてくれる素晴らしい作品です。
村上龍の小説には、おそらく村上龍自身の哲学というか、何かに対する怒りや疑問がこめられている。
この小説の中で、僕のお気に入りな文節を抜粋したいと思います。

 「立派な映画館で、アメリカに亡命したロシア人バレリーナの恋愛物語を見た。恋を選ぶ
  か、バレエと祖国を選ぶか、白鳥の湖を踊りながら主人公が悩む、バカな奴だとキクは思
  った。自分が最も欲しいものは何かわかっていない奴は、欲しいものを手に入れることが
  絶対にできない、キクはいつもそう考えている。」

 「「空車」ランプを点けて次々と通り過ぎるタクシーの群れ、キクにはわからない。
  どうして止まってくれないのだろうか、手を上げても素通りしてしまう、このキラキラす
  る街のルールは一体何なのだろうか。どうすれば他人とうまく付き合えるのだろうか、金
  でも暴力でもなさそうだ。キクが手を拡げて1台のタクシーを止めガラスを割るぞ、と脅
  しても運転手はニヤニヤ笑って首を振るだけだ。窓から金を見せて三倍払うと怒鳴っても
  ドアを開けてはくれない。キクは体中から力が失くなっていくのがわかった。ゆっくりと
  血を抜かれる気がした。こんな無力感は初めてだった。三十分経った頃やっと1台が止ま
  った。キクはこのキラキラする街のルールを一つ知った。それは待つことだ。騒がず叫ば
  ず暴力を振るわず走らず動き回らず、表情を変えずに、ただ待つのだ。自分のエネルギー
  が空になるまで待つことだ。」

  「キクの中で古い皮膚が剥がれ殻が割れて埋もれていた記憶が少しずつ姿を現した。
   夏の記憶だ。十七年前、コインロッカーの暑さと息苦しさに抗して爆発的に泣き出した
   赤ん坊の自分、その自分を支えていたもの、その時の自分に呼びかけていたものが徐徐
   に姿を現し始めた。どんな声に支えられて蘇生したのか、思い出した。殺せ、破壊せ
   よ、その声はそう言っていた。その声は眼下に広がるコンクリートの街と点になった人
   間と車の喘ぎに重なって響く。壊せ、殺せ、全てを破壊せよ、赤い汁を吐く硬い人形に
   なるつもりか、破壊を続けろ、街を廃墟に戻せ。」

若い人に是非、読んで欲しい小説です。
コインロッカー・ベイビーズ(上) Amazon書評・レビュー: コインロッカー・ベイビーズ(上)より
4061168649
No.119
(4pt)

廃頽した東京の甘くて苦い空気と大気。

最初の一行目から目を疑った。

鮮烈な書き出しと、

行変更が少ないのにサラサラと読みやすい文。

すべての情景が克明に浮かんでくる

村上龍はそんな書き方をする人なのだと思った。

コインロッカーに捨てられていた赤子・キクとハシ。

不安定な幼年期を催眠術治療を経て

無事双子として里子に出される前半部分。

そして、

行方不明になったハシを探しにキクが上京し、

再会し、東京を生きていく後半部分。

キクが出会うアネモネという少女の透明さが印象的。

鰐を飼っている美少女が住む擬似亜熱帯の空気は、きっと腐りかけた果物みたいに甘く芳しいことだろう。

ヘビーなのにさらっと読める本。

東京の腐敗した空気が懐かしくなります。
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4061168649
No.118
(5pt)

村上龍・コインロッカー

限りなく透明に近いブルー、海の向こうで戦争がはじまる、に続く作品です。

「海の向こう」のあとがきで外国人が龍に「大事なのは三作目」と語る場面があります。それもあってか、なくてか、「コインロッカー」は村上龍にとって重要な位置を占める作品でしょう。

「コインロッカー」が多くの読者の心を射止めるのは、わりに正直な作品だからでしょう。「コインロッカー」以後、村上龍は主題を裏に隠す方法をとっているように思えます。特に、「共生虫」、「イビサ」は難解であると思います。

 また、「コインロッカー」は村上龍自身の心情を描いていて、それ以降は現在、日本、あるいは世界の抱える「状況」について書かれているような印象を受ける。

 

 それにしても「コインロッカーベイビーズ」、泣ける。感動長編。
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4061168649
No.117
(4pt)

圧倒的なスピード感のみに踊らされてはいけない

この本は熱の感じられる疾走感が特長のように見えるが、村上龍ならではの「タメ」もしっかりと各地に配備されている。しっかりタメてから重要なメッセージを人物に語らせる。そこを見逃してしまっては単なるちょいグロSFになってしまうから要注意。

明らかに誰にでも勧めたい一冊ではないし、初対面で「この本が一番好きだ」という人とは仲良くなれなさそうな気もする。
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4061168649
No.116
(5pt)

「都市」と「破壊」

カバーデザインが秀逸です。

何処かしらの近代都市にも見えるし、自分が住んでいるごくありふれた町並みにも見えます。

そしてこの風景には、恐ろしい程に、「生命力の拠り所」が存在しません。

まるで「人間」自身が生み出した「システム」によって、「人間」自身が淘汰されてしまった地上最期の無機的な風景のようです。

このおびただしい建物の群れで埋め尽くされたカバーを見て、何かしらの「恐怖」と「嫌悪」を感じ取れる方は、この作品に価値を見出せるものと思います。

コインロッカーで遺棄された「キク」と「ハシ」、そして彼らに関わる「アネモネ」の怒り、苛立ちとは何なのでしょうか、システム化された真夏の都市の片隅で理不尽に閉じ込められ、「生と死の狭間」で 自らの「叫び」で「生還」を果たした「システム」に対する底知れぬ「呪詛」と「憤り」・・・。

この作品で表現される「システム」に対抗する「方法や手段」は、決して現実社会上では許されるものではないかも知れません。しかしそれでも私達がそのカタルシスに依存してしまう最大の「理由」は、著者の偽りの無い「危機感」が、恐いくらいに、シンプルに、生々しく、そしてストレートに我々に突き刺さって来るからに他ならないと思います。

「生命体」の持つ、何物にも縛られない「強さ」と「危うさ」、そして「悲しさ」・・・

「文字」だけでここまで「体感」させてくれる作品は、そうはありません。
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4061168649
No.115
(3pt)

村上龍の原点

コインロッカーに捨てられたベイビー、キクとハシの軌跡を圧倒的なパワーで描きあげた作品。村上龍の後の作品(共生虫、愛と幻想のファシズム等)の原点になっている。

 この作品の特徴は、とにかくものすごい「パワー」ではないかと思う。作品にパワーを求める人にとっては、かけがえのない一冊になるかもしれない。しかし一方で、整合性や芸術性を求める人にとっては違和感があるかもしれない。そういった意味では好き嫌いのわかれる作品だと思う。村上龍初心者にお薦め。
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4061168649
No.114
(5pt)

村上龍の最高傑作

村上龍はデビュー作から、順番に読みましたが、最初の2作は特にいいとは思いませんでした。しかし、「コインロッカーベイビーズ」には衝撃を受けました。未だに、村上龍はこの作品を超える作品を書いていないと思います。(ただし、最近の長編で読んでいないものはあります)決して、他の作品が駄作というわけではありません。この作品が凄すぎるのです。
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4061168649
No.113
(5pt)

生まれてきた意味と、生きる意味を考えさせられた。

個人的には、最高に衝撃的な小説でした。

自分の居場所を探し続ける二人の絆、彼らを取り巻く個性的な人物。現実離れした設定ですが、なぜか異常なリアリティをもって迫ってきます。

我々は、何で生まれてきたのでしょうか。何の為に生きているのでしょうか。生き続ける為に何をしているのでしょうか。

それら全てを考えさせられます。

生まれてきたついでに生きている訳ではないですから。
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4061168649
No.112
(1pt)

私には合わなかった・・・

個人的に、不幸な生い立ちだったり、親の愛情を充分に得られなかった子供が主人公の小説がどうも苦手。その主人公の目を通して描かれるゆがんだ世界観に共感できないどころか気分が悪くなってしまうのです。この小説にはそんな苦手要素がいろいろつまっているうえ、ストーリーは脈絡や伏線がなく(ないように見える)あらぬ方向にどんどん広がっていくのですが、その唐突さにわくわくできなかったのです。だから読んでいてひたすら退屈。とにかく読みつづけるのが苦痛で、途中でリタイアしました。
コインロッカー・ベイビーズ(上) Amazon書評・レビュー: コインロッカー・ベイビーズ(上)より
4061168649
No.111
(5pt)

今も心に残る

この本はリアルであり、リアルであるはずがない話 。色、声、風景が浮かんでくる信じられない程鮮明に描き出されたストーリー。展開も素晴らしく心に響く。内容はもう知っているだろうから是非早いうちに出会っていただきたい。
コインロッカー・ベイビーズ(上) Amazon書評・レビュー: コインロッカー・ベイビーズ(上)より
4061168649
No.110
(3pt)

村上龍

龍のほうはそんなに好きじゃいのだが、これはそれなりに読めた。文体がぐろくて好きになれないんだけどね、話じたいはマジですごいです。大作だと思うよ、素直に。
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4061168649
No.109
(3pt)

強烈なパワー

コインロッカーに捨てられた二人の男の子の物語。二人は双子として引き取られ、兄は棒高跳びの選手、弟は歌手として成功するが…強烈なパワーを感じさせるストーリー。村上龍独特の世界が展開されてゆく。物語の構造は、共生虫とよく似ている。たぶん、共生虫はこの物語をベースとして書かれたのだろう。何らかの問題を抱えた主人公が、強力な力を持った毒物や薬を求めて旅をし、それを獲得して使い、周りの環境を変化させる。心に問題を抱えた人間が自分を変えるためには、強力な外部からの力が必要だということだろうか。この物語で著者は、コインロッカーに捨てられた子供の怒り、心の葛藤などを描きたかったのだろう。その手段として、殺人や性描写など、過激な表現を使ったのだと思われる。
コインロッカー・ベイビーズ(上) Amazon書評・レビュー: コインロッカー・ベイビーズ(上)より
4061168649
No.108
(3pt)

ショッキングであり鮮烈である

最高にショッキングで鮮烈なイメージを残す近未来小説!
言葉でこれだけ鮮烈なイメージを描くことができるのか、と恐ろしくなってしまう。そしてそのイメージが頭にこびりついて離れない執拗な世界観を持っている。退廃した世界が広がるその先には、人生とは哀しくてだからこそ生きているんだって思う。
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4061168649
No.107
(4pt)

閉塞と開放

コインロッカーに閉じ込められたキクとハシ。
都会のマンションに住む巨大な鰐。
あるいは日常。
―閉塞感―彼らは出口を見つけたとき
アクセルを踏み,スピードを上げる,視野が狭くなる位に。
開放は凄まじい疾走感を与える。閉塞と開放を繰り返し,収束する場所に村上龍が残したものは?
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4061168649
No.106
(5pt)

あまりに強い個性

凄く面白く、エネルギーに満ち溢れた小説です。
そのテーマを一言でいえば「破壊」ということになると思いますが、単なる負の力から絶対的な肯定へと昇華していく疾走感はすさまじいものがあります。
その眩しすぎて目をつぶってしまいたくなるほどの強烈さは、人によっては、生理的にまったく受け付けることができないこともあるでしょう。
が、一度、手にとって目をとおす価値は充分ある小説だと思います。
ちなみに、「アキラ」よりも前に出版されていますので、「アキラ風に処理した」小説ではありません。
村上龍の完全なオリジナルであり、村上龍の思想・世界観が最も忠実にわかりやすく表現された小説だと個人的には思っています。
コインロッカー・ベイビーズ(上) Amazon書評・レビュー: コインロッカー・ベイビーズ(上)より
4061168649
No.105
(1pt)

村上龍の偶にする、ただ”単なる失敗作”のひとつ。

この小説は、僕が高校時代唯一、”途中で読むのを辞めた”という代物。当時は多読で細針漏らさず岩波文庫の”あとがき””解説”まで読んでいた僕が、あまりの退屈さ、これはシドニーシェルダンあたりと同じように序曲が長く(超訳の方は構成がミステリアスの為、読みやすい)、また、当時の社会事件をそのままモチーフにしつつ、テストチューブベイビィズという遺伝界のはやりを”アキラ”風に処理した。
が、うまくいかなかった。。。
というものだと思う。
村上龍氏を初読の人には、ぜったいにお勧めできない一作。
読んで良いのは、単なる”イチファン”か”村上龍論を展開したい人”だけ。
以上。
コインロッカー・ベイビーズ(上) Amazon書評・レビュー: コインロッカー・ベイビーズ(上)より
4061168649
No.104
(5pt)

流石です

副主人公(アネモネ)がワニを飼っているという設定に、アメリカ現代文学の鬼才、リチャード・ブローティガンの小説("Confederate General from Big Sur"だったと記憶しています)のパクリがあるものの、20年ぶりに読み返してみて、それをおぎなってあまりあるエネルギッシュな展開に、あらためて凄い小説だったのだな、とあらためて感服しました。
コインロッカー・ベイビーズ(上) Amazon書評・レビュー: コインロッカー・ベイビーズ(上)より
4061168649
No.103
(5pt)

これは・・・

主人公に感情移入すればするほど読んでる自分までだんだん狂いそうになる・・読み終わってなんとも言えない気分になった・・
コインロッカー・ベイビーズ(上) Amazon書評・レビュー: コインロッカー・ベイビーズ(上)より
4061168649
No.102
(5pt)

好みが分かれるかもしれない、私は好きだ

この本が持つ感じで連想するのがランナーズハイ
私事ながらフルマラソンで走る時たまにくる
あの感覚がこの本を読むと思い出す
距離感やスピード感が増して終わりが見えない
自分の内部でどんどん変化してゆく五感
この本は一度ページをめくると、近未来の設定
コインロッカーに捨てられた状況
全ての細部が気にならなくなる
最後まで一気に読んでしまう本
コインロッカー・ベイビーズ(上) Amazon書評・レビュー: コインロッカー・ベイビーズ(上)より
4061168649