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半島を出よ



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半島を出よの評価: 4.00/5点 レビュー 322件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全230件 221~230 12/12ページ
No.10:
(5pt)

リアルな現実を求めて

おもしろい小説は、おもしろいゲームソフトに似ている。飯、寝ることさえも拒否し、ただひたすら読みふけってしまった。『何かを選ぶことは何かを捨てることだ』また、龍さんの言葉で気付かされました。
半島を出よ (上)Amazon書評・レビュー:半島を出よ (上)より
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No.9:
(5pt)

自己判断で行動せよ

一気に読みすぎて寝不足になってしまいました。ラスト近くのある女性公務員が戯画的で印象に残りました。亭主を「自分で何も判断できず、結局状況に流され借金を抱え込んだろくでなし」と決めつけて離婚した。しかし、最後に彼女がとった行動とどこが違うのかな~。政府もみな状況しだい、状況を後から説明する理由をどっからか探してくることが第一義。借金大国日本が崩壊したとき、政府は後から懸命に理由を探してくるんだろうな。
半島を出よ (上)Amazon書評・レビュー:半島を出よ (上)より
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No.8:
(5pt)

ロックに追いついた初めての小説

上下巻あわせて900ページを2日間で読みきった。
たるみなど一切ない。特に後半のイシハラ軍団とコリョの戦闘場面では完全に文字と自分が一体化していた。村上龍の書いたリズムを共有できた気がした。
これはもはや小説という範疇ではないんじゃないのか?
村上龍はかつて3分間のロックレコードにはしょせん小説はかなわないというような発言をしていた。
しかし「コインロッカーベイビーズ」の詩は、
「愛と幻想のファシズム」というビートを刻み、
「5分後の世界」という極限の闘いと生というコードをかき鳴らし、
「希望の国のエクソダス」というベースを響かせ、
「半島を出よ」という奇跡的なロックを2005年のふやけきったこの国に大音量で流してくれた。
これはカート・コバーンの歪んだギター、血だらけのシド・ヴィシャスのベース、Aコードを半世紀近くかき鳴らし続けるキース、そういったロックアイコンに対して日本文学が突きつけた最初のカードだ。
小説のラスト、ネイルに刻まれた名前は、先人たちへのレクイエムでもあるのか。
美しく、震えるような感情を呼び起こす、現代に関わる全ての人間にとってのマスターピース。
半島を出よ (下)Amazon書評・レビュー:半島を出よ (下)より
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No.7:
(5pt)

貧困と死、愛と犠牲、人格と破壊。

■すべての村上龍作品を読んでいるわけではないのですが、いままでのさまざまな作品群を統合し、総括した作品といえそうです(うかつにも下巻後半の2ヶ所で涙してしまいました)。たしかに、上巻は「お勉強」会のような部分もありますが、それは下巻に入ると払拭。とくに下巻後半、「美しい時間」の60ページ、そしてそれ以降は、ただただ圧巻。「詳細に書く」ことがここまでリアリティーを生み、本来の意味でのドラマを創り上げていきます。セリーヌやジョサ、アレナスなどの最高の作品に匹敵するのではないでしょうか。
半島を出よ (下)Amazon書評・レビュー:半島を出よ (下)より
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No.6:
(5pt)

地政学的な要所を移動させてしまうこと

地政学的には、朝鮮半島は、大陸国家(ロシアや中国)からの日本列島への侵略に対する防衛にとって最重要地点です。それは戦前のエリートが死ぬほど気にしていた部分です。しかしながらアメリカ大陸と東アジア大陸との緩衝地帯と考えれば、それは別に朝鮮半島でなくともいいはずです。WW2末期のソ連の参戦で、日本が分断統治される可能性が極めて高まったことから考えても、むしろそのほうがありえる話です。北朝鮮の部隊が、九州にアメリカと中国という2大地域覇権国家の緩衝地帯を作って半島統一を成し遂げようとする発想は日本人にとって悪夢だがさすが世界戦略をよくわかっていると唸った。これは非常にありうる話だ。僕が軍事力を容易に動かせる朝鮮や中国の指導者ならばケースとして十分に考える得る話だ。村上龍は、時に預言者のように、様々な未来を先取りする小説を描いてきた。そう考えると怖い話だ。
半島を出よ (下)Amazon書評・レビュー:半島を出よ (下)より
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No.5:
(5pt)

痛快な悪夢

あなたは日本の将来に漠然とした不安を抱いてはいないだろうか。
この国の繁栄と安逸がいつか根底から覆るのではないかといった…。
ならば、読むべし。
本書「半島を出よ」は、そのような「漠然とした不安」にリアルな形を与えてくれるものである。
そう、本書は日本人の悪夢そのものである。
そしてこの悪夢は限りなくリアルだ。
特に日本政府の右往左往、危機管理機能の不全ぶりは、痛いほどにリアルだ。
だが、悪夢を直視すること、それ自体に一種の爽快感がある。
「漠然とした不安」は、直視することで「解決可能な問題」に変わりうるのだ。
そして後半、物語は加速する。痛快極まりないカタストロフ!
上下巻900ページ、アッという間に読了した。読んで損はない一書。
(小説の本質とは関係ない注記)
些事ではあるが、作中の福岡住民が喋っている方言は、正確にいうと博多弁ではない。作者の出身である佐世保地方の方言である。大多数の読者には関係ない話で恐縮だが、九州人にはわかるもので。
半島を出よ (上)Amazon書評・レビュー:半島を出よ (上)より
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No.4:
(5pt)

圧倒的なディティール

村上龍の小説は、その類稀な想像力のせいか、膨らむだけ膨らませて、結末があやふやになってしまう傾向があった。しかし、本書はちがう。あの『昭和歌謡大全集』の生き残りたちが、驚くべき方法で、敵に立ち向かう。そして結末には、間違いなくカタルシスがある。何よりもディティールのすさまじさ。バルザックのリアリズムを髣髴させる、圧倒的な描写力。詳しすぎるほどのディティールに、上巻では正直、倦むこともあったが、下巻まで読み進めた読者は、物語のうねりに飲み込まれ、ページを繰る手をとめることができまい。系統としては『コインロッカー・ベイビーズ』にはじまり、『五分後の世界』『ヒュウガ・ウィルス』に連なるもの。この系列の村上作品のファンは、本書にその至高の姿を見出すだろう。もちろん村上作品を未読の人にも、自信を持って推薦できる。本書が村上龍の代表作となることは、もはや疑いようもない。
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No.3:
(5pt)

『昭和歌謡大全集』のキャラクター復活!?

まず、本当に北朝鮮はこのようなことを計画しているのか? と考え、まさかねぇ、と自答しながら、1997年の同氏の小説『イン・ザ・ミソスープ』を思い出していました。神戸市須磨区で起こった少年による事件と、小説の内容が奇怪にシンクロしているという……。▼原作も映画も大好きだった『昭和歌謡大全集』のキャラクターがここで復活しているのに感動しながら日本経済破滅のシナリオの克明さに慄然とし、そして「最終的に日本の何かを刷新するのは共同体から『出た』若者なのだ」という、『希望の国のエクソダス』以降の共通テーマを思い出していました。怖くなる、そして希望も湧く小説でした。自分は54歳になりますが、きちんと勉強しなければ、目の前の生徒達や自分の子どもに数年後「嘘つき」と呼ばれたくないから夜は酒の量を減らして多様な書物を読まないと、と本気で考えました。今も不気味な印象が消えません。そして、『希望』も……。
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No.2:
(5pt)

挑戦状

本小説にはキクや鈴原のような圧倒的な主人公は出ませんが、
読ませます。
いきなり北朝鮮が日本に攻めてきたらどうなるか?!
決してありえない話ではありえません。日本に対しての龍さんからの挑戦状でしょうか。
アメリカの言いなりになっていても将来は保証されないぞ。
未曾有の危機時には日本の政治家、官僚はあてにできないぞ。個人情報保護案や住民コードなどの問題点についても
言及しています。
考えさせられる小説です。
半島を出よ (上)Amazon書評・レビュー:半島を出よ (上)より
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No.1:
(4pt)

☆やっと出た~~ッ☆

ネタばれには尚早なので、詳しくは書きませんが、村上龍フリークの自分には、しょっぱなからかなり興奮状態に引きずり込まれました。
各シチュエーションも登場人物もとにかく濃い。コインロッカー、5分後、希望の国に血を沸かせた人間なら同じ高揚が得られると思います。
読者に疑問や揚げ足をとらせるヒマなく事態が濃厚に複雑に展開し、近年の村上龍作風に見られるのと同様に、パラレルな展開が急ピッチに加速していきます。1年半別荘に閉じ篭って書いたと熱弁されていた理由も分かる。最近ぱったり長編を書くのを止めていた著者の待望の新作。本を手にしただけで震えた人間は自分ひとりでは絶対ないと思う。
 ただ、これはなかなか……緻密だけど小説というより「偽・政治学書」の部位が多い↓長くて聞き慣れない肩書きの役人たちを全員上げるだけで半ページが失われていることもある……。読者へなるべくリアルな状況をバーチャル体験させる為には、かけ離れた場所での大事も書き上げたいという著者の熱意や優しさは分かるけど、ちょっとだけ、もっと「小説」が読みたいとも思ってしまった。上中下巻であと1冊分日本人キャラの出番を増やして欲しかった。
従って、-☆1の☆4つで
半島を出よ (上)Amazon書評・レビュー:半島を出よ (上)より
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