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グルメ警部キュッパー
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グルメ警部キュッパーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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ミステリーだけでなく幅広いジャンルの作品で絶賛されている現代ドイツの大人気作家シェッツィングの日本初紹介作です。まず文庫帯に書かれている、とんでもない警部という部分なのですが、ちょっと誇張され過ぎているように思います。キュッパー警部は確かに殺人現場でつまみ喰いはしますが林檎一個だけで深夜の捜査で空腹だったからでしょうし、容疑者とレシピ交換するのも相手が求めたからです。彼は食べ物の事を考えると夢中になってしまうのを自覚して懸命に抑えていますし、事件初日から不眠不休で事件に取り組んでいく熱血刑事です。彼が今回の事件に遭遇したのは6年間暮らしていた彼女から逃げられた直後なのですから最も悪い心境であったでしょうし、ですから部下のラーベンホルストに最初辛くあたったのも仕方ないかなとも思えます。しかし流石に警部だけあって推理は鋭く、一見歴然としている事でも懐疑的に考察し見事に真実を突き止めます。やはり警部に一日の長があるのですが、無器用で少し生意気な部下のラーベンホルストとの掛け合いは面白く本書の読み所です。富豪夫人インカの殺害は動機があまりにも多過ぎて難航しますが、続いて第二の殺人事件が発生し事件が一気に動き出します。本書はミステリーとしては堂々とあからさまな趣向を見せながら巧みに読者を誤魔化す構成のテクニックに秀でていて十分に健闘していると思います。幸薄い富豪の娘マリオンとキュッパー警部との友情とクライマックスの動物園でのどんでん返しに続くスリリングな追跡劇が圧巻で読者を最後まで飽きさせません。グルメの興味は小道具に過ぎず、多彩な才能を持つ作者のサービス精神が随所に見られる良く出来たミステリーですので、ぜひ一読をお奨めします。 | ||||
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