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向こう側の遊園(カマラとアマラの丘)



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【この小説が収録されている参考書籍】
カマラとアマラの丘
向こう側の遊園 (講談社文庫)

向こう側の遊園(カマラとアマラの丘)の評価: 3.40/5点 レビュー 5件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.40pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(4pt)

想像してみること

ミステリフェアの並びで手に取ってみた。

動物について、生き物について、それ以外にも考えさせられる作品だった。
1話目に少し出てくるお婆さんとペットを巡る不幸で感情的な様相に、こういうパターンが続くなら辛いなぁ…と思ったが、杞憂だった。
様々な知識と寓話を重ねて読ませてくる事と、「管理人」の躊躇なく突き詰める台詞にどんどん先を読みたくなり、とても面白かった。
大ネズミの話は胸に迫るような情景が目に浮かぶ…。

「生きるためではなく生かすために生まれたのだから全うしたい」といった思いには、食べ物にも言えるのかもなぁ…と考えたり、
実際ありえるのか?あり得ないのか?という事もあるが、人間に対してだけでなく想像力を持って考えることは大切だよなぁ…と思わせられたり。

うーん、面白かったのに小学生の感想文みたいなことしか書けないな?真面目な内容のお話ですからね。でも読んで良かったと充実感を得られた本です。推薦帯やフェアに感謝です。
カマラとアマラの丘Amazon書評・レビュー:カマラとアマラの丘より
4062175274
No.2:
(4pt)

動物の哀しみ

2012年に出た単行本『カマラとアマラの丘』の改題・文庫化。
 いかにも著者らしい幻想的なミステリだ。動物霊園というテーマからして、ふつうのミステリではないし、死にまつわる物語ということで、切られるような哀しみがある。
 「カマラとアマラの丘-ゴールデンレトリーバー」「ブウクスとツォノクワの丘-ビッグフット」「シレネッタの丘-天才インコ」「ヴァルキューリの丘-黒い未亡人とクマネズミ」「星々の審判」の全5話から構成されている。
 それにしても、あからさまに向ヶ丘遊園がモデルなんだけど……。
カマラとアマラの丘Amazon書評・レビュー:カマラとアマラの丘より
4062175274
No.1:
(4pt)

隠れた名作

カマラとアマラとは、動物好きなら すぐにピンとくる名前。そう、宣教師に保護された狼少女の名前だ。
狼少女の話が嘘かホントかは、わからないが この小説ではそれほど重要でない。この題名にしたのは、
「動物好きで、生き物の本まで読んでしまう人」が思わず手にとってしまうのではないかと、意図的に
付けた題名だと思われる。
そして、私はまんまと引っかかったわけだ。主人公の墓守は二話目まで名前さえないほどの、おぼろげな存在
として、書かれています。全体として寓話のような物語。しかし、内容はファンタジーではない。むしろ
寓話の中で書かれる物語はひどくリアルで醜く、悲しく、切ない。
 動物の内蔵を人に移植する異種臓器移植の話であったり、言語を解する天才インコが人間と深い絆を持って
しまったが故の悲劇だったり。
 寓話のような雰囲気を持ちつつ、物語全体としてはミステリー仕立てとなっていて、墓守が少しずつ謎を
解明していき話が二転、三転とするので、読んでいて飽きません。できれば、シリーズ化して欲しい一冊です。

 但し、一話目は冒頭4行で、オチが分かってしまった。チンパンジーやオランウータンなどでは、よくある
ことらしい。ゴールデンレトリバーでもこんなことがあるかも・・・というのが、一話目の面白いところ。
 生物の本をよく調べているようですが、一点だけケチをつけると「犬は色盲ではない」ということ。話の本筋
とは関係ないですが、これほど詳しく薀蓄(うんちく)が書いてあるのに単純な誤りがあるのはいただけない。
ネットで調べても分かるようなレベルのミスです。
 
それはさて置き、ストーリー自体はとてもよく出来ていて、話に引き込まれます。動物好きな方は勿論、そうで
ない方にもお勧めです。


カマラとアマラの丘Amazon書評・レビュー:カマラとアマラの丘より
4062175274

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