カラマーゾフの妹

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評判

カラマーゾフの妹の評価:

2.83/5点 レビュー 58件。 B ランク

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平均点2.83pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全116件 41〜60 3/6ページ
No.76
(2pt)

単純に面白くない

カラマーゾフの兄弟は3回ほど読みました。
伏線を張っていたのに続編を読むことができないのは残念なことです。
しかし、未完の作品として完結している作品なのだとおもいます。

この本の作者は勝手な自己満足のためにこのような作品を世に出してしまいました。
たしかによく考えられて構成されています。よく読みこんで考察を重ねたのでしょう。
し、か、し。単純につまらない。ドストエフスキーの世界観も完全に壊している。
他の方も書かれていますが、読み進めるのが非常に困難。
面白い本ならばどんどん読み進めてしまうのだが、読みにくさとつまらなさが相俟ってなかなか次のページへと進む気にならない。

読書嫌いを増やし、江戸川乱歩賞の権威を失墜させる作品。
いまや本屋大賞のほうがよっぽどマトモな気がする。西村賢太氏は『本屋大賞ふざけるな』発言をしてますが。彼の言い分ももっともですが、普段本を読まない人間が読むのにはとても良い本が本屋大賞受賞してますよね。話は逸れましたが・・・

内容で星一つ、作者の努力に星一つ。計星二つ。批判も覚悟の上で書いたでしょうからね。
カラマーゾフの妹 Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの妹より
4062178508
No.75
(1pt)

偉大な文学への冒涜

読んでおどろいた
こいつはひどい内容だ
アリョーシャ・カラマーゾフの最後もあまりに悲惨
カラマーゾフ第二部を予想するにしても
あまりにひどい作品
こいつは偉大な文学への冒涜でしかない
カラマーゾフの妹 Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの妹より
4062178508
No.74
(4pt)

筋が通っている。村上春樹ならどんな続編を書くのか?

★大いにネタバレあり★

亀山訳の原作を読んでいたので読みました。
原作に残るいろんな矛盾点や現象をうまく「伏線」として利用している。
自分には全くこういう展開を予想することができなかったが

革命軍のくだりは面白いけど、話が急展開過ぎて、説得力に欠けるように感じた。
(当時、ロシアでは次作は皇帝暗殺の話になるという噂はあったそうだが)
人格交代は筋が通っていると感じた。
こんな解釈を与えられたらもう一度原作を読んで見たくなる、そういう作品。

江戸川乱歩賞の選考委員のコメントも掲載されていて読んだが、オマージュというかパロディであることは問題視されていたが、こういう試みは面白いと感じた。
読み終わってから「ハズレ」だったと思うより、過去の大作の続編と銘打てば、購入者もある程度は安心して読書できるのではないか。

まったく話は異なるが、村上春樹はエッセイなどでスメルジャコフの名前でパロディしたりしているが、彼は「カラ兄」にどういう解釈をしているのだろうか。小説の受け取り方は人それぞれであるから絶対書いてくれないだろうけど。
カラマーゾフの妹 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの妹 (講談社文庫)より
4062778858
No.73
(4pt)

筋が通っている。村上春樹ならどんな続編を書くのか?

★大いにネタバレあり★

亀山訳の原作を読んでいたので読みました。
原作に残るいろんな矛盾点や現象をうまく「伏線」として利用している。
自分には全くこういう展開を予想することができなかったが

革命軍のくだりは面白いけど、話が急展開過ぎて、説得力に欠けるように感じた。
(当時、ロシアでは次作は皇帝暗殺の話になるという噂はあったそうだが)
人格交代は筋が通っていると感じた。
こんな解釈を与えられたらもう一度原作を読んで見たくなる、そういう作品。

江戸川乱歩賞の選考委員のコメントも掲載されていて読んだが、オマージュというかパロディであることは問題視されていたが、こういう試みは面白いと感じた。
読み終わってから「ハズレ」だったと思うより、過去の大作の続編と銘打てば、購入者もある程度は安心して読書できるのではないか。

まったく話は異なるが、村上春樹はエッセイなどでスメルジャコフの名前でパロディしたりしているが、彼は「カラ兄」にどういう解釈をしているのだろうか。小説の受け取り方は人それぞれであるから絶対書いてくれないだろうけど。
カラマーゾフの妹 Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの妹より
4062178508
No.72
(2pt)

ドストエフスキーの褌で相撲をとった作品

エンターテインメント系の賞に、芸術的な発想で挑戦する態度は、かなりの期待を感じた。選考委員も、その大胆不敵さに、一票を投じてしまったようである。しかし、同じような、脱構築系のスタイルを持つ、京極夏彦氏と、地道な警察小説の今野敏氏は、厳しい評価をしていたと思う。ことに、今野氏は、本作をまったく認めていなかった。それでも、私は、本作者の意気込みには、どこかやられた感があったので、読み進んだ。しかし、結局、期待は外された。というのも、本作は、いい訳とは思えない、亀山訳をもとに、それを通してのドストエフスキーを土台にしているからだ。しかも、わざわざ枚数を稼ぐような持って回った余分な説明、描写も多い。そして、結末は、なにかはぐらかされたようである。つまり、本書は、ドストエフスキーの褌で相撲をとり、それを取ったら(笑)、なにもないといった作品である。いや〜、まったく残念である。また、作者の「私は文学作品をいっぱい読んでいる、文学に通暁しているプロなのだ」という臭さも、全編に漂っている。そこもいただけない。
カラマーゾフの妹 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの妹 (講談社文庫)より
4062778858
No.71
(2pt)

ドストエフスキーの褌で相撲をとった作品

エンターテインメント系の賞に、芸術的な発想で挑戦する態度は、かなりの期待を感じた。選考委員も、その大胆不敵さに、一票を投じてしまったようである。しかし、同じような、脱構築系のスタイルを持つ、京極夏彦氏と、地道な警察小説の今野敏氏は、厳しい評価をしていたと思う。ことに、今野氏は、本作をまったく認めていなかった。それでも、私は、本作者の意気込みには、どこかやられた感があったので、読み進んだ。しかし、結局、期待は外された。というのも、本作は、いい訳とは思えない、亀山訳をもとに、それを通してのドストエフスキーを土台にしているからだ。しかも、わざわざ枚数を稼ぐような持って回った余分な説明、描写も多い。そして、結末は、なにかはぐらかされたようである。つまり、本書は、ドストエフスキーの褌で相撲をとり、それを取ったら(笑)、なにもないといった作品である。いや〜、まったく残念である。また、作者の「私は文学作品をいっぱい読んでいる、文学に通暁しているプロなのだ」という臭さも、全編に漂っている。そこもいただけない。
カラマーゾフの妹 Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの妹より
4062178508
No.70
(5pt)

聖人君子はいない。

説得力はあった、と思う。父親殺しの最大の動機は、金目的でも恨みでもいない。
じつは「正義」だったのである。
「罪と罰」でラスコーリニコフが考え出した犯罪哲学とある意味では似ている。
大いなる善行を行おうとしている人間は、たった1つの犠牲など気にも留めない、ということです。
つまり愛する兄弟を救うために何のためらいもなく父親を殺害した。
強すぎる正義感と強固な精神力がそれをさせたのだ。
ラスコーリニコフは殺人後、精神が崩壊した単なる凡人だが
この小説の犯人はナポレオンの素質があった、ということである。

皇帝暗殺、という挿話も「大いなる善行」の1つとして描かれており
ロシア国民を救うために、皇帝の命を奪おうとする彼ら革命家の「正義」が
いかに狂信的なのかを読者に訴えかけている。
そして皇帝殺しと父親殺しを対比させており
犯人には正義を実行するために
彼らを殺す動機があったのだと暗示させている。

謎解き重視の映画や推理小説では
ときどき、犯人を捜しているはずの主人公が実は多重人格者で犯人だった
というおきて破りのオチがあるが
それを逆手にとったようなアイデアで最後まで犯人が読めなかった。

リーザの足が治ったり治らなくなったりする不思議な現象も
実はラストに結びつく伏線である。これは面白い。
カラマーゾフの妹 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの妹 (講談社文庫)より
4062778858
No.69
(5pt)

聖人君子はいない。

説得力はあった、と思う。父親殺しの最大の動機は、金目的でも恨みでもいない。
じつは「正義」だったのである。
「罪と罰」でラスコーリニコフが考え出した犯罪哲学とある意味では似ている。
大いなる善行を行おうとしている人間は、たった1つの犠牲など気にも留めない、ということです。
つまり愛する兄弟を救うために何のためらいもなく父親を殺害した。
強すぎる正義感と強固な精神力がそれをさせたのだ。
ラスコーリニコフは殺人後、精神が崩壊した単なる凡人だが
この小説の犯人はナポレオンの素質があった、ということである。

皇帝暗殺、という挿話も「大いなる善行」の1つとして描かれており
ロシア国民を救うために、皇帝の命を奪おうとする彼ら革命家の「正義」が
いかに狂信的なのかを読者に訴えかけている。
そして皇帝殺しと父親殺しを対比させており
犯人には正義を実行するために
彼らを殺す動機があったのだと暗示させている。

謎解き重視の映画や推理小説では
ときどき、犯人を捜しているはずの主人公が実は多重人格者で犯人だった
というおきて破りのオチがあるが
それを逆手にとったようなアイデアで最後まで犯人が読めなかった。

リーザの足が治ったり治らなくなったりする不思議な現象も
実はラストに結びつく伏線である。これは面白い。
カラマーゾフの妹 Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの妹より
4062178508
No.68
(2pt)

ゴールデンラズベリー賞になら値するのでは

こりゃあ、こまった本。といっても苦虫潰すような「困った」でなく、
「あのコ、イイコなのに、コマッたちゃんなの」の「コマった」に近いが。

名作の改変ないしパロディは、後の世の人の特権だから、何をしてもいい、
とは思いますが、それなりに歴史のある文学賞に値する作品ではないでしょう。
もし、受賞に該当するとすれば、ゴールデンラズベリー賞ではないのか。
つまり、作り手はマジメに作ったつもりなのだろうが、仕上がりは今一つ。

不可解な殺人を扱う『カラマーゾフの兄弟』の設定を活かして、
ミステリに仕立て上げたアイデアは、確かに立派。しかし、なまじっか時代背景を
ていねいに描き込んだりしてるだけにドストエフスキーの原作(もちろん邦訳のこと)を
未読の読者は、“これ”で事足れりとしそうで、コワい。

もっとコワいのは、本作を読んだあとで原作に挑んだ人が、原作のいりくんだ筋立てや
登場人物の陰影を読む愉しみについに気づかず、早急な謎解きばかり追求してしまうこと。
はじめに結論ありきの読み方だけが、小説を読む愉しみではない、
という当たり前の作法を台無しにしそうで、コワい。

逆に言えば、それだけ本作の仕込みは、それなりにガッバっているとも言えます。
でも、映画でもありますね。美術よし、衣装よし、でも、肝心の配役がダメ、
人物に魅力が無さ過ぎ、というような作品が(だからまさにゴールデンラズベリー賞候補)。
ネタバレになるから詳しくは書きませんが、人物がすべて類型的で、生彩がない。
「こどもたち」のその後の活動も、時代設定に沿わせた工夫は認めるけれども、
ハリボテの秘密基地みたいなアジトに、がっかり(いっそSF仕立てにすれば良かったのでは)。

また、同時代の大英帝国の名探偵とか、ウィーンの精神科医とか、
虚実をまじえた有名人を陰に陽に登場させているのも中途半端。シラケる。
例の名探偵と精神科医のパスティーシュだったら、昔ニコラス・メイヤーに秀作があった。
有名人をダシにした異国での事件解決モノなら、山田風太郎はじめ名だたる快作がある。

悪や不条理を描いても、それを中和するシャレたセンスとほのかな笑い。
本作に欠けているのは、それ。
でも、有能な脚本家が本作をベースにして(ブラックな笑いを加えて)
舞台化する、という手はある……かも。
カラマーゾフの妹 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの妹 (講談社文庫)より
4062778858
No.67
(2pt)

ゴールデンラズベリー賞になら値するのでは

こりゃあ、こまった本。といっても苦虫潰すような「困った」でなく、
「あのコ、イイコなのに、コマッたちゃんなの」の「コマった」に近いが。

名作の改変ないしパロディは、後の世の人の特権だから、何をしてもいい、
とは思いますが、それなりに歴史のある文学賞に値する作品ではないでしょう。
もし、受賞に該当するとすれば、ゴールデンラズベリー賞ではないのか。
つまり、作り手はマジメに作ったつもりなのだろうが、仕上がりは今一つ。

不可解な殺人を扱う『カラマーゾフの兄弟』の設定を活かして、
ミステリに仕立て上げたアイデアは、確かに立派。しかし、なまじっか時代背景を
ていねいに描き込んだりしてるだけにドストエフスキーの原作(もちろん邦訳のこと)を
未読の読者は、“これ”で事足れりとしそうで、コワい。

もっとコワいのは、本作を読んだあとで原作に挑んだ人が、原作のいりくんだ筋立てや
登場人物の陰影を読む愉しみについに気づかず、早急な謎解きばかり追求してしまうこと。
はじめに結論ありきの読み方だけが、小説を読む愉しみではない、
という当たり前の作法を台無しにしそうで、コワい。

逆に言えば、それだけ本作の仕込みは、それなりにガッバっているとも言えます。
でも、映画でもありますね。美術よし、衣装よし、でも、肝心の配役がダメ、
人物に魅力が無さ過ぎ、というような作品が(だからまさにゴールデンラズベリー賞候補)。
ネタバレになるから詳しくは書きませんが、人物がすべて類型的で、生彩がない。
「こどもたち」のその後の活動も、時代設定に沿わせた工夫は認めるけれども、
ハリボテの秘密基地みたいなアジトに、がっかり(いっそSF仕立てにすれば良かったのでは)。

また、同時代の大英帝国の名探偵とか、ウィーンの精神科医とか、
虚実をまじえた有名人を陰に陽に登場させているのも中途半端。シラケる。
例の名探偵と精神科医のパスティーシュだったら、昔ニコラス・メイヤーに秀作があった。
有名人をダシにした異国での事件解決モノなら、山田風太郎はじめ名だたる快作がある。

悪や不条理を描いても、それを中和するシャレたセンスとほのかな笑い。
本作に欠けているのは、それ。
でも、有能な脚本家が本作をベースにして(ブラックな笑いを加えて)
舞台化する、という手はある……かも。
カラマーゾフの妹 Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの妹より
4062178508
No.66
(3pt)

おもしろい

おもしろいです。また、近いうちに同じ作者の作品を読もうと思います。
カラマーゾフの妹 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの妹 (講談社文庫)より
4062778858
No.65
(3pt)

おもしろい

おもしろいです。また、近いうちに同じ作者の作品を読もうと思います。
カラマーゾフの妹 Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの妹より
4062178508
No.64
(4pt)

イワンびいき

二次創作として楽しめました。
タイトルにもなっている「妹」は、わりと引っ張ったあげくにあまり重要ではなかったような。

カラマーゾフを知らない人が楽しめるかというと微妙だけど、
筆者による「カラマーゾフ事件とは何か」という章は、原作を読むよりよっぽど分かりやすいです。

『悪霊』で撲殺されたリーザや、『二重人格』の主人公ゴリャートキンなどなどが同一空間上で語られていたりして、ニヤリとしました。

イワンだけ救われてアリョーシャがとんでもない結末を迎えるラストはさすがに悲しい…。
こんなにポコポコ殺されたら、アリョーシャ好きな人が怒る気持ちも分かります(笑)。
カラマーゾフの妹 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの妹 (講談社文庫)より
4062778858
No.63
(4pt)

イワンびいき

二次創作として楽しめました。
タイトルにもなっている「妹」は、わりと引っ張ったあげくにあまり重要ではなかったような。

カラマーゾフを知らない人が楽しめるかというと微妙だけど、
筆者による「カラマーゾフ事件とは何か」という章は、原作を読むよりよっぽど分かりやすいです。

『悪霊』で撲殺されたリーザや、『二重人格』の主人公ゴリャートキンなどなどが同一空間上で語られていたりして、ニヤリとしました。

イワンだけ救われてアリョーシャがとんでもない結末を迎えるラストはさすがに悲しい…。
こんなにポコポコ殺されたら、アリョーシャ好きな人が怒る気持ちも分かります(笑)。
カラマーゾフの妹 Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの妹より
4062178508
No.62
(5pt)

意外な展開にびっくり!

原作者が生きていたら、、、と思うところもあったけど、十分楽しめました。
意外な展開が楽しかったです。
カラマーゾフの妹 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの妹 (講談社文庫)より
4062778858
No.61
(5pt)

意外な展開にびっくり!

原作者が生きていたら、、、と思うところもあったけど、十分楽しめました。
意外な展開が楽しかったです。
カラマーゾフの妹 Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの妹より
4062178508
No.60
(5pt)

筆者を支えたのは「反骨精神」か

「前任者」の物語、「カラマーゾフの兄弟」を、筆者と同じく亀山訳で読んだのが、数年前。
そして、今回、その続編をものして乱歩賞に物議を醸した意欲作として話題になった本書を読了。
まずは、その手腕に、素直に驚いた、というのがある。

手腕とは、たとえば原典をいかに消化していたかとか、原典の高みにどれだけ肉薄出来てたかとか、
そういった「原典ありき」の手腕の話ではなく、純粋に、「カラマーゾフの兄弟」という強烈な問題作を
この世に残し、第二部を書くと言ったきり勝手にこの世を去った身勝手な「前任者」が残した「謎」の
数々を、いかに解きほぐし、いかにミステリーとして形作ったかの一点、それである。

そもそもカラマーゾフの兄弟はミステリーというくくりだけでは語れない物語だし、
本作はミステリーの枠で見事受賞した物語だ。土俵が、違うと言えば違う。

カラーマゾフの兄弟を、(それは、あまりにも多くの顔を持つが、あえてその一つ)ミステリーという
くくりで見た場合、その結末はある意味妥当過ぎるほど妥当であり、意外性を欠いている。
スメルジャコフかドミートリーか。
いわば「どちらかが彼を殺した」状態である。東野圭吾ファンの方、申し訳ない。
(ちなみに、彼女、ですね。こっちは)

読了した私自身の話になるが、このミステリー的結末という見方をした場合のみ、私は
若干の不満を残して本を閉じた記憶がある。もちろん、それ以外においては大変有意義な
作品であった。大審問官のくだりと幼女虐待とフェチュコーヴィチの弁護と。覚えている
シーンは未だに、他人に語り継ぎたくなる。

翻って、本作である。
うん、と、頷いた。犯人は、彼しかいない。
そう。「前任者」の物語を読んだ時から、漠然と犯人は彼であればいちばん収まりがいいような
気はしていた。しかし、それはあくまでも「漠然とした印象」であって、ここまで微に入り細をうがつ
「証明」が出来ていたわけではもちろん、ない。
いわば本作は、数年間の私自身のモヤモヤとした霧を晴らしてくれた作品である、と言える。

だからこそ、私にとっては星5つ以外の評価はありえない。

ただ。
「彼」に対して、いや、「前任者の物語」そのものを心ゆくまで愛した人たちにとっては、
本作が冒涜以上の何者でもなく、したがって大いなる失望の意を示すことを理解できないわけではない。
ミステリーという枠以外で語ってよいなら、私だって大審問官と討論するイワンを見たかったし、
美しく心優しき司祭へと我が身を高めたアレクセイも見たかったし、何より原典の一番の見所というべき、
現行宗教、あるいは社会、あるいは規範における強烈なアンチテーゼを何か一つ、指し示して
欲しかった、という欲求は当然、持っている。

しかしそれは、無理な話であろう。なにしろ前任者の物語は長大過ぎる。
乱歩賞の上限は四百字詰めで五百五十枚。手頃な文庫本一冊に収まる長さしか許されていないのだ。
そういう意味では、筆者の失敗らしい失敗とは、唯一
「カラマーゾフの兄弟を原典に選んだ」
という点でしかない。
凝集してもしきれないほど原典は長大であり、かつ、示唆に富み、アイロニカルという言葉では
語れないほど攻撃的で、かつ、面白い。
だから筆者も冒頭で述べている。
「前任者のあの名作と『同等の』作品を書こうなどと思わなければよいのである」
と。

さらに、前任者の物語に「ある重大な事実を発見した」ことが、執筆動機である、と。

あくまでも私自身の評価ではあるが、その試みは見事に成功している、と思う。
彼以外の犯人はあり得ないし、その決着に至る証拠固めも「妥当」である。
少なくとも、ズルはしていない。私は以前「ダ・ヴィンチ・コード」を読了した時、
この決着はズルだ、と思った。それは、歴史的謎の終着駅が最後の最後には個人、家庭の問題に
帰属してしまったことの怒りが原因だ。

少なくとも、(本作は原典ともどもフィクションである、という違いはあるが)ドストエフスキー
という「歴史」の謎は、きちんと歴史的に集結、帰属していると思う。そういう点で、
その慧眼には素直に、恐れ入る。ミステリーで、原典ありきでこれだけの謎を思いつけるって、
すごいことなんですよ。ほんと。

だから、本作は紛う方なくミステリーであり、ミステリーとしてきちんと集結しており、
なおかつ成功している。

何の文句があるというのか。
カラマーゾフの妹 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの妹 (講談社文庫)より
4062778858
No.59
(5pt)

筆者を支えたのは「反骨精神」か

「前任者」の物語、「カラマーゾフの兄弟」を、筆者と同じく亀山訳で読んだのが、数年前。
そして、今回、その続編をものして乱歩賞に物議を醸した意欲作として話題になった本書を読了。
まずは、その手腕に、素直に驚いた、というのがある。

手腕とは、たとえば原典をいかに消化していたかとか、原典の高みにどれだけ肉薄出来てたかとか、
そういった「原典ありき」の手腕の話ではなく、純粋に、「カラマーゾフの兄弟」という強烈な問題作を
この世に残し、第二部を書くと言ったきり勝手にこの世を去った身勝手な「前任者」が残した「謎」の
数々を、いかに解きほぐし、いかにミステリーとして形作ったかの一点、それである。

そもそもカラマーゾフの兄弟はミステリーというくくりだけでは語れない物語だし、
本作はミステリーの枠で見事受賞した物語だ。土俵が、違うと言えば違う。

カラーマゾフの兄弟を、(それは、あまりにも多くの顔を持つが、あえてその一つ)ミステリーという
くくりで見た場合、その結末はある意味妥当過ぎるほど妥当であり、意外性を欠いている。
スメルジャコフかドミートリーか。
いわば「どちらかが彼を殺した」状態である。東野圭吾ファンの方、申し訳ない。
(ちなみに、彼女、ですね。こっちは)

読了した私自身の話になるが、このミステリー的結末という見方をした場合のみ、私は
若干の不満を残して本を閉じた記憶がある。もちろん、それ以外においては大変有意義な
作品であった。大審問官のくだりと幼女虐待とフェチュコーヴィチの弁護と。覚えている
シーンは未だに、他人に語り継ぎたくなる。

翻って、本作である。
うん、と、頷いた。犯人は、彼しかいない。
そう。「前任者」の物語を読んだ時から、漠然と犯人は彼であればいちばん収まりがいいような
気はしていた。しかし、それはあくまでも「漠然とした印象」であって、ここまで微に入り細をうがつ
「証明」が出来ていたわけではもちろん、ない。
いわば本作は、数年間の私自身のモヤモヤとした霧を晴らしてくれた作品である、と言える。

だからこそ、私にとっては星5つ以外の評価はありえない。

ただ。
「彼」に対して、いや、「前任者の物語」そのものを心ゆくまで愛した人たちにとっては、
本作が冒涜以上の何者でもなく、したがって大いなる失望の意を示すことを理解できないわけではない。
ミステリーという枠以外で語ってよいなら、私だって大審問官と討論するイワンを見たかったし、
美しく心優しき司祭へと我が身を高めたアレクセイも見たかったし、何より原典の一番の見所というべき、
現行宗教、あるいは社会、あるいは規範における強烈なアンチテーゼを何か一つ、指し示して
欲しかった、という欲求は当然、持っている。

しかしそれは、無理な話であろう。なにしろ前任者の物語は長大過ぎる。
乱歩賞の上限は四百字詰めで五百五十枚。手頃な文庫本一冊に収まる長さしか許されていないのだ。
そういう意味では、筆者の失敗らしい失敗とは、唯一
「カラマーゾフの兄弟を原典に選んだ」
という点でしかない。
凝集してもしきれないほど原典は長大であり、かつ、示唆に富み、アイロニカルという言葉では
語れないほど攻撃的で、かつ、面白い。
だから筆者も冒頭で述べている。
「前任者のあの名作と『同等の』作品を書こうなどと思わなければよいのである」
と。

さらに、前任者の物語に「ある重大な事実を発見した」ことが、執筆動機である、と。

あくまでも私自身の評価ではあるが、その試みは見事に成功している、と思う。
彼以外の犯人はあり得ないし、その決着に至る証拠固めも「妥当」である。
少なくとも、ズルはしていない。私は以前「ダ・ヴィンチ・コード」を読了した時、
この決着はズルだ、と思った。それは、歴史的謎の終着駅が最後の最後には個人、家庭の問題に
帰属してしまったことの怒りが原因だ。

少なくとも、(本作は原典ともどもフィクションである、という違いはあるが)ドストエフスキー
という「歴史」の謎は、きちんと歴史的に集結、帰属していると思う。そういう点で、
その慧眼には素直に、恐れ入る。ミステリーで、原典ありきでこれだけの謎を思いつけるって、
すごいことなんですよ。ほんと。

だから、本作は紛う方なくミステリーであり、ミステリーとしてきちんと集結しており、
なおかつ成功している。

何の文句があるというのか。
カラマーゾフの妹 Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの妹より
4062178508
No.58
(3pt)

消化不良解消にはなる

本編の「カラマーゾフの兄弟」を昨年末 苦しみながら読んだ後だったので、
他の人が酷評するほど 苦しくもなく読めました。
それだけ 元の作品がきつかったから。

13年後のことが本編ではまったく書かれていなかったので、
かなり大胆な発想で、次男、三男を作り変えたのは面白かった。

まあ あまりにも長々とした作品が、消化不良で終わっていたので、
それを解消してくれた 続編 としては 面白かったです。
カラマーゾフの妹 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの妹 (講談社文庫)より
4062778858
No.57
(3pt)

消化不良解消にはなる

本編の「カラマーゾフの兄弟」を昨年末 苦しみながら読んだ後だったので、
他の人が酷評するほど 苦しくもなく読めました。
それだけ 元の作品がきつかったから。

13年後のことが本編ではまったく書かれていなかったので、
かなり大胆な発想で、次男、三男を作り変えたのは面白かった。

まあ あまりにも長々とした作品が、消化不良で終わっていたので、
それを解消してくれた 続編 としては 面白かったです。
カラマーゾフの妹 Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの妹より
4062178508