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(短編集)
ナポレオンの剃刀の冒険 聴取者への挑戦I
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ナポレオンの剃刀の冒険 聴取者への挑戦Iの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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ラジオドラマのシナリオを8編収録。 ラジオドラマなので会話中心で、とても読みやすい。また、全体の雰囲気は明るくてゲーム性が高く、国名シリーズを彷彿とさせる。 が、会話中心だからといって、本格ミステリとして薄味というわけではなく、どれも質が高い。 多彩な手がかりから多彩な推理を紡ぎだすクイーンの手腕は絶品。 国名シリーズや悲劇4部作をむさぼり読んだ頃を懐かしく思い出し、と同時に、論理的かつ意表を突く推理 の魅力は、どれだけ時代が経過しても決して色あせることはないと実感しました。 | ||||
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出来栄えに多少ばらつきは感じられますが、どれも十分な質。中でも「ブラック・シークレットの冒険」には正に度肝を抜かれました。活字で読んでもびっくりですから、当時のラジオ聴取者もラジオの前であっけにとられたことでしょう。贅沢なひとときだなあ。何という仕掛け、何という解明でしょうか。 | ||||
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『Yの悲劇』くらいしか読んでいなかったEQであるが、ラジオドラマのシナリオで読み易そうなので試しに読んでみた。メリハリのあるストーリーとリスナーへの挑戦付きのロジカルな展開で期待以上に楽しめた。続編の『死せる案山子の冒険―聴取者への挑戦〈2〉』も読み始めたので、論創社のEQシリーズは読破するつもりである。それにしても、訳者で解説者でもある飯城勇三は怪物だな。いやはや恐れ入った。 | ||||
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ラジオドラマから抜粋した作品。 それでもエラリイ節、そして構成は見事に 再現されているのですから。 お見事というしかありません。 どの作品も意外性を出してくれたり 致命的なエラーから活路が開けたりと 興味深い作品が多いのですが 特に面白いなと感じたのは ライバルであるキャラハンの出てくる 「ブラック・シークレットの冒険」でしょう。 この作品はとにかく意外性をついてきます。 犯人指定に関しても そして結末に関しても。 シナリオ集でも すばらしさは十分です。 | ||||
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◆「ナポレオンの剃刀の冒険」 列車内で男が殺され、彼が持っていた宝石がなくなった。 車両の両端では赤帽と車掌が見張っていたため、犯人に逃げ場はない。 しかし、どこからも宝石は見つからず……。 犯人特定の手がかりは二つ。 そのうちの一つは、犯人が詐称していた職業に ついての知識が問われるものとなっています。 また、宝石の隠し場所に関しては、逆説的発想に基づくポー「盗まれた手紙」方式 ではなく、緻密な検証によって可能性を限定していくクイーン『ローマ帽子の謎』方式 が採られています。 ◆「悪を呼ぶ少年の冒険」 意味深なタイトル、そしてクイーンの超有名作を彷彿とさせる展開で あるため、クイーンを知っている人ほどミスリードされてしまいます。 ただ、本作の《操り》は……。 ◆「ブラック・シークレットの冒険」 古書店を舞台に、「贋作者」「泥棒」「殺人者」の三人を推理するという趣向。 ダイイング・メッセージ解読もありますが、なにより 「殺人者」を隠す、反則すれすれのテクニックに吃驚! ◆「〈暗雲〉号の冒険」 事件が発生する前に登場人物たちがやっていたジェスチャーゲームに、 ぬけぬけと手がかりが仕込まれています。 ただ、日本人が気づくのは難しいかもw ◆「ショート氏とロング氏の冒険」 ホームズの「語られざる事件」の一つと同じシュチュエーション での消失トリックに、エラリーが《安楽椅子探偵》で挑んだ作品。 | ||||
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1905年アメリカで生まれた従兄弟同士の合作コンビで処女作「ローマ帽子の謎」を皮切りに国名シリーズで一世風靡し長くミステリー界をリードし続けた巨匠クイーンの生誕100周年を祝って2005年に出版された傑作ラジオドラマ集2分冊の第1巻です。本書は著者の最盛期に近い中期の1939年から1948年にかけて放送された三百編近いラジオドラマの中から傑作8編を選んで収録しています。読後の感想ですがファンの贔屓目ではなくどれを取っても素晴らしい出来栄えで、クイーンお得意の論理のアクロバットが冴え渡る自信を持ってお奨め出来る内容だと思います。美味しい点としては、国名シリーズで有名な「読者への挑戦状」が本書では「聴取者への挑戦状」に名前を変えて、各編の解明直前につけられているのが懐かしく嬉しい趣向です。次に長編では長くて少し冗長に感じられた部分もありましたが、ラジオという性格上会話文だけで構成され推理のエッセンスを凝縮した非常に読みやすく理解し易い内容になっています。そして著者と同名の名探偵クイーンを彩るレギュラー陣の再登場も誠に感無量です。貫禄十分なエラリーの父クイーン警視、ヴェリー部長刑事の愉快なお惚けぶり、そしてエラリーの秘書を務めるニッキー・ポーター嬢が堅物の探偵に恋心を抱いて盛んにモーションを掛けるシーンが雰囲気を和ませて、とても微笑ましいです。私のお奨めは、殺人事件と宝石の不可能状況での消失を絡めた『ナポレオンの剃刀の冒険』、単純な答を予想させて鮮やかに逆転を決める『ショート氏とロング氏の冒険』、不可能犯罪に挑む完璧な論理が圧巻の『呪われた洞窟の冒険』、著者の仕掛けた欺瞞に騙され流石と唸らされる『ブラック・シークレットの冒険』です。本書は謎解き本格ミステリーの良さを再認識させてくれる極上の一冊だと思いますので、老若男女どなたにもぜひ読んで頂きたいです。尚、好評であれば出版される予定の第2巻も楽しみに待ちたいと思います。 | ||||
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