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鷲と虎
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鷲と虎の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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「昭南島に蘭ありや」「総督と呼ばれた男」でシンガポールものを読み、その二冊の広東語や福建語のルビがデタラメすぎて吹き、他方、この本で出てくる中国語は比較的メジャーな北京語なのでちゃんとしているのかな〜と思ったら、やっぱり間違いだらけでした。 もちろん、著者自身が執筆する小説の舞台の全ての言葉に精通している必要はないし、そんなことは無理だと思います。しかし敢えてわざわざ外国語の発音のルビを振るなら、きちんとその言葉が解る人に教えてもらい、正確に書いた方がいいと思います。 恐らく著者は日本にいる知り合いの中国人などに発音してもらって聞き取りルビを振ったのでしょう。しかし著者の外国語耳が弱い、あるいは発音した中国人の発音が間違っている(地方出身の人の多くは発音が訛っており、中国人なら誰でも正しい北京語の発音ができるとは限りません)か、どちらかの理由でこのようなことになってしまったのだと思いますが、ここまで間違いが多いと、編集者の責任もあるでしょう。 いきなり冒頭から、主人公のひとり、劉国祥(リウ・グオシァン)が「リュウ・コオシャン」と無気音が有気音になっており(この2つは全然違います。例えば、安倍をアベでなくアヘ、と発音している感じ) デニスが覚えたばかりの中国語で「ニイハオ」というと、劉国祥が「上海の方言ではノンハオ」ですよとツッコミを入れるシーンがあります。しかし、上海語の発音は「ノンハオ」でなくて「ノンホウ」です。 わざわざネタとして取り上げるなら、正しく書かないと意味がないですね。 ほかにも、中国人の名前、鄭個瑜(ジェングーユー)が「チョンズーユイ」とグーがズーになり 謝謝(シィエシィエ)は「シェイシェイ」(パンダの名前!?) 大別山脈(ダービエ)が「ターピエ」山脈 毛澤東(マオツードン)が「マオゾートン」になり、も〜挙げきれません。 こんなに間違いだらけのルビなら、却って何もつけない方がいいでしょう。 時代背景についても、戦時中なのに主人公がいきなり上海の街角で流しのタクシーを拾ったり (当時の上海に流し人力車はありましたが、流しのタクシーはありません。。) 中国市民が日本軍の罵詈雑言を年中耳にして日本語を覚えてしまったという下りでは、 その言葉は 「こんにゃろ、こんちくしょう、ばっきゃろ」 となってますが、確かに当時「バカヤロ」という日本語は中国で有名になっていて 今でも抗日映画やドラマに日本軍兵士がそう怒鳴りながら中国人を殴り倒すシーンなどよく出て来ますが、 「こんにゃろ、こんちくしょう」は、たぶん無かったとおもいます。(とくに「こんにゃろ」) それから、国祥の婚約者の女性、麗珍が愛する国祥のもとに駆け寄って「劉!劉!」と叫ぶシーンがありますが、 普通、中国人の若い女性は恋人の男性の名前をファーストネームの一文字で呼びます。 「劉!劉!」って、それ可愛い若い女性が婚約者を「山田!山田!」と呼ぶみたいな感じ、麗珍どこの体育会系?と吹きました。 歴史小説なので、もうちょっと取材して、ディテールがリアリティを持つように正確に書いてほしいですね。 それから結末は、大団円に向かうのかと思ったところでいきなり尻切れトンボ的に終わり、え?という感じでした。 | ||||
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日中戦争時、96艦戦を操縦する麻生哲郎大尉と、I-16を操縦する中国義勇軍に所属するデニスワイルドの戦い。武士道とは、騎士道とは?上海漢口重慶の空を舞台に男の意地がぶつかる! | ||||
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時間経過と飛行機の機種で、あれっ?という箇所もありましたが、盛り上がりと言い、読後感と言い、作者らしい作品。値段分、ちゃんと楽しめます。 | ||||
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事実を、それでも軽く触れているようだが、日本軍の振る舞いは恥ずかしい限りだ。 | ||||
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佐々木氏の作品は、丁寧だと思います。 少しずつ少しずつ、私を引っ張ってくれる。 この作品も、楽しみました。 男のロマンですかね。 仕事に打ち込んで、命を懸ける。 それに、惚れてくれる女がいる。 言い訳しない男たち、に好感を持ちました。 だけど、戦争は、やっぱりダメ! | ||||
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評価の偏差が大きい、評価が厳しいのかもしれません。著者の3部作、エトロフ発緊急電、ベルリン飛行指令、ストックホルムの密使が大変印象深いだけに、物足りなさを禁じえません。 3部作の影響で、他の作品が見劣りしてしまい、厳しい評価になっているとしてもシンガポール2作品;昭南島に蘭ありや、総督と呼ばれた男 と比べても物語全般が平板な印象です。人物描写ももう少し深く描かれても良いと思いました。 もう一つ不利な点は、登場する航空機が、零戦に代表される第二次大戦のメジャーなものに比べマイナーな機種が多く、上海や北京以外のそれほど馴染みのない中国の都市や地名も不利に働いています。具体的なイメージが湧きにくいため、字句を追っていく以上にリアリティを持ち難いのではないでしょうか。 しかし、第二次大戦の華々しい、あるいは、非常に悲惨な、劇的(ドラマチック)な歴史の陰に隠れたその直前の時代について、しっかりと取材して書かれた興味深い小説です。 | ||||
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「エトロフ発緊急電」や、「ベルリン飛行指令」に並ぶ、 大日本帝国海軍を中心とした佐々木譲お得意の冒険活劇。 1930年代の中国を舞台に、日本海軍96式艦上戦闘機搭乗員と、アメリカ傭兵パイロットや中国空軍兵との闘いを描く。 実際の歴史的背景を踏まえながら、架空の主人公を生き生きと描く佐々木譲ならではの秀逸な作品。 好戦的な牟田口廉也が強引な圧力を中国軍にかけて、国際関係をこじらせた場面、南京大虐殺を臭わせる当時の報道陣の動き、などリアルな著述に読む者が固唾を呑む。 96艦戦から12試艦戦に乗り換える麻生と、I16からカーチスP40に乗り換えるデニスの対決が見られなくて、少し残念だったが、潔く新旧交代に甘んずる男たちの姿にも美学を感じる。 | ||||
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この著者のものは、すべて歴史的なノスタルジーを感じさせる。航空ものも面白く、空中戦や戦闘機の描写も詳細で、興味深く読める。第二次大戦前の上海の雰囲気と当時の歴史的な状況が醸し出される場面には、想像を描きたてられ、今の上海を知る人は、更に楽しめる。 文中で、あの有名な中国空軍顧問シェノートがPー40を見て「きみの機のマーキングは素敵だ。おれの義勇航空隊も同じマークにして、フライング・タイガースと呼ぼうかと思っているんだがね。」と、言うシーンがあり、当時の中国での傭兵的外人戦闘機パイロット集団から義勇航空部隊へと変化する時代もよく分かり面白い。飛行機好きには堪らない魅力がある。 昭和十二年の盧溝橋事件から昭和十五年頃までの日中の歴史小説としても読めるが、旗本武士の家系である海軍航空士官の主人公と、米国陸軍航空隊出身のもう一人の主人公である米国人青年傭兵パイロットとの騎士道的戦闘機乗りの葛藤、そして当時の彼らの空への憧憬と空中戦に対する心には、感動させられる。 | ||||
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