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悲鳴伝
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悲鳴伝の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.82pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全62件 41~60 3/4ページ
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人の心がわからない少年が、人に敵対する地球およびその地球の手下と戦ったり、地球に対抗するための正義の組織と戦ったりするお話です。 お話なのですが… 結局の1番がんばって描写されてることは 「思春期の男の子が年上女子高生と同棲する」 ただそれだけです。 作者もそこが1番書きたかったのかな? 別に地球vs人間の設定、丸々必要無かった気がします。 西尾維新の作品を読み慣れてる人ならば、 本書を半分も読まないうちに 話の展開・キャラの最後・話のオチ・設定の放棄などなど、 だいたいの予想がついてしまうのも残念です。 西尾維新の出版物はほぼ全て購入している自分が 「あー、やっぱり作者の引き出しも限界が近いなぁ」 と改めて痛感した一冊でした。 | ||||
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一日程で読み終わりました。精神論、逆説、登場人物のぶっとんだキャラクター性などを描写する氏の得意とする手法が全編に亘りこれでもかと使用されていて、最大巨編と銘打っていますが、西尾作品を読み慣れていなくともそこまで長くは感じないと思います。未回収の伏線や、結局謎のまま終わってしまった世界観などはもうしょうがない、と開き直るしかありませんが……。あとがきでも示唆されているように、『とりあえず』とか『なんとなく』といった設定が多すぎるので、いちいち拾おうとしてもそれはそれで疲れてしまいます。 個人的に気に入ったのは、空々くんの性質というか、人間性でしょうか。賛否の分かれるところでしょうが、第一話冒頭の問診シーンはサイコロジカルなど初期の氏の文章を想起してしまうような感じで、とても印象に残りました。逆にちょっと辟易してしまったのが地の文。わざとらしい引きと似たような言い回しの多様、いまいち固定されない視点、登場人物の思考やストーリー展開をただ説明しているような文脈で、逆に緊迫感が削がれました(この辺も『すらすら読めてしまう』要因の一つかと思います)。 つまらなくはありません。一応、主要登場人物はそれなりに奇抜かつ大胆に(言い換えるなら中二病的に)キャラが作られていますし、(展開がある程度予想出来てしまうものの)それぞれ役割のようなものに沿って活躍しますし、死んだり死ななかったり、戦ったり戦わなかったりします。やや無理がある表現かもしれませんが、敢えて言うなら王道。ラストの大立ち回りは痛快であり諧謔的であり、誇張するならドラマチックです。 総合的にみて一言で評価に代えるならば、『面白くも不親切な小説』です。 | ||||
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西尾維新は結構好きなんですが、やっぱり最近の作品は面白くありません。 西尾維新といえば考え方を押しつける作風が面白いのに、今回はそれがまったくないし、主人公には共感出来てもストーリーとしては滅茶苦茶つまらない。 圧倒的な力を持つ敵をどのように倒すのか? 人の感情がわからない主人公はどうやって相手を淘汰するのか? それが唯一魅力的なシーンなのかと思いきやその手法は取ってつけたかのような感じであり、人の心がわからない主人公がどうしてそんな事をするのかが理解不能。 躊躇なく殺すというところが主人公らしいと思わせたかったんでしょうけれど、それ以外のところが逆に人間味に溢れすぎていて謎。 取り敢えず現代風に登場キャラを殺しまくって奇抜な感覚を出そうとしたんでしょうけど大失敗。 キャラの使い捨ては別に構わないんですが、いくつもの修羅場を切り抜けてきた登場人物が主人公空のあんな簡単な攻撃に耐えられない意味がわからない。 透明スーツなんてぶっ飛んだものを生み出しているのに少年の蹴りにすら耐えられない脆弱な身体。 防御の為にきているという彼らの衣服は、実のところ紙程度の防御力しかなく、毎回なんの効力も発揮せずに貫通。 戦闘において重宝すると言われたアイテムのなんともまぁ実に使えない使用用途。 核となるキャラクターの登場は一応登場させた感じでなんの意味も持たない。 最強と言われたキャラクター達があっけなく死んだ事に意味はあるのか? 哲学的な問いを投げかけるシーンも少なく、ただベラベラと喋るシーンが続き、皮肉ばかりが延々と描かれている。 これなら別に悲鳴伝という世界観を描くのではなくてエッセイでも書いた方がいいのでは? 物語という作品を通して伝えたい想いが何一つ感じられない。 正直表紙からは戯れ言シリーズのような感じを期待していたのですが、中身は本当にからっぽ。 嗚呼、だからからっぽの話って事ですか? 全然うまくありません。 後、二つ名も今回全然うまくありませんでした。 火達磨という名前のセンスが特に。 全然火達磨じゃなくて残念でした。 というか、世界観統一ぐらいしてほしいものですよね。 超能力系にするのか、超科学にするのか、中途半端すぎる。 火達磨だけ別世界の人でしょう、アレ。 後、地球陣って結局何がしたかったんですか? 大いなる悲鳴にもまったく関わってなかったみたいだし、地球本人だけで無双の強さじゃないですか。 どうして地球を相手にせずになんの力も持たない地球陣を相手にするの? 絶和の裏切りって必要? 武器の性能に差があり過ぎない? 茶飲み話の能力って結局矛盾だらけじゃない? 正直無理して作った話という感想だけが次から次へと出てきます。 なんというか、巨編という言葉を使いたくて無理やりページを埋めただけです。 あと一番重要な点ですが。 西尾維新に俯瞰文章は合っていない。 少し前から挑戦しているみたいですけど、全然しっくりきません。 ほとんど主人公の視点で描かれているんだから無理して俯瞰させる事はない。 からっぽの少年の心情を描くのは技術的に大変なのかとも思いますが、書けない事はないでしょう。 というか、早く赤い人のシリーズ出してください。 こっちは化物語のセカンドシーズンの前からずっと待っています。 謎の単行本ばかり出してないで一番期待している爆弾魔さんとの話を書いてください。 マジでお願いします。 早くしないと戯れ言シリーズの記憶が風化してしまいます。 | ||||
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広げた風呂敷を全部丸投げして終わった感じの作品です。話自体も全体を通してなんだか行き当たりばったりな感じがします。プロット書いてないんじゃないかな?とすら思います。速筆で知られる西尾維新先生ですが、もう少し物語に丁寧さを持たせてほしいです・・・ キャラクターは好きなので、評価は2で。 | ||||
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物語シリーズなどのようにダラダラせず、最初から最後まで同じレベルで楽しめます。個人的にはとても楽しめました!超オススメです! | ||||
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押井学監督の『スカイ・クロラ』に感動した人はぜひ読んでください。 ネタばれさせたくないからこんなことしか言えないですが、ほんとうにすばらしい作品です。 | ||||
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久しぶりに西尾維新。戯言シリーズのような主人公の人でなし感。でもツッコミは作者自身が行う。それがうざい。英雄譚の裏返しだが予想の範疇。小手先感満載。人でなしが少し温かくなるいーちゃんでお馴染みの手法。懐かしくも愚かしい。出版社も「最長」という部分しかウリを見出せなかったのではないだろうか。絵師がいないとどんなキャラかも描写できないんだな。厨二におすすめ。 | ||||
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アニメの物語と刀語 マンガのめだかボックスと、いくつか西尾維新の作品を好んで観てきました。 ジョジョのノベライズは読んだことがありますが、今回は西尾維新オリジナルの小説に初めて触れた者としての感想です。 ・王道展開…? これはめだかボックスでも感じていたことです。 王道的な『よくある展開』をバカにしたいのかぶち壊したいのか、それともひねくれているだけで実は王道展開を書きたいのか…。 それはよくわかりませんが、いい意味で展開を裏切ってくれます。 西尾維新作品に触れてきた方は馴れっこかとは思いますが。 ・残酷性 するがモンキーや炎刀:銃、めだかボックスのマイナス組などに見られた『残虐行為』。 これも西尾維新恒例なんでしょうか? 赤字で刷られているのかと感じる程の血みどろ場面が満載です。 加えてというか、必然的に、とにかくこの作品には『死』が多いです。残酷な描写が苦手な方はキツいかもしれません。 ・登場キャラの人間性 これがこの作品、というより、西尾維新の作品を好きになれるか否かだと思います。 気持ち悪い・おかしい・わけがわからないと感じる方。 逆に、キャラの気持ちや台詞がなんとなくでも理解できる。またはキャラに感情移入さえできるという方。 おそらく、極端に別れると思います。 こればっかりは彼の作品に触れないとわからないです。 主に、狂っているのか正気なのか、よくわからない、かなり危ういキャラしかいません。 それを「狂っている」と感じるか、「案外普通」と感じるか。 そこが最大の分かれ目です。 ・最後に 「小説はあまり読まないないけれど、西尾維新原作のアニメは見た」という方にも十分オススメできます。 70P前後で一章と、ほどよい区切りなので、厚さをあまり感じずにスルスル読めます。 | ||||
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物語シリーズのアニメ化で より一層の評価を集める西尾維新の完全新作。 他の作品とはまた違い、 より少年漫画チックな雰囲気を感じる、 そんな一作になっていました。 | ||||
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人生で読み終えた小説の2冊目にして、西尾維新の最長巨編に手を出した自分を憎みたい気もするが褒めてやりたい。 これが読めたんだ。どんなものも読める耐性は少ないともだいぶ出来ただろう。 内容は素晴らしい。 何とも言えなくなり悲しくなって、涙は流すとまではいかないがやはり悲しい。 これが僕に起きた感情であり、現象であり、素直な意見である。 誰かと共有したい。だけど誰ともしゃべりたくない。もう二度とまではいかないが、しばらくは読みたくはなくなった。 でも感動した。面白かった。複雑だ。 | ||||
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これは西尾維新最長の小説だという。 たしかに500ページを越えていて、二段組みなので普通は上下巻で出すもののような気がするが講談社ノベルスなので仕方がない。 ただページ数の割に展開も非常に多く組み込まれているため、飽きることなく最後まで読み進めることができた。 ここでのレビューや前評判には興味が無かったので、今の今まで見ていなかったが高評価が多くて安心した。 私も素直に面白いと思って読んだ。 内容は非常に「西尾維新らしい」もの。 英雄譚だけど、ただの英雄譚じゃなくて、むしろ英雄譚じゃないかもしれなくて。とにかくたくさんの人が殺されるが、あくまでも「空々空視点」なので、客観的な描写しかされておらず、全くグロいとかそんな感じはしなかった。それでも彼がやってきたことは間違いなくヒーローの仕事なのだろう。 ただ結局のところ「大いなる悲鳴」とはなんだったのか、「地球」とはなんだったのか、そこだけが気になったが、もし次の「大いなる悲鳴」が起こったとき、空々は死ぬんだろうなあと思う。 意外にあっけなく死ぬんだろうなと思う。 その緊迫感と脱力感のミスマッチさが、この小説の魅力だと思った。 | ||||
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ま、感想を一言で言うならタイトルに書いた通りです 面白くもなくつまらなくもなかったです でも、読みやすくはありました 私の中では、面白い>読みやすい>微妙>疲れる(読みづらい)>つまらない的な評価順位です この本は読みやすく、気分良くスラスラ読みたので☆4にしました 蛇足ですが、この前に読んだ「少女不十分」は読みづらい上につまらなかったです というか最近この著者さん色々と頑張ってますが、そんなに精力的に頑張れるんなら「りすか」や「世界シリーズ」を後1,2 冊だして止めるなんて言わないで、続けて欲しいと私は思う ていうか、その1,2冊すらここ数年何の音沙汰もないし、そのくせ今回みたいなのはチョイチョイだしてる(怒) | ||||
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「西尾維新史上、最長巨編」という新作です。 一気に読むと腕が筋肉痛になりそうになる程度には分厚いです。 ただ、一つ一つのエピソードで区切られており、それぞれに見所はあるので氏の小説の中では読みやすいほうじゃないでしょうか。 あとがきでは「まったく新しいタイプの主人公」と書かれていますが、(他の方も指摘しているように)読んでる感じでは氏の初期作品に近い印象を受けました。 中心に据えられる(会話劇ではなく)心理描写、相手の隙をつくようなバトルシーン、中二病っぽいネーミングといろいろ懐かしい感じがします。 よかった点はそういう小説を再び氏が高いモチベーションを持って書かれたというところではないかと考えます。 特に、戯言シリーズが好きな方は楽しめると思います。 (特に、外伝シリーズが物足りないと思っている方は久しぶりに楽しめるんじゃないでしょうか。) ただ、新しいタイプの主人公ってのはまぁ確かで、そのパーソナリティーが合わないなぁと思う人もいるのかもしれません。 個人的には「それこそが空々空が空々空たる所以なのだー」みたいな描写が何十回も繰り返されてるのを見て多少めんどくさく感じました。 あと、(ネタバレがアレなので変な書き方になりますが、)ラストの「○○○○○」ってセリフってそれ以前に普通にありましたよね? 大事な部分だからこそ個人的にけっこう引っかかりました。 | ||||
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・主人公の考えていることがよくわからない。 ・人が大量に死んで凄惨な話のはずなのに爽快感と疾走感がある。 ・誰も報われない話なのになんかいい感じにまとまる。 ・まったく感動しないんだけれどなぜか読後感は悪くない。 久しぶりに西尾維新らしい話を読んだ気がします。 もうこういうタイプの作品は書かないだろうと思っていただけに 不意打ちを食らった気分です。 以前と違うのは語り部が第三者に徹するのではなくいちいち主人公に ツッコミを入れるところですが、これもなかなか面白く読めました。 ただ、いい感じに終わりを締めていますが、ストーリーとしては全くと 言っていいほど進んでいない状態で伏線を張りまくったまま終わっており、 シリーズ化する気満々のようです。 主人公の特異なキャラクターとそのキャラを最大限に生かしたまったくもって 主人公らしくないバトルスタイルは斬新であり、 今後の活躍を大いに期待させられるものでした。 ぜひシリーズ化して欲しいですね。 | ||||
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ある日突然家族や友人に何の心配もかけず、何の憂いもなく日常とおさらばし、唯一の存在として必要とされるヒーローになれる そんな中学二年生の頭をよぎる願望を、形にしたものがこの物語の出発点かと思います。 突然後戻りの出来ない非日常に放り出されるという点では著者の「零崎双識の人間試験」を思いだします。 才能を絶賛され、勧誘され、生き残る為に何とか頭を回そうとする主人公像もどこか伊織を彷彿させますが、伊織が全自動瞬間湯沸し器とすると空々は魔法瓶です。外が如何に暑くなっても内側の温度は決して変わらないし、変えることが出来ない。 そんな自分を嫌がる主人公が、それでも少しだけ温くなる。そんな成長物語と私は感じました。 大変面白かったですが、回収しきれていない伏線と、違和感ある描写もあったので☆4とさせていただきました。続編を是非読みたいです。 | ||||
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久々に興奮した。 興奮して一気に読んだ。 『クビシメロマンチスト』の衝撃以降、なかなかそれ以上の傑作がでてこないなぁなんて思っていたら、ついに出たという感じか。 (*以降ネタバレ若干あります) 主人公の空々空(そらからくう)13歳は「地球」から人類を守る「地球撲滅軍」に入り、ヒーローにならなければいけなくなる。 しかし、そのヒーローの仕事とは、人間にしか見えない、というか人間そのものであろう怪人を殺すことだった。 到底納得できない理由を無理やり飲まされ、少年は「地球撲滅軍」の先輩にあたる少女と一緒に暮らすことになる。 その少女はあろうことか、少年の家族を斬殺した少女だった。 「正義」を名乗る人間が「悪」から人間を守るために人間を殺す。 そして、その「正義」を執行するのはほとんどが未成年の子供たちだ。 消費税を一夜にして5%から3%に変えることができるほどの権力を持つ機関「地球撲滅軍」はどれだけの人数がいるのかすら分からない謎の集団。 この作品を読んでいて真っ先に思い返したのは『新世紀エヴァンゲリオン』であり(もちろん旧バージョンのほう)、『まごころを、君に』だった。 謎の組織NERVに無理やり入れられた少年、碇シンジが「世界」を守るために使徒と呼ばれる巨大生物と戦わされる言わずと知れたストーリー。 ただ、この作品が議論を呼び、今日まで問題作と呼ばれているのは、「正義」を執行し人間を守るために存在していた機関が結局、人間を殺戮してしまう(していた)という、ある種、矛盾した物語だったからだろう。 「使徒」と呼ばれる巨大生物は、ほとんど人間と同じ生き物であり、その「使徒」を使って人間を殺していたのは、まぎれもない普通の人間だったのだ。 ラストに至っては世界そのものが破壊され、あの有名なラストシーンに至るわけだが、この『悲鳴伝』はその設定からラストに至るまで、テーマに至るまで、『エヴァンゲリオン』を踏襲している。 これを西尾維新本人がどこまで自覚的なのかは判らないが、少年少女の三角関係の構図まで合致しているので、おそらくは「わかるでしょ」という感じで「あえて」似せている(オマージュ)している、のだろう。(マンションの一室での同棲、おかしなペット、組織からの逃亡、セカンドインパクトに通じる大災禍などもそうだ) 『エヴァンゲリオン』がそうであったように、この作品も極めて批評的な側面を持つ作品だ。 それは絶対に正しい「正義」を描くヒーロー作品への批評であり、少女のために世界を守る少年の物語(セカイ系)への批評でもある。 ただ、この作品と『エヴァンゲリオン』が根本的に異なる点は(いや、最も近しい点ともいえるのかもしれない)やはりラストシーンであり、その意味は読者それぞれで感想が違うだろうが、一見救いのない終わりは新たな出発への「希望」をも匂わせている。 賛否両論だろうが、こういう終わり方がぼくは大好きである。(本当に個人的なことだけれど) これ以上、書いてもなんなんで、主人公の空々空について。 彼は一見すると、ものすごく冷酷非道というか、本当に「お前人間か」という、いつもの西尾キャラなのだが。 これもいつものパターンではあるが「一見すると」なのであり、そんなに単純明快な冷酷非道キャラでもない。 なんに対しても、無感動で(例え自分の家族を殺されても悲しまず)、子供がいるかもしれない「怪人」を殺してもなんとも思わない空々は内面に関して言えば恐ろしくもある少年だ。 彼の行動原理の基本は、あくまで「自分が生き残ること」なのだ。 だから、その行動原理を遵守するため非道なことを心を傷めずにできる。 だが、作中では、それだけでない面を時折見せる。 それも彼自身、無自覚に。 例えば、犬にしか見えない様に改造された少女を助ける時、罪悪感に魘され続ける少女を助ける時、彼は行動原理や自身の論理を曲げて(あるいは勝手に解釈を変えて)行動する。 自分が危険に会うことも顧みず。 この自己矛盾に最後まで気づかない(あるいは気づこうとしない)空々少年。 「あくまで自分のために」と思いつつ行動し、結果「誰かのために」行動しているということ。 こういうことが、今、彼に共感できてしまう(または共感できない)読者にはどう映るのだろうか。 (ちなみにぼくは、結構、空々少年に共感できてしまうような奴でした。) | ||||
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他人の感情が分からず、人に合わせた感情や行動をとる事に悩んでいる少年が、実にその事自体によって英雄の行為に巻き込まれてしまう。 主人公の性格造形は戯言のいーちゃんに通じるものがあり、悲鳴伝の荒唐無稽な世界の中で主人公のキャラは見事にくっきりと浮かび上がっている。 ヒーローとかラノベ風の展開も西尾維新にかかると残酷な影絵のように奇妙で新鮮。 語り手や登場人物の饒舌さは、アニメが裏返った様な世界に現実感を与え、西尾維新最長と云われる長編も短く感じさせる。 正義でも悪でもなく、自分の生活を守るだけの新たなヒーローの誕生だろうか | ||||
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屁理屈と詭弁を混ぜ返したようなプロローグは,簡単に言えば『初期の西尾維新』という印象です. 一話まるまるを使ったそれは,のっけから重々しく,ちょっとしんどい部分があるのは否めませんが, 少年が抱える悩みや葛藤,それについてのやり取りは,世代が違っても共感できる部分がいくつもあり, そのあたりを意識していると,作中でも触れられますが,彼の言動に別の『思い』が見えて興味深いです. 全体としては,地球だの世界だのと大仰な背景が語られるものの,メインとなるのは少年の成長物語. そこへ,彼に因縁のある少女が絡んで進む,いわゆる『ボーイミーツガール』というところでしょうか. ただ,少しばかり見方を変えてみると,主人公だけではない,むしろその少女の物語とも言えなくもなく, 特に最後などは,予想通りとはいえ,彼女のためのようで,悲しいながらも救われる姿が強く心に響きます. ただ,先の地球や世界の件が,少年と少女の物語だったとはいえ,未消化のままで終わるのが残念で, 謎の組織や怪人退治,不思議なアイテムの数々など,はじまりの雰囲気からは想像できなかった展開は, それこそヒーロー活劇みたいでおもしろかっただけに,もうちょっとまとめてほしかった思いがあります. 他にも,少年の異端性や,『このあと〜なるのだった』みたいな『引き』の表現が多いのも気になりました. 余談ですが,『最長巨編』と謳われてはいるものの,実際に手にしてみるとそこまでのものではなく, 確かにボリュームはありますが,ページ数も厚みも『ヒトクイマジカル』より少し…というくらいです. また,各話が70ページ前後で区切られているせいか,厚さほど読むのが大変というのはありませんでした. | ||||
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面白いです! 西尾維新には珍しく一人称視点の小説じゃないのは斬新で良かったです! 言葉遊びはいつも通り、ストーリーも抜群に面白く戯言シリーズ、物語シリーズに匹敵する傑作です! ぜひ読んでください(≧∇≦) | ||||
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寝る前に少しだけ読もうと思った筈が、「この登場人物(特に主役)は正しいのか間違ってるのか、間違ってると思う自分が間違ってるのか、それとも、、、」とモヤモヤしながら、どんどん転がるストーリーを追いかけてたら結局午前4時になってしまいました(途中、ちょっと寝ましたが)。 続編あれば、間違いなく買います。あとK遠野先生をちょっと思い出しました。大長編という割にはすぐ読み終わってしまった感じもあるので、その意味で☆4です。 | ||||
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