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メイスン&ディクスン
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【この小説が収録されている参考書籍】
メイスン&ディクスンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.43pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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領土紛争を解決する為の線を引く為に二人の人物が雇われ・・・というお話。 上記だけだと何だか判らないと思いますが、アメリカが独立前に領土を巡って諍いがあって、それを解決する為の線をメイスンとディクスンという人がアメリカを測量して回ったという史実があるそうで、その史実にピンチョン先生が独自の解釈や挿話を挿入して珍道中風小説にしたのが本書らしいです。 メイスンとディクスンが引いた線が結果的に南部と北部を分ける重要な線になったそうですが、この小説ではその線を暗喩にして、善と悪、アメリカとその他の国、アメリカのキリスト教とその他の国のキリスト教(とその他の宗教)、隷属と自由、という二項対立を追及した小説に思えましたが、どうでしょうか。 この人の小説の例にもれず、登場人物が膨大で、総ページ数も1000ページを超えるので、ほんの少し登場するキャラやエピソードを全て記憶しながら読むのは土台無理なので、「重力の虹」や「V」みたいにあまり力んで読まずに、黙示録的狂騒と馬鹿騒ぎを描いたバロック小説みたいに読んでもいいかも。 今までピンチョン先生の小説を幾つか読みましたが、面白いですが通常の小説としての面白さとは位相が違う様な印象を持ちましたが、この小説に関しては通常の小説として読んでも面白いというカタルシスを感じました。他に読んだ方はどうでしょうか。気になります。 ピンチョン先生にしては読み易く、面白い小説でした。是非ご一読を。 蛇足ですが、私の高校時代、「American War of Independence」は「独立革命」と習いました。戦争より、革命の性質が強いということで。今はどうなっているかは知りませんが。 | ||||
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このようなおもしろい小説はめったにない。 複眼的で重層的で、読者によってさまざまな読み方が可能である。 たとえば、二人の英国人によるアメリカ紀行として読めば、それだけでも十二分に楽しい。旅に出る前、旅の最中、旅の思い出。いつものように、旅を終えてからの人生がもっとも長い。本小説の序盤に登場する二人の青年の期待感と野心、中盤の思いもかけない出来事の連続、終盤に老人となった二人の和解や寂寥感や諦念そして暖かさ。 下巻まで読み進めれば慣れてきて読みにくさも心地よくなるので、どうか頑張って最後まで読んでいただきたい。上巻で放り出すと、ほとんど旅に出る前のエピソードしか読めない。それはじつにもったいない。 | ||||
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一ヶ月かかってようやく読み終えた。ピンチョンの小説なんで、もともと歯が立たないだろうとは思っていたし、上巻を読んだ時から、柴田元幸の訳文に違和感を感じていたせいか、リズムに乗れなかった。 ということで、結局、下巻だけで1ヶ月以上もかかってようやく読み終えたんだけど、なんだか、柴田元幸の訳文にも慣れてきたのか、この本のリズムにもようやく乗れてきたのか、この下巻の後半は、かなり楽しめたと思う。 アメリカの地理にも歴史に詳しくない私には、立て続けに出てくる、地名や登場人物などの固有名詞に四苦八苦しながらも、なんとか読み通してみると、この一大歴史小説を書いたトマス・ピンチョンの試みの一端がかいま見えたような気がする。 これは、アメリカを題材にしたものに限らず、歴史をテーマにした小説全般に通じていることだと思うが、こういった歴史小説、特に長い長い大長編を読む喜びを正直に感じた。残念ながら、私の方の知識不足で、その喜びは垣間見えた程度だけれど... | ||||
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個人的には、ローレンス・スターンが「トリストラム・シャンディ」のノリのまま「センチメンタル・ジャーニー」を書いたような感じのまま、読んだ。 全体のストーリーを追うには、登場人物は多いし、それぞれのエピソードのつながりが見えないしで、そのまま合計1000ページ以上を読むのは、大変といえば大変。でも、それは覚悟のこと。一つ一つのエピソードを楽しむことにした。問題は、そうした読書がいいかどうか、なのだが、美しいラストシーンは、そうしたことを肯定しているんじゃないかと感じるものだった。 人生って、結局は不連続なエピソードの積み重ねだし、読者はメイスンに寄り添って、それをたどっていけばいいんだって、そういう読書でいい、そういうのが、ピンチョンの読者に対するメッセージなんだって、そう感じとった。 何だか、高い山を、周囲の景色を楽しむことなく、登って降りたような読書という気もするけどね。 | ||||
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新潮社HPでピンチョンはこう評されている。 現代世界文学最高峰の作家 その意味を知るにはこの作品で分かる。 『重力の虹』は氏の最高傑作と言われ続けているが、M&Dもいやはや・・・ 知識の泉のようにあらゆる事象についての知識をふんだんに含んだピンチョンの博識がいたるところに見れる。 難しい言葉がたくさん出てくるが、これが現代文学最高峰かと噛み締めてください。 トマス・ピンチョンが生きている間にノーベル賞を受賞することを願わずにはいられない。 一体どんなパフォーマンスをしてくれるのだろうか。 楽しみだ。 | ||||
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ピンチョンの他の作品のいくつかは、途中で挫折した私ですが、この作品は最後までおもしろく一気に読めました。地理、歴史、天文学、宗教なんかに疎いから小難しそう、などと考えず、手にとって欲しい作品です。訳者が柴田元幸氏というのも、読みやすい理由だと思います。脇役一人一人までがユニークで個性が強く、一文一文がとても濃くておいしいので、ゆっくり噛み締めるように味わえます。古い時代に合わせて、いろんな楽しい漢字(費府=フィラデルフィア、とか)が文章にたくさん盛り込んであるのも、昨今の出版物によくある、平仮名ばかりやたら多い白っぽい文面に不満ありの、私のような人間には嬉しい限りでした。 | ||||
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ジョンバースの「酔いどれ草仲買人」と語り口、地理、時代背景が似通っていて、あの世界を追体験するような印象を持った。ただし、こちらは物語がきちんと収束することなく、時間進行とともに、饒舌な挿話群が落ちの付くことなく重なっていき、ある種の迫力を持ち迫ってくる。だから、駆け足ではなくて、この主人公二人の旅に寄り添うような速度で読むことがおすすめ。関連地図が付いていれば、もっとよかったな。 | ||||
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