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アヴェンジャー
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アヴェンジャーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.13pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 21~30 2/2ページ
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“マスター・ストーリーテラー”フレデリック・フォーサイスが’03年に発表した作品。本書のタイトルにもなっている、主人公で51才の弁護士デクスターのコードネーム「アヴェンジャー」とは、「復讐者、仇を討つ人」という意味がある。 このアヴェンジャーに託された仕事は、ボスニア紛争時の’95年5月にボランティアとして現地で働いていたアメリカ人の学生をなぶり殺しにした後、南米の某国に高飛びしたユーゴ・マフィアでセルビア人の男・ジリチを捕らえることだった。 ここで物語は、若き日のデクスターのベトナム戦争従軍時のべトコンに対する苦闘の様子や、チトー亡き後の旧ユーゴのミシェロビッチ時代の民族紛争の詳細が綴られてゆく。この半世紀にわたる描写は上巻の大半と下巻の半分にもおよび、ラストのアヴェンジャーの単身で現地に潜入して、ジリチを逮捕するという結末に結びついてゆく。 例によって綿密な取材力と分かりやすく読みやすい抜群のストーリーテリングで、フォーサイスは半世紀にわたる国際紛争の実態(これは私にとって大変勉強になった)と、アヴェンジャーによるCIAのテロ対策本部を相手取ったジリチ確保の闘いをドキュメンタリー・タッチで描ききっている。アヴェンジャーの緻密な準備段階からラストの、たったひとりで厳重な警備体制を崩してゆく作戦行動は圧巻である。 本書はそんなアヴェンジャーの活躍を通して、9.11前夜までの、戦争と紛争に彩られた半世紀をフォーサイス流に描いた、“軍事ドキュメント・スリラー”の傑作である。 | ||||
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復讐されて当然のような悪人を、追い詰めていくアヴェンジャーの物語。 ワクワクしながら読んでいたら、下巻からCIAがからんできて複雑な関係に。 あとがきに「敵味方が明白に区別できる戦争の時代は、ある意味で、わかりやすい時代だったといえるのではないだろうか」とあるように、 結末に単純に喜べないのは、時代のせいなのか。 | ||||
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これは面白い。状況設定に無理がなく、復讐譚ながら後味もよい。 フォーサイスというと、リアリティを出すためか、登場人物や物語の背景説明が長く細かくて閉口することも多いのだけれど、この小説の場合はほどほどで収まっている。 「ジャッカルの日」「オデッサファイル」のフォーサイスに戻った感がある。快作。 | ||||
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本作は、上巻で物語背景の描写(アヴェンジャーが依頼を受けるまで、その背景にある世界情勢の俯瞰)主人公の過去が描かれる。特に興味深かったのは、主人公のベトナム従軍時代のエピソードだ。 ゲリラたちが潜む密林地下のトンネルに2名1組で下りて行ってそれをせん滅するという凄まじく危険で精神的苦痛を伴うミッションの描写が素晴らしく、引き込まれてしまった。またその際の相棒との友情が本作のハイライト部分で我々を驚かせることにもつながっていく。 | ||||
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上巻を受けて下巻では、実際のアヴェンジャーの、強固な要塞への潜入行動〜ターゲットを生きたまま米国当局に引き渡すまでの脱出行動が描かれる。 そのプロセスと描写にはフォーサイスならでは、の静かな興奮とリアルなサスペンスが溢れていて、一気に読み進めることができた。 強いて言えば、他のレビュワーさんも書いておられるが、依頼人の私怨(それもかなり金持ちならでは、の)に対する主人公(アヴェンジャー)の淡々としたコミットメント(金のためだけ、という印象)に、やや感情移入しきれないところは私にもあった。 しかし、その感情移入しきれない混沌、淡々としたコミットメントを前提にした危険行動が世界中に溢れていること、それがテロの世紀ともいえる現代の病巣だとフォーサイスが警告しているとすると、奥が深いと唸らされる。 | ||||
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翻訳版は読みません。英語版があまりにも面白いので知人に勧めたくなり、 翻訳版を探し出したらレビューの星が少ないので、 星を増やしたくて投稿させていただきます。 「コードネームは復習代理人」というサブタイトルが付いているのにびっくりしました、 これがインプットされたまま読み始めると、とまどうかもしれません。 過去の彼の作品を信じて読んでいくと、「ああ、そうか」と何度声を上げたことか。 彼の意図がわかってからは、すっかりはまってしまいました。 難解なミロシェビッチ時代の混乱をフォーサイスだからこれだけ理路整然と描いてくれたと思います。 トンネル・ラットを描いた作品には、Michael ConnellyのHarry Boschシリーズがありますが、 さすがフォーサイス、新たな恐怖感が沸きました。 | ||||
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ボスニアで惨殺されたアメリカ青年にたいする復讐を請け負った「アヴェンジャー」というコードネームの元軍人の話と思って読み進んでいくと、途中からCIAの対オサマ・ビン・ラディン殺害作戦がからんでくるまことに面白いストーリーである。「アヴェンジャー」のセルビア人悪党ゾラン・ジリチを捕まえる作戦が精緻この上もなくおもしろい。ベトナム・ボスニア等における悲惨な政情、テロリズムに対する考察など著者一流の観察(裕福なインテリの憎悪がテロを引き起こす)も参考になった。ストーリーの組立は精密に構築された建築のようで、謎解きの要素もあるので、休日に一気に読むことをお勧めする。 | ||||
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ですが、我慢して最後まで読むとジクソーパズルがぴったりとはまるように、すべてのエピソードがしっくりときます。 特に、下巻のエンドはなるほど、こういう事かと疑問点が一挙に解消するという快感が味わえます。 | ||||
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物語に過ぎないのだが、登場人物の個々の存在感、存在感がある理由もない理由もしっかりと理由がある。いまさらフォーサイスかな?っていう感じで読み始めたのに、しっかりはまった。 | ||||
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フォーサイスのデビュー作「ジャッカルの日」は、20年以上も前に寝食も忘れて一気に読んでしまったが、あの時の興奮を再び思い出す作品が、この「アヴェンジャー」である。読み出したら途中で止められない書物というのは、この世にそう多くはないと思うが、私の場合、フォーサイスとの相性がよいのか、「アヴェンジャー」上下巻をのべ一日もかからずに読破してしまった。ともかくフォーサイスの作品は、文句なしに面白い。スケールの大きさ、緻密な背景設定、巧みなストーリー展開、そして簡潔明瞭な語り口。私の中では、フォーサイスはまさしく「キング・オブ・ミステリー」である。願わくば、「ジャッカルの日」を越える作品を書いて欲しいところだが、残念ながら「アヴェンジャー」も「ジャッカルの日」を越えることはできなかった。それでも、私が読んだミステリーの中では、「アヴェンジャー」は「ジャッカルの日」に次ぐベスト2の位置にある。掛け値なしのオススメである。 | ||||
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