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アヴェンジャー



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アヴェンジャーの評価: 4.13/5点 レビュー 38件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.13pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全38件 1~20 1/2ページ
12>>
No.38:
(4pt)

アヴェンジとリヴェンジ

本書の底本は、Frederick Forsyth の
"Avenger"(2003)です。
動詞 avenge (アヴェンジ)を辞書で引きますと
「復讐する、被害者に代わって復讐する」と
あります。既に日本語として定着している
動詞 revenge(リヴェンジ)も「復讐する」
あるいは名詞で「復讐」の意味があります。
リヴェンジとアヴェンジの違いは
リヴェンジが「個人的な怨みを晴らすために
仕返しをすること」を含意するのに対し
アヴェンジは「当然の懲罰を与えること」
という点にあります。本書のテーマは後者で
「天に代わりて不義を討つ」(古い!)です。

いわゆるネタバレにならない範囲で言及しますと
被害者は米国人の青年リッキー・コレンソで
1995年、ボスニアで、命を落とします
(ある人物の命令で殺されたわけです)。
その遺族の中でも、祖父にあたる
スティーヴ・エドモンド(カナダの財界人)は
かつての「戦友」、米国上院議員
ピーター・ルーカスに(復讐を)相談します。
ルーカスはその筋(FBIなど)に働きかけ
ある情報を得てエドモンドに伝えます。それが
復讐請負人(コードネーム=アヴェンジャー)
に関する情報でした。

エドモンドから「仕事」を請け負った
アヴェンジャーこと、キャル・デクスターは
(本職は弁護士です)復讐に着手します。
いつ、どこで、どのように、ターゲットを狙う
のか、その具体的な手続きが、本書の中核で、
邦訳なら文庫の下巻になります。
アヴェンジャーの仕事は、米国 FBI の監視下に
あったのですが、それはなぜか、監視していた
のは誰か? 最後に「実は…」という秘密の暴露
があります。「どんでん返し」と呼ぶよりは
「ああ、そうだったのか」という印象です。
結末に向け、著者は、前半で重要な伏線を張って
います。邦訳文庫上巻は、復讐譚の「起こり」と
結末の伏線に充てられています。

劇画「ゴルゴ13」シリーズの読者ならば、仕事を
依頼する際、「賛美歌13番をリクエストする」、
「G-13型トラクターを注文する」、という設定を
ご記憶のことでしょう。本書では「アヴェンジャー
に連絡を取りたい者は、古い飛行機に関する雑誌
『ヴィンテージ・エアプレーン』において
「求む アヴェンジャー 電話乞う」と広告を出す
のが決まりになっています。ここで言う
アヴェンジャーは第二次世界大戦中に運用された
米国の雷撃機の名前です。グラマン社が開発し
1942年6月のミッドウェー海戦から投入されま
した。雷撃機というのは、水上艦(空母や戦艦)
をターゲットに、水平位で接近して魚雷を投下
するのに特化した飛行機のことです。英国、
カナダなどでも運用されましたが、1960年代に
退役しました。パイロットになりたかった
(パイロットでもある)フォーサイスは
「復讐者」と「雷撃樹」をかける小技をきかせ
たのかもしれません。

よく知られている通り、フォーサイスは
「ストーリー・テラー」マスターと呼ばれます。
執筆前に膨大かつ綿密な取材をするのはさすが
ですが、各国の組織にしても、個人名にしても
実在するものと、実在しないものが、混在して
いるのが特徴です。どこまでが取材による事実で
どこからが著者による創作なのかは、本文中には
明示されておりませんので、混同しないように
注意が必要だろうと思います。逆に考えると
詳細な取材によって物語のリアリティーを増す
という効果が絶大であるのがフォーサイスの
小説の真骨頂であると言えます。

小説家としてのフォーサイスは
1971年 "The Day of the Jackal" でデヴュー
"The Odessa File" 後、早々に引退宣言しますが
"The Dogs of War" のモデルになるような体験を
していたとも言われます。その後も何回か
引退宣言がありましたが、執筆に復活し、今なお
書き続けています。その理由について本人は
"money" が止むに止まれぬ動機であると答えて
います。フォーサイスらしいと感じます。

最後に、1989年に冷戦が終結(マルタ会談)し、
1991年にソ連が崩壊してからは、情報部員小説は
そのテーマを何にするか、取捨選択がたいへんに
なってきたであろうと思います。
本書で、著者は、ヴェトナム戦争を下敷きとし
ボスニア(東欧)や中東(UAE)や中南米を絡め
工夫をこらしているようです。
冷戦時代のインテリジェンス小説と、21世紀の
それはパラダイム自体が変化してしまったのは
否定できません。本書はファーサイスなりの
そのひとつの解答なのでしょう。
アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)より
4042537243
No.37:
(4pt)

無題

特にありません。
アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)より
4042537243
No.36:
(4pt)

無題

特にありません。
アヴェンジャー〈下〉 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アヴェンジャー〈下〉 (角川文庫)より
4042537251
No.35:
(5pt)

登場人物ひとり一人の性格描写など疎かにしていない。

CIAテロ対策チームのチーフであるポール・デブローの片腕として働いてきたケヴィン・マクブライトが、この物語のエピローグで一人語りすることから「アヴェンジャー」ことキャル・デクスターの留守電に残した警告が誰だったか明らかになった。
 ベトナム戦争でキャル・デクスターの「穴ネズミ」相棒(階級は上だった)だったのがケヴィン・マクブライトだったのである。
 二人の「穴ネズミ」の30年後の友情を、物語の最期に知らせるサプライズもフォーサイスならではの上手さである。
 CIA本部ビルのトイレでマクブライトが一人語りしているのは、世界貿易センタービルが崩壊する9・11テロの前日のことである。
 旧ユーゴの悪逆非道のゾラン・ジリチの力を借りてアルカイダのテロを阻止するというデブローの計画に懐疑的だったマクブライトの考えは正しかった(ジリチにそんな力などないとマクブライトは判断していた)。
 デクスターが弁護士なりたての頃に助けたコンピューターオタクのワシントン・リーやパスポートなどを偽造する天才的テクニックを持ったベトナム移民のグエン・ヴアン・チァンなどがデクスターに恩返しするエピソードなどがなければこの物語は成り立たない。
 とにかくディテールに拘り、登場人物ひとり一人の性格描写など疎かにしないのがフォーサイス流なのです。
 物語のテーマの重さを感じながらも『アヴェンジャー』下巻を楽しみながら読み終えました。
アヴェンジャー〈下〉 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アヴェンジャー〈下〉 (角川文庫)より
4042537251
No.34:
(5pt)

主人公は、ハリー・ボッシュと同じ「穴のネズミ」だった。

フレデリック・フォーサイスの小説で読んでいない『アヴェンジャー』(2003年)を読むことにした。
 読み始めて主人公のキャル・デクスターがマイクル・コナリー描くハリー・ボッシュにそっくりなのである。
 ベトナム戦において地下トンネルで穴ネズミとして熾烈な戦いを二人が経験していたことである。
 二人とも徴兵ではなく志願兵としてベトナムへ行くところまで似ていたから驚いてしまった。
 ハリー・ボッシュは帰還後刑事になるが、キャル・デクスターは弁護士になるところが異なっている。
 キャル・デクスターはただの弁護士ではなく、愛する娘を殺した犯人グループを見つけ出しパナマへ別人になりすまして潜入して皆殺しにして敵討ちしてきた。
 このパナマへ行くときに偽のパスポートなど作成してくれるベトナム人夫婦のエピソードが彼が弁護士になったばかりのころに布石されているから、さすがと思って読み進んでしまったのです。
 弁護士であるが「アヴェンジャー」としての裏稼業は娘の仇を打ったところから始まった。
 依頼人のカナダの大富豪スティーブ・エドモンドとピーター・ルーカス米上院議員が第二次大戦の戦友となるエピソードなど時間が交錯する物語は、第一章「建設作業員」から始まるが、さすがフォーサイスならではの手法の上手さに読者は引き込まれてしまうだろう。
 ユーゴスラビア連邦解体の過程で起こった内戦を、ストーリーの中枢に据えるフォーサイスの問題提起も伺うことも出来る作品になっている。
アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)より
4042537243
No.33:
(5pt)

「コブラ」読み返しのあと、戻り買いでした。

久しぶりに「コブラ」を読み返して、フォーサイスは流石にいいなと感じていましたが、解説を読んでこの「アベンジャー」からのつながりがあるのを知り、戻り買いして読んでいます。
フォーサイスの小説は背景調査が半端でなく、はやっぱいすごいです。昔の「ジャッカルの日」以来、結構読んでいますがこれは読みはぐっていました。
アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)より
4042537243
No.32:
(3pt)

アヴェンジャー〈下〉

エドモンドはかつての戦友の上院議員を通じてCIAにも問い合わせるが、犯人の所在は入念に秘匿されていた。青年虐殺の容疑で行方を追われるこの男こそ、ビン・ラディン逮捕計画のキーマンなのだ。その時がくるまで、必ず安全に泳がせ続けねばならない…。そして、アヴェンジャーとCIA捜査官の命運は、男が隠棲する南米の地で、遂にクロスする―。
アヴェンジャー〈下〉 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アヴェンジャー〈下〉 (角川文庫)より
4042537251
No.31:
(5pt)

一押しのミステリー

フォーサイスファンなら、きっと「気が付いたら朝」って事になります。
アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)より
4042537243
No.30:
(3pt)

いいね

1995年。ボスニアで一人のアメリカ人青年が消息を絶ったことが、全ての始まりだった…。2001年。ベトナム帰還兵のデクスターは、退役後、弁護士をしながら、“アヴェンジャー”というコードネームで「人狩り」の仕事を請け負っていた。今回の依頼は、ボスニアで孫を殺害した犯人を捜してほしい、という財界の大物エドモンドからのもの。そしてこの依頼こそが、世界を“9.11”へ向かわせる引き金だった…。
アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)より
4042537243
No.29:
(5pt)

定番

やっぱりフォーサイスの軍事ミステリーは面白い。 人物設定・ストーリーともにまぁ定番。
アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)より
4042537243
No.28:
(5pt)

定番

やっぱりフォーサイスの軍事ミステリーは面白い。 人物設定・ストーリーともにまぁ定番。
アヴェンジャー〈下〉 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アヴェンジャー〈下〉 (角川文庫)より
4042537251
No.27:
(5pt)

最高です!

最初から、引き込まれました。
泥沼のように過酷なベトナム戦争が浮かび上がりました。人はとても正常な精神ではいられない。
そこで生き抜いて、そして次の試練は余りに過酷だった。
最期の追込みのような物語の進行は、言うことがありません。
スリル満点!
アヴェンジャー〈下〉 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アヴェンジャー〈下〉 (角川文庫)より
4042537251
No.26:
(4pt)

感想

フレデリックフォーサイスのコブラを読んで、その前に書かれたアヴェンジャーをどうしても読みたくなり購入させて頂き、納得しながら上・下と
楽しく読まさせて頂きました。
アヴェンジャー〈下〉 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アヴェンジャー〈下〉 (角川文庫)より
4042537251
No.25:
(5pt)

ベトナムの話が面白い

面白いといったら不謹慎ですが、ベトナム戦争のトンネルのネズミの話は、非常に興味深く読めました。ボスニア戦争のありようなども、実に勉強になります。人間の率直な汚さを忌憚なく筆にしてくれるフォーサイスは、さすがに記者あがりです。
私はこんなサイドストーリーで知らなかったことを知るのが大好きなので、スパイ小説そのものが好きな人とは全く違う読み方をしてるのでしょうが、この作品にも大いに満足しています。
アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)より
4042537243
No.24:
(5pt)

おもしろい

最近のフォーサイスは、人種・民族的な文化の違いとかにも興味をもっているのでしょうか、小説のあちこちに異文化紹介的?な描写が見られるようです。もっとも、悪人と言うのは、東西を問わず考えることやふるまいが一貫しているのがおかしい所ですが。政治家もそうですが。
私は、より難しいことをするほうが偉い、という考えなので、極悪犯罪者を暗殺するのでなく生きたまま法治国家に引っ張り出して裁判にかけさせる、というアベンジャーの姿勢に大いに感じる所がありました。異文化紹介的な部分も、とても楽しめました。
アヴェンジャー〈下〉 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アヴェンジャー〈下〉 (角川文庫)より
4042537251
No.23:
(2pt)

見ごたえはラスト。それまで持つかどうか。

レビューもいいので、とりあえず読んでみた結果を。

人物、過去、それらが複雑に絡み合っている。
複雑なストーリーは私の望むところだ。こういうのは嫌いじゃない。
ただし、やや増長に過ぎるというのが私の意見だ。
過去を生かすシチュエーションは少なく、やや「アヴェンジャー」の活躍が少なかったように思える。
上巻が丸々壮大な序章で、下巻の1/3あたりから本編が始まるようなものだ。
丸々描いた過去の殆どがリンクせず、たいした意味もないというのは辛い。描くからには、たっぷりと見せたからには生かすシーンが必要だったと思う。

作者は兵器に詳しくないというのは個人的に残念と言う程度で、この作品の評価にはなんら影響はしていない。
ただ中南米とはいえ、敵が使い慣れたAKを配備しないのはどうなのだろうかと。
そして愛用のマグナムは捨てず、是非使って欲しかった、突っ込みを入れるとしたらこのくらいだろう。

つながらない過去を延々と流されても面白くはない。
まして、これで続編を書くつもりがないならなおさら無駄だろう。
描写が精密なだけに、残念としか言いようがない。
アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)より
4042537243
No.22:
(4pt)

さすが御大の作品

コソボ紛争の際にセルビア人に虐殺された米人青年、その祖父が復讐のために元ベトナム帰還兵で、弁護士の通称アヴェンジャー
ことデクスターに犯人を引き連れて来るよう依頼する。だが、このセルビア人のギャングの親分は中米において要塞にこもって
いる。かれをどうやって連れ出すのかというアクションと、彼を使って中東のテロリストと取引をさせ、一気にテロリストを一網打尽
にしようとするCIA。この両者の対決も面白い。最後の場面でこのCIAの現地工作員が実はこのアヴェンジャーの戦友である
ことも話の落ちになっている。さすが御大の作品、飽きさせない。
アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)より
4042537243
No.21:
(4pt)

とても勉強になりました

久々に読んだフォーサイスでした。様々な人物の思惑が交差する小説です。
善意でボスニアにボランティアに行った孫を惨殺された財界の大物エドモンド、最愛の一人娘を誘拐され殺された主人公デクスター。大切なものを失った2人。このエドモンドが”アヴェンジャー”ことデクスターに孫を殺したセルビア人のギャングを探し出してほしいと依頼するところからストーリーは始まります。
また、”正義”をすべての基準に物事を決断するFBI副長官と、大きな敵を倒すためなら瑣末な敵はたとえ悪人でも生かしておこうとする清濁併せ呑むCIA所属のデヴロー、そのターゲットはあのオサマ・ビン・ラーデン。
また、男の友情もこの小説の重要なテーマであり、2つの友情が描かれています。ひとつは、エドモンドと二次大戦中に知り合ったルーカス上院議員、そしてもうひとつはベトナム戦争を共に闘ったデクスターとその上官。ここには複線が隠されていて、「そういうことだったのか」と思わずつぶやいてしまうラストのちょっとした感動シーンに繋がっていきます。

話の基礎となる世界情勢が詳細に説明されています。自分が特別興味を持っていない地域のニュースはつい見過ごしてしまいがちですが、この本はおもしろいという以前に大変勉強になりました。特に旧ユーゴスラビア内戦の実態とベトナム戦争の実情は真に迫っていて、そんなことがあったのか、そうだったのかと何度もうなずきながら読みました。アフガニスタンのドスタム将軍がタジク系だとかちょっとした間違いはありますが(本当はウズベク系)概ね知識と描写は正確でさすがフォーサイスとうならされます。
ただ、どちらかといえば世界情勢の説明の間にストーリーが展開するという感じが強く、ここで退屈してしまう人もいるかもしれません。
また、ここに描かれているように「アメリカが世界から、特にイスラム系から反感を買っているのは、貧困や苦しみ、またはアメリカの傲慢さのせいではなく、豊かなアメリカに対する嫉妬や憎しみ」だというのがもしフォーサイス自身の意見なら、それはちょっとどうかなあと思わないでもありません。

そういうことはとりあえず置いても、大変すぐれた小説だと思います。いろんな時代と様々な人物のエピソードが平行して進み、最後に近づくに従ってそれらが一点にあわさっていきます。最後、主人公の”アヴェンジャー”ことデクスターがほとんど不可能と思われるような条件の下でセルビア人ジリチを追い詰めていく様子は手に汗握らせます。1938年生まれだというから、現在74歳のフォーサイス、これからもすぐれた小説を発表していってもらいたいものです。
アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)より
4042537243
No.20:
(5pt)

これが面白くなくて何が面白い

フレデリックフォーサイスほどのストーリーテーラーはいないでしょう。この手の軍事スリラー書かせたら稀代の名手です。乱読、多読、精読、小説中毒なら面白くない筈がない。でもこの作品は映画化ねらってる節がプンプン匂います。主人公はジェィソンステイサムあたりでどうでしょう。
アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)より
4042537243
No.19:
(5pt)

不幸中の幸い

人を殺す現場が仕事の軍人。調べることのプロの記者。その両方の職業経歴があるフォーサイスだから書ける小説。フォーサイスで一冊、と尋ねられたら、この本を私は推します。

旧ユーゴ紛争で何があったかを示す映画や本は、今でこそ沢山出て来たが、その中でもフォーサイスは、一番早かったのではないか。そこに同じヨーロッパ人の責任と記者魂を感じます。

この小説では、復讐劇が静かに淡々と書き綴られて行く。それがかえって、これはこの内戦の極一部です、と彼が言っているような気がする。 私自身、日本で開催されたユーゴ紛争の報告会で、国連で働いた人から、この本の冒頭シーンとそっくりの話を聞いた。 また、ツアー会社が、人を撃ってみたい人を紛争地に連れて行くツアーを企画していたり、EU製の武器が供与されて同じEUの人の命を奪っている事実を知らせる映画も後に出てきた。戦争では人はそこまで堕ちるのだと。

私は、フォーサイスが同じ時代に生きて、彼の本から戦争とは何かを教われることをある意味とてもラッキーだと思う。
アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)より
4042537243

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