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アヴェンジャー
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アヴェンジャーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.13pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全38件 21~38 2/2ページ
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人を殺す現場にいる軍人。調べることのプロの記者。その両方の職業経歴を持つフォーサイスだから書ける小説。フォーサイスで一冊、と尋ねられたら、私はこの本を推します。 旧ユーゴ紛争で何があったかを示す映画や本は、今でこそ沢山出て来たが、その中でもフォーサイスは、一番早かったのではないか。そこに同じヨーロッパ人の責任と記者魂を感じます。 この小説では、復讐劇が静かに淡々と書き綴られて行きますが、それがかえって、これはユーゴ紛争の極一部です、と作者が言っているような気がする。 私自身、日本で開催されたユーゴ紛争の報告会で、国連で働いた人から、この小説の冒頭シーンとそっくりの話を聞いた。また、外国のツアー会社が人を撃ってみたい人を募って紛争地に連れて行く話や、EU製の武器が供与され同じEUの人の命を奪っている話など映画としてその後幾つも出てきた。人は戦争ではそこまで堕ちるのだと。 私は、フォーサイスが私たちと同じ時代に生きてくれて、彼の本から戦争とは何かを教われることが凄くラッキーだと思う。 | ||||
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昔「ジャッカルの日」「オデッサファイル」等で一世を風靡したフォーサイスを読むのは久しぶりだったが、1ページ目半分も読んだ所で アレッ! 訳者が変わったのかと思った。 その後も読み進めるにつれ呆れて来る。 整合性が成り立たないと思われる所も有り、分って訳しているのだろうかと疑ってしまう。 108P「追跡屋はトラヴニクへ戻ると、住居付きのオフィスを借りて、仕事大好き人間のイブラヒムをガイド兼通訳として雇った。」の文には泣きたくなった。 仕事大好き人間・・・・フォーサイスがこんな言い回しを使うのであろうか? 何の格調も無い平板な文章で、読みにくい。 今迄当たり前の様に読んでいたが、翻訳と云うモノの重要性を再認識されられる程の文章である。 画竜点睛を欠く とはまさにこの事ではと思わされる訳出である。 翻訳は立派なその国の文化である。 これは文化の衰退を予感させる程のものである。 翻訳をやったのは誰だろう? 英会話が出来る、英語が出来る程度のが翻訳機を使いながら訳したのだろうか? きっと縁故で使ってもらったのだろうな・・・それとも・・ しかし調べたら、訳者はズーット昔から同じ方である。 少なくとも名前はそう書いて有る。 名義貸しでもしたのだろうか?それとも・・・ 1.フォーサイスもお金に困って書きなぐっている。 売春婦の様だとヘミングウェイがフィッツジェラルドを評したかの如く。 2.版権が高すぎて、訳者に払うお金が極端に少なくなっちゃった。 訳者は怒って孫にアルバイトでやらせた。 3.実は名前の訳者本人は既に死亡している。 | ||||
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日本人にはなかなかなじめない、中東問題とアメリカ。あるいはヨーロッパからロシアにまたがる地域の政治と宗教、更に暴力、テロ、武器売買の世界。これを背景に、しかし骨は「悪者をきちんと裁くために公衆の場に引き立てる」という職業。 この悪者は何も、政治犯だけではなく、事件の背景(裁きへの依頼人)もどちらかいうと非常に私的である。 愛する家族を無残に殺したものを裁く、というような。 ただここでも、単なるギャング、いきずりの犯罪と言うより、非常に政治的な背景と社会的な問題を抱えた経緯があるため、フォーサイスはそこらあたりを丁寧に丁寧に説明してくれる。 その説明がないと、確かにダメなんだけど、一方で、何か現代社会学や政治学の講義を聞いているような印象もある。 どうしても、ドラマに入りきれない。ここらの説明が、なんとももどかしい。 これは、いっそ映画にでもすると、すっぱり料理できるのかもしれない。 非常に面白い。 だけど、ストーリーのノリが、どうしても中断され、腕組みして勉強してしまうような気分になる。 主人公の感じが、いかにも映画になりそうな… | ||||
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“マスター・ストーリーテラー”フレデリック・フォーサイスが’03年に発表した作品。本書のタイトルにもなっている、主人公で51才の弁護士デクスターのコードネーム「アヴェンジャー」とは、「復讐者、仇を討つ人」という意味がある。 このアヴェンジャーに託された仕事は、ボスニア紛争時の’95年5月にボランティアとして現地で働いていたアメリカ人の学生をなぶり殺しにした後、南米の某国に高飛びしたユーゴ・マフィアでセルビア人の男・ジリチを捕らえることだった。 ここで物語は、若き日のデクスターのベトナム戦争従軍時のべトコンに対する苦闘の様子や、チトー亡き後の旧ユーゴのミシェロビッチ時代の民族紛争の詳細が綴られてゆく。この半世紀にわたる描写は上巻の大半と下巻の半分にもおよび、ラストのアヴェンジャーの単身で現地に潜入して、ジリチを逮捕するという結末に結びついてゆく。 例によって綿密な取材力と分かりやすく読みやすい抜群のストーリーテリングで、フォーサイスは半世紀にわたる国際紛争の実態(これは私にとって大変勉強になった)と、アヴェンジャーによるCIAのテロ対策本部を相手取ったジリチ確保の闘いをドキュメンタリー・タッチで描ききっている。アヴェンジャーの緻密な準備段階からラストの、たったひとりで厳重な警備体制を崩してゆく作戦行動は圧巻である。 本書はそんなアヴェンジャーの活躍を通して、9.11前夜までの、戦争と紛争に彩られた半世紀をフォーサイス流に描いた、“軍事ドキュメント・スリラー”の傑作である。 | ||||
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“マスター・ストーリーテラー”フレデリック・フォーサイスが’03年に発表した作品。本書のタイトルにもなっている、主人公で51才の弁護士デクスターのコードネーム「アヴェンジャー」とは、「復讐者、仇を討つ人」という意味がある。 このアヴェンジャーに託された仕事は、ボスニア紛争時の’95年5月にボランティアとして現地で働いていたアメリカ人の学生をなぶり殺しにした後、南米の某国に高飛びしたユーゴ・マフィアでセルビア人の男・ジリチを捕らえることだった。 ここで物語は、若き日のデクスターのベトナム戦争従軍時のべトコンに対する苦闘の様子や、チトー亡き後の旧ユーゴのミシェロビッチ時代の民族紛争の詳細が綴られてゆく。この半世紀にわたる描写は上巻の大半と下巻の半分にもおよび、ラストのアヴェンジャーの単身で現地に潜入して、ジリチを逮捕するという結末に結びついてゆく。 例によって綿密な取材力と分かりやすく読みやすい抜群のストーリーテリングで、フォーサイスは半世紀にわたる国際紛争の実態(これは私にとって大変勉強になった)と、アヴェンジャーによるCIAのテロ対策本部を相手取ったジリチ確保の闘いをドキュメンタリー・タッチで描ききっている。アヴェンジャーの緻密な準備段階からラストの、たったひとりで厳重な警備体制を崩してゆく作戦行動は圧巻である。 本書はそんなアヴェンジャーの活躍を通して、9.11前夜までの、戦争と紛争に彩られた半世紀をフォーサイス流に描いた、“軍事ドキュメント・スリラー”の傑作である。 | ||||
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復讐されて当然のような悪人を、追い詰めていくアヴェンジャーの物語。 ワクワクしながら読んでいたら、下巻からCIAがからんできて複雑な関係に。 あとがきに「敵味方が明白に区別できる戦争の時代は、ある意味で、わかりやすい時代だったといえるのではないだろうか」とあるように、 結末に単純に喜べないのは、時代のせいなのか。 | ||||
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これは面白い。状況設定に無理がなく、復讐譚ながら後味もよい。 フォーサイスというと、リアリティを出すためか、登場人物や物語の背景説明が長く細かくて閉口することも多いのだけれど、この小説の場合はほどほどで収まっている。 「ジャッカルの日」「オデッサファイル」のフォーサイスに戻った感がある。快作。 | ||||
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本作は、上巻で物語背景の描写(アヴェンジャーが依頼を受けるまで、その背景にある世界情勢の俯瞰)主人公の過去が描かれる。特に興味深かったのは、主人公のベトナム従軍時代のエピソードだ。 ゲリラたちが潜む密林地下のトンネルに2名1組で下りて行ってそれをせん滅するという凄まじく危険で精神的苦痛を伴うミッションの描写が素晴らしく、引き込まれてしまった。またその際の相棒との友情が本作のハイライト部分で我々を驚かせることにもつながっていく。 | ||||
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上巻を受けて下巻では、実際のアヴェンジャーの、強固な要塞への潜入行動〜ターゲットを生きたまま米国当局に引き渡すまでの脱出行動が描かれる。 そのプロセスと描写にはフォーサイスならでは、の静かな興奮とリアルなサスペンスが溢れていて、一気に読み進めることができた。 強いて言えば、他のレビュワーさんも書いておられるが、依頼人の私怨(それもかなり金持ちならでは、の)に対する主人公(アヴェンジャー)の淡々としたコミットメント(金のためだけ、という印象)に、やや感情移入しきれないところは私にもあった。 しかし、その感情移入しきれない混沌、淡々としたコミットメントを前提にした危険行動が世界中に溢れていること、それがテロの世紀ともいえる現代の病巣だとフォーサイスが警告しているとすると、奥が深いと唸らされる。 | ||||
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翻訳版は読みません。英語版があまりにも面白いので知人に勧めたくなり、 翻訳版を探し出したらレビューの星が少ないので、 星を増やしたくて投稿させていただきます。 「コードネームは復習代理人」というサブタイトルが付いているのにびっくりしました、 これがインプットされたまま読み始めると、とまどうかもしれません。 過去の彼の作品を信じて読んでいくと、「ああ、そうか」と何度声を上げたことか。 彼の意図がわかってからは、すっかりはまってしまいました。 難解なミロシェビッチ時代の混乱をフォーサイスだからこれだけ理路整然と描いてくれたと思います。 トンネル・ラットを描いた作品には、Michael ConnellyのHarry Boschシリーズがありますが、 さすがフォーサイス、新たな恐怖感が沸きました。 | ||||
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ボスニアで惨殺されたアメリカ青年にたいする復讐を請け負った「アヴェンジャー」というコードネームの元軍人の話と思って読み進んでいくと、途中からCIAの対オサマ・ビン・ラディン殺害作戦がからんでくるまことに面白いストーリーである。「アヴェンジャー」のセルビア人悪党ゾラン・ジリチを捕まえる作戦が精緻この上もなくおもしろい。ベトナム・ボスニア等における悲惨な政情、テロリズムに対する考察など著者一流の観察(裕福なインテリの憎悪がテロを引き起こす)も参考になった。ストーリーの組立は精密に構築された建築のようで、謎解きの要素もあるので、休日に一気に読むことをお勧めする。 | ||||
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ですが、我慢して最後まで読むとジクソーパズルがぴったりとはまるように、すべてのエピソードがしっくりときます。 特に、下巻のエンドはなるほど、こういう事かと疑問点が一挙に解消するという快感が味わえます。 | ||||
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物語に過ぎないのだが、登場人物の個々の存在感、存在感がある理由もない理由もしっかりと理由がある。いまさらフォーサイスかな?っていう感じで読み始めたのに、しっかりはまった。 | ||||
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フォーサイスのデビュー作「ジャッカルの日」は、20年以上も前に寝食も忘れて一気に読んでしまったが、あの時の興奮を再び思い出す作品が、この「アヴェンジャー」である。読み出したら途中で止められない書物というのは、この世にそう多くはないと思うが、私の場合、フォーサイスとの相性がよいのか、「アヴェンジャー」上下巻をのべ一日もかからずに読破してしまった。ともかくフォーサイスの作品は、文句なしに面白い。スケールの大きさ、緻密な背景設定、巧みなストーリー展開、そして簡潔明瞭な語り口。私の中では、フォーサイスはまさしく「キング・オブ・ミステリー」である。願わくば、「ジャッカルの日」を越える作品を書いて欲しいところだが、残念ながら「アヴェンジャー」も「ジャッカルの日」を越えることはできなかった。それでも、私が読んだミステリーの中では、「アヴェンジャー」は「ジャッカルの日」に次ぐベスト2の位置にある。掛け値なしのオススメである。 | ||||
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久しぶりのフォーサイスの長編、どうかなあと思いつつやはり手に取らずにはいられなかった。2段組にすれば充分1冊で収まる長さだが、上下分冊でこの価格。良心的な価格設定ではありませんね。 肝心の内容だが、露骨な伏線的エピソードが並べられた前半は、部分的に興味深い描写があるもののあまり快調とは言い難い。物語が一気に動に転じる下巻途中からはさすがに読ませるが(この辺の静から動への転換は「戦争の犬たち」に似ていなくもないか。もちろん作品の出来はあちらのほうが圧倒的に上だが)、そんなにうまくいくかな、と読んだ人は皆つっこみのひとつやふたつ入れているだろう。難しいことは抜きにして、これが今のフォーサイス流エンタテインメントなのかもしれない。 あと、本の半分以上を覆う帯の煽りに「全ては9.11に至る道だった」みたいな記載があるが、同時多発テロに向かって直接的に収束していくような物語ではないので、その辺に興味を持って読み始めた方は肩透かしになるかも。 結局つまらないのか、といわれれば「まあ、つまらなくはないかな」という答えに個人的にはなる。でも価格も高いし、評価としては星三つというところだと思う。 | ||||
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帯広告に興味を持って購入しました。細かい部分は考えずに読めば映画感覚で楽しめるかな・・・正にハリウッド映画用原作と言った感じです。但し、じっくり読むと、何で?何故?と少し強引な所もあるかな・・・ | ||||
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フォーサイスの新作と言えば手に取らずにはいられない。こういう私のようなひとは多いでしょうからこの内容でも分冊にして4,000円近い価格設定になるのでしょう。で、この上巻ですけど、コードネーム「アヴェンジャー」がマンハントを依頼されるきっかけとなる事件がおきてから延延とユーゴ・セルビア・ミロシェヴィッチなどの時代・舞台背景に関する説明が続きます。リアリティーを出そうとしているのはわからないではないですが、ベトナム帰還兵の「アヴェンジャー」の経歴と、除隊してアヴェンジャーに至る経緯の説明もいまいち興味深いエピソードがなく、背景説明の長さと相俟ってもう上巻で切り上げたくなります。2巻同時買いしたい気持ちをおさえ、まず上巻から買ってみることをおすすめします。小生の感想としてはこの作品含めフォーサイスは冷戦終焉とともに「終わった」。 | ||||
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冷戦が終わり、テロ戦争が続発する今となっては、「善悪」「勧善懲悪」のわかりやすい構図は成り立ちません。フォーサイスはそんな時代に生きる「アヴェンジャー」のリアルな生き様を描きたかったのか、それとも新しいタイプの「ヒーロー」ものフィクションを書きたかったのか。上下巻通読してもその辺りがどうしても見えてきませんでした。いっそトム・クランシーみたく開き直って「ジャック・ライアン」でエンタテインメントに徹してはどうなんでしょう。とにかく、「アヴェンジャー」の進めるミッションに感情移入もできず、最後までひたすら「リアル」な話が展開されます。あっけない終幕。最近のフォーサイスの傾向から嫌な予感はしてましたがやっぱりがっかりの2冊でした。 | ||||
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