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ルーズヴェルト・ゲーム
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ルーズヴェルト・ゲームの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.42pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全242件 221~240 12/13ページ
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著者の作品を読んだのは下町ロケットと本書の2冊であるが、両書に共通なのは企業の強みとは何かを問うている事。中小中堅企業は必ずしも大企業の様な強みはないし、そのまねをしてもしょうがない。自分の企業の強みである技術力を最大限発揮する事と、企業文化を作る従業員の質である。イメージセンサーで前者を、社会人野球部で後者を描いた本書は、企業小説を超えた熱いものを感じる。昭和の高度成長期には城山三郎の企業小説が良く読まれたが、今停滞する日本経済を支える真の企業のあり方をベースにした企業小説が受け入れられるのだと思う。著者出身の銀行業界が本当の企業審査(財務数値には表れないものをしっかり評価できる)に目覚めてくれないと、小説の中での存在の様に書かれ続けると思う。 | ||||
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『空飛ぶタイヤ』『下町ロケット』そして本書。 三菱自動車のリコール隠し(タイヤ脱輪による死亡事故)や小惑星探査機「はやぶさ」の活躍、そしてリーマンショックと企業スポーツの衰退 | ||||
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野球小説ではなく、企業小説。池井戸氏はあっという間にこの分野のトップランナーになりました。予定調和の結末、大いに結構。楽しませてもらえます。企業モノを、ドロドロの駆け引きなんかで読まされるより、ずっと精神衛生的に嬉しいです。へんに人情ものにも陥らず、誰もが好感をもって読了できる一冊。敵役の専務に悪意のないところも好印象でした。 いずれ本作もテレビ化されるんでしょうね。 | ||||
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不況で苦しむ企業を舞台に、生き残りをかけて戦う会社、特にその経営陣と、 伝統はあるものの今は弱小でリストラの候補にされるその会社の野球部の戦いを描いたものである。 直木賞を受賞したとき、この作家のことはまったく知らずにいた。 受賞で興味を覚えたが、受賞作の『下町ロケット』という作品はどうも自分の路線ではないような気がして、 結局そのままだった。 しかし今年刊行されたこの『ルーズヴェルト・ゲーム』は、 野球の話でもあるというので、あらためて興味が蘇った。 それならわりと読む気になって、 かつこの作家の魅力も知ることができるかもしれない、と。 それでも読み出すまでは、作家の質ではなくこちらの好みの点でやはり半信半疑だったのだが、 しかしこれはとても読みやすいし、面白い。 個人的な癖のようなもので、数冊同時に読み出してそのまま並行して読むことがよくある。 そのうちだんだんより面白い方に絞られていって、 さほどではない方は後回しになったり、そのまま読まずに終わったりする。 今回もそんな感じで、 あれこれ最初の数ページを読んでは他の本を読む、ということをやっていたのだが、 この小説を読むと、そのままやめたくなくなって、結局ほぼそのまま最後まで読んだ。 才能があるのだろう。読ませる筆力、物語の展開力。 野球の試合の部分も少年漫画を読むような楽しさがあるのだが、 スポーツの技術や戦術に深く立ち入るわけではない。 なんといっても根本は人間を描くということだろう。 不況とか生活苦とか、人生の辛さやら生活苦やら、嫌な奴やら悪意も描かれている。 それらと戦い、乗り越えようという話なわけだが、 そのベースにあるのは、皆で力を合わせて、という人の和、仲間意識ということである。 なるほど、だから野球、とくに家族的なまとまりが特徴の社会人野球か、と納得される。 そうしたものを、おそらくこの作家はとても大切にしているのだろう。 読み終えてみると、多少とも型どおりではあるし、もちろん現実とのずれもあるだろう。 それはそれとして、そもそもの設定が嫌でなければ、 それこそハラハラの野球の試合のように、一読元気をもらえる小説だと思う。 | ||||
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いつもの池井戸潤の作品と同じように、主に会社経営の厳しさ・社長の悲哀・リストラなどを社会人野球部を通して描いた作品。 序盤〜中盤は辛いことばかり起こるが、終盤にかけて読者が望む方向に向かって収束していく。 他の作品と同様、読む者に勇気や活力を与えてくれる作品である。 難を言えば、「下町ロケット」などの他作品と展開が同様であった。 また、監督をはじめ野球部員たちのキャラを浮き立たせてもよかったように思う。 | ||||
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池井戸氏の作品を読んだことがある人にとって、意外性はありません。 でも不満もありません。面白いし。 ルーズヴェルトが野球は8対7が一番面白いといったなんて、知りませんでした。 サンデーモーニングの張本さんだって知らないんじゃないの。 それに、野球といっても社会人野球を素材にしているところが新鮮でした。 ストーリーとしては、過去に傷を持つ実力若手ピッチャーが少し類型的な気が…。 それと完全に悪役になった企業が「越後屋」みたいで残念。ライバル企業にも、自負と社風を貫く意地を持たせてやりたかったなあと…。 立場の違いはあっても、善と悪の対立構造に単純化しちゃいけないだろうと思いました。 | ||||
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熱い男を描かせたら、この人はスゴイな。 でも、期待はずれだったところもあります。 それは、ストーリーは会社復活VS野球部復活のコラボを 描こうとしたんだろうけど、会社マネジメントも野球部マネジメントも どちらも復活のカギにはならなかったところです。 社長の細川は会長の青島から、 「人のクビを切ろうと思ったらイズムがいる」とサジェスチョンを 受けながら、最後までイズム的なものを覚る事はありませんでした。 野球部監督の大道は「大道イズム」で野球部を変えようとしますが、 けっきょく野球部復活のカギとなったのは「大道イズム」ではなく 天才ピッチャー・沖原の加入でした。 それでも、この物語は感動的だったな〜〜((((o* ̄▽ ̄)o))) じーん とくに会社マネジメントの方は読み応えがありました。 最初は、改革派の会長青島・社長細川VS抵抗勢力の専務笹本・開発部長神山 という単純な図式なのかと思っていたんだけど。 ところが終わってみれば、抵抗勢力だと思っていた笹本・神山は じつは男の中の男であったのです。 笹井は血の通わない冷たい経理屋のような描き方を当初されていましたが、 じつは熱い血の男であった事が徐々に明らかにされていきます。 彼は、腹の据わった男でした。 「笹井は、努力の人だったのである」 「笹井には私欲がない」 等等、笹井の人柄を語る部分には、感動で涙が出ました。 また、開発部長の神山も、以前大きな失敗をしているのですが、 その経験からネガティブになったのではなく、 腹をくくったのだという事がだんだん明らかになっていきます。 野球部リストラ、社員リストラの実行役となる総務部長・三上も ひたすら見事な男でありました。 彼の哲学が、胸に沁みます。 人事は熱血でなければやってはいけないんだな、と、ストンと腹に落ちました。 みんな、男だな。 あっつい男を描かせたら、さすがにこの人はすごいな〜〜 大人の男の熱い話は、同世代のおじさんである私のココロを ハゲしくゆさぶりましたぜ! ヽ(`Д')ノ <ウオオオオオーーーッ!!! ヽ(`Д')ノ <ウオオオオオーーーッ!!! | ||||
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池井戸潤氏は、銀行、ゼネコン、町工場というドラマに続いて、難しい企業スポーツの存続を賭けた中堅企業野球部、またまた興味深く面白い作品を出してくれた。2012年4月29日現在でレビューは圧倒的に五つ星が10件、四つ星が3件、三つ星が1件と当然の結果だ。本作品は、余程の天邪鬼でない限り低い評価はないと思う。各レビューの書かれた内容も良く優れている。一方で「参考になった・ならない」の投票数に注目して欲しい。4−2、2−1、1−0、中には4−1、5−1などというのもある。このnegative投票をしている輩は同一人物だろう。何が気に入らないのか、全てにnegative投票を入れているのだろう。かなり精神的に可哀想な、情けない輩と見る。レビューの意味は、多くがどの作品が良いか選択の手助けのなるものだ。それを単に馬鹿の好き嫌いでむやみやたらに「参考にならない」票を入れるのは言語道断。こういう投票者排除にAmazonも動く。 | ||||
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池井戸氏の作品は一部を除き基本的にある定まったパターンがある。しっかりした若手社員がいること、その言動・活躍が爽やかなこと、組織内で社員の頑張りがあること、そして常に感動があることだ。悪いヤツがいて、良い人がいる、解りやすい勧善懲悪物だ。本書もその基本線に沿っているから、それ程に深みはなくとも笑いあり、涙あり、そして最後はとても感動する。青島製作所は昭和41年創業の中堅電子部品メーカーで、売上500億円超、社員1500人、派遣200人、歴史ある野球部を持つ。キーとなるのは創業者の青島会長と、営業で実績を残し抜擢された細川社長、そしてその他の多くの役職員だ。その中でも特に渋い役回りは笹井専務、野球部の部長である三上(取)総務部長、若手の中心として野球部マネジャーの人事課員古賀、キャプテンの庶務課員井坂、この辺が良い味を出している。若手の活躍は、「オレたちバブル入行組」等の半沢直樹、「鉄の骨」の富島平太、下町ロケットの江原春樹に通じるものだ。また池井戸氏は、本作品の笹井専務や、「下町・・」の経理部長等の一癖あり嫌われ役ながら、実はキラリと光るbyplayersを用意してあるところが心憎いのだ。本書は逆風の中の企業内野球部の苦労と歓びを全編に上手く描く。これはフジTVドラマの「コーチ」、九十九里の水産物加工会社の不振と野球チームの喜怒哀楽を思い出させてくれた。本書の青島製作所は、急激な景気の悪化で、取引先の生産調整、受注減、資金繰りの悪化と、取巻く環境は非常に厳しい。但し主力取引銀行(白水銀行府中支店/磯部支店長)は、年度資金計画と運転資金申込、リストラ策の策定や進捗チェック等のほんの少ししか登場しない。私は最近の池井戸作品の企業物を勿論好むが、ややパターンが決まっている感があり。この路線も良いのだが、やはり原点とも言える銀行との切った張ったの交渉を絡ませた、或いは定番の銀行を舞台にした行員の勧善懲悪作品もたまには発表して欲しいと思う。ところで本書には野球部の公式試合の場面が多く登場するが、その表現は簡潔でありながら読んでぐんぐん吸い込まれる筆致に驚いた。 | ||||
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文句なく面白い。 池井戸潤さんの作品は、常に最後はすっきりします。 読者に涙を流させたり、安心させたり、痛快さを味あわせてくれる。 野球部を作った青島会長、乞われて経営を引き受けた細川社長、古参の笹井専務、神山技術開発部長、それぞれの 人間性が非常に面白く、時には瞼が熱くなります。 野球部の存続や社内のリストラ、会社のピンチ、会社も野球も同じだ。7点取られたら8点取る! 絶対面白い! | ||||
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面白いことは否定しない。 読んで損したと思う人はいないだろう。 とはいってもこの小説、小道具こそ異なるものの基本的な筋立ては下町ロケットとほとんど同じで、 目新しさとでも言うべきものは殆ど感じられない。 シニカルな見方をすれば、もともと小器用であった作者が前作でついに大ブレイク果たしたのはいいとして、 同時に「売れる作品の秘訣」みたいなものを悪いかたちで会得してしまったような印象も感じられなくはない。 「鉄の骨」あたりからそんな印象はあったのだが、本作にいたってはその集大成と言っていいと思う。 今後のエンタテインメント会を背負ってたつ作家の一人と思うので、厳しめに評価させてもらったが、 次回作は我々が想像もしないような作品で読者の度肝を抜いてほしいものである。 | ||||
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オーナーの趣味でやってきた、中堅どころの企業の 弱小野球部を絡ませながら、新社長の懊悩と決断を描く。 銀行からのプレッシャー、上位企業との競争、不景気の中で リストラを迫られる経営陣の分裂。 野球部の主力を監督ともども引き抜かれる中で、野球部の 存在価値と会社のあり方が問われる。 会長の青山の存在感、社長の細川の経営能力、笹井専務の真意、 それぞれの登場人物が個性を持って描かれる。 経営陣の、社員を預かる責任の重さにあえぐ姿は「下町ロケット」 と同じだが、野球部という伏線を張ったところに、また違う味わいが ある。 | ||||
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本書の舞台となる青島製作所野球部はかつては社会人野球部の名門だったが その後は衰退の一途をたどりいまや会社のお荷物であり、野球どころではな い。早々と青島製作所の前監督はエースと4番打者を連れてライバルチーム に移籍してしまう。それが合併を提案してきたミツワ電器である。本書のタ イトルは野球を愛したアメリカ大統領ルーズヴェルトが「一番面白い試合は 8対7だ」と語った逸話からとられている。先制されても諦めない、逆転さ れても諦めないことが重要だということがこのタイトルに込められている。 中小企業が大手企業の横暴に耐え、最後まで諦めずに戦うという筆者の世界が 描かれており読み応えのある作品です。 | ||||
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『空飛ぶタイヤ』『下町ロケット』という二大金字塔を打ち立てた後の作品というのは、正直辛い と思う。読者のハードルは思いっきり上がっているわけで、それをクリアするのは至難の業としか 言いようが無い。 しかし、「いや〜、お見事!」今回も思いっきり楽しませていただきました。 パターンは『下町ロケット』と一緒なのだが、張り巡らされた様々なエピソードが見事なまでに 機能しており、自分が「こうなってほしい!」という結末に向かって、ベタベタに突き進んでいく 様は快感以外の何者でもない。 同様のパターンは飽きてしまうのが普通だが、池井戸潤の作家としての力量は普通ではないようで 見事に今回、高い高いハードルをあっさりとクリアしてみせた。 そして毎回感心するのだが、ラストの落しどころなんかは、決して荒唐無稽ではなく、現実を踏ま えたものになっており、好感が持てる。 | ||||
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今回は弱小の社会人野球チームを抱える中堅メーカー「青島製作所」が、世界同時不況をきっかけに大手企業から生産調整を受けたり、リストラに踏み切ったりしながら、苦難と闘っていく物語。 大企業と戦う中小企業の苦悩と仕事の意味を描いた前作の下町ロケットもよかったが、本書も負けず劣らず楽しめた。 不況にあえぐ企業同士の腹の探りあい、社長としての企業経営の考え方、経営危機での野球チームの意義など、読み応え抜群だった。 個人的には社長の細川の成長と、専務の笹井、野球部長の三上、会長の青島といった青島製作所内の人間関係における描写が素晴らしかったと思う。特に細川と笹井の考え方の相違からの対立、野球チーム存続をめぐる攻防、各人の立場から会社のために何が必要か考える姿勢などがよく考えられており、胸が熱くなった。 | ||||
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「下町ロケット」での直木賞受賞後、長い間、旧作の文庫本化や新装版化でお茶を濁されていたが、正真正銘の新作がようやく発売された。「下町ロケット」で池井戸潤に初めて興味を持った私のような読者は、旧作をピックアップして読み進めていくしかなかったのだが、その旧作の大半が銀行物という芸域の狭さに、正直、食傷気味で、いい加減に新作を読ませてほしいと思っていただけに、本当に待ちに待った新作の発表だった。 さて、そんな本書を実際に読んでみると、基本的な作品構成は、「下町ロケット」と全く同じパターンであることに気が付く。つまり、ロケットが野球に変わっただけで、一つ問題を解決したかと思えば、また新たな難題が青島製作所と野球部に持ち上がるという設定は、それを佃製作所とロケット開発に置き換えれば、そのまま「下町ロケット」に重ね合わさるのだ。そういう点では、大ヒット作と同じパターンで二匹目のどじょうを狙うという、これまたよくあるパターンの作品であることは間違いないのだが、本書には、「これだけ面白ければ、それはそれでいいじゃないか」と思わせてしまうだけの、ぐいぐいと読者を引き付けて離さない面白さがあることも間違いない。 野球を題材とした場合、あまり試合の内容を深く描き過ぎると冗長と感じてしまうのだが、本書の場合は、野球部にまつわるドラマを描くことに重点を置いており、試合の内容の描写を絶妙のバランスで抑えて、冗長、退屈を全く感じさせていないのも、さすがだと思った。 結末も、「下町ロケット」同様、「エンターテインメント小説は、こうでなくっちゃ」と思わせるような、エンターテインメントの王道を行くものとなっており、登場人物と気持ちが一つになって、その感動を味わうことができるのだ。ただ、「下町ロケット」と比べると、さまざまな難題をドタバタと一気に収束させてしまっており、出来過ぎと感じてしまう面があることも否めない。ラストで野球部に起こるある出来事についても、最初からこの結末だったのか、加筆修正したものなのかは知らないが、エピローグで語られている状況から見ると、やや無理筋の変化球に走り過ぎた感があり、単純に、誰もが思い描くストレート勝負で行った方が、読む方としては納得して受け入れられたとは思う。 | ||||
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池井戸さんの作品は殆ど読んでいますが、これはエンターテイメントの色彩が強い作品として仕上がっています。読み物として、とても気楽にお読み下さい。 また、企業のリストラで最初に切り捨てられるアマチュアスポーツの問題、いわゆる不祥事で選手生命を絶たれてしまうスポーツ少年の問題など、さりげなく取り上げられている隠れテーマには考えさせられます。(個人的には、実業団チームの解散というテーマは、身につまされました) ただ、軽さゆえに展開が予想できてしまうのも事実で、若干のリアリティのなさもあり、読み返そうとはあまり思わないかもしれません。なので、新刊で買わなくても良いかもしれません(池井戸さん、ごめんなさい) | ||||
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正直言って、目新しいものは何もない。中堅企業がライバルの大手企業の鼻を明かしたり、窮地を乗り切ったりするのは『下町ロケット』と同じだし、野球の話は『マネー・ボール』あたりを連想させる。とても既視感にあふれた展開。読みながらこうなるだろうなと思っている通りに話が展開し、意外性はほとんどない。だが、その予想通りに進むところがとてもおもしろくて、つい先を読みたくなる。読者の期待する展開を、読者の期待以上に描写してくれる。良質のエンタテイメントです。 | ||||
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廃部を迫られる野球部、買収の危機にさらされる会社。崖っぷちの状態からの大逆転。どうやってなし得たのか。それを追いかけるのが本書の醍醐味です。池井戸さんの企業小説の根底には、人に対する尊敬があり、やさしい眼差しがあります。会社とは従業員のものでもあり、従業員とはひとりひとりの人間である。そのひとりひとりが想いを共有し、共通の夢にむかうことで規模は小さくとも輝きのある会社になる。それを野球というスポーツを軸の一つに据えることで描いています。あともうひとつ。大逆転のカギを握るものは、技術開発力です。メーカーには、技術に対するたゆまぬ努力とその実現がなにより大切であると本書が伝えています。 | ||||
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前作『下町ロケット』もそうでしたが、読み終わった後に爽快感があります。 「さすがは池井戸作品!」と感じられる、素晴らしい内容だと思いました。必見です♪ | ||||
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