華氏451度

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華氏451度の評価:

4.08/5点 レビュー 60件。 D ランク

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Amazonレビュー一覧

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未読の方はご注意ください

全177件 141〜160 8/9ページ
No.37
(5pt)

50年

新聞記事より現代社会を映しているのでは、と思わせる小説。

本を持つことは罪、
本は焼かれ、読んだ人は焼かれ
人は単純な快楽を求める世界

本書の世界が想像のものだとはいえないのがとても残念。
一度は読んでもらいたい作品。
華氏451度 (ハヤカワ文庫 NV 106) Amazon書評・レビュー: 華氏451度 (ハヤカワ文庫 NV 106)より
4150401063
No.36
(5pt)

自由からの逃走

《わかるだおるな,モンターグ? これはけっして,政府が命令を下したわけじゃないんだぜ。布告もしなければ,命令もしない。検閲制度があったわけでもない。はじめから,そんな工作はなにひとつしなかった! 工業技術の発達,大衆の啓蒙,それに,少数派への強要と,以上の三者を有効につかって,このトリックをやってのけたのだ。今日となっては,むしろかれらに感謝しなければならない。おかげできみたちは,このように幸福でいられるんだ。連続漫画は見られるし,古い時代の懺悔録と業界新聞だけはこと欠かない。》(100頁)

 不気味な未来図という意味で,ジョージ・オーウェルの「1984年」に近いものかと予想していた。確かに,不気味な未来図という意味では同じではあるが,「誰か」が国民を監視し,強要するのではなく,「自発的に」こうした不気味な未来が作られるのだという筆者の主張には,なんとも不気味なリアリティを感じた。
華氏451度 (1964年) (ハヤカワ・SF・シリーズ) Amazon書評・レビュー: 華氏451度 (1964年) (ハヤカワ・SF・シリーズ)より
B000JAGPH8
No.35
(5pt)

自由からの逃走

《わかるだおるな,モンターグ? これはけっして,政府が命令を下したわけじゃないんだぜ。布告もしなければ,命令もしない。検閲制度があったわけでもない。はじめから,そんな工作はなにひとつしなかった! 工業技術の発達,大衆の啓蒙,それに,少数派への強要と,以上の三者を有効につかって,このトリックをやってのけたのだ。今日となっては,むしろかれらに感謝しなければならない。おかげできみたちは,このように幸福でいられるんだ。連続漫画は見られるし,古い時代の懺悔録と業界新聞だけはこと欠かない。》(100頁)

 不気味な未来図という意味で,ジョージ・オーウェルの「1984年」に近いものかと予想していた。確かに,不気味な未来図という意味では同じではあるが,「誰か」が国民を監視し,強要するのではなく,「自発的に」こうした不気味な未来が作られるのだという筆者の主張には,なんとも不気味なリアリティを感じた。
華氏451度 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 華氏451度 (ハヤカワ文庫SF)より
4150116911
No.34
(5pt)

自由からの逃走

《わかるだおるな,モンターグ? これはけっして,政府が命令を下したわけじゃないんだぜ。布告もしなければ,命令もしない。検閲制度があったわけでもない。はじめから,そんな工作はなにひとつしなかった! 工業技術の発達,大衆の啓蒙,それに,少数派への強要と,以上の三者を有効につかって,このトリックをやってのけたのだ。今日となっては,むしろかれらに感謝しなければならない。おかげできみたちは,このように幸福でいられるんだ。連続漫画は見られるし,古い時代の懺悔録と業界新聞だけはこと欠かない。》(100頁)

 不気味な未来図という意味で,ジョージ・オーウェルの「1984年」に近いものかと予想していた。確かに,不気味な未来図という意味では同じではあるが,「誰か」が国民を監視し,強要するのではなく,「自発的に」こうした不気味な未来が作られるのだという筆者の主張には,なんとも不気味なリアリティを感じた。
華氏451度 (ハヤカワ文庫 NV 106) Amazon書評・レビュー: 華氏451度 (ハヤカワ文庫 NV 106)より
4150401063
No.33
(4pt)

精神の尊さ

電車のなかで周りの人をふと見てみる。
寝ている人、携帯ゲーム機で遊んでいる人、耳にイヤホンをつけ音楽を聴いている人・・・そして、
本を読んでいる人がいる。上のように例えを挙げただけでも「携帯ゲーム機」、「携帯音楽プレーヤー」という
技術の発展により登場した媒介の存在が浮き彫りにされますね。

この小説は1953年、つまり50年以上も前に書かれたものですが見事に現代を予測しています。
人の欲望を満たす媒介がつぎつぎと生まれ、普及している。そしてそのうち本を媒介して何かを学ぶということ自体が
忘れ去られてしまわないだろうか・・・?そんな恐怖を著者は感じていたのだと思います。

本というものは厳密に言えば種類にもよりますが、大体は誰かが何かを伝えたくて書いたものだと思います。
言い換えれば、その著者の思う「大切な考え」が記されているのだと。次の世代には遺伝子以外にも伝えていかなければならないものがある。
その世代を越えても伝えなければならない普遍的なことはまさしく「大切な考え」なのではないか。

つきつめて言えばそれは「真実」なのだと思います。
この小説の中で主人公の妻はバーチャルの人間と会話もできる、壁に埋め込まれた大きな壁テレビというものに夢中です。
しかし、本当は満たされていません。夜は眠れず、睡眠薬を飲んで寝ています。そのまま人生が終わっていくのか。
そういった不安が彼女を眠らせないのでしょう。

この本は物質が満たされた現代で精神の必要性をいまいちど確認するよい機会になると思います。
この小説で50年以上前に架空であった世界は、既に今では現実になっている・・・・。
華氏451度 (1964年) (ハヤカワ・SF・シリーズ) Amazon書評・レビュー: 華氏451度 (1964年) (ハヤカワ・SF・シリーズ)より
B000JAGPH8
No.32
(4pt)

精神の尊さ

電車のなかで周りの人をふと見てみる。
寝ている人、携帯ゲーム機で遊んでいる人、耳にイヤホンをつけ音楽を聴いている人・・・そして、
本を読んでいる人がいる。上のように例えを挙げただけでも「携帯ゲーム機」、「携帯音楽プレーヤー」という
技術の発展により登場した媒介の存在が浮き彫りにされますね。

この小説は1953年、つまり50年以上も前に書かれたものですが見事に現代を予測しています。
人の欲望を満たす媒介がつぎつぎと生まれ、普及している。そしてそのうち本を媒介して何かを学ぶということ自体が
忘れ去られてしまわないだろうか・・・?そんな恐怖を著者は感じていたのだと思います。

本というものは厳密に言えば種類にもよりますが、大体は誰かが何かを伝えたくて書いたものだと思います。
言い換えれば、その著者の思う「大切な考え」が記されているのだと。次の世代には遺伝子以外にも伝えていかなければならないものがある。
その世代を越えても伝えなければならない普遍的なことはまさしく「大切な考え」なのではないか。

つきつめて言えばそれは「真実」なのだと思います。
この小説の中で主人公の妻はバーチャルの人間と会話もできる、壁に埋め込まれた大きな壁テレビというものに夢中です。
しかし、本当は満たされていません。夜は眠れず、睡眠薬を飲んで寝ています。そのまま人生が終わっていくのか。
そういった不安が彼女を眠らせないのでしょう。

この本は物質が満たされた現代で精神の必要性をいまいちど確認するよい機会になると思います。
この小説で50年以上前に架空であった世界は、既に今では現実になっている・・・・。
華氏451度 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 華氏451度 (ハヤカワ文庫SF)より
4150116911
No.31
(4pt)

精神の尊さ

電車のなかで周りの人をふと見てみる。
寝ている人、携帯ゲーム機で遊んでいる人、耳にイヤホンをつけ音楽を聴いている人・・・そして、
本を読んでいる人がいる。上のように例えを挙げただけでも「携帯ゲーム機」、「携帯音楽プレーヤー」という
技術の発展により登場した媒介の存在が浮き彫りにされますね。

この小説は1953年、つまり50年以上も前に書かれたものですが見事に現代を予測しています。
人の欲望を満たす媒介がつぎつぎと生まれ、普及している。そしてそのうち本を媒介して何かを学ぶということ自体が
忘れ去られてしまわないだろうか・・・?そんな恐怖を著者は感じていたのだと思います。

本というものは厳密に言えば種類にもよりますが、大体は誰かが何かを伝えたくて書いたものだと思います。
言い換えれば、その著者の思う「大切な考え」が記されているのだと。次の世代には遺伝子以外にも伝えていかなければならないものがある。
その世代を越えても伝えなければならない普遍的なことはまさしく「大切な考え」なのではないか。

つきつめて言えばそれは「真実」なのだと思います。
この小説の中で主人公の妻はバーチャルの人間と会話もできる、壁に埋め込まれた大きな壁テレビというものに夢中です。
しかし、本当は満たされていません。夜は眠れず、睡眠薬を飲んで寝ています。そのまま人生が終わっていくのか。
そういった不安が彼女を眠らせないのでしょう。

この本は物質が満たされた現代で精神の必要性をいまいちど確認するよい機会になると思います。
この小説で50年以上前に架空であった世界は、既に今では現実になっている・・・・。
華氏451度 (ハヤカワ文庫 NV 106) Amazon書評・レビュー: 華氏451度 (ハヤカワ文庫 NV 106)より
4150401063
No.30
(5pt)

未来を見つめる目

真実をつぶし、心をつぶし、見たくないものにはふたをする。

明るい未来なんて夢の彼方。

そんな監視と制裁につつまれた世界は見ているこちらを憂鬱にさせ、また同時に自分たちの世界との類似にぎくりともする。

未来を批判的にとらえた、ディストピア的な小説大作といえば、ジョージ・オーウェルの「1984年」がそうだが、オーウェルが徹底的に悲惨だったのに対して、ブラッドベリは何かしらの希望の余地を残してくれる。

印象的なのは、無機質な世界を反映した文章の中、はっとするような花の描写や自然の描写が入ってくるところ。

この目線の移行が、主人公の心の変化でもあるようで、ビルの中を歩いていてふと空の青さに気づくような、そんな気持ちになれる。

未来観、技術うんぬんへの批判はあるだろうが、いつだってSFを読む楽しさは、フェイクの中に真実の欠片を見出すことにある、と私は思っている。

未来世界は希望に満ちているとはもはや思えない現代だが、だからといって、悲観一辺倒の絶望主義にもなりたくない。

ブラッドベリの未来をみつめる目は、そんな感じではないかと思う。
華氏451度 (1964年) (ハヤカワ・SF・シリーズ) Amazon書評・レビュー: 華氏451度 (1964年) (ハヤカワ・SF・シリーズ)より
B000JAGPH8
No.29
(5pt)

未来を見つめる目

真実をつぶし、心をつぶし、見たくないものにはふたをする。

明るい未来なんて夢の彼方。

そんな監視と制裁につつまれた世界は見ているこちらを憂鬱にさせ、また同時に自分たちの世界との類似にぎくりともする。

未来を批判的にとらえた、ディストピア的な小説大作といえば、ジョージ・オーウェルの「1984年」がそうだが、オーウェルが徹底的に悲惨だったのに対して、ブラッドベリは何かしらの希望の余地を残してくれる。

印象的なのは、無機質な世界を反映した文章の中、はっとするような花の描写や自然の描写が入ってくるところ。

この目線の移行が、主人公の心の変化でもあるようで、ビルの中を歩いていてふと空の青さに気づくような、そんな気持ちになれる。

未来観、技術うんぬんへの批判はあるだろうが、いつだってSFを読む楽しさは、フェイクの中に真実の欠片を見出すことにある、と私は思っている。

未来世界は希望に満ちているとはもはや思えない現代だが、だからといって、悲観一辺倒の絶望主義にもなりたくない。

ブラッドベリの未来をみつめる目は、そんな感じではないかと思う。
華氏451度 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 華氏451度 (ハヤカワ文庫SF)より
4150116911
No.28
(5pt)

未来を見つめる目

真実をつぶし、心をつぶし、見たくないものにはふたをする。

明るい未来なんて夢の彼方。

そんな監視と制裁につつまれた世界は見ているこちらを憂鬱にさせ、また同時に自分たちの世界との類似にぎくりともする。

未来を批判的にとらえた、ディストピア的な小説大作といえば、ジョージ・オーウェルの「1984年」がそうだが、オーウェルが徹底的に悲惨だったのに対して、ブラッドベリは何かしらの希望の余地を残してくれる。

印象的なのは、無機質な世界を反映した文章の中、はっとするような花の描写や自然の描写が入ってくるところ。

この目線の移行が、主人公の心の変化でもあるようで、ビルの中を歩いていてふと空の青さに気づくような、そんな気持ちになれる。

未来観、技術うんぬんへの批判はあるだろうが、いつだってSFを読む楽しさは、フェイクの中に真実の欠片を見出すことにある、と私は思っている。

未来世界は希望に満ちているとはもはや思えない現代だが、だからといって、悲観一辺倒の絶望主義にもなりたくない。

ブラッドベリの未来をみつめる目は、そんな感じではないかと思う。
華氏451度 (ハヤカワ文庫 NV 106) Amazon書評・レビュー: 華氏451度 (ハヤカワ文庫 NV 106)より
4150401063
No.27
(5pt)

現実にこの世界が……

本を自由に読める今の世界が本当に幸せです。

しかし、現実、本を読まない人が増えてきた。

《海の貝》と呼ばれるラジオが、この物語に出てくるが、これは間違いなく現実に似たようなものが存在し、自分の世界に没頭し、歩いている人がいる。

周囲の状況に目を配らずに、信号に気付かずに渡る人、身体の不自由な人に気付かなかったり……

そして、視聴率を取る為に嘘やデマを平気で流す現在のメディアに似た異様なTV。

この物語の世界が、間違いなく、現在の社会を見抜いていたように思われる。

この物語は間違いなく、現在社会に生きる人々の必読の小説と言えるだろう。
華氏451度 (1964年) (ハヤカワ・SF・シリーズ) Amazon書評・レビュー: 華氏451度 (1964年) (ハヤカワ・SF・シリーズ)より
B000JAGPH8
No.26
(5pt)

現実にこの世界が……

本を自由に読める今の世界が本当に幸せです。

しかし、現実、本を読まない人が増えてきた。

《海の貝》と呼ばれるラジオが、この物語に出てくるが、これは間違いなく現実に似たようなものが存在し、自分の世界に没頭し、歩いている人がいる。

周囲の状況に目を配らずに、信号に気付かずに渡る人、身体の不自由な人に気付かなかったり……

そして、視聴率を取る為に嘘やデマを平気で流す現在のメディアに似た異様なTV。

この物語の世界が、間違いなく、現在の社会を見抜いていたように思われる。

この物語は間違いなく、現在社会に生きる人々の必読の小説と言えるだろう。
華氏451度 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 華氏451度 (ハヤカワ文庫SF)より
4150116911
No.25
(5pt)

現実にこの世界が……

本を自由に読める今の世界が本当に幸せです。

しかし、現実、本を読まない人が増えてきた。

《海の貝》と呼ばれるラジオが、この物語に出てくるが、これは間違いなく現実に似たようなものが存在し、自分の世界に没頭し、歩いている人がいる。

周囲の状況に目を配らずに、信号に気付かずに渡る人、身体の不自由な人に気付かなかったり……

そして、視聴率を取る為に嘘やデマを平気で流す現在のメディアに似た異様なTV。

この物語の世界が、間違いなく、現在の社会を見抜いていたように思われる。

この物語は間違いなく、現在社会に生きる人々の必読の小説と言えるだろう。
華氏451度 (ハヤカワ文庫 NV 106) Amazon書評・レビュー: 華氏451度 (ハヤカワ文庫 NV 106)より
4150401063
No.24
(3pt)

not A but ・・・

痛烈な現代批判であると思う。
山手線に乗っていてデナムの歯磨を思い起こさない人はいないだろう。
監視社会、
コマーシャリズムによる情緒の侵略、社会的紐帯の切断。
グロテスクに拡大された現代社会の特徴そのものだ。

でもやはり、
作者がおそらくそう願ったようにこの本が啓蒙の書となるためには、
not A but B 
のBがもっとはっきりと示されていて欲しかった。

彼が何をよしとし、またそれをよしとしなければならなかったのか。
確かに、
「そうだ!想像力を失ってはならないんだ!」
と思わせるものはある。
しかし、人や人の歴史への想像力によってどれほど人が幸福になれるのか。どれほど安心して、おびえずに暮らせるのか。
引用が唐突でありすぎるためか、
書物にどれほどのことができるのか、
今ひとつ説得力を欠いていた。
読者が渇望せずにはいられない、憧れずにはいられない何かが描かれている本では残念ながらなかったような気がする。
華氏451度 (1964年) (ハヤカワ・SF・シリーズ) Amazon書評・レビュー: 華氏451度 (1964年) (ハヤカワ・SF・シリーズ)より
B000JAGPH8
No.23
(3pt)

not A but ・・・

痛烈な現代批判であると思う。
山手線に乗っていてデナムの歯磨を思い起こさない人はいないだろう。
監視社会、
コマーシャリズムによる情緒の侵略、社会的紐帯の切断。
グロテスクに拡大された現代社会の特徴そのものだ。

でもやはり、
作者がおそらくそう願ったようにこの本が啓蒙の書となるためには、
not A but B 
のBがもっとはっきりと示されていて欲しかった。

彼が何をよしとし、またそれをよしとしなければならなかったのか。
確かに、
「そうだ!想像力を失ってはならないんだ!」
と思わせるものはある。
しかし、人や人の歴史への想像力によってどれほど人が幸福になれるのか。どれほど安心して、おびえずに暮らせるのか。
引用が唐突でありすぎるためか、
書物にどれほどのことができるのか、
今ひとつ説得力を欠いていた。
読者が渇望せずにはいられない、憧れずにはいられない何かが描かれている本では残念ながらなかったような気がする。
華氏451度 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 華氏451度 (ハヤカワ文庫SF)より
4150116911
No.22
(3pt)

not A but ・・・

痛烈な現代批判であると思う。
山手線に乗っていてデナムの歯磨を思い起こさない人はいないだろう。
監視社会、
コマーシャリズムによる情緒の侵略、社会的紐帯の切断。
グロテスクに拡大された現代社会の特徴そのものだ。

でもやはり、
作者がおそらくそう願ったようにこの本が啓蒙の書となるためには、
not A but B 
のBがもっとはっきりと示されていて欲しかった。

彼が何をよしとし、またそれをよしとしなければならなかったのか。
確かに、
「そうだ!想像力を失ってはならないんだ!」
と思わせるものはある。
しかし、人や人の歴史への想像力によってどれほど人が幸福になれるのか。どれほど安心して、おびえずに暮らせるのか。
引用が唐突でありすぎるためか、
書物にどれほどのことができるのか、
今ひとつ説得力を欠いていた。
読者が渇望せずにはいられない、憧れずにはいられない何かが描かれている本では残念ながらなかったような気がする。
華氏451度 (ハヤカワ文庫 NV 106) Amazon書評・レビュー: 華氏451度 (ハヤカワ文庫 NV 106)より
4150401063
No.21
(4pt)

その主張は今なお色褪せない

華氏451度――それは本のページに火がつき、燃え上がる温度である。

 本という本が全て焚書官の手によって焼き捨てられ、本を隠匿する者の家は焼かれ、所持者は極刑に処される恐怖の世界。人々は軽薄なテレビ番組に溺れ、刹那的な快楽に身を委ねるようになっていた。

 焚書官ガイ・モンターグは、人並み以上の幸せを享受しつつも、何か生活に満ち足りないものを感じていた。そしてモンターグは隣に越してきた少女クラリス・マックルランとの出会いによって、焚書官としての自分の仕事に疑問を持ち始める。モンターグは 本を密かに集め、読書を始め、ついには反焚書の組織結成を企む。ところが・・・・?

 効率化と安定の名の下に人間らしさが切り捨てられていく現代社会に警鐘を鳴らすと共に、人間の理性・悟性への希望を謳い上げた、レイ・ブラッドベリの代表作。筋立てと抒情性において『火星年代記』にやや劣る気がするが、その分メッセージは強烈である。SFの古典として今なお残る名作。
華氏451度 (1964年) (ハヤカワ・SF・シリーズ) Amazon書評・レビュー: 華氏451度 (1964年) (ハヤカワ・SF・シリーズ)より
B000JAGPH8
No.20
(4pt)

その主張は今なお色褪せない

華氏451度――それは本のページに火がつき、燃え上がる温度である。

 本という本が全て焚書官の手によって焼き捨てられ、本を隠匿する者の家は焼かれ、所持者は極刑に処される恐怖の世界。人々は軽薄なテレビ番組に溺れ、刹那的な快楽に身を委ねるようになっていた。

 焚書官ガイ・モンターグは、人並み以上の幸せを享受しつつも、何か生活に満ち足りないものを感じていた。そしてモンターグは隣に越してきた少女クラリス・マックルランとの出会いによって、焚書官としての自分の仕事に疑問を持ち始める。モンターグは 本を密かに集め、読書を始め、ついには反焚書の組織結成を企む。ところが・・・・?

 効率化と安定の名の下に人間らしさが切り捨てられていく現代社会に警鐘を鳴らすと共に、人間の理性・悟性への希望を謳い上げた、レイ・ブラッドベリの代表作。筋立てと抒情性において『火星年代記』にやや劣る気がするが、その分メッセージは強烈である。SFの古典として今なお残る名作。
華氏451度 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 華氏451度 (ハヤカワ文庫SF)より
4150116911
No.19
(4pt)

その主張は今なお色褪せない

華氏451度――それは本のページに火がつき、燃え上がる温度である。

 本という本が全て焚書官の手によって焼き捨てられ、本を隠匿する者の家は焼かれ、所持者は極刑に処される恐怖の世界。人々は軽薄なテレビ番組に溺れ、刹那的な快楽に身を委ねるようになっていた。

 焚書官ガイ・モンターグは、人並み以上の幸せを享受しつつも、何か生活に満ち足りないものを感じていた。そしてモンターグは隣に越してきた少女クラリス・マックルランとの出会いによって、焚書官としての自分の仕事に疑問を持ち始める。モンターグは 本を密かに集め、読書を始め、ついには反焚書の組織結成を企む。ところが・・・・?

 効率化と安定の名の下に人間らしさが切り捨てられていく現代社会に警鐘を鳴らすと共に、人間の理性・悟性への希望を謳い上げた、レイ・ブラッドベリの代表作。筋立てと抒情性において『火星年代記』にやや劣る気がするが、その分メッセージは強烈である。SFの古典として今なお残る名作。
華氏451度 (ハヤカワ文庫 NV 106) Amazon書評・レビュー: 華氏451度 (ハヤカワ文庫 NV 106)より
4150401063
No.18
(5pt)

傑作です

書名の華氏451度は、日本で使われている摂氏に直すと約233度、紙に火がつく温度なのだそう。未来の世界、焚書官なる本を焼き捨てることを仕事とする男が主人公。
物語的には、焚書官の男がある少女と出会うことでその仕事に疑問を持ち始め、それが元で上司との争いがおこり・・・、といった、ありがちといえばありがちな話なのですが、そこはブラッドベリ、その独特の語り口で(訳者がうまいのか?)幻想の世界へと誘ってくれます。特に焚書官の男と少女の出会いと散歩するところは名場面、何度も読み返しました。
優しく切なく感傷的、その中に不安を滲ませながら語られる現代社会と物質文明への批判と警鐘の物語。傑作です。
華氏451度 (1964年) (ハヤカワ・SF・シリーズ) Amazon書評・レビュー: 華氏451度 (1964年) (ハヤカワ・SF・シリーズ)より
B000JAGPH8