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(短編集)

カササギたちの四季



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【この小説が収録されている参考書籍】
カササギたちの四季
カササギたちの四季 (光文社文庫)

カササギたちの四季の評価: 3.81/5点 レビュー 26件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.81pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全16件 1~16 1/1ページ
No.16:
(5pt)

読書

動画を見て道尾秀介氏の作品を購入し始めた所なのですがこの本で4冊目になります。
カササギたちの四季 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:カササギたちの四季 (光文社文庫)より
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No.15:
(5pt)

ある意味著者の作品の中でトップクラスの出来栄えですね。

ある意味著者の作品の中でトップクラスの出来栄えですね。著者の作品は結構ホラーや暗めのミステリー作品が多いのですが、ホームズ・ワトソンものをひねった感じが興味深く面白い作品集になっています。個人的にはシリーズ化してずっと続けて欲しかったですがあの展開では終わりでしょうね。こういうユーモアと本格ミステリーを融合させたホームズ・ワトソンものはこのクオリティでは現代では少ししか作られていないので残念です。ずっと続けていって欲しかったと思わせる作品でした。
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No.14:
(4pt)

ライトタッチの読後の良い連作日常ミステリー

道尾氏の連作ミステリー短編集でタイトル通り4編が収録されている。
リサイクルショップの店員がお寺から買い取った品物から事件が発生し、一度偽りの解決策を提示した後、本当の真相を明かすという多重解決ものの変則と言える作品。
殺人事件などは起こらない日常の事件を扱っているが、4編とも同じフォーマット縛りという制約がいい。
道尾氏の作品としては読後がヘビーではなくほっこりするようなテイストである。
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No.13:
(5pt)

ユーモア・ミステリーの短編集

ミステリーの短編集である。

・ 鵲(かささぎ)の橋 リサイクルショップ・カササギ。開業から2年間、ずっと赤字である。店長は華沙々木(かささぎ)、副店長は日暮(ひぐらし)、そしてこの店に入り浸っている少女、菜美。ある身元不明の男からカササギが買ったブロンズ像。それを買いに来た男は、その像のことを知っていたようだった。男の後をつける副店長の日暮。そのブロンズ像は盗まれた物だった。そして、ブロンズ像をカササギに買いに来たのは、盗まれた家の主人の叔父だった。店長の華沙々木が見事に推理して、一件落着・・・のように見える。しかし、尻ぬぐいをさせられているのは別の人物。

・ 蜩(ひぐらし)の川 ある木工所から大量の注文を受けた店長の華沙々木。喜び勇んで目的地の秩父へと向かう。しかし、そこにも事件の匂いが・・・その木工所では、神木から神輿と鳥居を作ろうとしていた。しかし、華沙々木たちがそこへ行った日の朝、神木に誰かが傷をつけ、「お前もこうなるぞ」というメッセージが刻まれていた。前作と同じく、華沙々木が一見見事な推理を披露してみせるのだが・・・

・ 南の絆 この短編では、華沙々木たちと菜美との出会いから共に過ごすようになるまでのエピソードが描かれる。菜美の家に泥棒が入り、猫のナーちゃんが盗まれる。しかし、翌日にナーちゃんは返される。華沙々木が自身初の推理をして、事件を解決・・・したように見えるのだが、実際はそうではない。

・ 橘(たちばな)の寺 今までの3作品で、日暮にゴミ同然のものを高値で買い取らせていた和尚。それが、どういう風の吹き回しか、店のオーディオセットを高値で買い取ってくれた。後で、それには裏があることが明らかになるのだが・・・その後、成り行きで和尚の寺に泊まることになる3人。その夜、泥棒が入る。ここでも華沙々木は事件をでっち上げ、迷推理を展開するが、ラストは意外に感動的になり・・・

一応、ミステリーなのだが、どうも華沙々木が事件を勝手に作り上げ、よけいに事態をややこしくしている感もある。それでも、殺人も起きず、ユーモアを交えてサクサクと展開していくので、ミステリーファンならずとも楽しめるだろう。
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No.12:
(5pt)

どんなものでも、近くで見ると、遠くで見たときほど素敵には見えない

ドラマや小説を見て、その登場人物に憧れることなど誰にでもあると思う。
だが、理想と現実はもちろん違うし、憧れだけで行動するのは甘く幼いと言える。

「蜩の川」に登場する彼女は、そんな憧れだけで、とある会社に飛び込んでしまうのだが、そこで自分の理想と現実の違いを思い知ることになる。
周囲の人たちは善人ばかりで、自分を気遣ってくれているし、彼らに悪意は全くないが、善意でやっていることが何もかも相手を喜ばせるとは限らない。
むしろ、善意でやってくれるからこそ、何も文句は言えないし、悩み苦しみ、憧れだけで行動した自分の甘さ、幼さを後悔する。
蜩の鳴き声と同じく、遠くで聞いている時は心地良よかったが、近くで聞いてみると想像していたものと違っていたのである。
彼女は、自分は平凡で何の取り得もない人間だと嗚咽する。確かに甘かったと言えるだろうが、憧れだけとはいえ、行動したのは大したものだと思うし、この1年は彼女の人生に於いて、素晴らしい財産になるだろう。
終盤、号泣し全てを吐露した時、蜩の鳴き声は遠くにも近くにも聞こえないが、ラストに父親のことを思い出すと、また遠くで蜩の鳴き声が聞こえてくるところで終わるのがとても綺麗だった。
他にも川で主人公たちが会話するシーンが展開されるが、そこの風景描写がとても綺麗でその文章を読んでいるだけでもうこの1冊に出会えたことに満足してしまった。

水の中を覗いてみると、まだ赤ん坊みたいな小魚が一匹泳いでいる。小魚はサッと動き、水底の砂が舞って、それがおさまったときにはもうどこにもいなかった。(文庫版96頁)
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No.11:
(5pt)

大満足です。

擦り傷やへたり・汚れ等もなく綺麗な状態で届いたので大満足です。
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No.10:
(4pt)

愛すべき若い方を描くのが上手

道尾さんは、愛すべき若い方を描くのが上手ですね。
四季に分けたお話が楽しかったです。
冬の章で泥棒を縁の下で追いかけ
「狭くてかび臭くて不衛生なその空間に突入していた。」
は、笑いました。
らしい(^^)
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No.9:
(5pt)

良い

内容も、もちろん。好きです。道尾さんは、あらかた読んでます。家具や?よく出るような。修理やか。
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No.8:
(4pt)

人の幸せの為に

登場人物の主役である日暮は、リサイクルショップの共同経営者である華沙々木と店に入り浸る中学生菜美、及び各事件の関係者の幸せの為に黒子で活躍する。日暮はその行為で自分を幸せにする。いい加減な推理で満足する華沙々木、その推理に感心し入り浸る菜美。人は本当の現実を知らない事で生きている部分は、多かれ少なかれあるものであり、見えない事実関係(日暮が象徴)に左右されている。
いい加減とは言えその推理に至る前ふりの面白さ、マーフィーの法則の絶妙さなど、4つの物語に共通する構成は楽しいし、各季節を表す花などのシーンは美しい。
殺人シーンが無いなど道尾ファンにも不満な面があるのかもしれないが、私は表紙の絵が象徴する様な爽やかな読後感を覚える小説でした。
カササギたちの四季Amazon書評・レビュー:カササギたちの四季より
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No.7:
(4pt)

人と人との繋がりの大切さを重視する姿勢が良く伝わって来て、読後感が非常に爽やか

リサイクルショップの店員の青年を主人公に、題名通り、春夏秋冬に渡って主人公の周囲で起った4つの事件をユーモア・ミステリタッチで描いた連作中編集。だが、ミステリ的趣向より人情の機微に比重を置いている様だ。人と人との繋がりの大切さを重視する姿勢が良く伝わって来た。読後感が非常に爽やか。

ホームズ物のパロディ風であったり、登場人物達に奇天烈な名前を付けたり、繰り返しギャグを多用したりと軽快なリズムを刻む一方で、事件の裏に潜む人間の哀しみや苦悩を浮き彫りにする手腕が鮮やか。そして、そうした登場人物達に対する作者の眼が温かい。また、四季折々の草木の描写も木目細やかで作品に彩りを添えている。

作者のデビュー当時からのファンである私に取っては、次第に異界性が薄れて行く様子が少し残念ではあるが、「鬼の跫音」、そして本作と読んで、新境地に達しているのではないかという印象を受けた。「鬼の跫音」では幻想・耽美味、本作では人情味をミステリ的趣向で包んで読者に迫る手法は今後も期待出来るのではないか。
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No.6:
(4pt)

軽いけれど読後感の良い良作

道尾秀介氏による連作短編4本です。

舞台は小さなリサイクル・ショップ。主人公は美大卒のリペア職人である「ヒグラシ」。共同経営者の相棒「カササギ」が難事件を間違った推理を堂々と披露し、ヒグラシはそれを得意のリペア技術で裏工作して本当のように見せかけ、最終的にはこっそりとヒグラシが事件を解決する、というデコボコ名探偵ものによくあるシチュエーションです。

なぜこういうことをしなければならないかが、3本目の短編で明らかになりますが、ちょっと理由がしっくりこないために、全体の興を殺ぐ形になってしまっています。

それでも、活き活きとした主人公達の活躍は、どれも前向きで優しさに溢れていて、読後感が良いです。さすが天才道尾秀介です。トリッキーな作風から本作のような純なものまで書ける作風は、直木賞作家としてこれからも注目されていくことでしょう。
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No.5:
(5pt)

「お約束」が気持ちいい

なんて愛おしい人物たち、愛おしい世界観、文章!
昭和のホームドラマ+ちょっとマヌケで愛らしいホームズ&コロンボという感じ。著者はこのところ、ナイフを研いで研いで研ぎ澄ましたような文章表現を追及していた印象だけれど、今度は一転して文章そのものもユーモラスで、温度がある。
「蜩の川」で、男の世界で頑張る女性・サチが頑張りきれなかったときの、日暮の【川トーク】とか本当にずるい。泣ける。
さらに、「橘の寺」で、雪遊びする奈美と宋珍の姿に突如、華沙々木がダーダー涙を流すのも、とてもいい。しかもあまりひっぱらず、和尚さんのラグビー投げを決めたりとテンポよく物語を展開するところもうまい。
華沙々木の神がかり的推理センスが最後に奇跡の一致(気持ちの部分だけで)を見せるのも面白く、泥棒も偶然だったりと、いい意味でご都合的な部分を楽しめるのも、小説を読むことの醍醐味という感じでよかった。
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No.4:
(4pt)

さわやかな秀作です

道尾作品ですが、殺人も児童虐待もありません。
全編を通して、さわやかです。
両氏のファンに叱られるかもしれませんが、読んでる最中は坂木司氏の「ひきこもり探偵シリーズ」を思い出しました。

道尾さんの作品に共通する(と私が思う)人間に対する優しい視点が全開ですね。

しかし。他の方のレビューにもありましたが、主人公が事実を作りあげる原動力となる、中学生への思いがよくわかりません。
中学生のエピソードはもちろんありますが、彼女を落胆させないように・・と、寝る時間を割いてまで行動するに足る感情が
彼にどうして芽生えたのか。それが十分に理解できれば、彼の行動にもっと共感できるのではないでしょうか。

全体としてみれば、読後感も良く、流麗な筆力を堪能できる良い作品だと思います。

道尾作品が暗くて苦手・・と言う方も、このお話は読めると思います。
おすすめです。
カササギたちの四季 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:カササギたちの四季 (光文社文庫)より
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No.3:
(5pt)

最高です!ただ…

道尾作品は全て読んでいます。自称道尾ファンです。今回、初めて道尾さんの作品を読んで泣きました。 最近は文章をいかに美しく書くかということにとらわれすぎている感じがして、上手いなぁとは思うけど、読み返したくなるほど物語として魅力的かと問われると疑問を感じていました(直木賞受賞作も然りです) でも今作は違いました。最近の文章の上手さは健在のまま、肩の力が抜けていて、作者自身が楽しみながら書いてるのが伝わってきます。楽しくて切なくて、ふと思い出して読み返したくなる物語。続編を望みたくなる物語。とにかく面白かったです! ただ… 難点もいくつか。 本作は、事件が起きる→華沙々木が間違った推理をする→語り部である日暮がヒロインである奈美を「落胆」させないために裏工作をして辻褄を合わせる、というパターンの連作短編なのですが、日暮が奈美を落胆させたくないと思う動機が弱い気がします。だから、空回りし続ける華沙々木がすごくマヌケに思えてしまう。トータルで見てもそんなに魅力的じゃないんです、この華沙々木という男が。なので、感情移入という点では自分はイマイチでした。まぁ、この辺りは人それぞれの好みだとは思いますけどね(^_^;) それを差し引いても読んで損はなし、直木賞で彼を知って興味を持った、という方々が次に手に取るには最適な作品ではないでしょうか(^O^)
カササギたちの四季 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:カササギたちの四季 (光文社文庫)より
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No.2:
(4pt)

親子に関する連作中編

物語の語り手は28歳の青年・日暮。高校の同級生・華沙々木(かささぎ)に誘われるままに2年前、2人で「リサイクルショップ・カササギ」を開店。赤字営業で現在に至っています。美大出の日暮は手先の技術を活かして、商品の修理やブラッシュアップを受け持っています。店長の華沙々木は、「マーフィの法則」(原書)を心から信奉する至っていい加減な男で、日暮はしじゅう振り回されています。物語は、日暮の視点から、ぼやき混じりに描写されていきます。
4編の中編は、いずれも親子を巡る物語で、リサイクルショップの客が抱えている事情と、周辺で起こった些細な事件を、頼まれていもいないのに華沙々木が首を突っ込み、推理を展開し、その陰で日暮が黒子になって「天才・華沙々木」を演出するという小話になっています(日暮には、華沙々木を天才にしておきたい事情があるのです)。各話のタイトルは、主要な登場人物の名を借りており、最初の2編は「鵲(かささぎ)の橋」「蜩(ひぐらし)の川」。3編目「南の絆」は、店に入り浸っている中学生・南見菜美が、なぜリサイクルショップに入り浸るに至ったかという前日譚で、菜美とその親の物語です。最終話「橘の寺」も登場人物の名ですが、最終話までは誰の名であるかは伏せられています。やはり、親子の物語です。
語り手の日暮も、自身の親に対する思いが行動原理の一部をつくっていることが繰り返し示されます。主要登場人物の中では、華沙々木だけが家族との関係がまったく描かれていません。嵐の中心にいるけれど空っぽな、台風の目のような存在といえるかもしれません。
話の展開にびっくりするような仕掛けはありませんが、ひとつの状況の解釈が、登場人物ごとに二転三転していき、やがて真相とそこにまつわる人々の思いが露になっていく様はみごとです。最終話のラストには、ちょっと泣かされました。いろいろな人たちが、人知れず他者を思いやっていることを少しだけ匂わせて、優しく爽やかな気分で物語は終わります。
力強い傑作というよりは、鮮やかな佳作です。
カササギたちの四季 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:カササギたちの四季 (光文社文庫)より
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No.1:
(4pt)

真実を塗り替える

直木賞受賞後初の作品となる(書かれたのは去年一昨年ですが)この本。
雰囲気は全体的に明るめで、前作「月と蟹」よりはむしろ「カラスの親指」「花と流れ星」
に近いです。
ミステリー仕立てになっており
語り部、日暮とその上司華咲々木、そして友達である女子中学生南見菜美を中心に不思議な事件を解決していく。

タイトルからもわかるとおり四つの短編で構成されており、四つとも綺麗にまとまっていると思う。
メインに置いてるのはやはり「真実を塗り替える」ことだと思う。
菜美が華咲々木に抱いている幻想を壊さないように、日暮が暗躍する。
四つそれぞれ楽しめ好感がもてたが、しかし、少しインパクトが弱く物足りなさを感じてしまうことも。

個人的に帯の言葉は最高だと思う。
カササギたちの四季 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:カササギたちの四季 (光文社文庫)より
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