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真夜中の探偵
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真夜中の探偵の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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読み終えてから出ないとレビュー書けない | ||||
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少女探偵・ソラこと空閑(そらしず)純を主人公にしたシリーズの第2弾。1作目が、彼女が探偵を志す前日譚ならば、本作は見習い編ということになるだろうか。 僕としては前作より本作の方が面白かった。少女の成長物語としてよく描けているし、シリーズならではの「キャラで楽しむ」という楽しみ方もできた。特にキャラ立ちしているのは、仇役となる中央警察の明神警視だ。また謎めいた隣人、三瀬という人物の設定もいい。 前作では、物理的なトリックを「絵空事だ」と感じたものだが、今回も凝りに凝った機械仕掛けのトリックが登場するものの、そんな風には思わなかった。本シリーズの舞台をパラレルワールドにした著者の狙いが、なんとなく見えてきた気がする。 ふと、このシリーズはアニメ化に向いているのではないかとも思う。そういう意味では、ヤングアダルト(主に中高生)向けに書かれていることも納得だ。ミステリ的要素を持った青春小説として鑑賞するには楽しいシリーズである。 | ||||
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『闇の喇叭』に続くシリーズ。 架空の日本が舞台。 日本は北と南に分断されている。 国家の統制は厳しく、 警察の力が圧倒的に強い。 そして、探偵の存在は、認められず、 探偵行為そのものが犯罪という世界。 前作のラストで、 友人の母を助けるために探偵行為をしてしまった少女。 その少女をかばって父は警察に捕まってしまった。 母は、すでに行方不明。 その少女が、 友人との甘い青春時代を捨て、 父と母の仕事を継ぐことを決意する。 しかし国家はあまりにも強大で、 あまりにも無慈悲。 そんな中、 父や、母の仕事仲間たちと出会い、 そこで、事件が起こる。 探偵行為ギリギリの線で事件が解決していく。 少女の一歩は、 まだまだ小さな歩みを始めたばかり。 母の存在もちらちらとうかがえる。 まだまだ続くシリーズとなりそう。 それにしても、 これまでの“新本格”とは全くタッチの違う小説。 新しい挑戦をしている作者に敬意。 | ||||
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『闇の喇叭 (ミステリーYA!)』に続く、空閑純(そらしずじゅん)シリーズ第2作。本作から、純は探偵としては“ソラ”と名乗ることになる。だから、帯には、「少女探偵・ソラ、第一の事件」と書かれている。 大阪で一人暮らしを始めた純は、“探偵”の父に仕事を仲介していた人物と出会う。その時に、たまたまその人物の屋敷にきていた元“探偵”が、後に奇妙な方法で殺害される。事件に巻き込まれた純は、その謎を解くことによって、自らの“探偵”としての資質を確認しようとする… まず、最初に触れておくべきことは、前作を読んでいないと、分かりにくい可能性がかなりある。また、ミステリーとしては、かなり弱いと言える。前作の結末にかかわる問題と現在の純の状況などが前半のほとんどを占め、殺人事件はようやく半ばあたりで起きる。それに、トリックや犯人がそれほど驚かされるものではない。 著者はこのシリーズを通じて、二つのことを描こうとしているのではないだろうか。 一つは、特殊な状況(パラレルワールドの日本では、探偵行為が禁じられている)を設定することによってより明確化できる、探偵の“可能性”というか“役割”。著者の敬愛するエラリー・クイーンが中・後期の作品群で直面した問題に対するアプローチと思える。 もう一つは、現在の日本に対する“思い”。著者はこれまで政治的・歴史的状況とはほぼ無関係な世界でミステリーを構築してきた。『女王国の城』などは、宗教組織を扱っているので現代とかかわるような部分もあるが、やはり作品内での存在でしかない。しかし、『闇の喇叭』や本作で描かれたパラレルワールドの“日本”は、作品世界からはみ出し、現代日本を反映している部分が見られる。このような変化がどうして起きたのが不思議でならなかったが、本作の読了後、『有栖川有栖の鉄道ミステリー旅』を読んで、合点がいった。その「あとがき」に現代日本への批判が書かれていたのだ。この「あとがき」で書かれた現代日本に対する著者の“不満”は、おそらく「空閑純シリーズ」を貫くものになるような気がしてならない。 “アリス”シリーズのコアなファンにとっては不満の残る作品かもしれないが、上記のような点から考えると、前作以上に本作は、著者が“現実世界”に踏み込んだ作品群をこれから創造していくことを明確に示していると考えられる。 そういう楽しみとともに、本作では明らかにされなかった、「ブラキストン・コンフィデンシャル」の持つ意味にも、興味がそそられてならない。 | ||||
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『闇の喇叭』に続く、空閑純(そらしずじゅん)シリーズ第2作。本作から、純は探偵としては“ソラ”と名乗ることになる。だから、帯には、「少女探偵・ソラ、第一の事件」と書かれている。 大阪で一人暮らしを始めた純は、“探偵”の父に仕事を仲介していた人物と出会う。その時に、たまたまその人物の屋敷にきていた元“探偵”が、後に奇妙な方法で殺害される。事件に巻き込まれた純は、その謎を解くことによって、自らの“探偵”としての資質を確認しようとする… まず、最初に触れておくべきことは、前作を読んでいないと、分かりにくい可能性がかなりある。また、ミステリーとしては、かなり弱いと言える。前作の結末にかかわる問題と現在の純の状況などが前半のほとんどを占め、殺人事件はようやく半ばあたりで起きる。それに、トリックや犯人がそれほど驚かされるものではない。 おそらく、著者は、事件の謎を解明することではなく、特殊な状況(パラレルワールドの日本では、探偵行為が禁じられている)を設定することによって、純粋に探偵の“可能性”を探っているように思える。著者の敬愛するエラリー・クイーンが中・後期の作品群で直面した問題に対する“解答”への模索という側面が強い。 日本が南北に分断(北海道が独立している)していることを含め、ここで描かれるパラレルワールドの“日本”には興味が惹かれる。本作で描かれる“日本”に対する描写を読むかぎり、著者は実際の日本に対しても、かなり辛辣な考え方をしているように思える。これまで、世事・社会的状況とほぼ無縁だった作風から考えると、少々驚かされた。 “アリス”シリーズのコアなファンにとっては不満の残る作品かもしれないが、SF小説や“反ユートピア”小説の一種として考えるならば、楽しめる要素は十分にある。 そして、本作では明らかにされなかった、「ブラキストン・コンフィデンシャル」の持つ意味にも、興味がそそられてならない。 | ||||
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新機軸を打ち出したソラシリーズの2作目。冒頭のエピソードが末尾のエピソードにつながり、それが3作目への布石になることを予感させるといった気配の凝った展開で、そんな目でみると、フィクションとしての完成度は至って高く、プロットは例によって小気味のいい展開というべきだろう。しかし、パラレルワールドのインパクトは第1作より弱まっており、何よりミステリーとしてのメインの仕掛けが、やや地味。シリーズ全体に関連するとおぼしき伏線が多数あるようだから、3作目以降に期待したいところだが……。 | ||||
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