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ブラックペアン1988



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ブラックペアン1988の評価: 4.30/5点 レビュー 124件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.30pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全110件 81~100 5/6ページ
No.30:
(5pt)

この作者になぜ直木賞がいかないのかホントに不思議だ

2007年9月20日リリース。初出は『小説現代』2007年4月号から8月号。『田口&白鳥シリーズ』の番外編とも言うべき存在で、主人公の一人は若き日の高階院長である。『チーム・バチスタの栄光』に出てくる面々の若き日が描かれていて、ちょうど京極夏彦の『前巷説百物語』のような話が展開していく。実に楽しい。

筆力は相変わらずの剛速球(この作者は書くのも速い。文学界の新ジョン・ロード、とぼくは呼びたい)で、魅力的な医者がここでも登場してくる。そんじょそこいらのちょっと取材して空想文学を書いてみましたみたいなへなちょこの文章はひとつもない。まさに切った貼ったの外科医の言葉で書かれている。現実の大学病院の世界が実によく分かる。

現在まで3作、氏の作品を読了して思った。なぜここまでの作品を書いている人物に直木賞がいかないのか。はっきり言って不自然である。この作者より素晴らしい作品を書いている直木賞作家がいるなら連れてきてみろ、と言いたい。そこまでのレベルに到達している。
ブラックペアン1988Amazon書評・レビュー:ブラックペアン1988より
4062142546
No.29:
(4pt)

医療現場の独特な世界観。

「チームバチスタの栄光」に続き読みました。
現役医師の作家ゆえに医学用語がばんばん出てきますが、それもさして問題なく、すらすら読めます。「チーム…」よりも読みやすいような気もします。
大学病院での権力抗争、製薬会社との駆け引き、医療ミスの問題、医師側から見るとこんな風なんだ、と思うにつけ、「患者」というのはつくづくただ医師の前を通り過ぎていくだけの存在なんだなぁとも思いましたね。

ブラックペアン1988Amazon書評・レビュー:ブラックペアン1988より
4062142546
No.28:
(5pt)

文句なし! 現役医師だからこその臨場感

同業者の読者が、読むに耐える作品はどのくらいあるのだろう?
 警察ものなど皆無ではないかと思うほど、ありえない舞台設定がなされていたりするし、日常の細かいディテールにこると、小説としての面白さが減少する例もある。

 そんな中、本作は、手術という外科医にとっての日常行為と、大学病院内部における教授を筆頭とする格付け社会を、小説らしいありえない筋書きに組み込み、読者を外科助教授ぐらいの気分にさせてくれる。
 細かい医療用語を、いちいち読者に媚びて説明付けないのも、読むリズムを壊すことなく、小気味よかった。
 私は、本作が著作の初見なので、佐伯教室を舞台とした他の作品があるなら是非とも読みたい!と思わせる100点満点の出来だった。
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4062142546
No.27:
(5pt)

現実的かつ崇高な医師像ー連作の中でも出色の出来

「チーム・バチスタの栄光」の約20年前の同病院外科が舞台。「バチスタ」「ナイチンゲールの沈黙」「ジェネラル・ルージュの凱旋」では、前半は状況説明が多く、後半白鳥が登場して俄然盛り上がるように思ったが、本作では最初から、息もつかせぬ展開である。
新人医師世良が出会った、佐伯教授、高階講師、渡海医師という3人の才能溢れる外科医の大先輩たち。それぞれが鮮やかな手術手技を披露しつつ、医師としての主張を闘わせる。
一気に読めるエンターテインメント性を有しながら、よくある格好いいだけの「名医」物語にはない、深みがある。現実に医師である著者ならではだろう。医師であることの矜持だけでなく、それを維持するための苦悩をも、誰にでも分かる形で描いている。人間臭く葛藤しながら、それぞれの信念を貫いていく彼らがいい。
素晴らしく盛り上がったクライマックスのあとの終わり方は、確かに物足りないような気もするが、そこまで要求するのは酷かも。
世良のその後が気になる。後日談がありそうな気もする。
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No.26:
(5pt)

若き日の高階院長奮戦記

「チームバチスタ」から「ジェネラルルージュ」までは好調だったシリーズが、「螺鈿迷宮」で少々がっかりさせられたので、どうしようかなとかなり迷ったが、結局、手にした。杞憂だった。まずは研修中の田口先生以下3名の書くレポートがいい。それぞれの性格を端的にあらわして、見事。あと主役ではないが、やっぱり高階院長はこの作品の要だけあって、若いころも実に素敵だ。なぜお名前が「ゴンタ」なのか、いつかわかるといいと思う(笑)。
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No.25:
(4pt)

専門用語が多いけど、概ねOK

推理小説かと思いきや、そうではありませんでした。でも、概ねおもしろかったです。

ただ、外科手術の現場が事細かに書かれているので、専門用語が多く、想像できない部分が多かったのでちょっと大変だったかも。せめて、どんな器具なのか絵とかがあると助かるのにナー。

その反面、外科手術の現場ってこんなものなんだというのはなんとなく身近に感じることができました。
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No.24:
(5pt)

医者ならでは

医者ならではのストーリー展開で読ませます。ブラックペアンに関わるどんでん返しが素晴らしい。私は本職の外科系医師ですが、すっかり乗せられました。良質のエンタテインメントだと思います。
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No.23:
(5pt)

ひさびさの出会い

大学病院、外科学教室を舞台に研修医世良の成長を描く一冊…ではないです。
事件も殺人も起こらないのに、グイグイを読者を引き込んでいく人間模様。
医療の難しい用語もたくさん出てくるのに、それも気にならない・・・。
一気に読み進みました。
私は海堂尊さんの本はこれを初めて読みましたが、とにかく文章がうまい!
そして、人物の描き方がとっても丁寧なので、その人の心の動きに
自分自身も同化していきます。
ひさびさ他の作品も全部読んでみたいと思う作家に出会いました。
医療、特に外科関連に強くなれそうです。

結末、感動的です!
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No.22:
(4pt)

外科医のこだわり、薀蓄、成長譚、そして野心

「チーム・バチスタの栄光」とその一連の連作を知っていれば、面白さ倍増のボーナス本。何も知らずに読んでも、その個性的な人物像と大学病院のヒエラルキー、一般人の知らない医療の世界にぐいっと引き込まれていくだろう。

仕事には人それぞれのこだわりがあり、傾けたくなる薀蓄の一つや二つ、誰もが赤面する駆け出しペーペーの若い頃がある。修羅場を潜り抜けて鍛えられていくのは何処も同じで、その中で自分を高め遥かなるビジョンを持つ者が、野心という権力への階段を上る力を蓄えるのだ。

理屈では説明しきれない人体の、医療の、人間関係の綾を切り裂くメスは、そしてここで使われるブラックペアンとは・・・。どんでん返しで最後まで楽しめる1冊です。
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No.21:
(5pt)

面白い

面白いことは間違いありません。面白すぎて、逆にコミックのような軽さが出ているような感じではないでしょうか。
 ラストのシーンでの佐伯教授が国際シンポジュウムから引き返してくるくだり、渡海の復讐という深層心理は描写が多少甘いかなと思います。本作品の最終行「渡海の行方は杳として知れない」といい、海堂氏はラストの締め方がいまひとつで惜しい気がする。
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No.20:
(4pt)

湘南ダディは読みました。

物書きになろうと一心発起して作者になる人が勿論いちばん多いのでしょうが、それ以外の職業から作家になるケースで最も多いのはお医者さんなのではないでしょうか。森鴎外から始まって渡辺淳一、帚木蓬生、加賀乙彦など枚挙に暇がないほどですが、文学修行する程時間の余裕がある職業ではないはずなのに不思議な気がします。この海堂さんもその一人で本作は医局の現場を舞台としたスピード感にあふれたお薦めのメディカルノベルです。

仙台、東城大学医学部付属病院の総合外科、通称佐伯外科に東京の国立大から米国留学帰りの高階講師が赴任してきます。佐伯教授は難しい縫合技術が必要な食道癌の手術ではまさに神の手といわれていますが、そこに高階は米国では一般的に利用されている器械吻合を導入しようとします。医局経験が10年は必要といわれる食道癌の施術もこの吻合器械スナイプを使えば沢山の医師が施術することができるようになるからです。これは佐伯教授の神の手の領分を侵すことになるので、当然高階は佐伯教授から徹底的な抵抗を受けます。更に10年選手なのにヒラの医局員のままの渡海がからみます。技術は佐伯教授に次ぐほどの優秀なのですが、この帝国のような佐伯外科ヒエラルキーの中にあって態度も行動もまるで一匹狼のように気ままに過ごしており、定時になれば製薬会社の接待を受けてクラブに入り浸ったりしている人物です。
一見、病院内の権力抗争を通俗的に描いた作品にとられそうですが、実は医療現場の様々な問題が極めて論理的に取り上げられています。例えば癌の患者への告知、新技術導入の難しさ、医療技術と患者との心のケアなどなどです。そして佐伯、高科、渡海などの登場人物がやや紋切り型の造形ながら、実はそれぞれの立場からこれらの問題に真摯に向き合っていることがわかりほっとします。最後のクライマックスではタイトルのブラックペアンの謎解きも見事に盛り上がります。

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No.19:
(4pt)

相当にリアル!!おもしろい!

著者はドクターだけあって、情景や心理描写がリアルですね。
登場人物が各々の立場で為す振る舞いや語る台詞には、隙(スキ)がありません。ストーリーにグイグイ引き込まれてしまいました。
私自身、医療現場を知っているだけに医療系小説やドラマは1点でも「ほころび」があると妙にシラけてしまいますが、本書は良かったですね。
(ラストの手術シーンに異議を唱える外科医は多いようですが、全体の流れのリアリティがそうした批判を矮小なものにしてしまいます。)

現代外科手術の歴史も踏まえており、自動吻合器「スナイプAZ1988」を軸に展開する物語は、現実の現場で起こった「センセーション」を思い起こさせます。
現代医学の問題点の根っこが1988年付近にあって、ストーリーの中に、それを意識した遣り取りがちりばめられている辺りが、玄人を唸らせます。

ただ、余韻を残したラストシーンは、何となく「結論を急いだ」感が拭えません。
良く言えば「余韻」ですが、悪く言えば「半端」であり、「そこに着地するのか・・・」と物足りなさを感じました。

「そこで突き詰めてしまわないのが小説なんだよ」と言われればそうなのですが、あと1章書いて欲しかったです。
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4062142546
No.18:
(5pt)

みんな素敵!!

海堂尊さんの処女作『チームバチスタの栄光』はダヴィンチコード以来の面白い小説だ〜とわくわくして一気に読みました。すごく面白かった。
以来『ナイチンゲールの沈黙』『螺鈿迷宮』と読み、うーんなんか迫力がなくなってきたかなぁ・・・と思っていたところ『ジェネラルルージュの凱旋』。なかなか面白いぞ!と復活の予感。
そして『ブラックペアン1988』。処女作に劣らない面白さでした。
登場人物も個性的で、みんなそれぞれに違う強さを持っていて・・・クライマックスでは泣いてしまいました。
次回作も期待します。
いろいろ好き勝手に書いてしまいましたが、ブラックペアンを読む前には、やはり全作を読んでからをおすすめします。読んでいたからこそ楽しめる部分が多々あると思います。


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4062142546
No.17:
(5pt)

シリーズもの

バチスタ関連といった作品で一気に読み進んでしまいました。医者と製薬会社と厚生省のどろっとしたつながりも描かれてますね。
それにしても今も勤務医でありながら、ベストセラー作品を次々と発表できるなんて…どんな才能なんでしょう。
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4062142546
No.16:
(5pt)

高潔な意思

医者の隠れざる高潔な意思をかいまみれたので感動しました。

どうしても報道や司法の偏見にひきずりまわされがちな庶民

にも理解できる医者の生き様の光と闇に触れ、えもいわれない感動に

引き込まれました。

また、視点から作者の高潔さが漂い大変嬉しかったです。
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4062142546
No.15:
(4pt)

面白い。ただ、外科医として一言

外科医です。テレビの医療ドラマなど、実際の医療と異なる部分があり「うそ臭くて」見ていられないので嫌いでした。ブラックペアンは同僚から薦められて読み始めましたが、一気に読んでしまいました。最後までぐんぐん引き込まれていくのは、病院の虚実が巧みにミックスされた設定と居そうで居ない登場人物の魅力だと思いました。終盤佐伯教授が手術室に現れる場面では久しぶりに胸が熱くなりました。小説としてお勧めです。…ただ、前作のバチスタもそうですがミステリーのトリックの部分:ペアン・心臓蘇生いずれも医学的には「うそ」です。人間の血管はゴムの管ではありません。しかし「うそ」でも面白い小説がある事を教えてもらいました。
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No.14:
(5pt)

この作品こそ映画化すべき!

バチスタ3作と螺鈿に比べて、テーマ性よりエンターテイメントとしての展開力を意識した作品と思う。
特にクライマックスの牽引力と表題への帰結は圧巻の一言。すげえ面白かった。
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No.13:
(4pt)

理想郷

バチスタ→ブラックと気の向くまま読み進めたのですが、リンクしている部分があるとは知りませんでした。わかってからは、ちょっとにやにやしながら読んでしまいました。
一人の外科医の成長物語なんでしょうか。細かい説明が少々くどいかと思いましたが、
面白かったです。

面白いのに、何か物足りないなあ…と思って考えると、
これといって、明らかに悪人がいないからだと気づきました。
割とみんないい医者ばかりな気がします。ある意味、理想郷な感じがしました。
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4062142546
No.12:
(4pt)

剣豪小説

前作、ジェネラル・ルージュの凱旋で時代劇を思わせるストーリーテリングを見せた作者がついに本性を現して
恥も外聞もなく(褒めてます)世に送り出す剣豪小説。
右も左もわからない見習い侍、剣の腕を見込まれて「外科学藩」にやってきた外様の侍、妖刀ブラックペアンを
携え藩に君臨する伝説の剣豪、それを親の敵と狙う弟子。

最初から最後まで、手に汗握るチャンバラ(手術)シーンと剣(外科)の道とは何かについての(とてつもなく
わかりやすい)問答を楽しむことができます。

黒澤明の用心棒や椿三十郎を彷彿させる、娯楽時代劇とわりきって読みましょう。ステレオタイプも一種の芸ですし。
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4062142546
No.11:
(4pt)

若き日々

1988年世の中がバブルの頂点を極める頃,主人公:世良雅志は東城大学医学部の坂道を外科研修医1年生として駆け上っていた。手術への徹底した手洗いを終えた世良を待っていたのは同大学医学部教授:佐伯による胃ガン全摘手術であった・・・

チームバチスタからジェネラルに至るまでの番外を含めての現在の4作から,昭和の終焉期に時代をさかのぼっての話となる。物語の主格をなす『ブラックペアン』とそれを巡る学内の権力抗争の様相を若き日の高階などを中心に描いていく。その中に全4作の主人公や脇役たちの若き日が描かれているのが,全作までのファンとしてはたまらないのではないかと思う。特に藤原,猫田,花房の若き姿は印象的であった。単体としても面白いが,全作読んでおいた方が一段面白い作品であることは間違いないと思う・・・
ブラックペアン1988Amazon書評・レビュー:ブラックペアン1988より
4062142546

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