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一角獣・多角獣



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【この小説が収録されている参考書籍】
一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)

一角獣・多角獣の評価: 5.00/5点 レビュー 12件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全12件 1~12 1/1ページ
No.12:
(5pt)

スタージョンの凄さを堪能出来る短編集

異色作家短編集、シオドア・スタージョン篇。

収録作それぞれに、犯罪小説、ファンタジー、SFとバラエティの富んだ作品が並んでおりますが、いずれもそのジャンルを逸脱する作品が揃っております。

この人の短編の最高傑作は「輝く断片」だと思っておりますが、本書にも有名な「ビアンカの手」が収録されており、全部は読まないでも、これだけは読んだ方がいいです。

スタージョンには色々な逸話や伝説がありますが、人格が異色だった様に思えます。そういう人だったので、何を書いてもジャンルから逸脱する作品になった様におもえます。

スタージョンの凄さを堪能出来る短編集。是非ご一読を。
一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)Amazon書評・レビュー:一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)より
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No.11:
(5pt)

手塚漫画を読んでいる気分になりました。

シイジイ・・・でしたっけ。
難しくて言葉に出来ませんがまるで手塚先生の漫画を読んでいる気分になりました。
あと双子ネタが多いところとかも。
私にとってSFといえば手塚先生と藤子先生ぐらいしか知らなかったので、外国にもこういう発想のものってたくさんあったんですね(笑)

「孤独の円盤」の最後は目が潤んでしまいました。
強烈なタイトルなのは「死ね、名演奏家、死ね」ですね。
マニアックなネタかもしませんが、任天堂のゲーム「ムジュラの仮面」のグルグルさんのエピソードを思い出すようなお話でした。
一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)Amazon書評・レビュー:一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)より
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No.10:
(5pt)

どの作品子甲乙つけがたし

本当に充実した読書時間を提供してくれた
まさに「良書」といえる本だと思います。
まずすばらしいのは展開のよさ、でしょう。

それと短いながらも読者にインパクトを与えてくれる作品。
それはまるで映画の感動シーンのごときラストを
提供してくれる「孤独の円盤」に強く出ています。
その最後の数行の力は映画とひけをとりません。
むしろ映画化してくれ、と懇願したいぐらいです。

SFのような作品もあれば
ミステリーテイストの強い作品もあります。
特に「死ね、名演奏家、死ね」は
嫉妬に狂ってリーダーを殺した男の悲劇が
リアルに描かれています。
なおさらほかのメンバーがあることをしたがために。

なぞの言葉「シジジイ」が
出てくる作品もあり、本当に
飽きずに読める作品でした。
一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)Amazon書評・レビュー:一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)より
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No.9:
(5pt)

ある生きものには言うに言われぬさびしさがある。

この作品集に収録された短編は,それぞれ独立したものでそのジャンルも多岐に渡りますが,
共通した独特な雰囲気といったものがあります。
 その雰囲気が端的に表れている短編が「孤独の円盤」という作品で,その中に次のような趣旨のことが
書かれています。
「生きものには言うに言われぬさびしさがあり,その大きなさびしさを生き物同士で分かちあわねばならない」
 そして,「孤独の円盤」以外の短編のどの作品に登場する人物においても,どこか「さびしさ」のようなものを
持っているのです。
 あるものは,そのさびしさを受け入れ,あるものはさびしさに発狂し,あるものはさびしさを否定する。
 収録された一篇一篇が独立した作品でありながら,かつコンセプトアルバムのような統一感あるこの作品集は
短編集としての理想の形を実現した,最良の作品集だと言えるでしょう。
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No.8:
(5pt)

気が狂いそうになる美しさ

異色作家短編集の中でも随一で「異色」という言葉が似合う、スタージョンの短編集。

 スタージョンの作品は変だ。変だが、奇妙な魅力がある。
いきなり船から海に突き落とされて、「えっ?」と思う間に救助ロープがおりてきて
「やれやれ助かった」とロープをにぎった瞬間、ロープがばっさり切られて呆然とする。
スタージョン作品の読感はこんな感じ。
好きな人はカルト的に愛するし、苦手な人は「分からん……」と頭を抱えることだろう。ちなみに、私はけっこう好き。

 おすすめは「ビアンカの手」「熊人形」「孤独の円盤」「監房ともだち」「死ね、名演奏家、死ね」。
「「お眠り」と怪物が言った。口のなかに血がいっぱい詰まっているので、怪物は耳でしゃべった」
というような、気が狂いそうな美文(?)があるのも特徴。

 強烈で鮮烈な軌跡を残して墜落する、隕石みたいな短編集。
一度読んだら二度と忘れられない。それがスタージョンなのである。
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No.7:
(5pt)

極上短編小説のフルコース

作者スタージョンについて、その発想力を、まず第一に評価する声がとても多いような気がするのですが、このことに私は不満を覚えます。 確かにヘンな話ばかり書いた人なのでしょうが、私にはその奇想より、言葉を魅力的に紡ぐ技巧や表現力が彼のトレードマークに思えるからなのです。 そしてそうした彼の特性が最も色濃く出ているのが、この「一角獣・多角獣」だと思います。 例えば「ビアンカの手」では、変態さんの荒唐無稽なまでの熱狂について、その語り口にきわめてドライなものが選ばれていたことによって、また、悪意とさえ思える文章の跳躍によって、私は読後、非常な不安を覚えましたが、と同時に、この作者の聡明さに大いに気付かされました。 一方、続く「孤独の円盤」では、映画を観ているような印象的な視覚描写から始まって、だんだん物語が見えてくるころには、罠にはまったように感情移入に捕らわれ、最後にどーーーんと狙い撃ちされたようでした。 告白すると、私はこれで号泣しました。アイデアの妙だけでは、ここまで感動させられる筈もなく、やはりとてもうまい人なんだと、私は再び確認したのです。 ダークなメルヘン「一角獣の泉」から始まるこの短編集を、手に取られたならば、ぜひゆっくりと咀嚼するように召し上がって欲しい。 そしてスタージョンは本物の作家だということの認識を、ひそかに共にできることを願っています。
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No.6:
(5pt)

冷たくて厳しく無慈悲だが読後に忘れ難い余韻を残す幻のSFファンタジー短編集。

奇妙な怪奇幻想色が濃厚な独自の作風で多くの根強いファンを持つアメリカSF界の巨匠スタージョンの日本で刊行後長らく入手難だった希少作品集の待望の復刊です。著者の短編は近年晶文社や河出書房新社から出された作品集によってすっかりお馴染みになりましたが、本書は1960年に早川書房から刊行されてから本当に長い間絶版状態だった為にオールド・ファンの間では「とにかく読みたい!」という願いがとても強かったですので、今回ようやく45年振りに復刊された事で感無量になられた方も多かったのではないかと思います。まだ経験の浅い私が読んだ感想としては、著者の作風は基本的に冷たくて厳しく無慈悲な印象が強く最後にやっと幽かな安らぎを感じる構造で、作品に込められた意味は単純でなくやや難解で深く考えさせられ読後には忘れ難い余韻が漂っています。
『熊人形』四才のジェレミー坊やが将来大学教授になって生徒に教える自分の本当の夢を熊人形の怪物と会話するややこしい場面で始まり、時空間が複雑に歪んで恐ろしい結末を迎える。『ビアンカの手』白痴の娘ビアンカの持つ優雅な手に恋した男ランが望みを叶え遂に結婚し迎えた凄惨な最期。『めぐりあい』ぼくと不思議な女グローリアとの奇妙で不幸な恋の理由を、別世界から現われた首だけの存在が「シジジイ」という理論を基に説明する。最後に明かされる首の正体には絶句します。『死ね、名演奏家、死ね』ジャズ・バンドの牽引者ラッチの野郎を憎む俺は遂に奴を殺すが、死後も尚メンバーは奴のスタイルを守り続ける。意外な仕掛けが待つ異色ミステリーです。『考え方』奇妙な考え方をする旧友ケリーが愛する弟ハルの死を深く悲しみ、人形を使って人間には不可能な恐ろしい復讐を遂げる物語。
本書には明るい物語は殆どなく暗い翳りを帯びた話ばかりですが、貴方も一読すると心を捉えて離さなくなる著者の作品の強烈な魅力に触れて頂きたいと思います。

一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)Amazon書評・レビュー:一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)より
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No.5:
(5pt)

異色作家短編集3

1.「一角獣の泉」
2.「熊人形」
3.「ビアンカの手」
4.「孤独の円盤」
5.「めぐりあい」
6.「ふわふわちゃん」
7.「反対側のセックス」
8.「死ね、名演奏家、死ね」
9.「監房ともだち」
10.「考え方」
以上の全10話が収録されています。それぞれファンタジーあり、SFあり、ホラーあり、ミステリー、ブラックユーモアありとバラエティに富んでいて、読者を厭きさせません。各話ともラストに向けてキチンと纏まっている、この文章力に脱帽です。
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No.4:
(5pt)

奇跡的な作品集

いかに短編の名手であっても、すべての作品が素晴らしいとは言えないでしょう。
多くの短編集には実際に面白くなかったり、読む人の好みでないものも当然収録されることになります。
けれど、この「一角獣・多角獣」は傑作が揃っているだけでなく、その選択と配列が奇跡的なバランスをもたらしているのではないか。長い時間を置いて何度か読み返し、そう思いました。
ファンタジーの要素を使った「一角獣の泉」で始まり、途方もない、まさにスタージョンの発想の特異さを具現化した「考え方」で終わる。その間には満たされぬ者の救いとなる「孤独の円盤」もあり、「死ね、名演奏家、死ね」のようなスリラーともなんともつかない、ある種切ない物語もあります。つまり、スタージョンのエッセンスの様々な風味を楽しめるというところなのですが、そのあと味は必ずしも甘いものではありません。
その独特な、類例のない味わいは、読んでみないときっと分からないでしょう。
そして、スタージョンの作品の良さは発想の特異さだけではありません。
彼のいくつかの作品には、決して癒されることのない孤独、けれど癒されぬことを知りながら救われることを求める心、そんなものを感じます。スタージョン自身の心の投影かも知れません。
本書の二作品に登場するシジジィ(syzygy)という言葉の使われ方は、良くそのことを表しているのではないでしょうか。
長く手に入らなかったこの傑作短編集は、今読まなければ、またいつ読めるか分からないかも知れません。
お早めにどうぞ。
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No.3:
(5pt)

まさに異色...

「これは、絶対に読んでおくべき!」と、友人からプレゼントされ、何気なく読み始めたのですが、あまりに奇妙な内容であるにもかかわらず、いつのまにか、スタージョンの世界に魅了されてしまいました。
圧倒的な不思議さと面白さに、この後はどうなるのだろう?と、先が気になってしまい、あっと言う間に読み終えてしまいました。
こんな独特の世界を創造できるスタージョンは天才であり、奇才であり、まさに異色の作家です。
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No.2:
(5pt)

シジジイ

スタージョンは初めて読んだ。大変面白かった。美しく幻想的な作品「一角獣の泉」「孤独の円盤」もあれば、子供とテディベアといういかにもほのぼの系かな〜と思う作品もある。だが、子供や喋る猫が出てきても騙されてはいけない。結末は気味悪いのだ。

またふたつの作品で取り上げられている「シジジイ」をテーマにしたもの。こんな単語は聞いたことがなくて、読後に辞書を引いてしまった。確かに存在する単語なのだが、その意味はこの本を読んだほうがよっぽどわかりやすい。ことに「反対側のセックス」はミステリ風の展開からSF的オチ、なおかつ読後は爽やかという不思議な作品。
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No.1:
(5pt)

異と触

私にとってのスタージョンは(最初に出会った)『ゆるやかな彫刻』です。盆栽をSFの重要な小道具に使うという発想、ゆるやかで唄うような魅力的な文体、男女の心理の機微、そして……「君の名前は?」。いやあ、高校生には重かった。重すぎました。
 私がスタージョンを一言で表現すると「異」(Strange)です。異質・異色・異界・異文化・異人・異物・異形・異能……それらをすべて一度抽象化してかき回し、そのドロドロをインクとして紙の上に書き記すことで具象化した小説世界、それが私にとってのスタージョン。
 今回久しぶりにスタージョンに出会って、「触」に対するこだわりもあるように感じました。「触覚」と「(人の)触れあい」の両方です。その究極の形が「シジジイ」でしょう。この単語が登場する作品は本書には二つ。『めぐりあい』と『反対側のセックス』ですが、どちらもこちらの皮膚にぞわぞわする感覚を残してくれます。

 『一角獣の泉』……「処女だけが一角獣をその胸に捕えることができる」という伝説をスタージョンが料理したらこんなになっちゃいました。
 『孤独の円盤』……『ゆるやかな彫刻』の系統に属する作品です。不器用なボーイミーツガール。実は最初からネタバレになっているのですが、それに気がつくのは本作を読み終えたときです。著者は手練れです。
 『考え方』……女が男に扇風機を投げつけたら、その仕返しにその男は「女」を扇風機に投げつけた。そんな男の弟がブードゥー教の人形の呪いで殺されてしまった。その復讐に男が選んだやり方は……
一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)Amazon書評・レビュー:一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)より
4152086815

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