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たまゆらり
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たまゆらりの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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2009年に刊行された怪談集にその後の一編を追加して2011年に出版された文庫版怪談集で、全12編が収められている。どれも、締め切りに追われる盛岡在住の作家、オカルト好き、水が怖いなど、高橋氏の分身のような人物が主人公で、最初は身辺雑記のようなくつろいだ雰囲気で始まるが、後半、あるいは末尾近くになってそこに怪異が侵入してくる。怪異によって日常性が破壊されるという、怪談の醍醐味を満喫できる。これまでの「記憶」シリーズなどとは違う味わいだが、評者は高く買う。解説を書いている東雅夫氏はどちらかというと泉鏡花的な幻妖世界に入れ込んでいる人だから、氏がアンソロジーを編んだら本書のような作品は軽視されてしまったかもしれない。 ただ、「私のたから」は、人間を乗っ取った邪悪なものという設定だが、これは別なアンソロジーに入っている「記憶の窓」の二番煎じっぽかった。 | ||||
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SF、オカルト、異常心理、タイムスリップ、ストレートな哀感の残る幽霊譚、そして、神秘的な最終話と、作家の目線で奇怪な出来事に遭遇するシチュエーションで様々な物語がオムニバス的に展開します。 純粋な怪奇を好む人には「うたがい」などはSFと感じてしまうかもしれません。話の筋も、藤子・F・不二夫の「どことなく、なんとなく」に似ているので、オチも同じか、と思っているとそうやとんやは下ろさない。 意表を突く発端、中途のサスペンス、意外な結末+余情(読者の想像をかき立てるもの)、という小説の大前提をこれほど全ての短編において忠実に守っているのも珍しい気がします。 その為には主人公の作家自身が殺人鬼になることもいといません(驚くべき方法でこれは無に帰するわけですが)。 個人的には遠野で20年前に記憶を失って発見された男が再び遠野を訪れて真実を知ることとなる最終話がオススメです。 | ||||
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中年の作家が、何気ない日常から、すっとホラーの世界に迷い込む11編の珠玉の連作短編集です。 個人的には、余りホラーぽくなく、通常の日常の生活が描かれていながら、最後で異世界を垣間見させてくれる、そんな作品が好みです。 従って、この短編集の中で言えば 「ゆがみ」(魚眼レンズから覗いた世界のピエロが歪んで見えない) 「とまどい」(久しぶりに出会った意外な女性は別の世界からの人だった) 「あの子はだあれ」(古い写真に移っている見知らぬ女の子は・・・) などです。 作者らしい雰囲気のある素晴らしい短編集です。 | ||||
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大河ドラマ化された『炎立つ』などの時代小説や 『記憶』シリーズといったホラー小説など 幅広いジャンルを手がける著者の最新短編集。 著者をおぼしき中年の男性作家を主人公に 何気ない日常が異界へと転ずる恐怖を描いた11編が収められています。 撮影で訪れた路地で出会ったピエロと子どもたち(『ゆがみ』) 山奥にある山荘で体験する恐怖の一夜(『悪魔』) どの作品とも、日常がゆらりと揺らぐ瞬間が恐ろしくも快感で 時間を立つのを忘れて没頭してしまいます。 とりわけ印象深かったのが、 60〜70年代への郷愁を持ち続ける男を描く『うたがい』 そして、写真に写った人魂を調べる男を描いた表題作『たまゆらり』 とくに『たまゆらり』は、読後しばらく鳥肌が引きませんでした。 ホラーが多様になりすぎ、よくわからなくなった今日。 読後に背筋がぞぉっ〜とし、 鳥肌がひかなくなるような恐怖をお求めの方におススメです☆ ぜひ、夜に一人でお読みください☆ | ||||
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