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プリンセス・トヨトミ
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プリンセス・トヨトミの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.42pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全122件 41~60 3/7ページ
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この作家の作品は初めてですが、登場人物のキャラクターが生き生きと描かれていて、これだけのボリュームであちこちに伏線があって、最後はきちんと解いてくれています。性格と情感と謎解きっぽいストーリーとどれも合格点という作品は日本では久しぶり。満足です。TVで放送された映画も録画してあるので、後で見てみます。でも本の方が面白いんだろうな。 | ||||
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大阪国が立ち上がる! 豊臣家の末裔のプリンセスに危険がせまったとき、大阪国の男たちが立ち上がる、という、いわばハチャメチャSFの設定です。 『鴨川ホルモー』など作者のこれまでの作品では、不思議な現象に対して、日常の世界と折り合いをつけるための合理化や説明をしなくてもよく、無意識の世界とのマジックリアリズム的共存が成り立っており、それが文学としてのまとまりや強さになっていたと思います。 しかし今回は、歴史的に、また法令的に、そして政治や情報管制の面で、作者が現実の日常的世界との(かなり無理な)つじつまあわせに走ったので、せっかくのほろりとくる趣向(父から息子へ一生に二度だけ伝えられてゆく言い伝え)や大阪城地下の秘密議事堂の夢のような雰囲気が、少々安っぽくなってしまいました。 現実の大局までをも改変するのだったら、もっと大仕掛けなSF的なパラダイムが必要だったと思います。 なので、全体の出来としてはあちこち玉砕かなと思うのですが、それとは別に、女の子になりたい冴えない中学生大輔、幼なじみで彼をかばってやくざの息子にさえ跳び蹴りをくわせる茶子、ジャコ屋のむすこ島の三人組の生き生きした個性、また大輔に接する先生たちのこってりした人情の味がよく、いじめの場面もリアルでなまなましく、それらが後半、大阪国総理大臣、お好み焼きやの主人、大輔の父真田幸一のしずかなヒロイズムによって押さえられ、越えられてゆく、その流れは心にひびくものでした。 幸一が、切れ者の会計検査官松平に語る大阪国の言い伝えは、父から子へと脈々とつづくDNAに訴えるもので、最後にそれにほだされてしまう故郷喪失者、松平の決断は、けっきょく、政治論理に、問答無用の骨肉の情が打ち勝った、というべきなのでしょうか。 もしかしたら、こうなっていたかもしれない、という敗者の歴史を語るSF小説のノリとも違い、ここの部分の濃い心情は(まさに「浪花ぶし」として)納得のゆくものでした。 ただ、前述したように、特に、このあとすべての情報が消えたこととか、事件がどう収拾されたかを、まことしやかに説明しようとしたところには無理が目立ち、この疑似SF手法では、これだけの数の人間の共同幻想の強度を、読者に説得しきれなかったと思います。 昼の世界の「ほんとう」へ昇華させようとして、させきれなかった夢想。惜しいです。 | ||||
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映画版は大輔の女装を巡るエピソードや松平や鳥居の人となりに関する描写など大分省かれているので、あれだけ見ても分けが分からなかったと思います。 原作は分量が多い分、説明が多いので、物語の背景や流れも理解しやすくなっています。 荒唐無稽といえばそれまでですが、いろいろな伏線が集約されていくさまは語りの妙を魅せてくれますし、落語の人情話にも通じる笑いの中にも人の優しさや人情の機微を見せてくれる物語は、読む人を元気付けてくれるでしょう。 好き嫌いが分かれる作品かもしれませんが、物語を物語として楽しめる人であれば、ホラ話を楽しめると思います。 | ||||
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何の作品知識もなく、予告編のみ面白そうだと思い本作品のDVDを見て、その内容のひどさに驚き、本書を読んでみたくなりました。 内容的には、映画と同様、大阪の機能が全停止する訳はないと思いながらも、本書の記載ならひょっとするとと思わせるものもありました。 私も大阪の出身で、30歳前に両親をなくしているので、もし自分が映画のシチュエーションであっても、大阪国のことを秘密にするのは絶対に無理で、ましては嫁さんに内緒にするのは不可能と思っていました。 でも、もし末期がんの父親に大阪城の地下に連れて行かれて、往復2時間の道のりを歩きながら説明を受けていたら、やはり秘密は守るし、決められたサインを目にしたら、登場人物と同じように、半信半疑でも行動するかもしれないと思わされるものがありました。 映画は焦点がおおぼけで壮大なスケールの物語が前面に押し出されていた感がありますが、小説はまさに大阪の男と女の機微が主眼となっており、構成もしっかりしたものになっていたと思います。 映画の批評になってしまいますが、時間的な制約があるにしても、もう少し原作を尊重した作りにすれば良かったのにと思います。 タイトルにしたように、映画をみて感情移入が全くできなかった方や、何じゃこりゃーと思った方は、本作を読めば、私と同じように、「あー、そういうこと!」と思って頂けるのではと期待します。 最後に、映画の批判で申し訳ありませんが、旭を男にしたことで、すべてのストーリが台無しになった反面、多くの映画のレビュアーが無人の大阪を鳥居が走るシーンを評価したのは皮肉な結果となりました。 | ||||
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作者は京都大学出身なんですよね。大阪出身ではないのですか。 よく出来ていると思います。 よく書けていると思います。 真田さんの頭の良さと、変人なところ。幼い頃の記憶。 徐々に明らかになっていく、綿々と続く大阪の謎。 壮大なスケールで語られる。そしていよいよ幼い頃の記憶の謎が..... よく分からなかったのが、大輔君の趣味なんですが、これも大阪? と言うことで納得?かな。 イメージ的にはあの有名な海外映画の謎解きがダブります。 それと比較すると、あまりにも根拠もへったくれもなく、全体として はりぼて感があるのですが、これも大阪なんでしょうか。 結構面白かったです。面白いだけって言うと失礼かもしれませんが、 肩の凝らない大阪ドラマ。壮大なスケール感をどうぞ。 | ||||
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途中までがなかなか読み進めなかった。後半は集中できたけど何度か長いなと感じた。 鴨川は最後まで読めずに脱落し、鹿男はとても面白かった。 今回も地理や歴史が絡まり、普通の大阪の下町の人たちの様子がリアルに感じられ とても面白かった。 会計検査院の三人には後半に入るまで全く感情移入できなかった。 後から出てくる大輔と茶子に気持ちを傾けさせる為なのかな? プリンセスを守るのに大げさすぎな気がするんだけど・・・。まあその為だけの大阪国ではないんだけど。 存在は認められたけど予算の使い方やシステムなどに改善を促さなかったのが不思議。 有事の際の伝達の方法が何重にも練られてて、また面白い事をみんなが大真面目にやっていて楽しかった。 親子愛郷土愛などほろっときた。 | ||||
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大阪国は実はすごいことなのだろうけど、本物語ではさほど 重要な要素ではない感じ。 この大阪国の顛末を期待する人にはちょっと物足りないかもしれない。 女子になりたいという少し変わった印象の大輔と、 いかにも大阪の女っぽい幼馴染茶子の関係が非常に好印象。 大阪国という非現実的な現実を前に成長する大輔の姿と 茶子を見守る大阪人の人情がとてもよいです。 | ||||
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読み終えた娘からこの本を借りた 私は幸せ者です。父と母と語って 子もやがて親になる。大阪は題材で 普遍の家族愛が描かれています。 父からの再三の呼び出しの訳に グッときました。ただセーラー服は サービスしすぎかな。 | ||||
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映画の広告を見てどんな話だろうと興味をひかれて手にしました。 いい意味で裏切られました。大阪独立みたいな大仰な話だと思っていたので…。 とはいえ、実際、大仰な話でしたが、どちらかといえば震撼させられるというより、 大阪人の人情ってホント、スゲーなって感じ。 大阪全停止というクライマックスを盛り上げる、男たちの熱い物語に気を取られてると 最後にガツンと女の底力にやられます。疾走感のあるいいお話だと思います。 | ||||
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万城目をまんじょうめ、と読むのだと思っていた失礼なレビュアーです。 気になった新人小説家が受賞した文学賞出身のなかで一番有名な作家ということで挑戦。 独特の世界観を持つ方とあったが、本当にその通り。なんでこんな変なことを真面目に、ときにふざけも含めて書けるのでしょう。(誉め言葉です) 映画化されていることを考えると、万城目ワールドなんて言葉で表現されるこの独特な世界にはまるひとがとても多いということなんでしょうね。自分だけがこの作品の本当の良さが理解できているのでは?、という不思議ないい気持ちになれる不思議な作品でした。 他の作品にも手をだすかはわかりません。はまるのが怖い、みたいな。 | ||||
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映画化したものを見たので、原作が気になって読んでみました。 う〜んこうだったのかと納得したところもあれば、ちょっと違和感を感じたところもあるので、 ただやはり原作ならではの面白さを感じられたので良かったです。 | ||||
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万城目学の作品を読むのはこれで二作目だ。実に面白い作品だった。 期待は全く裏切られることなく、最後まで読んだ。 大阪人の発想力の豊かさ、ユニークさは恐らく日本一であろう。 いや、間違いなくそうだ。 もしこんな事が本当にあったら、さぞ愉快であろうという事を、 ストレートに射抜いてくれるのが、万城目作品。 映画は原作よりつまらない事が多いが期待したい。 但し、旭は女。鳥居は男でいってほしかった。 | ||||
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タイトルと表紙(大阪城)から、豊臣家の末裔の話なんだろうな、とすぐに分かります。こういう仮想歴史物は大好きなので、わくわくしながら読み始めました。 大阪の地名がてんこもりで出てきます。描写がすんごく細かいです。でもそのおかげで、大阪に土地勘のまったくない、東京人の自分でもすんなりと読むことができました。一方で大阪の方には描写がくどいかもしれません。 それから人物描写が丁寧で、その点も好感が持てます。主人公クラスの人物にはすんなりと感情移入できます。あと、登場人物のファミリーネームが凝っていてうれしいです。 ストーリーの説明はしません。何を説明してもネタばれになりそうで難しいです。とにかく歴史好きで壮大なホラ話を楽しめれば、それで良しとする方とか、豊臣家ファンの方とかにはお薦めです。特に後半のドミノ倒し的な展開は素晴らしく、ゾクゾクしてきます。 あ。豊臣家ファンの方はひょっとしたら、ある点にガッカリするかもしれません。そのときは笑って許してくださいね。 | ||||
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「父の言葉」のくだりで不覚にも涙が出ました。父を亡くし息子を持つ身になった自分にとって胸に来ました。他の奇想天外でSFチックなストーリーはすべておまけに見えます。また史実を知っていると結構楽しめます。旭の出自はなるほどと思ってしまうし、竹中と黒田が幼なじみでしかも黒田が車イスというのにも作者のユーモアが感じられます。蜂須賀という名前も彼の運命を暗示しているようです。人によって評価の分かれる作品だと思います。私は星5つです。 | ||||
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大阪の男120万人が決起するというありえない設定をおかしく描く小説 すみません、不勉強なので作者の作品を読むのはこれが初めてです。 この作品もそうですが、絵が目に浮かぶように精緻でよみやすい表現な せいか、すでに3作品が映画なりになっているのですね。 話の中心は、会計検査院の職員である表紙の3人、上級公務員をTOPで通ったのに なぜかTOPにあまりふさわしくないと言われる会計検査に来ている2人と 小太りピンぼけで、中学生のジャージを着ると中学生に勘違いされたまま 連行されてしまうおとぼけものの3人の会計監査員。 そして何故か2章になり、不思議とお好み焼きの記述が増え、 お好み焼きやのどう考えてもうだつの上がらない親父、 女子になりたくて学校にセーラー服を着てゆく小太りの中学生 そして、その中学生の同級生で幼なじみ、強気な女子と6人が中心です。 話の展開が、かなり唐突です。最初は、会計監査で大阪府庁が中心で あったのに対し、突然、大坂城の近くのお好み焼きやと初めて読んだ 私には戸惑いました。まぁ、扱っている構想もとんでもないものを 扱っているので最後には繋がっていくのは理解できるのですが。 この小説のとんでもない設定、そしてそれを取り巻く話として 元々が連載小説だった不連続感も併せ持った小説になっています。 とはいえ、小説のテンポ、そして記述には具体的で力強く、読んでいて 引き込まれます。そしてにわかに信じがたい内容にも係わらず、一子相伝で 長い廊下を死期を感じた男親と、意味もわからずついて行く息子という 想定がとても惹かれました。 私の体験として、大坂のおばちゃんは、冷たそうなのだけど実はとても 親切で、首をつっこみたがりというのが、そのままに表現されている この本は、とても読後感が良い本でした。おすすめです。 | ||||
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どうも堤さんや綾瀬さんの顔が目に浮かんでしまうのだけれども,小説自体が奇想天外で面白い。 あり得ないことを淡々と書くことは難しい。 それを当たり前のようにこなしているところが凄いと思う。 | ||||
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これだけのレビューの投稿がありながら、「どうして誰もツッコミを入れないのだろう?」と不思議に思う事があります。何故なのでしょう? ボクは、読んでいる時、何度も本に向かってツッコミを入れていました。 万城目先生も、「ツッコミを入れて欲しい」と思っているような感じがするのですが、、、、。 そこで、この場をお借りして、不肖わたくしが、ツッコミを入れさせて頂きます。 それではいきます。 『あんなガラの悪い王女がおるか〜〜!!』(笑) ところで、映画の『プリンセス・トヨトミ』について一言。 映画は、原作の内容をかなり変えています。こんなことをすると、たいていアウトなのですが、この映画についてはセーフで、そんなに悪いとは思いませんでした。観る価値はあると思います。 ただ、映画は、直接民主主義的な考えがイヤで、そのかわりに官僚礼賛主義的な考えを支持するために、原作の一番肝心な部分が歪んでしまって、全く説得力のないものになってしまっています。原作の一番肝心な部分について、これをこのうえもなく大切なものであると考える立場からすると、この一番肝心な部分に大いに共感を持てる人たちに映画を撮ってもらいたかったと思いました。 なお、配役について、ボクは、少なくとも旭・ゲーンズブールについては藤原紀香しかできない、と思っていたのですが、、、、、。 | ||||
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映画が公開され、予告などみるとSFちっくな感じで、そのジャンル大好きな私としては、是非、原作を読もうと思い、購入しました。 ところが、実は父と息子の愛情や絆が、物語の根底にあり、とても胸をうたれました。 そして、母親たちの女としての立場や思いも伝わり、奥深い話だったと、読後はしばらく、感動に浸ってました。 実際に、こんな国があるのではないか、あっても良いのでは、と思ってしまいました。 | ||||
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荒唐無稽な話を、本当にそうかもしれないと思わせる筆致はこの作品でも遺憾なく発揮されている。登場人物の名前を戦国武将からとっているあたり、歴史物好きはニヤニヤできるだろう。西日本に漂うアヤシイイメージを描かせたら当代随一の作家さんではないかしらん。 展開が遅く前作に比べて盛り上がりにいまいち欠けるところがある気がしたので星4つ。 | ||||
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父として子に何を伝えるべきか。そして、子は父から何を学ぶか。 人生を親の後ろ姿から学ぶ。しかし、男の世界だと思って守り続けたものが、 セーラー服を着て「女の子になりたい」という者にとって、意味があるのか。 そして、大阪はどうやって国としての存在を維持しながら隠し続けるのか。 ちょっとした歴史ロマン、今ブームの歴女も食いつきそうな題材。 それでい手男性読者をも引きつける男のロマン。 さらに、性同一性障害を盛り込みながら、「愛する人を守る」をテーマに、 ディープでマニアックな大阪を描写する作品。 私にとっては初万城目学。映画を観た後にすぐ読んだせいか、漫画チックな仕上がりに少々がっかりする。 やはり見る前に読むべきだったか。とはいえ、関西に住む人間にとっては突っ込みどころ満載。 後書きが一番読み応えがあったといえば、失礼だろうか。 原作と映画で男女の役柄が入れ替わっている所が見所。 しかし、どんなに凝った趣向をしても、その場所がまったくわからない人間には楽しめない、 仕掛けとしてはもったいないほどディープなものではある。 映画には描出できない細やかな部分が、ばっさり切り捨てられているのがわかった。 そこを差し引いたとしても、挿絵のない漫画チックなノリに少々付いていけない。 設定の郷土愛と大胆さで☆四つは甘すぎるかも。 | ||||
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