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いたって明解な殺人
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いたって明解な殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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本書は、’66年生まれで、ストーリーの舞台であるアメリカ・ジョージア州の州都アトランタに在住して、長年にわたり知的・成人発達障害者の権利支援・擁護活動にたずさわっているグラント・ジャーキンスのデビュー作である。 訳出はロバート・マキャモンの『遥か南へ』、不朽の名作『少年時代』の翻訳で知られる重鎮・二宮磬(にのみやけい)。 一種のニンフォマニアで異常な嫉妬心から自傷行為を繰り返し、薬物とアルコールに溺れる妻レイチェルが、クリスタル製の灰皿で殴られ、頭を割られて死んでいた。愛人との旅行明けに自宅でそれを発見した‘わたし’ことアダム。傍らには暴力癖のある知的障害の息子が(第一部)。 この「いたって明解な殺人」に疑問を持ったのが、まだ39才だというのにすっかり頭が禿げあがっている下級検事補のレオだった。彼は地方検事への出世街道を登っていたが、3年前、連続バラバラ殺人事件の際に大失態を演じて、今は交通法違反の罰金未納者の起訴という閑職に甘んじていた。彼は“利き腕”という些細な点からアダムを犯人として逮捕・起訴する。そしてアダムの実兄モンゴメリーが異例ながら弟の弁護人となる(第二部)。 ‘わたし’ことアダムを有罪にする重要証人と、彼の愛人の証言が法廷でなされる。ところが意外な証拠が飛び出して事態は急転直下。さらにその末にはひねりを加えたツイストが・・・(第三部)。 短い章立てでテンポよく展開するストーリー。そんな中にも第二部のレオの転落のいきさつと、第三部のアダムとモンゴメリーの少年時代の暗い回想場面という長いエピソードがはさまれ、作品にふくらみを持たせている。 本書は“謎解きミステリー”というより、一種のフランス風心理サスペンスに、法廷を絡めた特異な味わいのある作品である。欲を言えば、登場する人たちの人物造形や心理状態をもっと深く掘り下げるとプロットに凄みが増すのではないか、と思った。 | ||||
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