■スポンサードリンク
ジェノサイド
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
ジェノサイドの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.77pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全390件 221~240 12/20ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
非常に長い作品でしたが、著者の描く、現実世界とSF世界の入れ混じった世界に引き込まれ、1日半かけて読み終わりました。 ところどころ「あれ?」と引っかかる場所もありましたが、著者のイマジネーション力にはただただ驚嘆しました。 次回作もぜひ期待したいですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作者の歴史感をとりあげてのレビューがたくさんありましたが,確かにつっこみどころ満載ですし,必然性のない設定が多いことは気になります.しかし,私がこの小説を読んで最も気に入った点は,薬学を含む基礎医学がなぜ大切で,そこに従事している人々をそれほとまでに魅了しているのかを,いわゆるエンタテイメントに分類される小説の中で書き込んでいる点です.堅苦しい本を読まない今時の高校生が,気軽に手にとって読んでみて基礎研究するってこういうことだったのかと思って,将来の進路を考えることのきっかけになってくれればと思います. | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今年の頭にふと古本屋で見かけ、その時に帯のコメントがものすごい称賛の言葉ばかりだったのにつられ、購入した本書。 ただ、その本の分厚さに手を出しずらく、部屋の片隅に置きっぱなしにしていたが、最近なぜか無償に読みたくなり、読み始めた。 読み始めてからはその面白さにはまり、約3日くらいに空いている時間のほとんどを当てて、読み終わった。 読後の率直な感想としては、純粋に心の底から面白かった。 圧倒的なスケールだけでなく、その念入りな調査が感じられる細かな部分まで、読み始めたら中断したく無い、と思ってしまうその面白さにかなり熱中した。 僕自身が感じるこの本の魅力は、現生人類vs新生人類という構図のもとで、創薬などの現代科学から国家間の争いや暗号、さらには人類史に至るまで、様々な事柄に触れながら、見て見ぬふりをしてきた現生人類の1つの特徴足るその「残虐さ」をはっきりと表している点である。 世界史を鑑みてみると、長い歴史の中で人類は少しづつ改善を行い、そして民主主義を中心として人権などを擁護する、現在の世界を構築してきたのだが、一方で発展の歴史には数々の争いが存在し、飾られた大義のもとでジェノサイドが横行してきた。 本書はこの偽らざる歴史に目を向けさせるとともに、このジェノサイドを起こして来たのが、僕ら現生人類であり、現在でも国家や国民、または宗教というあってないような概念のもとに、同じ現生人類を敵視し侮蔑する、その愚かさをはっきりと問うている。 現在でも平然と他民族を批判する人が多いが、日本人にも犯罪者がいれば善人もいるように、一概に他民族を批判するのはものすごい愚かなことである。 本書の中の、他民族と距離を置き平然と批判できる人ほど、その残虐さを表し、平気でジェノサイドを行うことができる、というのはい大きな事実だと思う。 歴史は繰り返す、や、人は学ばず同じ失敗を繰り返す、といった言葉は、現生人類の特徴をよく捉えた言葉であるが、僕らはもう同じ過ちを犯さないように、しっかり学び行動していかなければならない。 本書は、小説という形態のもとで人類のあり方を説いており、日本という枠に収まらず世界中の多くの人に読まれるべき、良書であると強く感じる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
【傭兵と大学院生】 「現地で、これまで見たことがない生き物に遭遇したら、直ちに殲滅せよ」という、真の依頼主も目的も明かされない密命を受けた4名の傭兵が現地に向かうところから、この物語は幕を開ける。 自分と血縁ではないが、死に瀕している単一遺伝子疾患という難病の子供たちを救うべく、カウントダウンを耳にしながら、特効薬の開発に必死に取り組む、創薬化学研究室・有機合成専攻の大学院生と、その親友。 この一見、関係のなさそうな2つのストーリーが、やがてDNAの二重螺旋のように絡み合い、スリリングに展開していく。 『ジェノサイド』(高野和明著、角川書店)は、誰が読んでも十分に楽しめる、よく練られたエンタテインメントだが、医療・医薬品の世界で活動する者にとっては、最初から最後までドキドキ・ハラハラさせられると同時に、知的な刺激を味わうことができる特別な一冊と言えるだろう。 【3つの魅力】 この作品の魅力はいっぱいあるが、3つに絞ることができる。 第1は、物語の舞台が日本、アフリカのコンゴ、アメリカに跨るスケールの大きなエンタテインメントであること。その上、ミステリー、サスペンス小説、SFの要素も濃厚に併せ持っていること。 第2は、広汎な分野の最先端の専門知識が総動員されているので、読みながら多くのことを学べること。例えば、地政学、国家安全保障論、政治力学、傭兵、航空技術、新資源論、文化人類学から、ネオテニー(幼形成熟)、エピジェネティクス(遺伝子発現パターンが何らかの後天的な仕組みによって細胞分裂を経ても維持されるという仕組み)、ウイルス進化論、有機化学、遺伝子工学、創薬化学、医薬品開発、さらには複雑系、言語論理学、情報工学まで、高度の情報・知識がモザイクのように巧妙に組み込まれている。この細部に亘るリアリティが壮大なスケールのストーリーに深みを与え、説得力を強めているのだ。それにしても、著者の勉強ぶりには、本当に頭が下がる。 第3は、ホモ・サピエンス、すなわち我々人類の最大の欠点がずばりと指摘されていること。思わず人類の将来を考えさせられてしまう。この意味では、これは、正に文明論の書でもあるのだ。「現在、地球上に生きている65億の人間は、およそ100年後には全員が死に絶える。なのに、なぜ今、殺し合わなければならないんだろうな?」という問いかけは、ずしりと重い。 【ホモ・サピエンスの脳】 米国大統領に対する老科学者の、「我々の本能的な欲求とは、知的欲求です。その強さたるや、普通の人々にとっての食欲や性欲と同じか、それ以上です。我々は、生まれながらにして知ることを欲しているんです」、「私がもっとも知りたかったのは人間についてです。ホモ・サピエンスの脳は、宇宙を解明するほどの知性を持っているのか、それとも永遠に宇宙を理解することはできないのか。自然を相手にした頭脳戦に、いつの日か我々は勝利できるのか」という発言が、強く心に残る。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最近の小説のなかでは、トップクラスに入るくらいおもしろかったです。 ほかのレビューを見て、確かに読む人にとっては、様々な見方が出てくる本だと思います。 ただそれだけ内容が濃いので、あまりほかの方の意見は聞かず、自分で読んでみるのが一番かなと・・・。 私はアメリカという国が、これからどういった方向に進んでいくのかなと、そこに一番興味を抱きました。 とにかくスケールが大きいので、映像化を期待してしまいますが、おそらく無理でしょう。 宣伝でやっていたアニメのようなものでもいいので、一発かましてほしいですね(笑) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人間の善と悪を、殺す事と生かし救う事を上手にまとめた感じ。 そして、ハリウッドが好みそうな展開のSF、医療、軍隊、国家権力、人種差別なども上手に取入れてます。 なんか「24」とか「LOST」とかに似たような、先が気になって仕方がない話で読んでいて夢中になりました。 評価が星4つなのは終わり方が悪くはないのだけど、もっとこう、ゾッとするのを期待していたせいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
書店でこの本を見て、どうしても読みたくなってAMAZONで購入しました。いつもながらAMAZONの品揃えと物流システムには感謝しています。さて、ジェノサイドの内容についてですが、とても面白い本です。高野和明氏が軍事的な知識とBIOTECHNOLOGYの知識をお持ちなのがよくわかります。今、世界は宇宙人探しに投資をしています。それは人類が全くの猿からの進化ではないという研究者たちの信念があるからだと思います。高野和明氏が宇宙人についてどのような考えをお持ちなのか個人的にお話ししてみたいという気持ちにもなります。私の個人的な意見ですが、人類の未来という視点から読んでみるとそこには創造主の計画という壮大なスケールのpromiseがあるような気がしました。この本を読んで創造主の計画に興味を持たれた方はジョン・コールマン博士の書かれた本を読んでみるともっと面白いかもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いやー、面白いです。 久々にノンストップで小説を読みました。 詰め込まれている知識量は圧巻、そして、大風呂敷の収束のさせ方は脱帽、お見事でした。 様々な人種が登場人物として描かれており、その境遇やセリフに関しては物議を醸し出しているようですが、個人的にはそれほど気になりませんでした。 まあ、「フィクション」ですからね。目くじらたててもしょうがないだろうと。 (でも、確かにミックの最後はむごかった・・・) ただ、ストーリー上の重要人物である「新人類」に関してはちょっとツッコミどころがあるかなぁ、と感じました。 アフリカからの脱出劇って相当な綱渡り状態で、いつ死んでてもおかしくなかったよなぁ、という点では「新人類」もそれほど大したことないだろうという気が。 エンディングで三人が乗った車が事故ったりしたら間抜けだよなぁ、何て事も考えてしまい、アメリカサイドの視点で「神」だなんだと騒いでいる部分に少々陳腐さを感じました。 しかし、そんなひねくれた見方で感じるマイナスポイントは僅かにすぎず、全体を通した面白さは抜群です。 迷われている方、ぜひ一読を | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
かなり面白かったです。夢中になって読みました。 文句なし、ぶっちぎりで今まで読んだ中で最強の本です。 本屋大賞1位じゃないのが不思議でしょうがない。(1位の本も読んだうえでの感想です) こんな日本人作家がいたとは! ハリウッドで映画化されるべきだと思う反面、どんなにハリウッドが頑張っても原作を超える仕上がりにはならないとも思うので、してほしくない気もします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
物語は壮大でかつスピーディー。ジェットコースターのような爽快感。あした何が起こるかなんてわからない。かんがえさせられました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画を勉強されている方なだけあって、 ハリウッド映画のように楽しめる一冊と思います。 ハリウッド映画好きには、おススメです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
普通に面白かった! オススメです。 ベストセラー本は大体ガッカリ系が多いので、期待せずに読んだ。 すごく納得。 全てのプロットが結末からの逆算によって構成されているのが、非常に好感が持てる。 日本の小説には少ない結末から話を考えることが稀有な作家と思う。 取材も緻密にやっていることも好感が持てる。 この原作レベルだと、そのままハリウッドに持って行っても脚本はすんなり出来るのでないかなと。 最近の日本小説・マンガは、主人公の設定や世界だけに凝ってしまい、結論をないがしろにする傾向にあるので、読了が不満足。 でも、この作品は違う。 主人公がピンチになっても、予め打っておいた布石で助かるシーンが多いので納得。 偶然の要素で助かるのが少ないのもポイントが高い。 バイオ系の専門用語が多いので「パラサイト・イブ」と比較する人も多いとおもわれるが、「ジェノサイド」とか明らかに違う。「パラサイト・イブ」は結論を考えずに適当に突っ走る典型例。 専門的なコメントとしては、 ヒト脳の進化について、色々語るシーンでASPM遺伝子が出てくるが、この論文の証拠を否定されたので 増版ではASPM遺伝子の話は削除した方がいいと思う。 ASPM遺伝子の論文を掲載した第一著者も、その間違いを認めるコメントをしてはずだし。 これからも、この作家の本は読んでいこうと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
休みに、そういえばこんな本を買ってたなと、朝から読み始め、終わったら0時でした。 ひさしぶりの一気読みです。 細部の細かさがリアリティとなり、ノンフィクションを読んでいる気分にさせられます。 ずいぶん資料を読んだんだろうなと、それを消化し、読ませる小説に作り上げる力がすごいと読みながら感心しました。 いつもなら超人類がでたところで、「なんだよぉ」と思ってしまう私も、この作品では、その超人類が話の一部として気にならず、すらっと読めました。 アメリカ、アフリカの悪行、超人類を守り抜くアメリカ人、アフリカの人。のバランスでいくと、研人の善、日本人の悪行を書いてバランスを取ろうと思ったのはわかるのですが やや、日本を落としすぎな気もしました。 最後にルーベンスが、駅のホーム云々は、アメリカ人に言わせるには不自然です。もし言わせるなら、もう一つぐらい、別の国の似たようなローカルな英雄談もならべるべきでは。 こういう箇所で、書いた日本人の悪行が、読書の不快感に変わるのではないでしょうか。バランスが悪いです。人種、国を超えた現人類の素晴らしさを書きあげるには、ここは細部に落ちすぎ。 これは個人的意見。 アフリカの状況はリアリティがありました。特に少年兵の箇所、短い中に抑えをきかせ、読むほうもつらいけど、書く作者も大変だっただろうなと。 前に、アフリカの内戦に巻き込まれた外国人の本を読みました。やはりこのような、人を超えた行為があったようです。アフリカだけでなく、他でも。 そんな現状を読むたび、いやらしく、無責任と承知で、日本に生まれてよかったと思います。 自分には、N賞とった作品より、こちらのほうがあってました。(個人的な好み) 同時に、この作品ではN賞はとれないだろうなと思いました。 メッセージが強すぎ、やや偏りすぎです。 でもこれからも無難な作品ではなく、がしがし、星二つから五つまである、とがった作品を書いてください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
面白かったです。 小さくまとまった世界観の作品を最近多く読んでいたせいか、 非常にスケールの大きな話を、よくこれだけスピード感失わず、 また、陳腐にせずにリアリティを持って描けたな、と感服しました。 時間を忘れて読んだ久しぶりの良作でした。 ミステリーというよりは、自分はSFとして読みましたが。 他の方が言うような、歴史観への嫌悪感も私はそれほど気にはなりませんでした。 まあ、かといって特に盛り込む必要もなかったな、と言うのが正直な感想でしたが。 そのようなあまり作品の本筋と関係ないところでの議論が活発化しないといいな、と思いました。 ハリウッド的に、単純にエンターテイメントとして面白い作品なので。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ハラハラドキドキの展開と魅力的なキャラクター達が織り成すSF大作。 専門用語が飛び交うが、それに造詣が深くなくても全く問題ない。 というより造詣が深いと楽しめない?細かいことは気にするな! 非常に高いリーダビリティと、予想だにしない展開の数々。 エンタメ小説という枠組みを超えた、文学界に新たな風を巻き起こしてくれそうな作品。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まず、厳しい指摘ですけれど、資料に気持ちを引っ張られた感を少し感じました。 でも大好きな高野先生の新作がいろんなところで賞をお取りになって嬉しい愛読者です。表紙も高柳さんですし、ひかれます。 ただ、内容に関しましては、地球を取り巻く現状の話を取り入れる為にちょっと「都合のよい設定」が頭の横でよぎってしまい、それがどうしても最後まで去ってくれませんでした。残念です。 前作の『グレイヴディッガー』の時は、ぎりぎりその「都合良さ」を振り切ってくれる熱い主人公でしたので、そのくらい偶然でもあるでしょう、と流すことができました。(単行本、表紙がグッドです。文庫は〜〜〜今年の刊はアップでいいですけど) 本作の内容はとっても今の皆様には伝えたいことのオンパレードでしたので、これが広まるということは有難いことです。是非とももっと知っていただきたいと思います。 文章ののりや内容を揶揄している方々にも調べてから言って頂たいと思います。 この本のいいところは、地球人類の第一歩を願う作者の心意気です。 面白かった人も、つまらないと言った人も、それぞれある問題提起に耳を目を貸して頂きたいと思いました。 そして、高野先生本当お疲れ様でした。 心から拍手をお送りいたします。時間がかかるでしょうが、次回作も期待してお待ちしております!! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これスッゲー面白いよ!最高だよ!このスケールのデカさ!内容の濃さ!これを低評価 してる人たちの書評を見るといずれも南京大虐殺の描写がどうとか韓国人がどうとか内容 と関係ない部分でイチャモンをつけているネトウヨにすぎない。 内容は文句なしのエンターテイメントです。それにしても作者はよくぞ こんなすごい話を思いついたもんだ。巻末にも出ているように本当に多くの専門家 たちに丹念に取材したんだと思う。これだけのことをよくぞ調べあげた。 知的エンターテイメントとしても超一流だ!最近のクソみたいなハリウッド映画 100本見るよりはるかに面白い!そして何よりここに描かれている話は 全くの絵空事などではないと思う。私はこの作者がこの作品に出てくるような 超知性体にこの物語を教えてもらったのではないか、と、そんなことを本気 で考えたくなるほどの凄い作品だ! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一部のレビューで韓国に媚を売るだとか、自虐的だとあるが物語の主要なメッセージは、人間という生き物の不完全さ、そしてコンゴ共和国などの弱小国に対する大国の傲慢さのほうが大きいのではないか。そして何より読者を世界観に持っていくうまさもあるし評価されるべき作品だと思う。超専門的記述が飛び交うが、そこにつっこむよりかは作品全体の完成度、そして何が伝わるかを二転三転考えられる作品だと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本作の「歴史観」が問題視されてますが、韓国のことを少しでも褒めたり、 日本の事を少しでも貶めると、こんなに叩かれるとは、驚きです。 まさにこの作品で描かれている人類の不寛容が再現されていて、 「結局、小説読んでも、ストーリーとギミックしか追えない人が多いんだな」 と思います。 文体も、物語も、人物描写も、これくらいの小説なら、まあ普通ってところだと思います。 でも、この作品の最大の魅力は、作者の祈りみたいな、メッセージだと思います。 理系の大学生を主人公にしたのも、アキリの存在も、今後の世界平和への願いが表れている。 エンターテインとしては、やや消化不良ですが、(先が読めすぎる) 作者の緻密に計算された祈祷は、読者に感動を呼びます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2011年に一度読んで、2012年に再読してみた。薄い内容だと、「ネタバレ」で、途中で投げ出すのだろうが、ストーリーラインの持つ緊迫感は再読でもいっさい落ちなかった。再びわくわくさせてもらった。おもしろかった。良質のエンターテイメントだ。 主に、コンゴのジャングル、ホワイトハウス、日本の町田辺りを各登場人物が、うごめきながら物語が進行する。地球上の点と点を結ぶのは主にインターネットと高性能ラップトップコンピュータだ。現在ではあたりまえの、こんなちっぽけな前提をうまく使って、神に近いヌースや驚異の創薬ソフトGIFTというような「あり得ない絵空事」に、リアリティーという生気を吹き込む著者の構想力・描写力はすばらしい。 いくつかのレビューにある、著者の「歴史観」への疑義は個人的には全然気にならなかった。著者の視点はもっと広いと感じた。その前提は、自称人間嫌いのハインズマン博士の以下のせりふに代表されていると思う。「すべての生物種の中で、人間だけが同種間の大量殺戮(ジェノサイド)を行う唯一の動物だからだ。それがヒトと生き物の定義だよ。人間性とは残虐性なのさ。かつて地上にいた別種の人類、原人やネアンデルタール人も、現世人類によって滅ぼされたと私は見ている」さらに、白人であるハインズマン博士に、南北アメリカ大陸、アフリカ大陸でのヨーロッパ人の蛮行を淡々と著者は語らせている。 個人的に、違和感を感じたのは、ヌースの対立軸となるアメリカ合衆国の「力」だ。買いかぶりすぎている感じがぬぐえない。アフガンでの軍事作戦の手詰まり感、北朝鮮との交渉具合、イランへの制裁措置等、ヌース以下の存在に、この超大国が翻弄されている。これが物語の前提となる現実だ。現実のアメリカは物語世界のアメリカよりずっとたよりない。 ともかく、本書は、十分再読に値する冒険活劇です。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!