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一応の推定
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一応の推定の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 1~20 1/2ページ
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果たしてその老人は自殺か不慮の事故どっちで死んだのか? どっちとも解釈できる状況にどっちが正しいのかを主人公が調査していく小説です。 ラストを読んだときは思わず良い推理小説にある「なるほど!」を実感しました。 そういうことを言っている人がいた人もいましたが内容自体はやや地味な小説ですが端正によく練られた推理小説でした。 | ||||
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保険業務を営むものですが、若干の違和感を覚えた。 保険契約者自殺ではなく、脳機能不全(脳血栓?)が原因でホームに落下して轢死されたと言う結論で有責判定された。 しかし、設定は生命保険ではなく、損害保険の傷害保険。 だとしたら、疾病なので保険は逆に無責になりますが……? | ||||
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ブログの別のことからこの本を知り早速購読、送られてきた翌日までに一気に読んだ。 | ||||
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轢死した老人は事故死か、それとも重病の孫娘を助けるために自殺したのか。ベテラン保険調査員の執念が、明らかにした真実とは? | ||||
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法律的に確定出来なくても、複数の首頷し得る事実の積み重ねにより確からしいと判断出来るときには、一応の推定がなされる。正直怖いことだ。事故か自殺か?事件の真実はどちらなのか。ドキドキハラハラとまではいかないけれど、最後は意外な結末に。 | ||||
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轢死が事故死か自殺かを調べる保険の調査員の話です。 あれ、随分前に子供の臓器移植は解禁されたし、JR線は全面禁煙だし、梅新の横断歩道橋は撤去され地下に潜った筈だが・・・といった疑問は途中で解説を読んで解消しました。2006年に刊行された本だったのです。ただ梅新だけはもっと前だったような気がしていますが。 そんな考証よりも、次々と薄皮を剥がすように明かされる新事実の積み重ねと、ラストの知り得たことを全て明かさないで報告する主人公の努力と事実を色眼鏡で見ないという姿勢が読後感の良い小説となっています。 ただし保険金は支払われたのかどうかの結末はなく、それはそれで曖昧なタイトルとマッチしているような気がします。 | ||||
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ふーん、これが松本清張賞ねえ。ふーん、これが2006ミステリーベストテンねえ。日本語の間違いも多いけどねえ。ふーん、これがねえ・・。 ハリウッド映画なら1分もかけないような、被害者の当日の足取りとか、証言の裏取りとかに100頁以上も費やして・・。何だかなあ・・。 それにしても、これが年間ベストテンに入るなんて、日本のミステリー小説のレベルって、そんなに低いかなあ。 | ||||
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劇中不在の人物(原田)が紡いできた人生を解きほぐしていく物語。 お金の問題絡みってこともあり、序盤から宮部さんの「火車」がちらつきましたが、 決して安易に”焼き直し”などと言いたいワケではありません。 逆にあの作品の様な妙味がところどころにあったなぁ~と。 選考委員にその宮部さんも名を連ねてましたが、果たして自著の何かと比べたのか否か。 証言の鍵を握ってる人物にも、”太った目撃者”にも論理的辿りつけたのは良かったし どんな人物だったのかしっかり描写してあるのも良い。 途中、目撃者と原田が知り合いで、実は駅でドンパチしてたのか?とか 轢かれたのは実は原田ではないのではないかとか? いくぶん新本格寄りの思考で読み進めてしまいましたが、全くそんなことはなかった(笑)。 真の手がかりに気づいてからの展開が、ちょっと急ぎ足気味なので、 中盤を少し削って、人形の方にページさいても良かったかもですね。 実際に起こりそうな事故という点でリアリティ高目ですが、 一番リアリティ無いのは、村越のように頑張れる調査員ではないでしょかね? ここまでやる人はおらんでしょう。 しかしこの人・・・探偵になれますね! (若い頃のエピソードや、嘱託になってからの話が出来たら、読んでみたいかも) | ||||
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保険金目的自殺。 会社の倒産による借金、孫の不治の病の心臓移植費用。 どのように調査しても自殺目的としか考えられない保険調査員の結論。 果たして結末は意外な事実が浮かび上がり、誤って線路に転落した可能性が出てきた。 保険調査員の鋭い推理と調査が光る作品。 一般文学通算1050作品目の感想。 2015/06/20 13:45 | ||||
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松本清張賞受賞作。保険調査員である村越を主人公とした作品。保険業界の仕組みなどがよく分かる。 よく調べたのか、あるいは作者はその道の経験者なのか。全体的に次を読みたくなる推進力がある。だが、 その反面、あまり良くない部分もある。 たとえば、保険調査が淡々と進むことから、中盤は少し単調で退屈だと感じる人もいるだろう。それと、 文章はやや稚拙な部類だろう。「~した。~だった。~だった」のような工夫のない文章はまだまだ改良 の余地ありだ。また、ミステリーに限らず小説であれば、最後の落ちが大事なのだが、そのインパクトが やや弱い。もう少し読者をアッと言わせるか、あるいは泣かせるような書き方が出来なかっただろうか。 ☆は4個としたが、本当は3.5としたいところだ。 | ||||
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流石に保険のプロ中のプロの方の書いた本だけのことはあります。燻し銀の輝きです。誠実な物語を構築できる力はさすがです。だてに人生を重ねていません。良質なミステリーを読ませて頂き、ありがとうございました。 | ||||
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前半は難しいことが多すぎてあまりページが進まなかったんですが半分あたりからすごいのめりこんでしまった。。前半は1回15ページくらいずつで進めていったんですが、後半は180ページを2日で読み込んでしまった。気づいたら終盤って感じでした。 | ||||
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弁護士か保険関係者しか知らないであろう「一応の推定」という法律用語をモチーフにした推理小説。 当の保険調査会社の出身者が書いているので、「一応の推定」の取扱いは流石だし、保険会社と保険調査会社の関係、保険調査会社と遺族の関係には臨場感がある。加えて、期待以上に(失礼!)起承転結がしっかりしていて、特に「転」の部分には意表を突かれた。早く手術をしないと幼い命が失われているという焦燥感も、地方(鳥取の漁港)と大阪という地点間のコントラストも読者を飽きさせない。 難点を言えば、遊びの部分が少ないこと。細かな描写もほとんどが何かの伏線となっているし、切れそうな糸も手繰れば何等かの成果に結びついてしまうので推理に空振りがない。 遊びを加えて長編にした方が読み応えがあったはずだ。 | ||||
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2月24日の午後、3歳になる孫娘が入院している病院を見舞った後、原田はJR膳所駅に向かった。 孫娘は臓器移植の手術が必要な難病で、国内では法的に手術が出来ず、従って多額の費用がかかる。家族とボランティアが募金活動をして頑張っていたが、時間的な事もあり焦燥感が絶えない。JR膳所駅に向かう原田の足は重かった。 長浜発網干行きのJR新快速が、通過点(停車しない)である膳所駅の手前に差し掛かった時、運転手はプラットフォームから黒い塊が線路に落下するのを見て、警笛を鳴らしブレーキを踏んだが、轢断後80メートルを通過してやっと止まった。 死亡したのは原田だった。 年明け早々の1月4日に、原田の家族から障害保険金支払いの依頼が損保会社にあった。前年の9月に原田は3千万円の傷害保険に入っていたのだ。 損保会社から保険調査専門の会社にこの事案での調査依頼があり、定年間近の村越が当る事になった。自殺なら保険金はおりない。 調査を進めて行くと、保険用語でいう「一応の推定」として、自殺が濃厚なのだが――。 この後、舞台は滋賀草津、京都三条、大阪駅、大阪丸ビル、淀屋橋、東大阪、新世界、松屋町と目まぐるしく動く――。 ミステリ中心に本を読んでいると、いつかは1作でもいいから自分なりに納得したミステリを書いてみたいと思う。本書はまさに私が書きたいと思っていた内容なので、うーんと唸ってしまった。 | ||||
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帯で5人の選考委員が絶賛していたので、少々期待して読み始めましたが、賞の選考に疑問を抱く結果になりました。 実態を反映していないような気がします。これほど契約者寄りに活動する調査員はいないでしょう。 また最後のどんでん返しも、なにやら取って付けたような感じがしてインパクトが弱く、感銘を受けることはありませんでした。 社会問題にも言及していて、社会派小説であるとの評価もありますが、それほど作品の厚みは感じられませんでした。 仕事の手待ち時間の暇つぶしにはなりました。 | ||||
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とても地味な作品である。主人公は定年を迎えた保険調査会社の老調査員。田舎駅のホームから転落した老人の死が事故なのか自殺なのかをコツコツと調べ歩いていく。行く先々で様々な人と出会うのだが、人の描写は確かで無駄がない。まさに燻し銀の渋さだ。 残念なのは事件解決のきっかけが偶然のひらめきというところか。ただ、これは清張流でもあり、許される範囲だろう。 最後まで特に盛り上がりがあるわけでもなく淡々と終わるのだが、いい話を聞いたような、しみじみとした余韻が残る佳作である。 | ||||
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保険金に絡んだ事件の調査は大変だとは思っていたが、その難しさがとてもよく表現されていたと思う。孫が病気で手術にお金が必要な状況に置かれていた場合、損保会社の竹内のように先入観で自殺だと決め付けてしまいがちだが、保険調査員の村越はあくまで冷静だった。この状況でも客観的に自殺・事故の見極めを行い、最後の最後まで事故の証拠を探し最終的に事故の見解を導き出したのは立派だった。ストーリーとしても目撃者が他人の名刺を渡したり、名刺の人物が行方不明だったりと一筋縄でいかない展開がじれったくてとても惹き込まれた。 | ||||
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孫娘さんが、海外で移植手術をしなくてはいけないのですが、 なかなかお金が集まらない。 で、傷害保険に入ったばかりの老人が、ホームから転落して轢死。 保険会社は、自殺なら保険金は払わない。 ということで、調査員が・・・ というストーリー 久しぶりに、後味のいい話でした。 派手なアクションもどんでん返しもないけど、 まさしく、松本清張の世界。じっくりとした読み応えです。 | ||||
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落ち着いた描写力。保険調査の裏側がよく描かれており、自殺か事故かの判断を下すのに、あれだけの調査が必要なのかと、驚き、また興味深く読めました。保険調査の対象には他にもいろいろあるでしょうし、いろんなケースについて書いて欲しいと思いました。 そういう意味では、シリーズ化できそうな作品。 ただ、読み終えて村越のイメージを思い描くのに、少々キャラクターとしての印象が薄いかなとも思いましたが、それが作品の質を落としていることには、なっていないでしょう。 次回作にも期待します。 | ||||
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’06年度、「第13回松本清張賞」受賞作。この賞は、ここしばらく歴史小説や時代小説が受賞していたが、今回久々に現代ミステリーが栄冠を手にした。 ’06年、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門第5位にもランクインしている。 JR膳所(ぜぜ)駅でホームから転落、轢死した老人。彼には心臓を患う幼い孫娘がいた。その命を救うための臓器移植には高額な費用が必要なのだという。死の三ヶ月前に加入していた傷害保険の支払いを巡り、保険会社から調査を依頼されたベテラン調査員・村越の執念の調査が始まる。 果たして老人の死は事故なのか、それとも自殺なのか? 定年退職目前の調査員による文字通り足を使った執念の調査行、終盤で二転三転する緻密なプロットはまさに“清張ばり”。 本書は、60才の新人作家・広川純の、デビュー作とは思えない的確で緻密な描写が光っており、地道な保険調査を軸に波瀾に富んだ人間ドラマが、著者の年輪を感じさせる筆力で活写されている。 圧倒的なリーダビリティーを持っており、全選考委員の賞賛を集めたのも頷ける傑作である。 | ||||
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