■スポンサードリンク


名無しのヒル



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
名無しのヒル (ハヤカワ・ミステリ文庫)

名無しのヒルの評価: 3.67/5点 レビュー 3件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.67pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

70年代アイルランドの世相を切り取った文学作品

『Mr.クイン』、『わが名はレッド』の二作のクライムノベルでちょっとした盛り上がりをみせたシェイマス・スミスの翻訳三作目。

クールな犯罪者を淡々と描いた前作までと異なり、無実の罪で三年余拘禁された青年が主役の文学作品だ。

作品の背景である70年代の北アイルランドを理解していないとピンとこないので、調べながら読み進めることになる。

怪しい連中は誰彼構わず施設へ収容するインターンメント(予防拘禁)で囚われの身となった主人公。いわれなき暴力が常態化する中、収容者たちは仲間としての絆を深めていくのだが、さほど深刻さや怒りを感じないのは、著者独特の乾いた人物造形にあるのだろう。

テロと向き合う姿勢が、比較的ゆるゆるであるのが印象的である。
名無しのヒル (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:名無しのヒル (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151735526
No.1:
(3pt)

リアリティを感じました

「Mr.クイン」、「わが名はレッド」とは作風が全然違います。
上の2作にしびれて犯罪小説を期待してこの本を読もうという人は心した方がいいかもしれません。
舞台は1970年代の北アイルランド。
IRAのテロリストかと疑わしい人物は警官に暴行を受けた後、裁判無しで捕虜収容所に入れられる。
そんなことが認められてしまう"悪法"が施行された混沌とした状況の当時の北アイルランドでの若者の収容所生活をつづった話です。
割り合いたんたんと話がつづられていって上記2作との違いに「おや?」と思ってしまいました。
なんでもこれは作者の自伝的な小説らしいので、後から思えば逆にたんたんと書いているところにリアリティを感じます。
アイルランド問題と、青春小説に興味がある人はぜひ。
名無しのヒル (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:名無しのヒル (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151735526

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!