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アメリカン・デス・トリップ
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【この小説が収録されている参考書籍】
アメリカン・デス・トリップの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 21~21 2/2ページ
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ジョン・F・ケネディとキング牧師とキューバ危機…僕達の中の知識では60年代のアメリカでおきた、ひとつひとつの出来事に過ぎない。もちろんそれらを関連付けられる人も事実もあるんだろうけれど。ふつうのアメリカ人も、きっと僕と同じくらいの認識しか持っていないんじゃないだろうか。エルロイはこれを見事にくっつけた。それも強引に、かつ緻密に、そして悪辣に。いままでの彼の作品は、毒気が中和されていたようだ。ところが前作の「アメリカン・タブロイド」からは、そのフィルターが取り払われ、文体も研ぎ澄まされ、男と男、男と女、父と子、そしてアメリカと自分、という愛憎劇がストレートに伝わってくる。あっさりケネディを暗殺してしまうところから始まるこの作品は、オズワルド、フーバー、R・ケネディなど時代の表面に現れ、僕達も垣間見た人物や事実をその陰で紡いでいく。その役割を引き受ける男たちのなんという疾走感。僕はとつぜん大藪春彦の作品を思い出していた。一時夢中で読んだ大藪作品も、ディティールはいいのだが、ラストは主人公が激しい銃撃戦に飛び込んでいくーというような終わり方ばかりで、拍子抜けしていたのだが、この作品も最後は目的や憎む相手もわからなくなっていく主人公達がダブって見えてしかたなかった。僕としてはノスタルジックな以前の作品の与太話みたいな雰囲気が好きだったのだが、作者の持つブラック・ホールは本書くらいのプレイグラウンドがなければ、もはや収まりがつかないのだろう。 | ||||
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