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(短編集)

不祥事



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不祥事の評価: 4.32/5点 レビュー 170件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.32pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全170件 141~160 8/9ページ
No.30:
(4pt)

「狂咲」こと花咲舞の強烈なキャラで読ませる痛快な作品

すでに刊行済の「銀行総務特命」と「不祥事」が、同じ日に新装版として再刊行されている。両書の解説を読む限り、いずれも補筆はされていないようであり、両書の帯の「直木賞作家作品!」というキャッチコピーを見るまでもなく、直木賞受賞後初となる2月の新作発表までの繋ぎとして、直木賞ブームに乗って、旧作でも一商売しようという出版社の魂胆が透けて見えるような新装版化ではあったと思う。 

さて、それはさておき、両書のどちらが面白いかといえば、私は、断然、本書の方だと思う。本書は一言でいって、「狂咲」こと花咲舞の強烈なキャラで読ませる作品だと思う。舞は、正義感に溢れ、たとえ相手が誰であろうとも、組織のしがらみにとらわれずに、遠慮会釈なく、悪いことは悪いと、バッサバッサと斬り捨ててしまうことのできる痛快な女性なのだ。

サラリーマンの男の世界は、完全な縦社会であり、組織の中での序列が絶対で、それを踏み越えると、本書のかつての相馬や川野のように、干されてしまうことがある。女性には、そうした序列にとらわれない言動ができ、しかも、それが通用してしまうところがあるのだが、その典型が舞なのだ。一方、序列に縛られて、からっきし権威に弱い典型として描かれているのが、舞と一緒に臨店指導する上司の相馬であり、こうした相馬のキャラ立てが、舞の痛快さを一層際立たせている。 

また、将来の頭取候補真藤が悪代官役になって8話中6話に登場しており、真藤の意を受けて舞たちを潰すべく待ち受ける刺客を、舞が見事に退治してみせるという勧善懲悪の時代劇的な爽快感もある。 

率直にいって、本書の一つ一つの作品を取り上げていえば、「銀行総務特命」同様、それほどレベルの高い作品があるわけではないのだが、とにかく、舞の強烈なキャラと、それを引き立てる脇役のキャラ立ての上手さで、面白く読ませてくれるのだ。こんな痛快な舞を主人公とした作品なら、続編なりシリーズ化を検討してみるのも、面白いのではないだろうか。 

ところで、私には、2002年8月刊行の「銀行総務特命」の第3話から準主役級で登場してくる唐木怜調査役が、2004年8月刊行の本書の花咲舞とダブって見える。奇しくも解説者も似たような指摘をしているのだが、作者は、唐木怜を描くことをきっかけにして、花咲舞という主役を張るに不足のない、過激化したキャラを思い付いたのではないだろうか。
新装版 不祥事 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 不祥事 (講談社文庫)より
4062771373
No.29:
(4pt)

スッキリ

後発の「オレたちバブル入行組」の方を先に読んだが、こちらの「不祥事」が「バブル組シリーズ」の
ハシリになったのかなという感じ。
「不祥事」という固いタイトルと表紙の暗い絵からシリアスな企業小説という印象を受けてしまうのは
マイナスポイントか?痛快無比のエンタメ小説である本作のイメージに合わない。

池井戸さんの小説を読んでいると、銀行ってひどいところだなと思うこともしばしばだが、もちろん
その中でお客様のためにと一生懸命努力されている行員さんも数多くいるわけで、そんな思いを主人公
の狂咲こと花咲舞に投影しているのかなと思う。
とにかくテンポ良く、歯切れ良く進んで行くので、退屈することなく一気に読める。そしてスッキリと
した読後感が得られる。日頃の会社勤めでモヤモヤしている方にお勧めです。
不祥事 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:不祥事 (講談社文庫)より
4062758032
No.28:
(4pt)

銀行を舞台とした勧善懲悪な物語!

メガバンクの若手女子行員花咲舞が、銀行内部にはびこる理不尽な事件、事故、モラルハザードを痛快に解決していく物語です。物語のはじめに出てくる相馬健の視点でストーリーが進むのかと思いましたが、徐々にその立ち位置が花咲舞の言動に追いやられしまい、全8話のストーリを花咲舞の謎ときと懲悪を期待して読み進めるものとなってしまいました。大変読みやすく、事件を解決する女性ヒーロー的な立場で話が展開され非常に安心感が持てます。大変面白かったです。個人的な満足度は100点満点中81点です。(^ー^)
新装版 不祥事 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 不祥事 (講談社文庫)より
4062771373
No.27:
(4pt)

組織に対抗する二人の奮闘

本書の主人公である銀行本部の事務部事務管理グループの二人、相馬健と花咲舞
は事務ミスが目立つ支店に臨店し指導することを職務としています。

相馬は元優秀な融資マンだが、上司にはめっぽう弱気な男。対して、花咲は
入行5年目だが、誰に対しても物怖じせず、ずけずけ思ったことを言う美人
銀行員という設定です。

この二人が抜群の機転と微妙なコンビネーションにより、支店のパワハラや
横領問題などを次々と解決していくのは読み応えあります。
是非、一読に値します。
新装版 不祥事 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 不祥事 (講談社文庫)より
4062771373
No.26:
(5pt)

銀行を舞台にしたエンターテインメント小説

相馬健(そうまけん)と花咲舞(はなさきまい)の痛快コンビが活躍する、
銀行を舞台にしたエンターテインメント小説です。
題名の「不祥事」、そして物語の舞台が「銀行」と聞くと、少し硬く、
難しい内容ではないかと、若干抵抗を感じる人もいるかもしれません。
しかし、内容は、エンターテインメント性に富んだ、読み易い物語に
なっています。

私も、銀行を舞台にした物語は、あまり読んだことが無く、
読み始めの出だしは、硬い内容を想像しました。
しかし、読み進めていくと、銀行を舞台にした「様々な人間模様」が
織り成す難題を、ヒロインの花咲舞が、「スカッ」と気持ち良く解決
していきます。しかも、不甲斐ない男どもを尻目に、、。
題名の「不祥事」を含む、全部で8つのストーリーから構成されており、
第1話「激戦区」から始まり、様々な問題を解決していきながら、最終話の
「不祥事」へと向かっていきます。
銀行を中心として、お金に群がる人々の切なく、そして嫌悪感漂う世界を、
花咲舞が、バッサ、バッサと切りまくる姿は、なかなか、気持ち良いですよ。

私は、池井戸さんの小説は初めてでしたが、他にも読んでみようと思いました。
不祥事 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:不祥事 (講談社文庫)より
4062758032
No.25:
(5pt)

銀行を舞台にしたエンターテインメント小説

相馬健(そうまけん)と花咲舞(はなさきまい)の痛快コンビが活躍する、
銀行を舞台にしたエンターテインメント小説です。
題名の「不祥事」、そして物語の舞台が「銀行」と聞くと、少し硬く、
難しい内容ではないかと、若干抵抗を感じる人もいるかもしれません。
しかし、内容は、エンターテインメント性に富んだ、読み易い物語に
なっています。

私も、銀行を舞台にした物語は、あまり読んだことが無く、
読み始めの出だしは、硬い内容を想像しました。
しかし、読み進めていくと、銀行を舞台にした「様々な人間模様」が
織り成す難題を、ヒロインの花咲舞が、「スカッ」と気持ち良く解決
していきます。しかも、不甲斐ない男どもを尻目に、、。
題名の「不祥事」を含む、全部で8つのストーリーから構成されており、
第1話「激戦区」から始まり、様々な問題を解決していきながら、最終話の
「不祥事」へと向かっていきます。
銀行を中心として、お金に群がる人々の切なく、そして嫌悪感漂う世界を、
花咲舞が、バッサ、バッサと切りまくる姿は、なかなか、気持ち良いですよ。

私は、池井戸さんの小説は初めてでしたが、他にも読んでみようと思いました。
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4062771373
No.24:
(4pt)

短編小説?

池井戸潤の小説なので、長編小説を期待していただけにすこしがっかり。
主人公や主な登場人物は最初から最後まで同じなので、純粋な短編ではないが、各章ごとにエピソードは完結している。
各章ごとに痛快さを楽しめるが、それだけに話の浅さは否めない。
第1章を読んで、アレもう終わり?と思ってしまいました。
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4062758032
No.23:
(4pt)

短編小説?

池井戸潤の小説なので、長編小説を期待していただけにすこしがっかり。
主人公や主な登場人物は最初から最後まで同じなので、純粋な短編ではないが、各章ごとにエピソードは完結している。
各章ごとに痛快さを楽しめるが、それだけに話の浅さは否めない。
第1章を読んで、アレもう終わり?と思ってしまいました。
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4062771373
No.22:
(4pt)

彼らしい作品

本作で5冊目か。起承転結、勧善懲悪的な作品が多い中
特に本作は楽しめた。珍しくショートがいくつもあり忙しい
中でも一話ずつ読みきりになっており、昼の休憩、寝る前と
それで一話が読み切れ、相馬と舞のの掛け合い、真藤や児玉との
やり取り、銀行内部の独特の言い回しや慣習などどこまでリアル
か知る由もないが、畑違いから見ると楽しめた。
 少し今作は彼の割に幼稚な部分もあるが、その分楽しめた。
次はバブル入行組かな。
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4062758032
No.21:
(4pt)

彼らしい作品

本作で5冊目か。起承転結、勧善懲悪的な作品が多い中
特に本作は楽しめた。珍しくショートがいくつもあり忙しい
中でも一話ずつ読みきりになっており、昼の休憩、寝る前と
それで一話が読み切れ、相馬と舞のの掛け合い、真藤や児玉との
やり取り、銀行内部の独特の言い回しや慣習などどこまでリアル
か知る由もないが、畑違いから見ると楽しめた。
 少し今作は彼の割に幼稚な部分もあるが、その分楽しめた。
次はバブル入行組かな。
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4062771373
No.20:
(5pt)

短編集のような感じです

短編集のように1話1話がまとまっていて
一気に読めてしまいます。

1話は長くなく、内容も読んでてすっきりするものなので、
通勤・通学時に読むのにおススメです。
不祥事 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:不祥事 (講談社文庫)より
4062758032
No.19:
(5pt)

短編集のような感じです

短編集のように1話1話がまとまっていて
一気に読めてしまいます。

1話は長くなく、内容も読んでてすっきりするものなので、
通勤・通学時に読むのにおススメです。
新装版 不祥事 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 不祥事 (講談社文庫)より
4062771373
No.18:
(5pt)

ドラマ化してもおもしろいかも

銀行出身の池井戸氏らしい銀行小説であるが、他の作品と異なっているのはキャラクターが生き生きとして面白く、胸のすくような「勧善懲悪」仕立てになっているところだ。文庫版の表紙は暗いイメージで損をしている。特にやさしいけれどいまひとつたよりない上司の相馬調査役と、部下の「何をしでかすかわからない女子行員」狂咲こと花咲舞が面白い。池井戸作品にはほかにも同様の「銀行総務特命」もあるが、こちらのヒロイン唐木怜が冷徹で陰のある訳あり風だったのとは正反対なのも面白い。ドラマ化するなら花咲は柴咲コウでもいいかも。
不祥事 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:不祥事 (講談社文庫)より
4062758032
No.17:
(5pt)

ドラマ化してもおもしろいかも

銀行出身の池井戸氏らしい銀行小説であるが、他の作品と異なっているのはキャラクターが生き生きとして面白く、胸のすくような「勧善懲悪」仕立てになっているところだ。文庫版の表紙は暗いイメージで損をしている。特にやさしいけれどいまひとつたよりない上司の相馬調査役と、部下の「何をしでかすかわからない女子行員」狂咲こと花咲舞が面白い。池井戸作品にはほかにも同様の「銀行総務特命」もあるが、こちらのヒロイン唐木怜が冷徹で陰のある訳あり風だったのとは正反対なのも面白い。ドラマ化するなら花咲は柴咲コウでもいいかも。
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4062771373
No.16:
(4pt)

良いと思いますよ

スイスイと楽しく読めました。
けどスイスイと行き過ぎて、読み終わった後「面白かった〜」だけで終わってしまいました。

主人公は勝手に黒木メイサをキャスティングしました(笑)
不祥事 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:不祥事 (講談社文庫)より
4062758032
No.15:
(4pt)

良いと思いますよ

スイスイと楽しく読めました。
けどスイスイと行き過ぎて、読み終わった後「面白かった〜」だけで終わってしまいました。

主人公は勝手に黒木メイサをキャスティングしました(笑)
新装版 不祥事 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 不祥事 (講談社文庫)より
4062771373
No.14:
(5pt)

読み終えてスッキリ

テレビで言えば「水戸黄門」や「遠山の金さん」的に色々な難問に出くわしても、若手でありながら有能な銀行員である花咲舞が見事にスパッと解決します。舞は本店の臨店指導部に配属されたため、問題のある支店や応援が必要な支店に赴くのですが、行く先々で偶然にも重大な事件が発生します。銀行とはこんなにエリート意識が高く、出世のためには人を蹴落とすような職場なのかと思うくらい行内の不祥事が多く取り上げられています。それを舞と舞の上司の相馬のデコボココンビが絶妙に解決していくのですが、このコンビのアンバランスさも面白く、また問題の内容も浮世離れしているようで、身近に起き得る問題でもある気がしドキドキしながら面白く読み進められます。是非とも「花咲舞シリーズ」としてシリーズ化してもらいたいものです。
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4062758032
No.13:
(5pt)

読み終えてスッキリ

テレビで言えば「水戸黄門」や「遠山の金さん」的に色々な難問に出くわしても、若手でありながら有能な銀行員である花咲舞が見事にスパッと解決します。舞は本店の臨店指導部に配属されたため、問題のある支店や応援が必要な支店に赴くのですが、行く先々で偶然にも重大な事件が発生します。銀行とはこんなにエリート意識が高く、出世のためには人を蹴落とすような職場なのかと思うくらい行内の不祥事が多く取り上げられています。それを舞と舞の上司の相馬のデコボココンビが絶妙に解決していくのですが、このコンビのアンバランスさも面白く、また問題の内容も浮世離れしているようで、身近に起き得る問題でもある気がしドキドキしながら面白く読み進められます。是非とも「花咲舞シリーズ」としてシリーズ化してもらいたいものです。
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4062771373
No.12:
(5pt)

花咲舞の活躍が素晴らしい。

東京第一銀行赤坂支店から事務部調査役で異動の相馬健、そして代々木支店から異動の通称「狂咲」、花咲舞のコンビで事務部臨店指導班として問題ある支店で大活躍する。銀行内の問題解決に奔走する痛快な勧善懲悪ドラマであり、気分爽快、素晴らしい。銀行小説でも池井戸氏の作品は身近な等身大の問題や事件を描いているのが良い。主人公の花咲舞は、頭の回転は良く、仕事は速く、怖いものなしの物怖じしない性格で、問題・事件を片付ける。しかも自分の名誉やプライドだけの、出世の為に他の行員を蹴落とすことも平気な本部の人間、支店長、課長達にビシーッと「喝」を入れる。これが何とも読者をしびれさせる。ミステリー仕立てであり、またどれも最後に何かしら余韻や、考えさせる何かを残す、これも良い読後感を与える。
本書は8話に分かれ常に相馬健と花咲舞がコンビで臨店する。 第1話の「激戦区」は、ベテラン女子行員の退職が多い自由が丘支店で、定期預金の解約に絡む訴訟事件が起きている。 第2話の「三番窓口」は、神戸支店で午後の混雑時に他行宛送金を持込み犯罪を企てる。 第3話の「腐魚」は、新宿支店で有名百貨店社長の御曹司で入行3年目の伊丹清一郎を預かっているが、担当取引先の融資申込に彼の対応が問題に。 第4話の「主任検査官」は、武蔵小杉支店で金融庁の臨店検査が入る。その主席が悪評判で有名な検査官だが花咲舞とやりあう。 第5話の「荒磯の子」は、蒲田支店で何か変な新規取引先を探る。 第6話の「過払い」は、原宿支店で100万円の過払い事故が発生した。払い出し先が嘘をついているか、行内の犯罪か、また行内で不足金を補填してしまったか、花咲舞の調査が始まる。 第7話の「彼岸花」は、企画部執行役員部長の真藤に怨念のこもった彼岸花が届くミステリーだ。 第8話は本店営業第二部で、伊丹百貨店の給振データが紛失するが、花咲舞が暴いた犯人は何と・・。どの作品もとても面白い。
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4062758032
No.11:
(5pt)

花咲舞の活躍が素晴らしい。

東京第一銀行赤坂支店から事務部調査役で異動の相馬健、そして代々木支店から異動の通称「狂咲」、花咲舞のコンビで事務部臨店指導班として問題ある支店で大活躍する。銀行内の問題解決に奔走する痛快な勧善懲悪ドラマであり、気分爽快、素晴らしい。銀行小説でも池井戸氏の作品は身近な等身大の問題や事件を描いているのが良い。主人公の花咲舞は、頭の回転は良く、仕事は速く、怖いものなしの物怖じしない性格で、問題・事件を片付ける。しかも自分の名誉やプライドだけの、出世の為に他の行員を蹴落とすことも平気な本部の人間、支店長、課長達にビシーッと「喝」を入れる。これが何とも読者をしびれさせる。ミステリー仕立てであり、またどれも最後に何かしら余韻や、考えさせる何かを残す、これも良い読後感を与える。
本書は8話に分かれ常に相馬健と花咲舞がコンビで臨店する。 第1話の「激戦区」は、ベテラン女子行員の退職が多い自由が丘支店で、定期預金の解約に絡む訴訟事件が起きている。 第2話の「三番窓口」は、神戸支店で午後の混雑時に他行宛送金を持込み犯罪を企てる。 第3話の「腐魚」は、新宿支店で有名百貨店社長の御曹司で入行3年目の伊丹清一郎を預かっているが、担当取引先の融資申込に彼の対応が問題に。 第4話の「主任検査官」は、武蔵小杉支店で金融庁の臨店検査が入る。その主席が悪評判で有名な検査官だが花咲舞とやりあう。 第5話の「荒磯の子」は、蒲田支店で何か変な新規取引先を探る。 第6話の「過払い」は、原宿支店で100万円の過払い事故が発生した。払い出し先が嘘をついているか、行内の犯罪か、また行内で不足金を補填してしまったか、花咲舞の調査が始まる。 第7話の「彼岸花」は、企画部執行役員部長の真藤に怨念のこもった彼岸花が届くミステリーだ。 第8話は本店営業第二部で、伊丹百貨店の給振データが紛失するが、花咲舞が暴いた犯人は何と・・。どの作品もとても面白い。
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