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妊娠カレンダー



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【この小説が収録されている参考書籍】
妊娠カレンダー
妊娠カレンダー (文春文庫)

妊娠カレンダーの評価: 3.79/5点 レビュー 56件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.79pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全33件 1~20 1/2ページ
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No.33:
(5pt)

素晴らしい

文体、描写、展開、どれも読者の心を振るわせます。数ページ進むごとに、感慨にふけました。味わう小説です。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.32:
(5pt)

やっぱ小川洋子さんはミステリアス

小川洋子さんのストーリーは本当に不思議なストーリーです。完結せずに謎のままなのが面白いです。
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4163124209
No.31:
(5pt)

比喩を巧みに遣った生理的・身体的な描写の生々しさは癖になる

おめでたそうな題名だが、喜びや希望といった要素がほぼ一切感じられない、どこか影のあるお話。比喩を巧みに遣った生理的・身体的な描写の生々しさは癖になる。収録作の『ドミトリイ』が不穏で気に入った。ミツバチをどう解釈するか。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.30:
(5pt)

破壊された赤ん坊

わたし(妹)は、妊娠中の我儘で自分勝手な姉の家事を手伝っている。ある日、わたしはアルバイト先の店長にもらったグレープフルーツでジャムを作った。姉はそのジャムを無性に食べたがり、わたしは毎日作り続ける。ある会合で配られたパンフレットにアメリカ産グレープフルーツの写真と『防カビ剤PHWは人間の染色体そのものを破壊する』と書かれていた事を思い出し「PWH は胎児の染色体も破壊するのかしら」と思う。そして、「わたしは破壊された赤ん坊に会いに行くため、新生児室に向かった」。小川さんらしい不気味さと怖さが興味深いです
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.29:
(5pt)

怖ろしさを感じました

表題作の妊娠カレンダーは、小川洋子さんの芥川賞作品なので読んでみました。
姉の妊娠を気遣う妹。しかし、姉は精神を病んでいるようで話の展開は暗い。
そして、妹は姉が好んで食べる農薬たっぷりのグレープフルーツジャムを毎日
コトコト煮て姉に食べさせる......。

最後に姉の出産シーンらしきことが書かれているが、どんな赤ちゃんが生まれ
たのか想像するのがとても怖い感触を受けました。
背筋が凍り付きました。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.28:
(4pt)

風変わりで静謐で小さな世界

○「妊娠カレンダー」を含む3篇とも、風変わりな人々が描かれている。

○ 3篇とも作者が作品に込めたメッセージがうまく読み取れないのがもどかしい。では、いやな小説かと言うとまったくそうでないところが不思議だ。作者の意図が読み取れないままに、いずれも魅力的だ。つねに静謐な印象を受ける。登場人物はあちらこちらを歩き回って活発に行動しているのだが、受ける印象は実に静かで内省的だ。

○ 作者のあとがき(これは示唆に富む)によれば、見たままを描いたのでは小説にならないらしい。普段目に見えていないところに光を当ててこそ小説なのであって、ぶどうがワインに変わるように何かを契機にごくふつうの精神がどのように変貌するかを突き詰めてみたところこんな3篇になりました、ということのようだ。「ようだ」などと言っていないで、作者の意図をピタリと読み当てることができたらどんなに気持ち良いことだろうか。
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4163124209
No.27:
(5pt)

美味しいドーナツ

小川洋子さん5冊目。3短編。表題作は金属的な冷たさを感じて苦手。しかし残り2作品が凄く好き。作者が書きたい事は、そこに漂う柔らかい空気の様に見えそうで見えない。けど、その穴の周りにあるドーナツが、甘くて少し苦くて、美味しい。そんな小説。
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4163124209
No.26:
(5pt)

面白かった

少し重ためのお話でした。短めなので読みやすいと思います。また読み返したいです。
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4163124209
No.25:
(5pt)

妊娠・出産は喜びではなく試練

妊娠や出産に対して、ひとは「おめでとう!」と言い、祝意を表わす。しかし、産む本人、夫、妹など周囲の人々にとって、妊娠や出産は無条件で「善」なのだろうか? この作品はそれに異議を呈したもので、妊娠した姉は自分の出産を他人事のように感じており、夫はひたすら頼りなく、いつもおどおどしているだけ。そして姉の妊娠から出産までをすぐそばで見続ける私にとって、妊娠した姉の身体、感情の変化は、ただグロテスクで不気味なものでしかない。つまり、一人の生命が生まれてくることを誰も嬉しいと思わず、といってすごく嫌がるわけでもなく、ただそれにひたすら「よそよそしさ」を感じるだけなのだ。しかし、ここで描かれている当事者たちのこうした気持ちは、実はかなり普遍性のあるものではないだろうか。「産めよ殖えよ地に満てよ!」と『旧約聖書』は言い、我々は、赤ん坊が生まれてくることは善いことであり、それを喜ばなければならない、と思い込まされているだけなのではないか。たしかに生まれてきた子が少したって育っていくのは、とても可愛い。しかし、そこから事後的に、それまでの経験を作り直して、妊娠も出産も善いものだと、記憶自体が再構成されるのではないか。なぜなら、生まれた直後の新生児は決して可愛くないし、妊娠と出産のプロセスそのものは、本作が描くようにグロテスクなものだからだ。姉は、つわりで「におい」を異常に恐れ、ほとんど何も食べなくなり、しかし、つわりが終ると見違えるような反動で、ひたすら大量のジャムを舐め続ける。つまり、生のバランスがどこか崩れてしまうのだ。それによって夫も妹も、メンタル面での平衡がゆらいでしまう。むしろここで描かれている妊娠・出産の姿こそ真実なのであり、それは我々にとって一つの試練なのだろう。
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4163124209
No.24:
(4pt)

買いです。

30年ほど前に芥川賞で知ってすぐに読んだのですが、その直後、福岡市内のミッション系の高校の校長の職を退任された後、短期大学の講師を務めておられた方とその奥さんと会食した際に、本書が話題になりまして、その方が「妊娠カレンダー」に描かれた女性の心情は受け入れがたいものがある旨の発言をされました。その当時、こちらは大学の国文科を出たばかり、将来に対する野心も展望もなく、頭の中には文学しかなかったので、畏れ多くも、先生はわかってない云々と高飛車に講釈してしまったところ、その方はひどく驚いた表情と満面の笑みで、そうかそうかとこちらの話に耳を傾けてくれました。その横で、奥さんも穏やかにうなづかれていたのが鮮明に記憶に残っていて、それから程なくその先生は急逝されましたが、叶うことならもう一度会って、その節はと謝りたいです。
というわけで、小川洋子さんの著作を目にすると、そこはかとなく後ろめたい気持ちになり、長年、敬して遠ざけるようになっていましたが、今村夏子さんの「星の子」の文庫の巻末を読んで、久しぶりに本書を手に取りました。
今の目で読むと、収められたいずれの作品も日常に潜む、異界とのあわいであったり、人の背後に見えはしないけれども確かに感じられる気配であったりを、ゴシック的な手法で構築した作品という印象を受け、きっと上述の先生は、綿密に編まれた技術的なところが災いして、たとえば姉の妊婦や、視点人物の妹にリアリティが感じられないと仰っていたのではないかと推察しますが、こういう作品はそういう作風なわけで、今また会食する機会があっても、30年ほど前と同じ展開になりそうで、他人は知りませんが、自分は本当に成長しないなと少し自己嫌悪になりました。
あと、前任校で小川洋子さんフリークの女子生徒がシャーリー・ジャクソンの本を探していたことも、今回本書を読み返していて思い出しました。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.23:
(5pt)

著者あとがきまで含めて読みたい作品

短編3本。
「妊娠カレンダー」妊娠した姉の様子を同居している妹が綴る。そこにいなかった生きものがいつのまにか身体の中に生じて否応なしに育っていくことの違和感、それまでの人間関係の中に新しい存在が生まれることの不思議、そういうものを感じた。
「ドミトリイ」雨の描写がとてもすてき。そして、身体の描写がとてもフェティッシュでどきどきする。
「夕暮れの給食室と雨のプール」給食室なつかしい。

小川洋子さんの作品を読むと、雰囲気に引き込まれるけれどその気持ちをなんと言葉で表現したらいいのかわからなくなることが多い。言葉を尽くしても仕方ないんじゃないかと思ってしまう。今回読んだ文庫版あとがきにあった小川さんの言葉がしっくりきたので書き写しておく。

「だから『妊娠カレンダー』は自分の経験を書いた作品か?と質問されるたび、ガックリする。わたしの妊娠体験なんて、スーパーで買ってきた新鮮な玉ねぎそのもので、何の書かれるべき要素も含んでいない。その玉ねぎが床下収納庫で人知れず猫の死骸になってゆくところに、初めて小説の真実が存在してくると、私は思う。」
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4163124209
No.22:
(5pt)

好きな暗さ

淡々と書かれる暗さがとても良かったです。
特に表題作が一番気に入りました。
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4163124209
No.21:
(4pt)

そこはかとない居心地悪さ

懐妊した姉。精神的に不安定な日々をおくる彼女を淡々と見守る妹。妹はまた、役立たずの義兄に冷ややかな視線を浴びせる。

日誌のようにつづられる三十八週間、殊更悪意が表出するわけではないが、底冷えする読後感のがタイトル作「妊娠カレンダー」。いうならば、日々、夫に高脂肪高塩分の食事をふるまう妻のごとし。

他の二編、身体にハンディがある男性との交流「ドミトリイ」、宗教の訪問勧誘をする親子との出会い「夕暮れの給食室と雨のプール」は、悪意こそありませんが、同様のそこはかとない居心地悪さを感じる。【芥川賞】
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4163124209
No.20:
(5pt)

悪意なのか???

大好きな姉を苦しめるモノから姉を守る。
手段として姉を傷付けようとし、結果的に姉の為になる活動をする。
初めて読んだのは10年前で、ふとした拍子にこの話を思い出して再読。
妹の気持ちがとてもわかるような、やっぱりわからないような。
こんなにもやもやした気持ちになる物語はなかなか無いです。

他の短編も粒ぞろい。
オススメです。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.19:
(4pt)

投げっぱなしの怖さ

すごいな、と感じたのは各章において怖いと感じさせる終わり方なのに、その過程の文章がまったく恐怖とは無関係な表現であることです。
妊娠中の姉にいわれのない八つ当たりをされていたり、鍋でジャムをかき混ぜたりしてるだけなのに、終わりに近づくにつれ、学生時代にアメリカ産のGFはヤバイことを教わっていたエピソードが出てきたり、姉が食欲旺盛になってきてGFジャムを貪る描写があったり、じわじわとせりあがってくる恐怖を感じます。

他の二作品も気づかない程度に、しかし確実に蓄積される怖さというあたりでは変わらぬ恐怖なのですが、この作品については終わり方がとにかく秀逸ですね。産まれてきたであろう姉の子どもと、産んだ姉に会うために病院に向かう妹の描写で終えている辺りは決して無責任ではない投げっぱなしの怖さを感じます。
改めて読んでみても一番怖いのは姉の子どもに対して「染色体」という表現を用いているのが恐ろしいセンスだなあと思いました。
あとGF怖いわ。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.18:
(5pt)

よかった

非常に良い本です。発送も早くて、また、利用したいと思います。
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4163124209
No.17:
(5pt)

高水準の中編3編、読書の醍醐味を味わいました。

上質の中編3篇です。私は、特に2番目の「ドミトリイ」が好きでした。特殊な変性を遂げつつある不思議な雰囲気の学生寮。静かに死と共存するような先生。単調に降り続く雨。雨がやがて訪れる緩やかな死を強く暗示させてくれつつ、不思議に広がっていく天井のしみ。うん、とても優しいけどカフカ的な素敵な雰囲気です。これ大好きな作品でした。読み終わるのが惜しかった。
「妊娠カレンダー」も興味深いです。妊娠した姉の様子を科学の実験ノートのように客観的に眺めてくれています。母性愛とかカットされて、生物的な生理的変化が淡々と記されて類を見ない作品になっています。つわりのスプーンの砂のにおい、そしてつわりが終わって、無性に「グレープフルーツのジャム」を食べまくる姉。PWHとか頭の片隅に冷静に見つめる私。最後の「破壊された姉の赤ん坊」も衝撃的な表現ですね。破壊されたは姉にかかるんでしょうけど。試食コーナーでバイトするご本人は、「帯同馬」のお姉さんになっていくんでしょうか。
「夕暮れの給食室と雨のプール」は明るいメルヘン調の作品です。チャーリーとチョコレート工場みたいに、思い切り想像力を働かせて書いて頂いています。半導体製造工場みたいな給食室の描写がうまいですね。最初、ジュジュが犬か猫か、どっちかなと思って読み始めました。
これだけの中編3編が1冊に収められた作品で、驚きました。水準すごく高い作品集です。読む機会を得て幸せでした。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.16:
(4pt)

数理と不条理とを併せ持った作者の持ち味が良く出た中編集

表題作の他、「ドミトリイ」、「夕暮れの給食室と雨のプール」の全3つの作品を収めた中編集。数理と不条理とを併せ持った作者の持ち味が良く出ている。

表題作は、題名こそ平凡な印象を与えるものの、妊娠した"姉"の妊娠発覚から出産までの模様を、ヒロインである"妹"の日記によって綴るという変わった視座で描いた作品。幸せな過程である筈の妊娠を、一種のメタモルフォーゼの様に描き、更に"妹"の悪意が加わって、悪夢の世界へと誘う手腕が買える。「ドミトリイ」は、古びた下宿屋とその管理人とを重ね合わせ、皆川博子氏の諸作品の様な幻想と恐怖を醸し出している。身体の部位に対する執拗な描写が生々しい。作者の他の作品でもそうなのだが、作者が魅力を感じる(描く)男性はどうやら<先生>らしい。「夕暮れの給食室と雨のプール」は、短編と言って良い長さだが、不思議な懐かしさと幻想味を覚える掴み所のない作品。

初期の作者の作風が非常に良く出た中編集。表題を見て、敬遠したくなった男性の方にも一読をお薦めしたい充実した内容だと思う。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.15:
(5pt)

最大限の抵抗

一般常識として、妊娠はめでたく、喜ぶべきものだ。
ところが主人公は姉の妊娠を快く思うことができない。
この、常識と実感とのズレは非常に素直なものだと思う。
誰もが世間の常識通りのテレビドラマ的な感情を抱くとは限らないのだ。
むしろ、皆がこういった画一的な価値観に疑問を抱きつつも
その通りにふるまっていることでこういった常識は支えられているのだろう。
妊娠をきっかけに尊大になっていく姉に嫌悪感を露わにするほど常識外れにもなれない主人公がとった行動は、
血縁や義務感に縛られた現代人のできる最大の抵抗なのかもしれない。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209
No.14:
(4pt)

不思議な世界

少し恐くて、少し不気味で、でもエレガント。人の心の奥深くを描き、でも優しい描写と言葉で語られていて、好きです。続きを考えるのも楽しいです。
妊娠カレンダーAmazon書評・レビュー:妊娠カレンダーより
4163124209

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