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ブライトン・ロック



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ブライトン・ロックの評価: 3.40/5点 レビュー 5件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.40pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(2pt)

進行がよく分からない

物語が進行しているのだと思いますが、読んで行ってもどう進行しているのだか分かって行かずです。凄く昔の小説を読んでいる様な感じもして。でも訳文が古い感じはないのですが。途中で読むのを辞めました。ブライトンへ行ったこともあり、それなりに情景も浮かぶのですが残念です。
ブライトン・ロック (ハヤカワepi文庫―グレアム・グリーン・セレクション)Amazon書評・レビュー:ブライトン・ロック (ハヤカワepi文庫―グレアム・グリーン・セレクション)より
4151200320
No.4:
(5pt)

グレアム・グリーンの代表作の一編。

グレアム・グリーンは、第二次大戦勃発時からMI6の正式メンバーとして、イギリス諜報機関の裏切り者で有名なキム・フィルビーの部下として西アフリカなどでスパイ活動をしていた経験がある。
 評者が先に読んだ『ヒューマン・ファクター』(1978年) は、このころの体験を色濃く取り入れて書かれているように思いながら読んだ記憶である。
 この事件の後、MI6のなかの権力闘争に嫌気がさしたグリーンは、1943年にMI6を辞任している。
 本書は、グレアム・グリーンが、作家としての地位を確立していた1938年(グレアム・グリーン34歳)の作品である。
 タイトルのブライトン・ロックという意味は、本書で丸谷才一氏がブライトン糖菓と訳していたが、日本で似たものとしてある金太郎飴のような棒菓子だと知ることができた。
 ブライトンというロンドンから程遠からぬ海浜行楽地で裏稼業で稼いでいたピンキーという17歳の少年が主人公である。
 本書を読み進みながら評者は戸惑う。
 なぜなら生まれたときからキリスト教の世界で育っていないからである。
 巻末の解説で三浦雅士氏が書いていたことが本書を的確に捉えていたので、手抜きのレビューになるが、下の・・・・・・内に引用したい。
 ・・・・・・
 グリーンは神を無罪放免しようとなしない。この作家は、あくまでも神に責任を取らせようとするのである。この世の広大な無意味の責任を取らせようとするのである。しかもその神の位置に、強引に、読者を座らせようとするのだ。あたかも、これでもかというように強引に――それこそグリーンにおけるサスペンスの意味にほかならない。読者は作者によって、強引に神の困惑を味あわされるのである。『ブライトン・ロック』でいえば、悪の化身ともいうべきピンキーに限りなく恋着させられる。事実、殉教者のように光り輝いているのは疑いもなく悪の化身のほう――「なにか飢えの状態を思わせる激しい顔つき、一種不自然ないやらしい傲慢さ」――なのだ。むろん、逃げ道は用意されているように見える。ピンキーはローズと同じほどに貧しかった。愛に飢えていた、同情すべき余地は大いにある。というように。だが、その同情を拒絶するのだ。ピンキーの死後、ローズは告解場に入って司祭にいう、神を裏切ることこそが神に従うことだったのではないか、と。(P489)
 <中略>
 神の不在をなじることによって神の存在を確証するという逆説、すなわち反カトリックであることによってカトリックであるという逆説が、グリーンの人と作品を貫徹している。(P491)
 ・・・・・・
 虚無を標榜するようなピンキーが、たびたび聖書から引用して話す場面もグリーンの隠し味だと知ることができる。
 本書では、「善と悪」が物語のなかで欠かせないテーマとなっているが、キリスト教徒でないわれら日本の読者でも、グリーンが「サスペンス」とは何かを思い知らせてくれる作品に仕上げている。
 正義を振り回し、ピンキーとローズの前に立ちはだかるアイダ・アーノルドの存在が、この物語の影の主役なのだろうと多くの読者は思わされます。
 読者にとって、間違いなくこのアイダという女の正義なるものが疎ましくなってきます。
 が、小説には、このようなエンターテイメント性が不可欠なものなのです。
 サスペンスとエンターテイメント性を兼ね備えた本書『ブライトン・ロック』は、グレアム・グリーンの傑作であり、気取って「人間」を語る日本のベストセラー作家たちに「グリーンの爪の垢でも煎じて飲めよ!」と、言いたくなりながら、この本を読み終えたのです。
ブライトン・ロック (ハヤカワepi文庫―グレアム・グリーン・セレクション)Amazon書評・レビュー:ブライトン・ロック (ハヤカワepi文庫―グレアム・グリーン・セレクション)より
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No.3:
(4pt)

推理小説の面白さが満遍なく施されています。

カトリック作家の真骨頂が十分に味わえる内容になっています。 遠藤周作にも影響を与え尊敬した作家にして奥行きの深さを感じます。  戦前の作にしてはグリーンにとっては初期の作品。 現代も見劣りしない作風は新鮮です。  遠藤周作が尊敬し意識した作家で実際に会ったこともある作家。 推理作家のエンターティメントの一つとして読み込むことも一方、神とは何かという課題も書き込まれた作品。 遠藤周作のグリーン評論の方向から味わうのも一興です。 時代的には古いですが読んで感じさせる内容はお勧めです。
ブライトン・ロック (ハヤカワepi文庫―グレアム・グリーン・セレクション)Amazon書評・レビュー:ブライトン・ロック (ハヤカワepi文庫―グレアム・グリーン・セレクション)より
4151200320
No.2:
(1pt)

つまらなかった

こっちは十年くらい前に『不良少年』の題で出ていたのを読んだのだが、つまらなかったなあ。ちょうどカズオ・イシグロみたいな感じがした。ああいう二流感が漂っているよ。ウィリアム・ゴールディングにノーベル賞を与えたのは見識だったと思う。
ブライトン・ロック (ハヤカワepi文庫―グレアム・グリーン・セレクション)Amazon書評・レビュー:ブライトン・ロック (ハヤカワepi文庫―グレアム・グリーン・セレクション)より
4151200320
No.1:
(5pt)

絶対悪は存在するか

本作は、常に剃刀と硫酸の壜を持ち歩き、わずか十七歳にしてどんな暴力をも厭わない(時には人殺しさえも)不良少年と、彼の大罪に気付きつつも彼への愛を惜しまない(どころか彼と一緒に大罪を背負う覚悟までした)少女、そして自身の正義のために彼を執拗に追い回す女との駆け引きを描いた、英国、そして二十世紀を代表する作家の一人であるグレアム・グリーンの初期作品にして代表的長編である。頁数は五百頁弱で、いささか長いように思われるが、グリーンの軽快な筆致と丸谷才一の名訳が巧く合わさり、見事にそれを感じさせない。私は文字通り、息つく暇もないといった具合に、一気に読み終えてしまった。この作品の主題は、何といっても『善と悪』についてだろう。法治国家や、世間一般の倫理観では、どう考えてもアイダ(女)の行動が正しい。だが、アイダの独善的な善悪・正義の定義(それを相対的なものだとは認めず、自らの考えを盲目的に絶対と捉えている)は嫌悪感すら覚えるし、ピンキー(不良少年)の物の見方(例えば、恋愛やセックスに対する)や鬱屈とした立場から来る、言い知れない、そして誰もが経験するわけではない不毛な怒りに、十代半ばの自分自身を見てしまった私はピンキーの側に立つしか術はなかった。いや、この作品を読む前は確かに抱いていた正義感を捨てずに、アイダを応援出来る人間は、一体何人いるのだろうか。無駄話が過ぎた。とりあえず、この作品を十代の貴方、そして瑞々しい感性を忘れない貴方に薦める。グリーンの作品を十代の頃に読めた人は、幸運だ。追伸人一倍正義感を持っていると自負していた私だが、読了後はアイダに殺意を抱いた。それほどまでに、正義とは脆く、相対的なものなのかもしれない。
ブライトン・ロック (ハヤカワepi文庫―グレアム・グリーン・セレクション)Amazon書評・レビュー:ブライトン・ロック (ハヤカワepi文庫―グレアム・グリーン・セレクション)より
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