叔母との旅
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母親の葬儀で初めて叔母に会った甥が一緒に旅行したりして・・・というお話。 ミステリマガジン1991年9月号のグリーンの追悼特集で若島教授が60年代のグリーンのベストに挙げてらっしゃったので読んでみましたが、やはり面白かったです。若島教授によると、主人公が我々読者のメタファーで叔母が小説のメタファーになっているとの事で、それ程前衛的な作品ではないですが、それなりに深い内容の小説らしいです。 どこが面白かったかを考えると、平凡な人生を歩んできた主人公が活気ある叔母に感化されて、自分の人生から目覚める所だと思いました。事務的な仕事しかしてこなかった男が叔母の刺激で、恋愛をしたり、マリファナを吸ったりと地味な一人暮らしだけの人生から脱却して充実した人生を送る様になる所が本書のカタルシスだと思いました。単なる読書やテレビでは体験できない事が現実の実人生にはあるというグリーンのメッセージが読み取れました。 私も基本的に小説とロックだけで日々暮らしておりますが、たまに自分の人生はこれで終わりでいいのかとか内省しますし、実際に脱却したいと思う事もありますが、私の場合はこのままでいいかもとか思いました。他人から見たら悲惨な人生に見えると思いますが・・・。 流石に「ヒューマン・ファクター」等の名作には及びませんが、重要な小説だと思います。グリーンは自分の作品を「ノヴェル」と「エンターテインメント」に分けた事で有名ですが、本書は「ノヴェル」との事で平明で読みやすい作品ですが扱っているテーマは重厚だからでしょうか。 自分の人生をどうするか迷っている人は読んだ方がいい力作。機会があったら是非。 | ||||
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グレアム・グリーンが好きだと思っていた20代の頃、原書を買ったまま読まずじまい、とうとう翻訳で読んだが、いかん。50歳まで独身で銀行を早々と退職したという男が、母が死んでその葬儀に現れた70代後半のオーガスタおばさんと、ヨーロッパから南米まで旅をする。なんでこの男が独身なのかよく分からないし、なんで叔母さんと長旅に出るのかも分からない。そしてどうやらユーモラスであるらしい会話も、日本人にはあまり面白くないし、英文学とかの固有名詞が多い。一番いかんのはこの「叔母」がちっとも面白く見えてこず、ただ面白く見せようとする手つきばかりが見えてしまうことだが、英国にはこの手のものが多い。 英国人が読んだら面白いのだろう。日本では最近劇化されたらしく、ネット上にはその感想がけっこうあるのだが、どうも原作まで読もうという人があまりいないらしい。ここに何か現代日本の病理を感じる気がする。 | ||||
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