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闇の喇叭
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闇の喇叭の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.72pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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読み終えてからでないと、レビュー書けない | ||||
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本書を購入したのが2014年。なぜこれほど読み終えるのに時間がかかったかというと、最初のページを少し読んでは閉じ…を何度も繰り返していたからである。パラレルワールドとしての日本が舞台なのだが、開巻いきなりその説明に紙数が割かれていて、難しそうとひるんでいた。 ひるむほどではなかった。簡単にいえば、日本が朝鮮半島みたいな分断状態になっていて、中国と台湾は友好関係にあり、昭和は「召和」で、平成は「平世」で、ほかにもいろいろゴチャゴチャと違っているのだが、まあこんなもんかという程度だった。それなりによく考えられていて、むしろ面白かった。 でもこれ、女子高生は面白がるだろうか? というのも、本作はヤングアダルト(特に中高生)向けに書かれた作品らしいので。確かにストーリーはいかにも青春モノという感じなので、偏差値高めの10代がターゲットなのかもしれない。ちなみにストーリーはアメリカンニューシネマをイメージしているそうだ。 しかし個人的に残念だったのは、肝心のミステリの部分である。シチュエーションはいい、ストーリーもいい、でもトリックが微妙。あまり書くとネタバレになってしまうが、僕はミステリファンを自認しながらも、物理的なトリックに関しては「バカバカしい」と思っているので、これは大きなマイナスでした。 | ||||
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火村英生シリーズが面白かったので期待して三部作まとめて購入してしまいました。 暗い雰囲気で説教くさくて読むのが辛いです。 私みたいに考えてる人は気をつけてください。 | ||||
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もっと、続きが見たい | ||||
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あらすじ等に書いてあるのでネタバレではないと思いますが、現実の世界ではなく 「探偵行為が禁止された世界」でのお話です。とはいえ現代日本がモデルとなっており、 序盤は実際の史実に近いような感じの展開から「分岐」した時には分かっていてもびっくりしました。 内容については作者らしい堅実なつくりのミステリだと思います。主人公が女子高生という事で 学生アリスシリーズのような青春小説的ニュアンスも少しあります。(以後微ネタバレあり) タイトルになっている闇の喇叭(らっぱ)というのは徴兵制の隠喩なのかな?と感じました。 兵役から逃れる為に自らを傷つけて障害者になる事もあるとか…お隣の国のように徴兵制が あったとしたら当然人格形成にも影響があるだろうし、あり得た未来についていろいろと考えさせられた。 | ||||
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最初、二次大戦中のアメリカの原爆実験のシーンから始まります。が、昭和が召和になっていたりして、架空のお話なんだよということが暗示されています。それでも歴史については詳細に史実に忠実に描写されているようで、ソ連が条約を破ってだまし討ちで日本を攻撃したいきさつやアメリカが原爆を落とした思惑とはこういうことだったのかと、今更ながら国際情勢のえげつなさに怒りをおぼえました。このあたりは二次大戦と日本の運命に対する有栖川氏個人の考えも反映されているように思います。 史実から離れてフィクションに入り始めるのは、原爆が広島、長崎だけでなく、京都にまで落とされたあたりから。日本の降伏が遅れ、沖縄はアメリカに、北海道はロシアに取られてしまい、こともあろうに北海道はロシアの傀儡国家となり日ノ本共和国として独立させられてしまいます。このあたり満州国を思わせますが、日本が南北に分かれてしまった以後の展開はむしろ、分断された現在の南北朝鮮のようです。同じ民族で同じ言語を話しながら、思想、国家体制もまったく違ってしまった、あちらで何が起きているのかもよくわからないといった状況です。 そのような暗い空気の中で、日本人は内向きになってしまい、「それでもちゃんと生活できているではないか、経済レベルはまだ世界第三位ではないか」と自分たちに言い聞かせながら生きている(現在となんだかよく似ているような気がしますが・・)、そして国家の統制はますます厳しくなるばかりで、羊の群れのようにおとなしく従っている国民たち。探偵業が禁止されたのも、捜査権は警察や公安にしかない、民間人は余計なことに首を突っ込むなという締め付けだということになっています。そんな中で、元・探偵だったことを隠しながら、東北らしい田舎で隠れるように生きている誠と純の父娘。母親も優秀な探偵だったけれど、捜査中に忽然と姿を消してしまい、もう何年も行方不明になったまま。そこへ殺人事件が起きて・・・という展開です。 まず、世界観が非常に興味深いです。しっかりしていて実在感、切迫感があります。一応、ジュニア向けに書かれた小説だそうですが、あとがきで有栖川氏自身が書かれているように「10代の読者を対象にするからといって、がらりと作風を変える必要は感じなかった。普段書いているものも十代の読者に読まれることを期待しているからだ。」ということで、大人の鑑賞にも充分耐えうる作品になっています。いわゆる善の側である主人公の高校生3人やその親たち以外に、悪の側である中央警察の刑事も悪なりの存在感があり、登場人物の個性も立っています。 今ふと気がつきましたが、近未来的な世界観の印象が強烈で、そこで生きていかねばならない主人公たちの運命が気になって、作品中で起きる連続殺人事件とトリック、その解決にまったく注意が行っていませんでした。これは一応ミステリなんですよね(汗)。いかにも新本格派的なトリックに現実味が感じられず、もどかしくてそのあたりは早読みでざーっと読んでしまっていました。個人的には作品としての評価は高いのですが、こんな読み方をされてはもしかして作者はうれしくないかもしれませんね(苦笑)。 書き始めた時は続編を書くことは想定していなかったそうですが、これは続きがあって当然でしょうという終わり方で、実際にその後、2つの続編が書かれました。これから主人公たちがどうなっていくのか、そして日本の行く末は?先を読むのがとても楽しみになりました。 | ||||
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有栖川有栖の大ファンなので、新シリーズということで期待して読んだのですが…。うーん。 物語の舞台は、戦争を分岐点に違う道を辿った架空の日本です(一種のパラレルワールド)。 北海道が独立国家になっていたり、探偵行為が違法とされていたり、etc…この架空の日本の設定はよく出来ていてさすが面白いです。 けれど、主人公を含めたメインキャラクター達に生きた人間らしい魅力をあまり感じられませんでした(まあこれは人それぞれの感じ方にもよるかもしれませんが) 女子高生を主人公に書くのはさすがに無理があったのでは?正直なところ、大学生が限度だなと感じました。 ミステリとしては、犯人は早い段階で検討がつくうえトリックははっきりいって稚拙…。あまりにも古臭く、種明かしされたところで「あっそう…で?」としか思えなかったです。 なぜ有栖川有栖が今更こんなトリックを採用したのか?が本作の一番の謎。 若者向けに書かれたものだからとか、この作品の肝はトリックじゃないからとか、理由は色々あるのかもしれませんが…とにかくこれでは物足りない。 ただしこれはシリーズの一作目で、謂わば序章だと思いますので、今後に期待したす。特殊な世界設定を存分に活かした「あっと驚く結末を待って」います。 | ||||
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有栖川作品だから購入。最近の作品は熟語が多くて作風を変えたいみたいだが基本は同じ。高校生を主人公にした目新しさも新境地を開拓したいから?大学生の江アリコンビがギリギリかな。 | ||||
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有栖川有栖の新シリーズ「探偵ソラ」の嚆矢。2010年にティーンエイジャー向けとして書かれたという。 舞台はここではない1945年ごろに分岐してしまったパラレルワールドの現代日本。冷戦の余波が残り複雑な国内外情勢、これに対応した極端に統制側に振れた(さらに振れつつある)国内の状況、とちょっとしたSFばりの設定だ。 市民の生活はいろいろと理不尽に縛られていて、私立探偵禁止法もそのひとつ、、、というところでミステリの世界へのとっかかりが繋がる。 主人公「ソラ」は地方の女子高校生。彼女の住む地域に「スパイ」と目される人物が侵入したとのうわさが流れ、さらに身元不明の死体が発見され、中央警察から敏腕捜査官が派遣され、そして隠遁生活を送ってきた「ソラ」の父親は・・・、という話。 犯罪にからむトリックやその背景の動機や事情などは、ある程度のロジックに固められてはいるが、おぉっと膝を打つほどのものではない(どちらかというと、わざとかもしれないが、大時代的な雰囲気を感じる)。次作以降も読んでみないとよくはわからないが、有栖川としては、(架空の)社会情勢の理不尽さや、それを受けての教育の在り方、そういう状況にあっての市民のふるまい方、などなどについて(現実の日本も踏まえ)チクチクと苦言を呈しつつ、ミステリ自体の面白さを登場人物に語らせ、論理的筋道でものごとを考える大切さを若い世代へ示す。そんな狙いで書かれたような気がする。 「新・本格」も次世代へ目を向ける時代か、と少し感無量。 | ||||
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シリーズ「探偵ソラ」の第一作目ですが、序章というか、読者が世界観をじっくりと身体に染み込ませるための本かな。 全く同じ戦争の歴史を辿ってはいるものの、分岐点で違う道を選んだために日本とロシアの関係などが大きく違う世界の物語です。 実際の歴史と絡めてあるためか、壮大な設定ながらも、物語の所々に差し込まれた世界情勢の説明がかなり細かく、土台がしっかりとしています。読み終えてから、歴史好きな姉に「こういう世界が舞台の物語があるんだけど、かなりリアリティあって面白いよ」と紹介したほどです。専門用語がびっしりのファンタジーよりも、実際の歴史と絡めてあるぶん、理解しやすいし、ミステリーを楽しみつつ、この本を読むことでこの物語の世界観がしっかりと染み付く感じ。 | ||||
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有栖川有栖のファンなので買いました。 シリーズものなので、続きも楽しみです^^ | ||||
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去年の6月に理論社から出た初版が何ゆえか「出版契約解除」になり、今回、加筆・修正のうえ、シリーズ第2作の『真夜中の探偵』と同時に講談社から再刊されるという経緯を辿った、という(著者の「あとがき」などから)。もっとも、評者は去年刊行の理論社版を読んでいないので、それとの比較はできないまま。ともあれ、パラレルワールド的な世界を仮想し、そこに女子高生の探偵誕生という、ひねった趣向で始まったシリーズの登場を喜びたいと思う。 シリーズ第1作の本書はしかし、ミステリーとして限ってみれば、やや小粒な印象がある。むろん、ストーリーの詳細は書けないが、意外性が少し弱いように思えた次第。書名に入っている「喇叭」が何のメタファーなのかも、よく分からなかったし。と言いつつも、かつて『幽霊刑事』などで見せたミステリーの枠を踏み越えた境地に、著者は改めて跳躍しようとしているようにも見え、その辺り、どんな展開になっていくのか、楽しみではある。ということで、引き続いて『真夜中の探偵』に進んでみよう、と思う。 | ||||
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中年の大人が読むと、今までの有栖川作品の中では平均以下の作品。 フィクションの部分なので間違いではないが、以前日本が千島列島すべてを領有していたのは日露戦争の結果ではなく、それ以前に日ロ間で千島と樺太のそれぞれの持分を交換したから。(第一刷による) | ||||
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著者のミステリーを、ほとんで読んでいるが、本作を“新境地”というのはどうかとも思う。ただ、著者のこれまでの作品とはたしかに少々趣が違っている。 その違いとは、第1に、語り手として“有栖川有栖”が登場しないこと。第2に、設定が特殊。SFで言うパラレルワールドの日本が舞台である。第3は、設定と関係しているが、これまでの作品になかった政治的・歴史的状況が描かれている。 ただし、設定は単に“設定”だけなのではなく、ミステリ全体とかかわっている。 ヤングアダルト向けということで、メインの3人は高校生だが、内容としては大人でも十分に楽しめる作品。 結末を読む限り、続編がありそうである。 追記 著者は、本作で「探偵」の意義・意味を問いかけている。これはエラリー・クイーン氏が後期作品で問題としたこととかかわる。著者と同じくクイーン氏の影響が強い法月綸太郎氏も『ふたたび赤い悪夢』で同じことを問題としている。このことに興味をもたれた方には、クイーンの『九尾の猫』や「ライツヴィル」もの、法月氏の同作を読むことをお薦めしたい。 | ||||
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著者のミステリーを、ほとんで読んでいるが、本作を“新境地”というのはどうかとも思う。ただ、著者のこれまでの作品とはたしかに少々趣が違っている。その違いとは、第1に、語り手として“有栖川有栖”が登場しないこと。第2に、設定が特殊。SFで言うパラレルワールドの日本が舞台である。第3は、設定と関係しているが、これまでの作品になかった政治的・歴史的状況が描かれている。ただし、設定は単に“設定”だけなのではなく、ミステリ全体とかかわっている。ヤングアダルト向けということで、メインの3人は高校生だが、内容としては大人でも十分に楽しめる作品。結末を読む限り、続編がありそうである。追記著者は、本作で「探偵」の意義・意味を問いかけている。これはエラリー・クイーン氏が後期作品で問題としたこととかかわる。著者と同じくクイーン氏の影響が強い法月綸太郎氏も『ふたたび赤い悪夢』で同じことを問題としている。このことに興味をもたれた方には、クイーンの『九尾の猫』や「ライツヴィル」もの、法月氏の同作を読むことをお薦めしたい。 | ||||
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ヤングアダルト世代に向けて書かれていますが、 大人が読んでも大満足。 おもしろかったです。 | ||||
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有栖川有栖の新境地、 とまでは言わないが、 着想の転換は、これまでになかったように思う。 本格推理をベースにしながら、 新たな世界観を生み出していた。 もし、あの戦争の終結が、 ほんの少し違っていたら……。 そんな着想から、 物語は始まっている。 架空の日本が舞台なのだ。 原爆の開発が少し遅れ、 ソ連の参戦により、 敗戦後日本の北海道は、 ソ連の統治下となった。 つまり南北に分断されたのは、 朝鮮半島ではなく、 日本であったという未来。 東西冷戦により、 北は共産主義陣営の中で、 独裁色を強めた北朝鮮であり、 南もまた、自由主義陣営の割には、 国家統制が厳しく、 軍事政権時代の韓国のようだった。 その日本のとある町。 この国では推理小説も、 探偵業もまた禁じられている。 真実が暴かれる、その可能性のあるものは、 すべて許されていないのだ。 主人公の少女は、 探偵を生業とする両親に育てられていた。 しかし、母は行方不明となり、 法律が変わり、 父とともに片田舎に引っ越し暮らしていた。 しかし、その町で、 不可解な殺人事件が起こる。 死体の指紋は、 徴兵制により登録されているべき人物が浮かんでこない。 はたして、北からのスパイなのだろうか? 大胆なトリックや、 アクロバティックな動機など、 それだけでも十分推理小説として、 おもしろいものだが、 このシュチュエーションを持ってきた作者の意図に、 強い、社会性を感じた。 敗戦後65年がたった今も、 世界で戦争は終わらず、 国家は人を殺す。 推理作家として、 文学で一石を投じたいという作者の思いにもまた、 いたく感動した。 ぜひ、続編を読んでみたいとも思う。 | ||||
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有栖川有栖の新境地、とまでは言わないが、着想の転換は、これまでになかったように思う。本格推理をベースにしながら、新たな世界観を生み出していた。もし、あの戦争の終結が、ほんの少し違っていたら……。そんな着想から、物語は始まっている。架空の日本が舞台なのだ。原爆の開発が少し遅れ、ソ連の参戦により、敗戦後日本の北海道は、ソ連の統治下となった。つまり南北に分断されたのは、朝鮮半島ではなく、日本であったという未来。東西冷戦により、北は共産主義陣営の中で、独裁色を強めた北朝鮮であり、南もまた、自由主義陣営の割には、国家統制が厳しく、軍事政権時代の韓国のようだった。その日本のとある町。この国では推理小説も、探偵業もまた禁じられている。真実が暴かれる、その可能性のあるものは、すべて許されていないのだ。主人公の少女は、探偵を生業とする両親に育てられていた。しかし、母は行方不明となり、法律が変わり、父とともに片田舎に引っ越し暮らしていた。しかし、その町で、不可解な殺人事件が起こる。死体の指紋は、徴兵制により登録されているべき人物が浮かんでこない。はたして、北からのスパイなのだろうか?大胆なトリックや、アクロバティックな動機など、それだけでも十分推理小説として、おもしろいものだが、このシュチュエーションを持ってきた作者の意図に、強い、社会性を感じた。敗戦後65年がたった今も、世界で戦争は終わらず、国家は人を殺す。推理作家として、文学で一石を投じたいという作者の思いにもまた、いたく感動した。ぜひ、続編を読んでみたいとも思う。 | ||||
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