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廃院のミカエル



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【この小説が収録されている参考書籍】
廃院のミカエル
廃院のミカエル (集英社文庫)

廃院のミカエルの評価: 2.84/5点 レビュー 19件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.84pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(3pt)

オカルトからの病原菌物

主人公の女性に魅力がなく共感できないのが読み進める上で一番ネックだった。
処遇は気の毒とは言え、長期に渡る不倫への贖罪の念はなく被害者面。
綾子のことは気が合わない、暗いと頭から否定して通訳として役に立つ部分だけはペコペコ頭を下げる。
言動に思いやりも共感力もなく、そういう自信過剰な気の強さが会社で疎まれていて、誰も庇ってくれなくて左遷されたのではないかと、そこまで含まれて書かれている?
と思うとやはり読み応えのある作家さんだと思う。
ただ繰り返し似たような描写があり、さっきも読んだっけ?
と飽きてしまう部分が多かった。
最後は探していた蜂蜜の作り方を修道士が知っていることで勢いづき自分勝手な理屈で作れと迫る。
これだけの経験をしながら何も変わらないのかと呆れ、主人公は魅力のあるキャラ設定をして欲しいと切に願う。
廃院のミカエル (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:廃院のミカエル (集英社文庫)より
4087451321
No.3:
(3pt)

ちょっと退屈

はっきり言って、ちょっと退屈でした。
修道士に溺れていく女性の軌跡を追った作品ですが、
あまり興味をそそられなかった。
廃院のミカエル (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:廃院のミカエル (集英社文庫)より
4087451321
No.2:
(3pt)

ホラー小説に始まって、社会小説に終わった・・・

つい最近ギリシャに行ったばかりで、その時一番印象に残ったのが、意外なことにエーゲ海の島々でもなく、古代ギリシャの遺跡でもなく、ミストラの修道院遺跡群でした。低い山の中腹に沿って遺棄されたキリスト教遺跡が点在するこの場所は、すでに滅んでしまったものたちの空虚さと宗教的神秘が感じられる独特の雰囲気を持っていて、廃墟に魅かれる人間にとってはとても興味深い場所でした。この小説に関してミストラという名が出てきたのに魅かれて読み始めたのですが、実際のミストラはギリシャ南東部に位置し、ここで描かれるより明るい雰囲気なのに対して、この作品の舞台は北西部のアルバニア国境近くの山岳地帯ということでまったく別物だということに気がつきました。作者はミストラを旅しその雰囲気に魅かれ、またアトスの聖山などギリシャ正教の強い信仰を象徴する場所とミックスして架空の舞台を作り上げたのでしょうか。

結論から言うと、個人的には中途半端な印象を受けました。見捨てられた村と修道院で実際に怪異や幻のような光景を目にする登場人物たち、悪魔がかりのような気味の悪い行動をする女性などが出てきてホラー小説かと思って読み進めれば、主人公の女性の超現実的な性格のため、話がいきなり現実路線に引き戻されたり。最後には科学的に真相が判明するのですが、それでも複数の人間が奇怪なことを経験したのは事実で、それらは放り出されたままどうなるのか?と。

また、他のレビューアの方で主人公の性格が鼻についてどうしても好きになれないと書いておられた方がいらっしゃいましたが私も同意見で、主人公だけでなく3人の日本人みんなが癖が強すぎてどうも好感が持てないまま終わってしまいました。理不尽なやり方で中東に飛ばされた主人公は内戦に巻き込まれて現地会社の存続も危うく収入も保障されなくなり生活自体が脅かされるほど危うい状態に直面しています。それで必死になるのはわかるのですが、すべての物事を儲かるのかどうかという目でしか見ていない、そのために人の迷惑になっても平気で強引な行動を取ります。これがあとがきに書かれていたような”タフなかっこいい現代的キャリアウーマン”とはとても思えませんでした。遺跡修復を仕事にしている吉澤にしても意味なく無愛想でつっけんどん、ギリシャ人を夫に持っていた綾子は夫に同化しようとしたあまりにかギリシャ正教の信仰に最後まで凝り固まっていると見えたのも共感できませんでした。

ギリシャやキリスト教遺跡、正教についての下調べは詳細にされたことが伺え、それに、一応すべての複線はうまく回収され、結末も納得のいく合理的な説明がなされていてすっきりと収まるのですが、登場人物たちに共感できなかったこと、上記のようなホラーでもない、社会小説でもない、そのあたりの中途半端さに何か釈然としない思いで読み終わることになってしまいました。非現実的な怪現象が本当に現れたという設定なら、個人的には幻想小説寄りに徹してほしかったような気がします。個人的な好みで恐縮なんですが、「聖域」「ゴサインタン」「弥勒」などの宗教テーマの小説もいいのですが、今も篠田作品で一番好きなのは「神鳥」です。参考になるかどうか、そんな好みの自分の感想でした。
廃院のミカエル (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:廃院のミカエル (集英社文庫)より
4087451321
No.1:
(3pt)

ミストラのイメージが変わったw

ミストラ辺りは「素敵な遺跡」と認識してたけど、「不気味」な部分に焦点あてると、そう言われてみれば不気味だな…と、納得しちゃう感じでした。そういえば、見学の集団から取り残されると、ちょっと不穏な感じがあったかも。と、思い出してみたりして。
何とはなしに陰惨な感じ…なんか怖い、嫌な感じ、描写部分は良いんだけど綾子がトリップしたような行動取ってる辺りは少し白けた。
概ね楽しんで読みました。
廃院のミカエル (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:廃院のミカエル (集英社文庫)より
4087451321

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