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インディヴィジュアル・プロジェクション
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インディヴィジュアル・プロジェクションの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.65pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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彼の作風は、本来、僕の好むも二ではないのですが,なぜか、時に、バイオレンステイックであり、セクシュアルでもあり、ありきたりの世界を描いた作品ではない。しかし、彼の文体には、内容いかんにかかわらず、引き込まれていく。文体に「力」があるのだろう。どう評価してよいのかは、僕には、まだ、難しいところであるが, 今後、注目の作家の一人だろう。 | ||||
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それなりに面白いんだけど、著者が愛読していたらしいF.K.ディックから借用してきたような多重人格&現実崩壊ネタには既視感ありまくり。プルトニウム云々は映画『太陽を盗んだ男』を連想させるが、ブラックボックス化し、本当にプルトニウムかどうかさえ疑わしいその存在は、この作品の構造そのものの暗喩だろう。映画フィルムのショット群の中で反復されている被写体を探す辺りは、蓮実重彦的主題論の応用か。裏表紙の紹介文にある「苛烈な心理戦」は、主人公の疑心暗鬼という独り相撲と渾然一体であって、普通のスパイ小説的なものは、あまり期待しない方がいい。東浩紀の解説は、著者との個人的交友を踏まえつつ、作品の批評そのものが一種のフィクションであることを強いられる構造を語っており、この解説込みでこそ面白く読める。尤も、書かれた時期を差し引いても、発想の新しさは感じ難い作品。 | ||||
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本作品は、渋谷の映画館で働く映写技師オヌマの4ヶ月にわたる日記という体裁である。 高踏塾というスパイ養成所に5年間入塾していた過去をもつオヌマ。オヌマは、今や、高踏塾と縁を切り身を隠すように暮らしていた。ある日、オヌマに仲間の死の報がもたらされる。訓練途中にヤクザから奪ったプルトニウムが原因の報復か。それとも、高踏塾の粛清にあったのか。拡大するトラブル、そして元同志イノウエの陽動に、オヌマの思考は乱れに乱れてしまうのだった。 ・・・ あらすじを書いてしまうと謀略小説のように見えてしまうが、これが全く違う。 オヌマが現実逃避のかっこうで入塾したのは、マサキという胡散臭い男の開いた私塾だ。マサキの指導を仰ぐ塾生たちは、訓練の一貫で、暴力団組長を誘拐し、プルトニウムを強奪してしまう。もうこの時点で現実性がない。どこか抜けている。この違和感は、本作品の最後まで続く。 マサキを失い、塾を抜けたオヌマに次々に降りかかる暴力沙汰。その過程で、オヌマは自分自身と他人の区別がつなかくなっていく。Individual Projection=個人的な投影は、自我が拡大していく様のようだ。徐々に、オヌマの日記が真実であるのか、オヌマの頭の中の出来事なのかが判然としなくなる。オヌマの願望を充足するめの人格がかたちづくられているのか、それとも単なる妄想か。自己というアイデンティティの崩壊は、フィリップ・K・ディックの作品に見られるような心もとなさを喚起する。 結末までオヌマの錯乱は続くかと思いきや、最後の3頁で、ひっくり返される。冒頭のフリオ・イグレシアスの歌詞から始まるこの物語は、束縛からの脱却へ という大きなテーマにそって流れているようだ。ここで好き嫌いが別れそうだが、どうだろう。 | ||||
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渋谷系とかJ文学とかかまびすしく騒がれていましたし、このあとにこの人が書いたものと関連させて考えなければいけないかとも思いますが、「こういった世界もあるんだなぁ、ないかもしれないけど、小説だから」といった醒めた気持ちにさせられました。個人的に苦手な話題で、体質的な問題だとは思いますが、あまり楽しめませんでした。誤解を恐れずに言えば、映画のよい原作になるような(あるいはそれを見越して書かれているような)小説は、ひとつの作品としては本質的によい作品にはなりえないと考えているので。 | ||||
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主人公はスパイ養成所上がりで暴力沙汰には自身はあるのだけれど極力それを隠すようにしている、それは・・・ といった感じで話が進んでいく。中盤以降きちんと読んでないと何が何やら分からなくなってしまう何処となく映画の「ファイトクラブ」を彷彿とさせる内容となっている。好きな人は好きかも知れないけれど私はあまり・・・ | ||||
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本の中身をごちゃごちゃ言う前に、まずこの表紙が素晴らしい。あまりにカッコよすぎる。これだけで買う価値があるくらいだ。 内容はなかなか。かなり読みやすかったと思う。僕という一人称でありながらも、ページ全体を埋め尽くす文圧。言葉の激流。混乱していく主人公。タイトルの意味をよく吟味。 | ||||
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この『インディヴィジュアル・プロジェクション』の文体は、変わっているけどとても読み易かったです。 登場人物は、記号的に書かれています。これは人物の書き込みが薄い為に記号的な人物描写になったのではなく、作者が意図して記号的な人物を書こうとしている事が伝わります。しかし、サカタさんと娘のアヤコの描写は実際にこんな人物がいそうなリアリティが有ります。 物語は日記形式で書かれていて、主軸のストーリーに関係の無いエピソードが多いし、結末は読者に分かり易い答えを提示している訳ではないので、『インディヴィジュアル・プロジェクション』の世界観にハマルのでなければ、面白くないかも知れない。『インディヴィジュアル・プロジェクション』は文体と構成が巧く、押しつけがましくないので、「この世界は暴力と不条理に満ちている。だからお前は強くなれ」という主題が、ちゃんとこちらにも伝わってきます。常盤響さんの装幀は格好良いのですが、単行本の装幀を縮小しているだけので、がっかりしました。(写真や文字が途中で切れていたり、写真数が減らされていたり)。完全に単行本の装幀を再現するのが無理なら、文庫本専用の装幀にして欲しいです。 装幀と、読後感が悪いので(誉め言葉です)二度と読み返したくならないので、★★★。 東浩紀氏の解説は、理解出来るのか理解出来ないのか。 | ||||
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ボクはあまり文学の道に明るくないのだけれど読後に思ったことがある。ハードボイルド純文学。淡々と進む毎日の日記という形式。スパイ、高踏塾、プルトニウム。キーワードだけでもなんだかワクワクする。スパイ訓練を受けた主人公と昔の仲間達との心理戦や、映写技師として働く主人公とその取り巻き。段々と錯綜するストーリーに次第に夢中になるでしょう。価格も手ごろなので興味があったら是非。スタイリッシュな表紙もおもしろい。 | ||||
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この作品、著者は笑いながら書いたのではないでしょうか。内容は若者の渋谷での抗争という一見ハードなものですが、クールな文体の中でも実は哄笑せざるを得ないシーンが続出します。最後に「ああ、だからか」と腑に落ちるとは言え。なんだか著者の狙いがわからない作品でした。混乱させるのが狙いだったのかなぁ。 | ||||
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今時というか、今の時代の作品という感じです。今の日本の若い部分や少しだけ裏の現状をリアルに感じられる、そんな感じです。とにかく読みやすい。本当に真夜中に1時間で読めてしまいます。映像にしたらおもしろそうです。 | ||||
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出来映えのいい作品ではあるが、残念なことに何度も読みたいという作品ではない。きっちりとまとまっているし、抑えるべきところは抑えている。不快感を与えるような欠陥もない。ただし、それだけ。時間と金を費やすだけのクオリティーはあるものの、運命的な出会いを感じさせるような作品ではない。過大な期待を持って読むと失望する可能性あり。 | ||||
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