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Twelve Y. O.



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【この小説が収録されている参考書籍】
Twelve Y.O.
Twelve Y.O. (講談社文庫)

Twelve Y. O.の評価: 4.83/10点 レビュー 6件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.83pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全6件 1~6 1/1ページ
No.6:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)
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作者の熱意が暑苦しい

冒険小説のあらたな旗手として第44回江戸川乱歩賞受賞した本作によってデビューした福井晴敏氏。その後『亡国のイージス』のヒットを皮切りに更にその道の第一人者としての地位を固めていくが、現在の活動は自らの夢だったのだろう、機動戦士ガンダムシリーズの原作者としての活躍が目立つ。

物語の構造はデビュー作にしては実に複雑でかなり情報量の多い作品となった。従って通常の小説の3/4くらいのスピードでしか読めなかった。

また文体は三人称叙述だが、各登場人物の斜に構えた心情が地の文にはさまれており、ほとんど一人称に近い。
上に述べた情報量の多さも含め、この辺は推敲しているのだろうが、書きたいことが多すぎて削除してもこれだけになってしまったような未熟さがあり、行間を読ませる文章を綴る、引き算の出来ない作家だという風に受取った。

そして怒りの文体とでも云おうか、全編にわたって横溢する日本という国に対する感情を包み隠さずに表している。特に自衛隊が抱える存在意義の矛盾に対する怒りと自嘲がほぼ全編を覆っている。

こういう情念にも似た熱き物語を紡ぐ文体は好きなほうなのだが、乗り切れない自分がいた。
登場人物を形成するエピソードや物語が進むにつれて意味合いが変わるストーリー、そしてハリウッド映画を想起させる物語の節目節目に挿入されるアクションやクライマックスの敵との対峙シーンから世紀末的終局に向けて主人公らが命を賭けて挑み、ど派手な爆発シーンが展開するなど、ツボは押さえてはいる。
が、しかしこの感情に任せて先走ったような文体が作者の貌を色濃く想像させて読者の感情移入の障壁となっているような感じを受け、それに加えてやはり軍事用語を主にした専門用語の応酬が映像的なアクション描写とは方向を異にするベクトルを持って、ページを捲るべく所でページを捲らせなかった。
またこちらが齢を取ったせいかもしれないが、クライマックス近くで明らかにされる題名の意味も含め、青臭さを感じてしまった。

しかし粗探しをしてもいけない。確かに過剰に過ぎる内容と文体だが、日本を舞台に国際テロを描くという志の高さは買える。そして題材として最新鋭の軍事兵器を持ちながら、安保条約という制約に縛られ、米軍と共に存在するわが国の国防組織、自衛隊を扱ったところがこの作家特有の着想の冴えだろう。
この憲法と行政の狭間で常に居心地の悪い自縄自縛状態を強いられる自衛隊、作中でもその存在意義について作者は自嘲気味に日本を守るためでなく、在日基地を防護するためのみに存在していると述べている。

しかし彼はこの自衛隊をテーマに作品は書かれているそうで、本書で登場した「DAIS(ダイス)(Defence Agency Information Service(防衛庁情報局)」も登場するようで、デビュー作にして既に後の構想がなされていたようだ。

しかし本書が発表されて数年が経つ現在、ここで語られている沖縄の普天間基地の移転はまだ大きな懸案となっている。
これより以前に問題視されていたこの案件が今なお尾を引いている事実に日本の政治の稚拙さを感じずにいられない。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.5:
(3pt)

テーマは面白いとおもいますが・・・

テーマは面白いと思いますが、文章が稚拙すぎて何も伝わってきませんでした。表現が自分に酔っています。文学的な比喩を多く使い過ぎているので情景が消されています。臨場感のある場面でも緊張感がありません。登場人物の出自もいい加減にしてといいたいくらい自分勝手でした。江戸川乱歩賞ってこんなものなんですか。

わたろう
0BCEGGR4
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(3pt)

Twelve Y. O.の感想

テーマは面白いのかもしれないが、この作者のもったいつけて回りくどいだけの文章が嫌いですね。読み手よりも自分の執筆力アピール優先みたいな。まぁ乱歩賞受賞作はそういうものではありますが…。ありえないことですが、このテーマで他の作家さんが書けばもっと面白かったろうなーと思いました。

カミーテル
MCFS6K6O
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

いまいちか?

亡国のイージスが良かっただけに、いまいちだった。
以上です。

レッダーン
JX3FQ5JY
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

考えさせられる・・・

主人公たちの心のくすぶりとその背景もしっかり書かれており、すべての登場人物に感情移入できる。文章力もかなりにもの。初めて福井晴敏の作品を読んだが、これだけ読んだだけでも小説家になるべくしてなった人だと思えた。
世界観もしっかりしており、かつ読者への問題提起も織り込まれていて考えさせられた。
「亡国のイージスにつながる話だから」という理由だけでなく、一つの物語として向き合って欲しい作品だと思う。

fukuiosi
83K19KPC
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

Twelve Y. O.の感想

素晴らしい描写がある。でもそうでないところも同じくらいある。

ケナガイタチ
I5W5ENWQ

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