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山の王



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【この小説が収録されている参考書籍】
山の王(上) (海外文庫)
山の王(下) (海外文庫)

山の王の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

いろいろと型破りだが、まとまりが悪いかなぁ

スウェーデンで人気上昇中という作家の新シリーズ第1作。切れ者の女性刑事が警察内部の性差別と闘いながら連続誘拐殺人犯と対決する、警察ミステリーである。
マルメ警察署重大犯罪課の若手女性警部・アスカーは、二人の若者の失踪事件の捜査を進めていたのだが、元上司で国家作戦局のヘルマン警視に指揮権を奪われ、署内の吹き溜まり部署に左遷されてしまう。やる気も能力もなさそうな同僚に囲まれながらもアスカーは決して諦めず、独自の捜査を続け「山の王」と名乗る連続誘拐殺人犯のサイコパスを追い詰めていく…。
一匹狼の女性刑事(よくあるキャラクター)もの、問題児ばかりの吹き溜まり部署(最近、多くなったジャンル)もの、サバイバリストの父親に育てられた過去が影を落とす主人公のキャラクター(これも、最近増えている)もの、さらには都市廃墟探検や鉄道模型ジオラマといった特殊な分野の舞台設定など、これまでの北欧警察ミステリーでは見られなかった物語構成が、本作の最大の特徴である。これだけの多彩なジャンルを統合して論理的に破綻のない物語を作り上げるのは並大抵ではないとみえて、事件の真相はきちんと明らかにされるのだが、登場する様々なエピソードの関連性にやや無理があり、全体としてまとまりが悪いのが残念。
正統派北欧警察ミステリーというより、キャラクターゲーム的なエンタメ作品として読むことをオススメする。
(下巻373ページの最後の行にガクッとする誤訳?、校閲の誤りがあった)

iisan
927253Y1

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