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トゥルー・クライム・ストーリー



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【この小説が収録されている参考書籍】
トゥルー・クライム・ストーリー

トゥルー・クライム・ストーリーの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ミステリーの常識を破る斬新な試みに目がまわった

「マンチェスター市警エイダン・ウェイツ」シリーズが好評な著者のシリーズ外長編。友人であるイヴリンの遺稿を基に、著者・ノックスがノンフィクション作品に仕上げたという体裁の物語だが、全体が大きな虚構であり、読者は迷宮に誘い込まれるという斬新過ぎるミステリーである。
19歳の女子学生・ゾーイが大学寮から失踪した事件から6年、事件に興味を持った作家・イヴリンは関係者への取材を進め、ノンフィクション作品を書いたのだが、原稿完成の直前に亡くなってしまった。執筆中のイヴリンから相談を受けていたノックスが遺志を継ぎ、一冊の書籍に仕上げたというのが、物語の大枠である。ストーリーの中心はゾーイ失踪の謎解きで、これだけでも読み応えがある長編なのだが、さらにイヴリンとノックスのやり取りがミステリアスで、どこまでが真実か、誰が嘘をついてるのかが分からなくなるという、もう一つのミステリーが重ねられてくる。しかも、作品の中にノックスが事件関係者として登場してくるのだから、ますます混乱させられる。まるでミステリー読者の固定観念を破壊するのが目的のような、野心的な作品と言える。
迷宮に誘い込まれるような読書体験だが、ゾーイ失踪事件だけでも一級のミステリーとして楽しめるし、それを包み込む作者からの挑戦も知的興趣を呼ぶ面白さがあり、誰もがそれぞれの楽しみ方ができる作品としてオススメしたい。

iisan
927253Y1

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