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郊外の探偵たち



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【この小説が収録されている参考書籍】
郊外の探偵たち (ハヤカワ・ミステリ)

郊外の探偵たちの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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全1件 1~1 1/1ページ
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(7pt)

凸凹バディのドタバタだが、骨格はしっかりしたミステリー

ベテランのコミックライターの長編デビュー作で、各種ミステリー賞の最終候補になった作品。5人目を妊娠中の元FBIプロファイラーと落ち目の記者が平和な郊外の街で起きた殺人事件と、その裏に隠されていた人種差別の闇を暴く、コミカルな謎解きミステリーである。
N.Y.通勤圏の小さな街のガソリンスタンドで経営者一族のインド人青年が銃殺された。たまたま現場に出くわしたのが、元FBIの優秀なプロファイラーで現在は5人目の子供が妊娠8ヶ月という主婦のアンドレアで、末っ子にトイレを使わせるために立ち寄ったのだが鍵が掛かっていて使えず、子供がおしっこをぶちまけてしまった。ひと騒ぎの後、素早く現場を立ち去ったアンドレアだったが、事件に関する警察の発表が自分が見た証拠と違っていることに疑問と興味を持ち、真相を調べようとする。一方、大学生の時にピュリッツァー賞を受賞し将来を嘱望されたのだが、今では小さな地方新聞の記者でくすぶっているケニーは、事件の被害者家族を取材した感触から警察発表には隠された部分があり、再び脚光を浴びる特ダネになるのではと直感し、精力的に取材を進めることにする。ユダヤ系のアンドレアと中国系のケニーだが、二人は同じコミュニティで育ち、ケニーがアンドレアに振られた過去があった。偶然、同じ事件を調べていることが分かった二人は、互いの目的は異なるものの情報交換して調査を進めることを約束した。そんな二人が行き着いたのは、かつては白人ばかりだったのだが今では人種が混在し、表面的には平和な暮らしが営まれている街に、今なおはびこる人種差別の歴史だった。
ミステリーの本筋は人種差別に基づく犯人、動機探しで、格別目新しくはない。だが、人種も性格も境遇もバラバラで対照的な二人のバディものというのがユニーク。さらに、さまざまなエピソード、登場人物たちの言動もとぼけたユーモアたっぷりで楽しめる。
軽い読み味のミステリーを好む方にオススメする。

iisan
927253Y1

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