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光を灯す男たち



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【この小説が収録されている参考書籍】
光を灯す男たち (新潮クレスト・ブックス)

光を灯す男たちの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

人それぞれに、守るべき秘密と生きるための光がある

021年、イギリスでベストセラーランキングに入ったという、女性作家の文芸ミステリーデビュー作。1990年にスコットランドの孤島の灯台で忽然と三人の灯台守が消えたという史実をベースに、大胆な構成力で仕上げた謎解きミステリーかつ男と女の物語である。
1972年のクリスマス直前、イギリス南西部の孤島の灯台に補給船が到着してみると、いるはずの灯台守三人の姿が消えていた。容易に人が近づける場所ではなく、灯台の扉は内側から施錠されており、誰かが侵入したとは考えづらかった。さらに、食卓には手付かずの食事が残されており、内部で争いがあったような形跡もなかった。一体何が起きたのか、全く不明のまま事件は迷宮入りした。その20年後、海洋冒険小説家が事件の謎を解くと宣言し、関係者にインタビューしてまわり始めたのだが、遺族たちの口は重く、さらに遺族間に微妙な対立があり、真相は簡単には明らかにならなかった…。
絶海の孤島に男三人だけで24時間顔を突き合わせて暮らす灯台守、その留守を守る妻たち。それぞれに守るべき秘密と生きるための光があり、光は同時に闇を生み、人間と家族の物語の陰影が描かれていく。フーダニット、ワイダニットがストーリー展開の軸ではあるが、それと同等、あるいはそれ以上に家族の物語がスリリングである。
謎解きミステリーにとどまらない人間ドラマとして、多くの人にオススメできる。

iisan
927253Y1

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