狼の幸せ
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狼の事がもっと書いてあるのかと思ったら、、斜め読みしたところもある。 | ||||
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パオロ・コニェッティの「帰れない山」が映画化され、2023/5月に日本で公開されます。これは是非見なければ。 本作は、そのパオロ・コニェッティによる新しい小説です。舞台は、モンテ・ローザの麓にある集落"フォンターナ・フレッダ"。 主なる登場人物は、四人。 "フォンターナ・フレッダ"にある唯一のレストラン「バベットの晩餐会」を切り盛りする女主人バベット。 パートナーと別れ、かつて父親に連れられてきた場所、"フォンターナ・フレッダ"にある「バベットの晩餐会」でコックとして働き始めるファウスト。 「バベットの晩餐会」に住み込みで働くウェイトレスのシルヴィア。 そして、"フォンターナ・フレッダ"に生まれ育った山男、サントルソ。彼は元森林警備官でした。 長編でありながら1章「小さなレストラン」から36章「唐松」までのそれぞれの章が独立した一篇の短編小説のようにモンテ・ローザの四季の移ろいを描写し、その移ろいが四人の登場人物たちの心の在り様を反映しながら静かに温かく継承されていきます。その三十六枚の絵画は、或る日本の画家の作品がアダプトされているようです。 「・・・その作品のタイトルが『神奈川沖浪裏』であることも初めて知った。」(p.54) それ以外にもヘミングウェイ、アイザック・ディーネセンの著作からの引用が麗しい効果を挙げ、山で営みを続ける人 、山を訪れる人、去る人、登る人、降りる人、この物語には山に向き合った人だけが感じとることができるすべての愛おしい心象で溢れ返っています。 まあ、あまりそのストーリーを語ってはいけないのでしょう。 「・・・一方、父親はそこで起きていることを既に理解していたから、息子にこう告げた。何かが消えて、別の何かがその後釜に座る。世界はそんなふうに出来ているんだよ。ただ我々人間ってやつは、どうしても以前にあったものを懐かしんでしまうんだ。」(p.123) この物語の正しさは、この一文によく表されています。 森林限界を抜けて稜線に立った時に感じる一陣の風。その揺らぎ。風の匂い。この物語は匂いを持った小説としても記憶されることでしょう。 □「狼の幸せ」(パオロ・コニェッティ 早川書房) 2023/4/11。 | ||||
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