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忘れたとは言わせない



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忘れたとは言わせない

忘れたとは言わせないの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
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(7pt)

誰もが少しずつ嘘をつき、事件の全体像が歪んで行く

2020年スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長編賞、2021年ガラスの鍵賞をダブル受賞した、スウェーデン女性作家の長編ミステリー。14歳で殺人犯として収容され、23年後に帰郷した男が今度は父親殺害容疑で逮捕されるという、現在と過去の二つの事件の真相を探る女性刑事の苦悩を描いた、暗くて重い、本格北欧警察ミステリーである。
23年前、少女殺害容疑で逮捕され、レイプと殺人を自白したのだが死体が見つからず、未成年だったため施設に収容されていたウーロフが23年ぶりに帰宅すると、父親が殺害されていた。第一発見者であり、動機もあることからウーロフは父親殺人犯として逮捕された。事件を担当する警部補エイラは決定的な証拠を見つけられないばかりか、調べれば調べるほど、細かな違和感が湧き上がり困惑する。さらに、解決したはずの23年前の事件にも疑問が生じ、周りの反対を押し切って独自に再捜査し始めた。すると、片田舎の閉鎖的な社会ならではの人間関係の闇が浮かび上がり、エイラは切なく悲しい物語に巻き込まれていくのだった…。
現在と過去、二つの事件の繋げ方が見事で、犯人探し、動機探しミステリーとして良く出来ている。またヒロインの家庭環境、立ち位置、思考方法などキャラクター設定も的確で、人間ドラマとしての完成度も高い。ただ警察捜査のプロセスが入り組みすぎてリーダビリティを阻害しているのが残念だ。
人間が中心になる北欧警察ミステリーのファンにオススメする。

iisan
927253Y1

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