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消されかけた男



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【この小説が収録されている参考書籍】
消されかけた男 (1979年) (新潮文庫)
消されかけた男 (新潮文庫)

消されかけた男の評価: 7.50/10点 レビュー 2件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(8pt)

シリーズ化されているのが不思議な結末

原書が刊行されたのが'77年、訳出されたのが'79年。40年近くも前の作品である。確かに携帯電話とかインターネットとか無い時代で、ローテクであるのは致し方ないが、この頃の小説はひたすらキャラクターとプロットの妙味で読ませている。つまり作家としての物語を作る技量が高く、本書が放つ輝きはいささかも衰えているとは思えない。

本書の主人公チャーリー・マフィンはかつてロシアのスパイ網の大元であるベレンコフの逮捕という快挙を成しえたベテランの切れ者スパイ。15年も第一線で働き、無事にいるというプロ中のプロだ。しかしそのうだつの上がらない風采と、異動で新しく来た軍人出身の上司カスバートンとの反りが合わなく、ベルリンでのミッションでは暗殺されそうになる。無事に帰還したマフィンを待ち受けていたのは降格と減棒と事務員への異動だった。
そんな中、英国情報部ではベレンコフの次の大物カレーニンの亡命の情報を入手していた。カスバートンは自分の子飼いの部下ハリスンとスネアをカレーニンの下へ送り、接触をさせるが、ハリスンは処刑、スネアは逮捕され、獄中で発狂してしまうという失敗を重ねていた。そこで苦々しくもカスバートンはマフィンにカレーニン亡命を助ける事を任命する。

これはチャーリー・マフィンシリーズの第1作である。この第1作を読んで、これがシリーズ物になるのかと正直驚いた。それほどびっくりする結末である。
この結末を読むとチャーリーが色んな人と交わす会話、地の文に現れる独白が別の意味を持ってくるから面白い。この結末を前提にもう一度読み返すのも一興だろう。

そして興味深いのはニュースで報じられる政治ニュースの裏側を垣間見せてくれる事。特に各国首脳の訪問にはかなりパワー・バランスが作用しているのだという事を教えてくれた。本書ではCIAがカレーニン亡命劇に一役買うことが出来なくなりそうになると大統領の各国訪問から英国を外すように働きかけ、情報部へ圧力をかける件はなるほど、こういう駆け引きが裏に隠されているのかと感心した。

私がこの本に手を出すまでに想像していたシリーズの展開は本書の結末によって、もろくも崩れ去り、次回からどのような展開になるのかが全く想像つかなくなった。非常に次作が楽しみだ。

Tetchy
WHOKS60S
No.1:
(7pt)

シンプルなスパイ物

まあまあでした。

わたろう
0BCEGGR4

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