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(短編集)

罪人の選択



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【この小説が収録されている参考書籍】
罪人の選択
罪人の選択 (文春文庫)

罪人の選択の評価: 5.00/10点 レビュー 2件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(6pt)

圧倒的知識と説得力で構築されたSF中編集

本作は4つの話を収録しています。3つはSF、もう1つはミステリの仕掛けを施したサスペンスです。タイトルの罪人の選択は、ピンチから脱するために正しいほうを選ぶというサスペンス作品です。

それぞれ毛色の異なる内容なので、読む人によって好きな作品は異なると思います。私は2編目の『呪文』が好みでした。
とある惑星の話で、主人公の男は、その惑星で信仰されている宗教について調査します。普通、困ったときの神頼みという言葉にあるように、神を崇めるはずが、この惑星では、神様に悪感情を抱いてます。そして、その惑星の住民は平然と不敬な行為を行うのです。
なぜ。そして、どうしてこの惑星にら次々と災いが降りかかるのか。ミステリ的要素とホラー要素、SFを上手くミックスさせたディストピア小説で好みでした。

4編目の『赤い雨』もSFです。著者の『新世界より』を彷彿させる作品でした。長編にしなかったのが惜しいほど、おもしろい作品で、こちらもお勧めです。架空の胞子、チミドロに蹂躙された未来。この世界では、スラムとドームの住人とで格差が発生し、互いに悪感情を持っています。チミドロによる赤い雨という侵略を防ぐべく、主人公の女性が立ち向かう話です。こちらはS少し法廷ものの要素も楽しめるSF作品です。
感心したのは、チミドロという胞子、そしてRAINという疫病の、説得力をもった描写です。ゼロから生み出したものに圧倒的知識で肉付けしているのが魅力的で、著者らしさが発揮されています。

どれも読み応えある作品でした。ただ、かつての長編と比較すると、少しカタルシスを得づらかったです。
215ページ5行目、改行しているのに一マス空けてないという校正ミスが少し気になりました。また、過去作では"えんか"とルビを振っていた嚥下という字に、今作では"えんげ"とルビを振ってあり、著者のこだわりの変化が新しい発見でした。

bamboo
NU17PFML
No.1:
(4pt)

罪人の選択の感想

短編集です。4編中3編がSF。1編が表題作のミステリーです。
4編の関連は全くありません。
SFの3編は、あまり面白く感じなかった。特に1作目の、「夜の記憶」はややわかりずらい。最後の「赤い雨」がある程度マシかな。
表題作の「罪人の選択」。こちらは本短編集では、一番の良品でしょう。でも短編ミステリーの醍醐味であるオチの切れ味は、さほど感じれなかった。
やっぱり、この著者は長編が向いているのではないだろうか。
「黒い家」や「天使の囀」のようなヒリヒリする小説を読みたい。
ということで、評価は辛めのアマゾン評価2点。

マッチマッチ
L6YVSIUN

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