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空色の小鳥



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【この小説が収録されている参考書籍】
空色の小鳥
空色の小鳥 (祥伝社文庫)

空色の小鳥の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

読後感がいい 家族とは血とは何かを考えさせる良作

基本的にミステリというものは、欲や憎悪などある意味人間の嫌な部分を扱ったものなので、やはり読むのにはエネルギーを使いますね。イヤミスなんか特にそうですが。この作品も最初はそういう憎しみから来る復讐話かと思ってたんですけど、予想外に読後感がさわやかでしたね。

主人公の西尾木敏也は大企業の経営者西尾木雄太郎の次男、といっても実は法的には息子ではない、血のつながりはありません。雄太郎の愛人の連れ子なんですね。長男の雄一は抑圧的な父に逆らい家を出て数年、千秋という貧しいが心の美しい女性と暮らしていました。

二人の間には、結希という幼い女の子がいます。ところが雄一は事故で不幸な死を遂げます。敏也自身も嫌いな義父の元を離れ、一人暮らしをしているわけです。仕事はその義父のコネで入った系列会社。

さらに不幸なことに千秋は癌のために亡くなってしまいます。そこで敏也は血のつながらない兄雄一の子供である結希を自らの養子にして育てるのです。どうしてわざわざ慣れない子育てを苦労してするのか。果たして敏也の目的とは? 詳しくはネタバレになるので、書けませんが、ある程度読者は想像がつくでしょう。要はある目的というか、計画のために数年費やして結希を育てるわけですね。結希が10歳になったとき、敏也はある行動に出ます。

ここまで書くと怖い復讐話に思えますが、あまり怖さはありません。
敏也という青年がいい奴なのと、同居する亜沙子とおねえの汐野のキャラによるものだと思いますが、血のつながらない4人の同居生活が楽しそうだからです。最後にはどんでん返しもありますが私はこの結末を受け入れますね。いずれにしても読後感が良く、たまにはこういう作品もいいのではと思いましたね。





いわし雲
78XRDN1A

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