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ブラック・ドッグ



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【この小説が収録されている参考書籍】
ブラック・ドッグ
ブラック・ドッグ (講談社文庫)

ブラック・ドッグの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

これだけ人が殺される日本の小説は珍しい

2016年に刊行された長編パニック小説。動物愛護のためなら殺人も辞さない団体が、品種改良から生まれた化け物のような犬たちをけしかけて、ペット販売イベントに集まった人々を殺戮するという、社会派エンターテイメントである。
種の違いも肌色や性別の違いと同じであり、種の違いを根拠に動物と人間を区別するのは差別である。そう主張する団体「DOG」が世界にアピールするために選んだのは東京湾埋め立て地で開かれたECOイベントで、品種改良したペット販売でぼろ儲けしている企業から無償の譲渡会を開催しようと言う慈善団体までが参加し、イベントを盛り上げるために駆り出された中学生たち、ペットを買いたい家族連れ、イベントを政治利用したい政治家など、さまざまな人々が集まった。その会場の建物を封鎖した「DOG」は超巨大化した犬の群れを放ち、無差別な殺戮を行い、その模様を映像に収めて世界に配信しようとするのだった。
話の本筋は、品種改良によって生み出された怪獣が人間の倫理をあざ笑うという、パニックものの王道的作品である。物語の始まりから最後まで、とにかく人が犬に殺される。日本の小説で、これほどの人数が殺される作品は珍しいだろう。しかも、主要登場人物や「いい人」も容赦なく被害に遭う。まさに「突き抜けた」恐怖小説である。
人が犬に殺されるなんて耐えられないという方には絶対にオススメできないが、一般的なホラーやパニックものが好きというかたにはオススメしたい。

iisan
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