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ジャッジメント



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【この小説が収録されている参考書籍】
ジャッジメント
ジャッジメント (双葉文庫)

ジャッジメントの評価: 6.67/10点 レビュー 3件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.67pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

「目には目を」で救われるのか?

脚本家を経たのち、タイトル作「ジャッジメント」で小説推理新人賞を受賞した女性作家のデビュー作。犯罪被害者の遺族が被害者と同じ方法で加害者に復讐することを合法とする「復讐法」が成立した社会で、人々はどんな行動をとるのかをテーマにした、挑戦的な連作短編集である。
「復讐法」とは、治安の維持、犯罪予防、被害と加害の公平性を求める社会の声に応えて成立したもので、被害側が加害者から受けたのと同じことを刑罰として合法的に執行できるという法律である。ただし、復讐する側は自分の手で刑罰を執行しなければならないという制限がある。「大切な人を殺した者を同じ目に遭わせてやりたい」という素朴な感情が沸騰するとき、人は何を考え、どう振る舞うのか。法の執行をアシストする「応報監察官」を主人公に、5つの犯罪、5つの復讐の物語が展開される。
被害と加害の公平性とは何かという永遠に解答が得られそうもない重いテーマを、ミステリーとして構成しようとした意欲は大いに評価できる。ただ、このテーマでは古くから優れた先行作品があり、それを超えるのはかなりハードルが高い。本作も、因果応報、自業自得、被害者自身の心の救済など重過ぎるテーマに引きずられて主人公が泥沼に落ち込んだ感が否めず、ちょっと残念な結果になっている。全5本のうち「サイレン」、「ジャッジメント」の2作は完成度が高い。
謎解きミステリーではなく、罪と罰を考える社会派のエンターテイメントであり、例えば死刑制度について一度でも考えたことがある方にはオススメする。

iisan
927253Y1
No.1:
(7pt)

復讐の恐ろしさ

- [ ] よくドラマで『あいつをこの手で』なんて言いますが。人を殺せば、その被害者の遺族は、加害者を自らの手で始末できるという『復讐法』をテーマに、刑の執行を見守る監察官の視点で書かれた5つの連作短編集。復讐法の適用を選択すると、自らの手で加害者を被害者と同じような状況で始末できるというもの。このため後の執行を強く望む遺族、その適用の選択を躊躇う遺族など様々。復讐は、する側もされる側も、そして見ている側もみんな辛い残酷なものと、改めて思うとともに、自分だったら?と思わず考えさせられました。

タッキー
KURC2DIQ

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