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(短編集)

終末のフール



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【この小説が収録されている参考書籍】
終末のフール
終末のフール (集英社文庫)

終末のフールの評価: 7.25/10点 レビュー 12件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.25pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(7pt)

終末のフールの感想

惑星が衝突して世界が滅ぶまであと3年。
もっとドタバタした話かと思いきや人情ものでした。
短編集なので1話終わるごとに間が空いちゃって、読み終わるのにちょっと時間がかかりました。

Hidezo
GX0TU62Y
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

地球滅亡まで3年、人はどう変わるのか?(非ミステリー)

2004〜5年に雑誌掲載された8本の連作短編集。8年後に小惑星が衝突し地球は滅亡すると予告されてから5年後、仙台市のとある団地に住む(逃げないで残った)人びとが織り成す、8つのドラマ。突拍子もない前提の世界だが、人間らしさとは何かをゆっくりと分からせてくれるヒューマン・ドラマである。
予告が発せられた当初は人びとは混乱し、パニックによる暴動や事件が頻発したのだが、5年も経つと多少は慣れてきて、世の中は不安をはらみながらの小康状態が続いていた。団地に住んでいるのは、それぞれの事情があって逃げなかった人たちで、常にあと3年の期限を意識しながら、それぞれの日々を過ごしている。8つの物語、それぞれの主人公は死と隣り合わせの世界で、家族について、生きる意味について、将来(!)について、地球滅亡の予告など無い世界の人びとと同じように悩み、考え、行動して行く。その、皮肉な見方をすれば無駄な努力が、とても尊いものに見えてくる。設定自体はSF的なのだが、物語はまさに現在の社会を反映したヒューマン・ドラマである。
死を目前にした終末の物語だが、内容はとても明るく、ユーモラスで、良質なエンターテイメント作品である。ミステリー・ファンに限らず、幅広い読書ファンにオススメしたい。

iisan
927253Y1
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

終末のフールの感想

伊坂に作品はお気に入りで、デビュー当時より読みついでいる。

この作品も期待にたがわず楽しめるが、他の作品と少々違うのは、バックグラウンドに音楽が流れていないのと、明確な悪役が存在しないこと。

彼の作品には、いつも何らかの音楽がながれているが この作品は無音である。

それは隕石(※)が近づいてくるヒューっていう音がある為なのか。。。

あと悪役にしても同じで、隕石があまりにもその悪が大きすぎて、ヒトレベルでの悪役は不要ということなのか。

というわけで、他の作品と少々異なるものの、伊坂ワールドは健在である。



当作品は、地球に隕石が到来し人類が滅亡するまであと3年という世界で生きる人々の生き様を表わす連作短篇集。

というわけで、大した内容はない。隕石というSFチックなストーリーベースになっているものの、それに対する言及も追求もあまりなく、あくまで 隕石が襲来し人類が滅亡するという一つの事実をバックボーンにあり 短編間を繋げるキーワードにあるだけで、メインストーリーではない。

8年後に隕石襲来して人類は滅亡すると発表された5年後の世界であるが、発表当時の混乱は収まったものの、今はある程度ひと息ついた状態にある。

この間 暴動などで殺されて死んだもの、絶望して自殺したものとある程度死ぬ運命のものは淘汰され、残るべくして残っている人たちの世の中で、彼らが残りの時間をどう生きるのかをリアルにとはいえ淡々を記されている。

状況としては、最悪。

とはいえ ほんのりと明るい未来が想定されているところに、伊坂的ハッピーエンドなのではないだろうか。



あと、この作品、珠玉の言葉満載です。  了

とも
4ND5R58B

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