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無垢の領域



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【この小説が収録されている参考書籍】
無垢の領域
無垢の領域 (新潮文庫)

無垢の領域の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

弱くて、狡くて、空回りする男と女(非ミステリー)

2013年に発表された長編小説。文庫本には心理サスペンスとあるが、心理小説ではあっても、サスペンス作品ではない。
釧路の図書館長に赴任してきた30代の男、その妹で発達障害と天才的な署の才能を併せ持った25歳の女、地元で書道教室を開いている40代の男、その妻で高校の養護教諭を勤める40代の女。この4人を主要な登場人物として、舞台となった釧路の霧と寒風のような重苦しくて悲しい心理ドラマが展開される。25歳の女の純粋さが、周りの3人の心の弱さをあぶり出し、それぞれに卑屈さを隠す狡猾な言動とわずかなプライドでお互いを傷つけ合って行く。
どこにも逃げ道が無い重いストーリーなので、男と女の恋の話を読みたい読者にはオススメできないが、恋に育ち損ねたビターな物語がお好きな方にはオススメだ。桜木紫乃の救いの無い世界は、一度ハマるとクセになる。

iisan
927253Y1

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