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カッコウの呼び声 私立探偵コーモラン・ストライク



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カッコウの呼び声 私立探偵コーモラン・ストライクの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

イギリス版ハードボイルドは・・・

「ハリー・ポッター」シリーズのJ.K.ローリングが別名で書き始めた「私立探偵コーモラン・ストライク」シリーズの第一作。イギリスの作品では数少ない私立探偵もので、アメリカの私立探偵ものとの共通点、相違点が面白い。
アフガニスタンで足首を吹き飛ばされて軍隊を引退し私立探偵を始めたストライクは、ビジネスは下落の一途をたどっており、私生活でも超美人の恋人に振られ、住まいを追い出されるというどん底にあったとき、少年時代の親友の兄が訪ねてきて、「三ヶ月前に自殺したとされている妹は殺されたのではないか、調査してもらいたい」という依頼を受ける。依頼者の妹はイギリスのトップモデルとして有名で、その死は大きな話題になっただけに自殺という警察発表に疑問はないと思っていたストライクだが、高額の調査費に引かれて調査を引き受けることにした。死亡した妹の周辺調査から彼女を利用しようとしていた様々な人物が浮かび上がり、他殺の可能性が捨て切れなくなってきた。
トップモデルと兄はともに養子で、複雑な家族関係、人間関係を抱えていた。一方、ストライクも有名ロックミュージシャンの婚外子で、家族に関する屈折した思いを抱えており、全編を通して単純なハードボイルド物語にはなりきれない、ヒューマンドラマの柔らかさが感じられる。さらに、臨時の派遣秘書として雇われたロビンが色気だけではない華やかさと優しさを添えている点も、人情物語としての完成度を高めている。
犯人探しの点では最後にややご都合主義なところもあるのだが、ミステリーファンにも十分に楽しめるだろう。殺伐としたアメリカン・ハードボイルドに忌避感を持つ人にもオススメしたい。

iisan
927253Y1

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