■スポンサードリンク


怒り



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
怒り(上)
怒り(下)
怒り(上) (中公文庫)
怒り(下) (中公文庫)

怒りの評価: 8.50/10点 レビュー 8件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.50pt

■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(10pt)

怒りの感想

本作は普通のミステリではない。殺人事件自体やその犯人像についてはあまり掘り下げず、登場人物たちの葛藤を描いている。本作のテーマは『信じること』になるのだろうか。この作品は良い意味で裏切ってくれた。

BOY
IM7XWAPW
No.3:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

怒りの感想

この作者の作品は「悪人」に次いで2作目。
「悪人」もそうだったのですが、この作品もどこか淡々と物語が進みます。
表面に露見する事こそないのですが、登場人物の内面にグツグツと煮えたぎっているような感情をすごく上手く表現できる方だなと思いました。
ですから読後しばらくかなりその余韻に浸れますし、印象にもずーっと残っているって感じの作品です。
こういう作品を読ませてくれる作家さんってそういないように思いますね。

凶悪殺人犯が逃亡中で日々報道される中、異なる3地点に全く無関係で前歴不詳の3人の男を登場させ、そんな彼らと関わる人々を描いた物語です。
それぞれの場所で、ただ人に言えない過去を持つというだけで、周りの人間達とも何の問題もなく過ごせている3人。
「もしかしたらこの人・・・」という思いから破綻していく人間関係。
「人を疑う」事に対する覚悟やその重さ責任、そういうものを表現したかったのでしょうね。
私には犯人の「怒り」の理由が結局分からなかったのですが、簡単じゃないというか難しいというか、こういうのも読後の余韻に浸れていいですね。

梁山泊
MTNH2G0O
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

怒りの感想

著者初読み。ミステリー要素は薄く、社会派ヒューマンドラマでした。刑事の恋人含めて、4人の不審人物が現れます。それぞれ、信じたいけれど信じきれない、切なく、哀しい関係が続きます。冒頭の殺人事件の犯人は誰なのか?他の人達にはハッピーエンドは待っているのか?そして「怒」の文字が残された理由は、タイトル「怒り」の意味は?様々な謎に引っ張られてラストまで一気に読みました。皆さんどう感じるんでしょうか?、私は重いテーマの割に凄く楽しめて、面白かったです。ラストはしばらく余韻に浸りました。おススメしたい作品です。

なおひろ
R1UV05YV
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

人を信じることの難しさ

吉田修一の最新作。単なる犯罪小説を超えた、読み応えのある人間ドラマである。
八王子郊外の新興住宅地で夫婦が惨殺された事件から一年、犯人は特定されていたが未だ所在不明のため、捜査本部は未解決事件を特集するテレビ番組に情報を提供して写真を公開し、集まった情報を一つ一つ潰すという地道な捜査に取り組んでいた、というのが、ストーリーの本筋。それに絡めて展開されるのが、外房の港町で暮らす父と発達障害の娘の親子、東京で自由を謳歌しているゲイのエリートサラリーマン、母親と二人で福岡から夜逃げして沖縄の離島に流れ着いた女子高校生、という三組の人間が出会う愛情と信頼を巡る三つのドラマである。
三組それぞれに前歴不詳の男が出現し、三組それぞれが「逃亡中の男ではないか?」という疑惑を持ちながら、それを否定したい気持ちも強く、苦悩する。また、捜査本部の刑事も、付き合っている女性の過去が分からないことに悩んでいた。
家族であれ、恋人であれ、ほんの小さな疑惑が生まれたとき、人を信じきることは極めて難しくなる。それでも、人は人を信じなくては生きていけない。「悪人」が気に入った人には絶対オススメだ。

iisan
927253Y1

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!